最上温泉郷 赤倉温泉 旅館いづみ荘<山形県>
赤倉温泉のいづみ荘は、鳴子温泉郷のお隣、最上温泉郷にある、全7室、家族経営の小さな温泉宿です。
2016年の年末、鳴子温泉郷に2泊した後に電車で少し移動して、こちらの赤倉温泉にやってきました。いづみ荘さんで一泊した後に、帰省のため、山形県内の実家に向かう予定です。
写真は、宿泊した部屋の窓から眺めた雪景色。
鳴子温泉街では雪はほとんど積もっていませんでしたが、赤倉温泉ではやや積もっておりました。ただ、これでも例年に比べるとかなり積雪は少ないそうで、近所にあるスキー場がなかなかオープンできずに困っているとのこと。
かけ流しのお湯と品数豊富な食事がすばらしかったいづみ荘さんでの宿泊について、レポートしたいと思います。
赤倉温泉と言えば新潟県が有名だが、山形県内にも赤倉温泉はある
「赤倉温泉」って、今回初めて来たはずなのですが、どこかで聞いたことがあるよなあと思ったら、新潟県にも同じ漢字で同じ読みの「赤倉温泉」という温泉地があったのでした。
私も2016年の夏に、妙高山登山の際に新潟県の赤倉温泉に宿泊しています。
そのときの宿泊レポートがこちら。あまり期待しないで泊まったのですが、めちゃめちゃいい宿でした。
新潟県の赤倉温泉はスキー場がかなり大きく、冬はスキー客で賑わいますし宿の数も多いので、おそらく一般的には山形県の赤倉温泉よりも有名なんではないでしょうか。
山形県の最上町にある赤倉温泉は、陸羽東線の赤倉温泉駅から少し離れたところにあり、旅館の数は全部で9つというこぢんまりとした温泉地です。
最寄りの駅から温泉街までは車なら5分弱ですが、徒歩だと37分かかるとのこと。
37分。。。気候のいい時期なら歩けない距離ではありませんが、この日の天気は下り坂で、今にも雪が降り出しそうでした。
なので無理をせず迎えを呼ぼう!と思い、鳴子温泉駅から電車に乗る前にいづみ荘さんに電話して「○時に赤倉温泉駅に着くので迎えに来てもらえないでしょうか?」とお願いしました。
楽天やじゃらんのいづみ荘さんの基本情報を見ると「送迎あり ※赤倉温泉駅まで送迎いたします」と書いてあったので、たぶん大丈夫だろうとは思っていたのですが、特に問題なく、車で迎えに来てもらうことになりました。
赤倉温泉駅は無人駅で、駅舎と待合スペースはありますが、暖房などは特にありません。
なので電車の到着時間に合わせて迎えに来ていただけたのは、とてもありがたかったです。
駅前にも、特に時間を潰せそうなお店などはないようでした。
迎えの車に乗って、まっすぐ宿に向かいます。
いづみ荘さんの玄関です。
玄関の目の前で迎えの車を降り、玄関の目の前で送りの車に乗ったため、実は玄関や建物の写真を撮り忘れてしまいました。
なのでこちらの写真は、宿の公式サイトからお借りしています。それでこの写真は雪が写っていないのです。。。
玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えます。
よくある、宿の名前が入っているスリッパではなくて、家庭用のスリッパなところが何か素敵。
足裏のところに滑り止めがついているスリッパだったので、靴下で履いても脱げにくくてよかったです。
玄関前のロビーにはソファが置いてあり、くつろげるようになっていました。
私は、フロントで宿帳を書くということもなく、すぐに部屋に案内されたので、こちらのロビーにはまったくとどまることがなかったのですが……日帰り入浴客の待ち合わせなんかに使われるのかもしれませんね。
「寒いでしょうからすぐお部屋にご案内しますね!宿帳もお部屋で大丈夫です」と言われ、さっそく部屋に案内していただきました。
【部屋】★★★★ 1人ではもったいないくらい広く、清潔な部屋
今回宿泊した部屋は2階の梅の間。8畳の和室です。
客室は、2階に4部屋と、浴室のある地下1階に3部屋あるんですね。
地下は、お風呂が近いのはいいけれど冬は寒そうな気もするので、2階でよかったです。
宿泊した2階の廊下。手前に見えるのが宿泊した梅の間のドアです。
小さな宿だと共用部分に宿の備品が置いてあったりしますが、いづみ荘さんの廊下はすっきりと整頓されており、清潔でした。
宿泊した梅の間の室内はこちら。
8畳の和室です。
公式サイトを見ると「冬期間はこたつを用意している」と書いてありましたが、年末のこの日はこたつになっていませんでしたね。
座卓の上にはお茶セットが。
ポットが湯沸かしポットでなかったのはやや残念ですが、お茶請けのおせんべいは、ほんのりと甘くておいしかったです。
後ろに内線電話が見えますね。外線にはつながらないようですが、フロントに用があるときはこちらで電話することができます。
浴衣、羽織、バスタオル、フェイスタオル、歯ブラシのセット。
空のグラスと栓抜き、箱ティッシュ。
それとなんと、延長コードがあります!素敵。。。
宿でデジカメだの携帯だのいろいろ充電していると、コンセントが足りなくなってしまうことってけっこうあるんですよね。1人だとさすがに少ないですけど、2人以上で泊まるときはタップを増やせる延長コードが置いてあるのは非常に便利!
