下諏訪温泉 旅館おくむら
長野県の下諏訪駅から徒歩7分ほどのところにある、全8室の小規模旅館です。
1人泊の際の追加料金や、休前日の追加料金がほぼなく、1年中いつでも2食付き1万円程度で宿泊できます。
看板がなかったら通り過ぎてしまいそうな、見た目は民家っぽい佇まいです。
2016年の2月にふるさと割クーポン5000円を使って、かなりお得に宿泊したのですが、通常料金でも十分にコストパフォーマンスの優れた宿だなと思い、2018年の2月に、1年ぶりに再訪しましたので、レポートしたいと思います。
全8室のうち5室が一人泊可能な、一人旅に優しい宿
旅館おくむらの最寄り駅は、中央本線の下諏訪駅です。
お隣の上諏訪駅は、タリーズコーヒーやお土産売り場があったり、多少観光地っぽさがある駅なのですが、下諏訪駅は売店と待合室があるのみの、静かな駅でした。
駅前には、電車到着の時間に合わせて、空車のタクシーが集まってくるようです。
毒沢鉱泉神の湯さんに宿泊した際は、ここからタクシーに乗りました。
旅館おくむらは、駅から徒歩7~8分の距離なので、歩いていけます。
前日にじゃらんで予約したんですけど、ちゃんと玄関前の黒板に私の名前がありました。
旅館おくむらのチェックイン時刻は、16時からとやや遅め。
中に入ると、宿のご主人に「寒かったでしょう?登山してきたの?」と声をかけられました。
翌日入笠山に登るつもりで、完全に登山の格好だったんですよね。
「明日登るつもりなんです」
と答えると「今日は、みんな山の人ばかりですよ」と言われました。山好きが集まる宿なのかしら……。
宿のご主人は「入笠山は夏に車で行くぐらいで、登ったりしないよー」とおっしゃっていて、特に登山をされるわけではなさそうだったんですけどね。
お部屋に案内していただき、お茶を淹れていただきます。
室内や浴室の説明をしていただき、夕食の時間の希望を聞かれました。
夕食は、18時以降で用意していただけるそうなのですが「昼食がちょっと遅かったので、少し遅めにしていただいても大丈夫ですか?」と聞いたら、19時スタートになりました。わりとフレキシブルに対応していただけるみたいで、ありがたかったです。
そう言えば、宿帳的なものは一度も書きませんでしたね。じゃらんで住所がわかってるから必要ないのかな。
【部屋】★★★★ 冬はこたつがあり全室Wi-Fi完備。実家のようにくつろげる
旅館おくむらの館内案内図はこちら。
今回、2018年の2月に泊まったのは、右下の赤い印がついている「牡丹」の部屋です。
6畳間に、3畳のベッドルームが付いています。
ちなみに1年前に泊まったのは隣の「葵」の部屋でした。
洗面・トイレ共同で、建物は新しくないと思うのですが、共用部分の床など、ピカピカに磨き上げられています。
トイレと洗面所は各階にあります。
トイレの照明は自動点灯式でしたので、夜中にトイレに行って「電気、どこ……?」となる心配はありません。
ちゃんと男女別のトイレで、ウォッシュレットも完備。とてもきれいに掃除されていました。
トイレの前に共同の洗面所もあります。
ハンドソープと紙コップ、紙タオルと、ドライヤーと洗面器が置いてありました。ちゃんとお湯も出ます。
2018年2月に泊まった「牡丹」のお部屋はこちら
こちらが、今回宿泊したお部屋です。
なんだろう、この実家感。。。
あれかな、こたつ布団の柄が実家っぽく思わせるのかもしれない。
旅館おくむらは部屋食なので、朝食も夕食もこたつでいただきます。
クローゼットの中に、浴衣、羽織、丹前と、フェイスタオル、バスタオルが入ってました。
浴衣の柄も、わりかしセンスいいと思う。
テレビも、まあまあ大きめのサイズなので、こたつに入りながらビールを飲みながらテレビを見てくつろげますね。あんまり小さい液晶だと目が疲れるのでね。。。
それとこたつのある宿って、夜にこたつをどけて布団を敷かなければならないとちょっともったいない感じがしてしまうのですけど、こちらの宿は寝室が別だから素敵。
部屋の隅に何やら扉がありまして。。。
開けるとここが、ベッドルームなんです!
