もとは温泉旅館だった、最高にお湯が良い熱海の日帰り温泉施設
日航亭大湯は、「大湯温泉旅館」という名称で明治33年に創業した、熱海でも老舗の温泉旅館でした。
戦後に日本航空がこの宿を買収し、保養所としていましたが施設老朽化のため競売にかけられ、現在は日帰り温泉として営業しています。
日本航空とは現在は何の関係もないのですが「日航亭」という名称は当時の名残だそうです。
熱海は大型の旅館が多く、日帰り入浴をするには落ち着かなかったり、泉質の面では物足りないことが多いと思っていたのですが、こちらのお湯は本当にすばらしいのです!最初に入ったのは10年ぐらい前だと思うのですが「熱海のお湯ってこんなにいいお湯だったのか!」と感動したし、今でも入るたびにそう思います。
駅からもギリギリ歩ける距離にあるので、伊豆方面に出かけた際は必ずと言っていいほど熱海で途中下車して日航亭大湯に寄って帰ります。
あまり混んでほしくないぐらいお気に入りの日帰り温泉ですが、レポートしてみたいと思います。
※2022年2月、営業時間や定休日、施設情報を変更し、浴室や休憩所の写真を追加しました
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
熱海駅前の蕎麦屋で一杯飲み、カフェで酔いをさましてから温泉へ
伊豆の温泉旅館に一泊した翌日、東京に戻る途中に熱海で途中下車した私は、駅前の蕎麦屋さんへ。
蕎麦前も蕎麦もお酒も大変おいしいお店で、休日は店の前に列ができる人気店ですが、空いているタイミングを狙ってまた絶対行きたいすばらしいお店でした。
その後は、駅前の古民家リノベーションカフェでコーヒーをいただいて少し酔いをさまします。
こちらも人気のお店で、看板メニュー(?)のスコーンは既に売り切れでした。もっと早めの時間にまた行こう……。
カフェを出た後はアーケード街を通り抜け、日航亭大湯を目指します。
徒歩14分とそこそこ歩きますが、アーケードを抜けた後もお店の多い通りを歩くので、退屈しないです。
駅から10分ほど歩いて、大通りから1本奥に入ると熱海七湯 大湯間歇泉の前を通ります。
かつては地面が揺れるほど湯と蒸気が激しく噴き出した間歇泉だったそうですが、現在は人工的に湯と蒸気を噴出させているそうです。
間歇泉の前を通り過ぎると、周囲に緑が多くなってきます。
右手に温泉神社が現れたら、日航亭大湯はすぐそこです。
神社の向かって左側の道の奥に、看板がありました。
神社の手前の駐車場に、大湯利用者のための駐車場が7台ぶん、あるようです。
着きました!
では、中に入ってみたいと思います。
日航亭大湯の営業時間・定休日・入浴料金(2022年2月更新)
日航亭大湯の営業時間は午前9時から午後6時(最終受付午後5時)、定休日は毎週火曜日です。
入浴料金は大人1000円、子供500円。
受付に申し出れば、この基本の入浴料金で貸切風呂も40分利用できます。
無料で利用できる貸切風呂がありましたが、老朽化のため閉鎖されました。
また、無料の休憩室もありますが、2時間2000円で個室での休憩も可能です。
コインロッカー&貴重品ロッカーは100円が戻ってこないタイプ
日航亭大湯では、靴置き場に靴用ロッカー、休憩所の前に貴重品ロッカー、脱衣所内に少し大きめのコインロッカーがあり、いずれも100円で利用可能ですが、すべて「100円は戻ってこないタイプ」です。
私は、浴室内のコインロッカーに財布などの貴重品だけを入れるようにしています。かばんごと入れてしまうと「あ!○○を出し忘れてロッカーに鍵をかけちゃった……」というとき、100円が無駄になってしまうからです。
【風呂】★★★★★ やや熱めのお湯が最高にすばらしい!基本料金で貸切風呂も利用可能
雨の日も楽しめる、広い露天風呂がある奥の浴室
大浴場は2つあり、男湯と女湯は日替わりで交代になります。
この日は奥のほうの浴室が女湯でした。
手前の男湯ののれんの前を通り抜け、女湯となっている奥の浴室へ。
扉を開けると広い脱衣所。
鍵付きロッカーは大きいサイズの物も100円で利用できますが、100円は戻ってこないので注意が必要です。また、100円がないと利用できないので、使う方は小銭を用意しておきましょう。
ドライヤーは、Panasonicの青いやつ。これはなにげに優秀なので好きなドライヤーです。
洗面台にもドライヤーと、共用の櫛が。
しかし、特に消毒されているわけでもないので、私はこの櫛はあんまり使いたくないですね……気になる方は、必要なら持参しましょう。
洗面所周りには特にアメニティ的なものはありません。
洗面台の左側に内湯への入り口、右側に露天風呂への入り口があります。
内湯と露天風呂はつながっているので、脱衣所を通らなくても移動可能です。
内湯へ。休日は特に、いつでも混んでいるのですけど、奇跡的にこのとき脱衣所も浴室も私だけでした。
浴槽の手前に洗い場があり、リンスインシャンプーとボディシャンプーが置かれています。
洗い場の数も十分、シャワーの水量も問題ありません。
実は、数年前に来たとき「洗い場の椅子やシャワーのホースの汚れが気になるなあ」などと、小姑のようなことを思ったことがあったのですが、最近はいつ来てもきれいでうれしい。
体を洗って浴槽へ。たっぷりのお湯!うれしい!!