ただ、インターネット環境は無線・有線共にありません。
携帯の電波は普通に通じますので、パソコンを利用したいのでなかったら、特に問題にはならないとは思いますが。
冷蔵庫は空で、買ってきたものを冷やすことができます。
鳴子温泉の酒屋さんで買ってきたクラフトビールの瓶を冷やしておき、お風呂上がりにいただきました。
鳴子温泉では「鳴子の風」というクラフトビールはよく見たんですが、こちらのビールは初めて出会いました。
製造元は「鳴子の風」と同じところみたいですね。
オレンジの果汁が入っているので、ほんのりと甘酸っぱく、とてもおいしかったです。
いづみ荘さんのお部屋は、室内に洗面所とトイレはなく、共用になります。
トイレはウォッシュレット付きできれいだったので問題なし。
洗面所に向かおうとすると、途中の廊下に週刊誌などが置いてあるスペースがありました。
あまり多くはないですが、部屋で暇を持てあますようなときには便利ですね。、
洗面所は水しか出ないのですが、きれいでした。
まあ、温泉浴室に宿泊中いつでも入れるので、顔を洗ったりはお風呂でやればいいわけで、洗面所は歯を磨くときぐらいしか使わないので水で十分です。
それでは、次に浴室に行ってみたいと思います♪
【風呂】★★★★☆ 新鮮そのもののかけ流しの浴室を貸切で楽しめる
浴室は地下1階にあります。エレベーターなどはないので階段で。
手前が女湯ののれんで、奥に男湯があります。男女の浴室の交代はありません。
おや、のれんのところに何か札がかかっていますね。
「女性の方ご利用ください 貸切」とのこと。
ああ、そう言えばチェックインのときに「お風呂に入るときは中から鍵を閉めて、貸切で入っていいですからね」と言われていたんでした。
しかし、公式サイトを見たとき「浴室貸切は有料(1グループ30分1575円)で受け付ける」旨が書かれていたのに、そんなにフリーダムに貸切にしちゃって大丈夫なのかしら。。。
心配になって予約したプランを確認してみると、私が予約したプランは「貸切風呂30分無料」という特典が最初からついているプランではあるようです。それにしても……いいのか……?
心配になりつつも「貸切にしていいって言われたもんね!」と信じて脱衣所に入り、内側から鍵をかけます。
脱衣所。
脱衣カゴと体重計とイス。
脱衣所内の洗面所。壁にドライヤーがついていたのですが、動きませんでしたw
まあ、この壁にくっついてるタイプのドライヤーって大抵風力が弱くて使い物にならないし、壊れてるならきっと、別のものを借りれるんだよね……?
アメニティ的なものはありませんが、綿棒とコームが置いてありました。
ではいざ、浴室へ。
ボディシャンプーとシャンプーと、リンスインシャンプーw
どうせなら同じシリーズでシャンプーとコンディショナーを揃えればいいような気がするのですが、なぜか異なるシリーズの「シャンプー」と「リンスインシャンプー」が置いてありましたw
私は、自前のシャンプーとコンディショナーを持ってきているのでいいと言えばいいのですが、なんでこういう組み合わせなんだろう。。。
シャワーは水量の強さも十分あり、普通に使えました。浴室は全体的にとても清潔です。
洗い場の反対側に浴槽がありました。
浴槽とシャワーがそれなりに離れているので、おそらくよほど激しいシャワーの使い方をしなければ、体や髪を洗った泡が浴槽に流れてくるようなことはなさそうでいいですね。
小さめの浴室だと、シャンプーの泡が浴槽に流れこんでくること、けっこうあるんですよね。。。
では、入ってみましょうか!
家庭用の浴槽の2~3倍ぐらいの大きさの湯船。
ぴりっと熱く、新鮮さが感じられるいいお湯です。温度は41度ぐらいかな?半身浴ならそこそこ長湯できそうでした。
脱衣所や館内には源泉分析表は見当たりませんでしたが、ホームページを見ると「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉」だそうです。
ホームページには「透明なお湯から立ち込める強い芒硝臭がありますが、一度入られると癖になるお客様がいらっしゃるぐらいの特徴的な温泉です」との記述があるのですが、芒硝臭とはいったいなんぞや。。。
入っていてもそれほど特徴的な香りはしないのですが、しいていえばほんのり、硫黄っぽい香りがするような。
でもたしかに、よく温まる、いいお湯です!