ダブルベッドがどーんと置いてあります。
ちなみに、エアコンはこたつの部屋のほうにあるので、食事が終わったら扉を開けておいて、こちらの部屋も少し暖めたほうが寝やすいです。
電気毛布まで入れてくれるので、朝までほかほかで眠れました。
また、旅館おくむらは全室Wi-Fi完備です。部屋にパスワードが置いてあり、それを入力するとつながりました。速度も十分出るので、ブログ執筆もはかどりそうですね。
また、こたつの上には下諏訪の観光案内的なパンフレットもいくつかありました。正直、旅館においてある観光案内って役に立たないものもけっこうありますけど、ここに置いてあったのはなかなか、興味深いものでしたね。
下諏訪のカフェマップとか。
気になるカフェがけっこうありまして、後で立ち寄りましたよ。
それから、下諏訪の共同湯の案内も。
あれ、でも、私の大好きな「菅野温泉」の案内はなぜかないんですね。。。
菅野温泉は、下諏訪の共同湯の中では激アツじゃなくて入りやすい温度なので好きなのでした。
2018年2月に泊まった「葵」のお部屋はこちら
1年前に宿泊した「葵」の部屋も6畳間+次の間にダブルベッドが置いてある部屋でした。
しかし、葵の部屋はベッドルームとこたつの部屋の間に扉がないので、食事のときに鍋のにおいが寝具に付きやすいという欠点はあるかも。
姿見も置いてあり……なんとなく、おばあちゃんの家っぽいですね。
新しくはないけれど、不便なことはなく、とてもくつろげる部屋でした。
旅館おくむらは各部屋に冷蔵庫はない
もしかしたら、広いお部屋にはある可能性もありますけど、私が泊まった6畳+ベッドルームのお部屋には、冷蔵庫はありませんでした。
館内には自動販売機もないので、夜中に冷たいビールが飲みたくなったときはどうしたらいいのかな……?と思ったら、1階の玄関前に共同の冷蔵庫がありました!
ただこちらは、外で買ってきたものを入れておくタイプの共同冷蔵庫ではなく、ここに入っている飲み物は、伝票に名前を書くかお金を入れるかして飲んでいいよ、というやつです。
現金がある方は貯金箱の中へ。
ぴったりない方は伝票に名前を書いておけば、チェックアウトの際に精算してもらえます。
値段も、500MLペットボトルが160円、缶ビールが260円なので、良心的なお値段ではないでしょうか。
ラインナップはこんな感じ!
炭酸系にお茶、フルーツジュースに缶ビールと一通り揃っています。
旅館おくむらは漫画の蔵書がなかなか豊富
浴室に向かう途中に書棚があるんですが、漫画がたくさん置いてありまして。
たぶん、部屋に持っていって読んでいいんだと思うのですけど、なかなか興味深いラインナップでよかったです。
通路の左側に、本棚が3つぐらい並んでまして。
のだめカンタービレとか。
島耕作シリーズとか。
ヒカルの碁とか、こち亀とか。
美味しんぼとH2と、鬼平犯科帳とw
連泊して、こたつで漫画三昧するのもいいかもしれません。
さて、お風呂の前まで来ましたので、次は浴室の紹介をしたいと思います。
【風呂】★★★★☆ 24時間入れる内湯はぴりっと熱めの良泉
1階の奥に浴室があります。男女別の内湯です。
手前が男湯。奥が女湯。
男性が女湯の前を通らないのは何となく、安心感がありますねw
脱衣所と、ガラス扉の向こうが浴室。
脱衣所は、棚と脱衣カゴが並んでいる、シンプルな作り。
ドライヤーと紙コップとティッシュが置いてあります。
温泉分析書も貼ってありました。
ph8.7のアルカリ性。泉温は56度ぐらい。熱いお湯ですね。
ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉(アルカリ性低張性高温泉)
暑い日のみ加水、循環なし、消毒あり。
この日はおそらく、源泉100%でしょうね。
浴室へ。ちょっとレトロなタイル張りが美しい、昔ながらの内湯です。
浴室も、とてもきれいに掃除されています。
洗い場は3つ。シャンプー&コンディショナー・ボディシャンプーあり。
シャワーの水圧も十分でした。
体を洗って浴槽につかります。透明なお湯からはほんのりと温泉の香りが。
湯口には白い温泉成分がこびりついています。
いやー、いいお湯です。
この日は満室だったと思うのですが、女性のお客さんがもしかして少なかったのか、ほぼ独占状態で楽しめました。
さて、お風呂からあがったらお楽しみの夕食です!