高温の源泉ですが、水で薄めることなく源泉100%でかけ流されています。
それゆえ、湯口から流れ込んでくるお湯の量は少量ですが、浴槽内のお湯はなまっているような感じはなく、とても新鮮です。
42~43度はある熱めのお湯ですが、とても気持ちいいです。
私はどちらかと言えばぬる湯でのんびりするのが好きなタイプなんですが、新鮮ないいお湯だと、熱めでもそこそこ長湯できてしまうから不思議です。
しばらく内湯を堪能してから、浴槽の奥にある扉を通って露天風呂へ。
露天は屋根はついているものの開放感があってなかなかの広さです。
屋根があるので雨の日も露天風呂を楽しめますし、雨でお湯がぬるくなってしまうこともないからいいですね。
こちらもお湯はちょろちょろと出ていますが、内湯よりは少し投入量が多い感じがしますね。
外の空気が暑くなく、風はひんやりとしているので露天風呂が気持ちいいです。
虫もいないですしね。熱い源泉なので、冬の露天風呂も最高なんですよね……。
露天にも一応、内湯と同様の洗い場が2つ付いています。
脱衣所から直接露天に来ても、ちゃんと体を洗えるのはいいですね!
脱衣所に貼ってあった温泉成分の分析表がこちら。
源泉温度94.5度!使用場所での温度は42度。ナトリウム・カルシウムー塩化物泉です。
phは8.07でややアルカリ性です。
加水無し、加温・循環ろ過・消毒もオール無し!データを見ても「やっぱり」と納得できる、すばらしいお湯でした。
手前の浴室は広々とした内湯と半露天風呂
別の日に伺った際は、手前の浴室が女湯でした。
手前の浴室は、のれんのかかった扉を開けると、廊下です。
内湯の入り口につながる脱衣所と、露天風呂の入り口につながる脱衣所が別々になっており、その間に廊下があるんですね。
最初に来たときは「え?それじゃあ内湯から露天に行くときは脱衣所を移動しなきゃいけないの?面倒じゃない?」と思ったのですがそんなことはなく、内湯と露天風呂の間には裸で移動可能な通路がちゃんと付いていました。なので、どちらの脱衣所を使ってもOKです。
こちらは内湯側の浴室です。脱衣所が2つあるぶん、一つ一つはややコンパクトです。
100円が戻ってこないタイプの鍵付きロッカーと、Panasonicの青いドライヤー、共用の櫛など、設備は奥の浴室とまったく同じです。
このときは綿棒がありましたが、いつもあるのかはわかりません。
温泉成分の分析表も、奥の浴室と同じものでした。
源泉使用状況も、加水・加温・循環ろ過・消毒オール無しで同じです。
内湯は広く窓も大きく、全体的に奥の浴室よりもゆったりとした作りです。
シャワー着きの洗い場には、ボディシャンプーとリンスインシャンプーあり。
こちらの浴室には半露天風呂が併設されています。
見た目は内湯のようですが、浴室の奥のほうは外気が感じられる半露天風呂になっていました。
くつろげる無料休憩所あり
日航亭大湯には無料で利用できる広間があり、その前には自販機があってソフトドリンクやアルコール、アイスクリームなどを販売しています。
缶ビールの種類が多いのが個人的にはうれしいです。
広間内は禁煙です。
こんな感じで、広い和室に座卓と座布団がたくさん置いてある、日帰り温泉によくある休憩所です。
この日は外の風が気持ちよく、湯上がりに小一時間のんびりと過ごしました。
男性と女性で来たときなど、待ち合わせできるスペースがないとつらかったりするので、ありがたいですね。
【再訪したい度】★★★★★ 日航亭大湯に立ち寄りたいために、熱海で途中下車する私です
もう10年ぐらい、数限りなく通っている、ずっとここにあり続けてほしいと願っている、お気に入りの日帰り温泉です。
10年前に来たときは本当に「ザ・観光地」という感じで、大湯さん以外にあまり寄りたいお店もなかったのですが、最近はおいしいお店、気になるお店が増えてきたので、熱海に寄るのがいっそう楽しくなりました。
駅や駅ビルも、見違えるようにきれいになりましたよね。
駅ビルでは無料Wi-Fiも利用できますし、いい時代になったなあと。また、新しいお店も開拓してみたいです。
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