かえるの置物が、リアルなやつとかわいいやつと両方ありましたw
お湯には特に湯の花が浮かんでいたりもせず、透明な濁りのないお湯なんですが、湯口にはものすごい量の温泉成分がこびりついていました。
つまり、これだけの温泉成分がお湯の中に溶け込んでいるということですよね。。。
いいお湯なわけだよ……うん。
貸切でのんびりとすばらしいお湯を楽しみました。
お風呂を上がった後、フロントに内線で「脱衣所のドライヤーが使えなかったので、ドライヤーをお借りできないか」と聞いてみたらしばらくして、部屋に持ってきてくださいました。
「そんな立派なドライヤーじゃなくて申し訳ないんですが」となぜか謙遜されたのですがw、なんの、十分ですよ!脱衣所にあったやつより、これのほうが風量あるし。
いづみ荘さんは家族経営の宿で、道路を挟んだお向かいにご自宅があるようなのですが、なんとなく、ご自宅から持ってきてくださったような雰囲気でした。ありがとうございました!
【食事】★★★★☆ 個室でいただく夕食は、品数豊富で味も良い!宿泊費を考えるとかなり豪華
夕食は、宿泊していた部屋の隣の部屋に用意してくださいました。
快適!!
料理は、ご飯とお吸い物以外は最初から並べてありました。
天ぷらも並んでいるのはやや残念ではありますがwでも、かなり豪華です!興奮!!
それもそのはずというか、今回私がチョイスした宿泊プランは「山形牛のしゃぶしゃぶorすきやき付、郷土料理満足コース!」です。
いづみ荘さんの料理のコースは、量が少ないほうから「お手軽プラン」<「堪能プラン」<「満足プラン」の3段階に分かれており、さらにそれぞれのプランに「すきやきorしゃぶしゃぶ」を付けるかどうかが選択できます。
一番量が少ない「お手軽プランのみ」だと、湯治宿風のメニューで、休前日であっても料金アップはなく、6000円強で泊まることができます。
そして私が今回選んだのは最も料理が多いプランで、税込11880円でした。わりとよく食べるほうなんでね。。。
料理の量や内容を、好みによって細かく選べるのもすばらしいし、休前日の料金アップがないのもほんとにありがたいなと思いました。ちなみに、1人泊の料金アップもありません!
「飲み物はどうなさいますか?」と聞かれたので、何があるかを聞いたところ「ビール、日本酒、ウィスキー」みたいな感じで口頭で説明されました。
お酒の種類に力を入れてる感じではなさそうだったので、とりあえず熱燗をお願いします。
冬に温泉でいただく熱燗は、こたえられないねえ。。。
お刺身とカニ。
刺身が貝と海老で、まったく魚がないことにちょっと驚いたのですが、これはこれでおいしいです。
焼き物揚げ物にもやたら甲殻類が多く、でも、どれもおいしいです。
天ぷらは、レンコンに海老しんじょうを挟んだもので、味はおいしかったんですが、だいぶ冷めていたのがちょっと残念。
この、魚の蒸し物がかなりおいしかったです。
野菜料理も、どれも熱燗によく合うものばかりでした。
メインは山形牛のしゃぶしゃぶ。
こちらもほどよくサシが入っており、おいしかったですよ♪
最後に、ご飯とお漬け物、はまぐりのお吸い物。
お米もおいしいです。
デザートにいちごをいただいて、ごちそうさまでした!
正直、かなり満腹でしたw
朝食は、基本を押さえた和定食、という感じ。
紅ザケ、 納豆、明太子という、ご飯のすすむおかずがそろっています♪
つやつやのだし巻き卵も美しく、味もおいしかったです。
しらすおろしとおひたし。
ご飯とワカメのお味噌汁。
朝のお漬け物が白菜なのも泣かせますね!梅干しがついているのもうれしいです。
朝食をいただいて部屋でまったりし、電車の時間に合わせて、また、車で送迎していただきました。
【再訪したい度】★★★★★ 食事がおいしく、お湯がよく、サービスが温かいすばらしい宿
実は、この宿に泊まったのは年末も年末、12月30日でした。
12月29日から年末年始の特別料金にしてしまう宿がほとんどだと思うのですが、そんな中、いづみ荘さんはなんの料金アップもなく、普段どおりの料金で受け入れてくださり、本当にありがたいなと思いました。
こちらの宿がなかったら、おそらくもう1日早く、実家に帰っていたでしょうw
お部屋も本当に暖かく快適で、なんの不自由も感じませんでした。
ちょっと残念だったのは、完全に私のほうの問題なんですが、これまで別の宿で2泊した後、旅の最後に泊まったのがこちらの宿だったため、やや胃腸がお疲れ気味だったということでしょうか。
いつか再訪して、今度は万全な体調で、いづみ荘さんのおいしい料理をいただきたいです。
さて、最寄りの赤倉温泉駅に車で送っていただきましたが……少々早く着きすぎたようです。
ホームは吹きっさらしの雪の中♪
電車の時間が近づくまで、待合室で待つことにしました。
暖房などはないのでやや寒いです。
ほぼ定刻どおりに来た陸羽東線に乗り、実家方面へ向かいます!
が、最後にちょっとだけ、新庄駅で寄り道する予定です♪