温泉ブログ 山と温泉のきろく

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登山歴4年目、九州の山で出会った登山男子と鹿島槍ヶ岳でまさかの再会!【山で婚活できるかな?その3】

1度目の偶然はスルーできても、2度目はちょっと運命を感じる

単独登山女子の婚活登山シリーズ、最終回です!
なんか、こう書くとまるで、婚活するために山に登っていたみたいですが、そうではないです。

前回は、奥秩父の甲武信岳に山小屋泊で登った際の出会いについて書きました。

「奥秩父」という土地柄、首都圏在住の登山者が非常に多いので、家がそこそこ近い人と出会いやすかったんですが、今回ご紹介するのはそれとは真逆の、九州への遠征登山時の出会いです。

登山歴4年目 大分県祖母山で出会った相手と鹿嶋槍でまさかの再会

登山4年目の6月、金曜日に1日休みをとり、飛行機で大分空港に降り立った私。今回目的としている山は「祖母山」です。

飛行機での遠征登山のやっかいなところは、直前になって「天気が悪くて登れそうにない!」となっても、旅割などの早期購入割引きでチケットを入手していた場合、予約変更ができなかったり、キャンセル手数料が高額だったりすることです。

しかし、大分県は温泉天国なので、もしも山に登れなかったらそのときは温泉三昧すればいいや……というわけで半分旅行気分でやってきたのですが、案外天候にも恵まれました。

金曜日は別府に前泊して、土曜日は電車とバスを乗り継いで登山口に移動し、山頂直下の避難小屋に宿泊。日曜日の朝に下山して、その日の午後の飛行機で東京に戻る、というスケジュール。

初日は、別府のとよ常で名物の天丼をいただき。

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かなり量の多い天丼なんですが、想像以上に軽くておいしかった!

 

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市内の温泉で日帰り入浴をしてから、駅近くのビジネスホテルに宿泊。翌日の早朝に別府駅から電車を乗り継いで「緒方駅」に移動し、そこからバスに乗ります。

公共交通機関から祖母山に登れるルートは限られており、 1日3本しかない「尾平鉱山」行きのバスで登山口に着き、そこから「黒金山尾根」をまずは登ることに。

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笹藪だらけで暗く、後半は岩場もあってけっこうきついコースでした。 

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しかし、山頂からの眺めは美しく。

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縦走するのも楽しい山だと聞くのですが、いかんせん、交通機関がねえ。。。

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でも、ミヤマキリシマも咲いていて満足!

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この日は山頂から15分ぐらい下ったところにある、9合目の避難小屋に宿泊します。

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一応、シュラフとマットも持ってきていたのですが、週末ということもあって管理人さんが登ってきており、毛布もお借りできました。

泊まっていたのは5人ぐらいで、九州の方と関西の方。管理人さんが言うには「週末は関東の人もけっこう泊まってるんだけど、今週末はあなただけだね」とのこと。

翌日は小屋の前から日の出を眺めます。

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おそらく、山頂まで登り返せば障害物もなく、きれいな写真が撮れたとは思うのですが、私はこれで十分です。

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さて、これまでのケースだと、山小屋やテント場での停滞時に出会いがあることが多かったのですが、今回は違うんです。

簡単に朝食を食べて小屋を出発し、昨日の尾根とはちがう「宮原コース」で下山します。 

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正直宮原コースのほうがぜんぜん歩きやすくて眺望もよかった……もしまた登ることがあれば私は、宮原コースの往復にします。。。

帰りは水場の美しい道を通って。

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バス停まで戻ってきました。
バス停のそばに登山者のための駐車場があり、そこではさっき下山してきたと思われる男性登山者が1人、車のそばで帰り支度をしていました。

このとき時刻は朝10時30分ぐらい。私が昨日から登っていた祖母山の周回コースのコースタイムは8時間少々なので、車なら十分日帰りできるのですが、早朝から登ってもう下りたんだとしたら早すぎでは……。小屋にはあの人は泊まっていなかったよなあ。

などと考えているうちにバスが来たので乗車し、そこから電車を乗り継いで別府へ。

日帰り入浴をして汗を流してからバスで大分空港に向かい、空港で一杯いただいてから搭乗します。 

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疲れたけど、いい登山だった……と思いながら羽田空港に着きました。

羽田空港で……あれ?あなたは!?