【食事】★★★★☆ 名物の桜鍋はボリュームたっぷり!朝食もおいしい
旅館おくむらさんの食事はとにかくすごいです。
夕朝食ともに部屋食で、ベテランっぽい仲居さんが部屋のこたつの上にどんどん料理を並べてくれます。
旅館おくむらの2017年2月の夕食
こちらが、2017年2月に宿泊した際の夕食です。
夕食は、評判の良かった桜鍋プランで予約しました。
馬肉を、味噌仕立てのすき焼きのようにしていただきます。
たっぷりの馬肉。左側が馬刺しです。
岩魚の塩焼き。
おすすめの冷酒を1合いただきました。
野菜や豆腐もたっぷり。卵も1人に2個ついています。
右側のきのこおろしもおいしかった。
デザートは長野らしくりんごです。
写真で見たときはそんなにすごい量じゃないと思っていたのですが、実際は、鍋のお肉が思った以上に多かったです。
でも、味もとても良かったので、しっかりたいらげてしまいました。
〆はうどんだったのですが、必要ならご飯も出しますよー、と言われ……お断りしました。。。
ただ、冬で閉めきった中で桜鍋をやったので、その後換気してもずっと部屋の中に鍋の匂いがこもっていたのにはちょっと困ったかも。
部屋食は楽でいいのですが、匂いについてだけは難しいですね。
旅館おくむらの2018年2月の夕食
またしても、桜鍋プランで予約してしまいました。。。
今回、ドリンクメニューが前回宿泊したときと変わっていましたね。というか、前回は部屋にドリンクメニューがなかったように思うのですが(メニューがなかったので日本酒が飲みたいと言ったら、口頭で説明された)今回は、食事の前からちゃんと部屋に置いてありました。
前回はたしか、下諏訪にある酒造の「御湖鶴」のお酒が何銘柄かあったと思うのですが……。
製造元の菱友醸造が4月に倒産?破産?してしまったため、現在は「高天」という日本酒を中心に出しているんですね。
しかし、つい先日「御湖鶴ブランド復活かも?」というニュースが出ましたね。
Nagano Nippo Web » 「御湖鶴」ブランド引き継ぎ 福島の運送会社
個人的には御湖鶴は、純米酒のアルミ缶のワンカップがあるのが好きだったんですけど、あれも復活するといいな。。。
さて、今回の食事です!
同じ桜鍋プランだったのでだいたい同じでしたw
違ったのは前回、キノコおろし?のようなものが入っていた小鉢が、鯉の洗いになっていたこと。
うーん、しかし、このあたりの郷土料理なのでしょうけれど、鯉の洗いは小骨も多くて、わりと人を選ぶ感じはします。キノコのほうがおいしかったかも。。。
食前酒の梅酒もおいしい。
お酒は、高天の純米辛口をぬる燗でいただいたんですけど、まったくぬるくなくて……。
いや、熱いならまだいいんですけど、冷たかったw たぶん、常温のままだったと思います。
もう一回燗してもらうようお願いしようか迷ったけど、面倒でそのまま飲んでしまいました。が、やっぱりお燗がよかったな。。。
桜鍋のお肉は、今回もたっぷり!
まず一切れ、さっと煮て味わってから野菜などを入れるように教えていただきました。
ボリュームたっぷりの鍋は、今回もおいしかったです。。。
しかし、前回は「ご飯は必要だったら持ってきますので言ってくださいね」という方式だったのですけど、今回は頼んでないのに持ってこられてしまいました!困った。。。もうお腹いっぱいで食べられないよ。。。
というわけでご飯はほとんど手をつけずに残してしまいました。
デザートは今回もりんご。
ごちそうさまでした。
旅館おくむらの2017年2月の朝食
朝食も品数豊富でした。
卵焼きが、優しい味付けでとてもおいしかったです。
飲み物はりんごジュースでしたが、なんというか濃厚で新鮮な感じのりんごジュースで、おいしかったです。
旅館おくむらの2018年2月の朝食
あ、朝食は本当にまったく、同じだった。。。
卵焼きも相変わらずおいしいのですけど、焼き鮭が熱々で脂がのっていておいしい!
それと、ヨーグルトのジャムも手作りのりんごジャムだそうで、自然な甘みでおいしかったです。
食事にはコーヒーはつきませんが、モーニングコーヒーサービスがあるそうです。
今回も、100点満点のおいしい朝食でした。
【再訪したい度】★★★★★ コスパも居心地もよい、あたたかいサービスの宿
駅から近く、諏訪大社にも近く、予約も取りやすく、くつろげる部屋で食事は驚異のコストパフォーマンス。言うことないと思います。
家族経営の宿だと思うのですが、宿を出発するとき、ご主人がずっと手を振ってくれていて、恐縮しつつ、うれしかったです。
全体的にサービスがとても温かいと思いました。
ただ、温泉はそれほど特筆すべきことはないというか、お湯はいいんですけど露天風呂もないので、そういうのを求める方には物足りないかもしれません。
カップルの旅行というよりは、1人で来てひたすらだらだらするのに向いているように思います。あるいは、ひたすら仕事をするとか、ブログを書くとかw
チェックアウトの際、前回はキーホルダーをいただいたんですけど、今回はメモパッドをいただきました。
普通に使えそうな粗品だ。
また、こたつの季節に泊まりたい宿です。