手荷物受け取り場で登山リュックを受け取り、出口に向かおうとしたときにふいに声をかけられました。

「あれ?さっき祖母山で……」

驚いて振り返ると、駐車場で帰り支度をしていた人でした。

「ああ!駐車場にいた方。車だったしてっきり九州の方だと思ってましたよ」

「向こうでレンタカー借りたんです。バスで帰られるんだと思わなかったから、それなら声かけて乗せたらよかったと思って。バスに乗られた後、気になっていたんですよ」

 と、偶然の再会にお互い驚いたものの、このときは「じゃあ、お疲れさまでした、お気をつけて!」と言い合って普通に別れました。

しかし、この方、仮に祖母山のSさんとしましょう……とは、意外なところで再会することになるのです。

雨ばかりだった夏を終えて、9月の連休に鹿嶋槍に出かけた

この年、2014年の夏は週末に雨が降ることが多く、なかなか遠出してテント泊で登山をすることができなかったのですが、9月の敬老の日の連休になって、ようやくすっきりと晴れたのです!

この三連休に私が選んだ山は「鹿島槍ヶ岳」です。

毎日あるぺん号で夜明け前に扇沢に着き、夜が明けるか明けないかというタイミングで歩き出しました。

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何しろ、みなが待ちに待った晴天の週末!しかも三連休です。
テント場は混み合うに決まっています。一刻も早くテント場に着きたい。

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柏原新道は比較的歩きやすい道で、それほど疲労を感じることもなく種池山荘に到着。

 

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しかし、この時点でもうかなりの人手です。先を急ぎます。

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美しい稜線を歩いて爺ヶ岳を通過し。

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一応記念撮影も。

山の片側だけ雲の真っ白という、山でよくある風景の中を歩いていきます。

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本日の目的地、冷池山荘に到着!

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受付をしてさっさとテントを張ります。

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かなりギリギリでしたが、なんとか平らなところに張れてホッとしたところで小屋に戻り、生ビールを。

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冷池山荘は小屋とテント場の間を5~10分ぐらい歩かなければならないので、ビールで酔った後は帰るのが面倒になり、ついでにおしるこもいただきます。

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冷池山荘は、晴れていれば日の出も日の入りもテント場からクリアに見えるというすばらしい環境なんですが、ただ一つの難点が小屋とテント場が遠く、テント場にはトイレがないことで……深夜にトイレに行くのは正直けっこうこわいです。

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とは言え、無事に夜が明けまして。

朝日に照らされた稜線を、鹿島槍ヶ岳に向かって歩き始めます。

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この後、山頂周辺での写真は人が多すぎるので割愛……。

山頂を往復した後は冷池山荘に戻り、テントを撤収して爺ヶ岳方向に歩き始めます。
2泊3日で鹿嶋槍に行くなら、五竜岳の方向に縦走する方が多いんでしょうけど、私は八峰キレットをテント泊装備で超えられる自信がないので、もともと「冷池山荘で一泊して鹿嶋槍を登り、種池山荘まで戻って種池で一泊して3日目の早朝下山する」というのんびりプランのつもりでいたのです。

今日はもう、種池山荘まで行くだけだからのんびりだわー、と気楽な気持ちで稜線を歩いていたら「あれ?もしかして……」と後ろから声をかけられたのです。

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そう!祖母山の登山口と羽田空港で出会ったSさんです!

下山中の、まさかの再会

「うそ!?まさかまた会うなんて!!」

すれ違うのではなく、お互いに種池山荘方向に歩いていたので、一緒に歩くことになりました。

このとき、あまりの偶然に、もしかしたら少し運命めいたものを感じてしまっていたのかもしれません。
最初に出会ったのが祖母山の駐車場だったわけですが、その後羽田空港で再会して、そのこと自体「けっこうすごい偶然だな」と思ったのに、同じ年に北アルプスでもう1度出会ってしまったわけですから。

Sさんは、学生時代は体育会系の長距離走者だったそうで、トレイルランをやっているわけではないのだけれど、歩くのがとても早いんだそうです。祖母山のときもコースタイム8時間ほどの道を、半分の4時間ほどで周回してしまったんだそう。

鹿嶋槍も今朝登山口に着いて、日帰りで登ってしまい、もう下山するところなんだとか。私は同じルートを2泊3日で歩こうとしていたのにw

種池山荘に着く直前、彼は「本当に種池でもう1泊するんですか?」と聞いてきました。

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「もし、今日のうちに下山するなら東京まで送りますよ。長時間運転を1人ってけっこうきついんで、一緒に乗ってくれるだけでありがたいんです」

「うーん、それじゃあ、種池のテント場を見てから考えます。もしかしていっぱいかもしれないし、快適なテント場じゃないかもしれないからそのときは……」

種池山荘に着き、食堂でピザを注文してからテント場を見に行くと、よく整地された平らなテント場で、空いているスペースもまだありました。

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どうしよう……1人だったらこれは確実に泊まっていくケースなんだけど。

考えたすえ、結局その日は泊まらずに、Sさんと一緒に下山することにしました。せっかくの出会い、大切にしたほうがいいんじゃない?と思ったんです。
Sさんはとても歩くのが速いはずなので、置いていかれるのではないか、私のペースが遅すぎて苛立たれるのではないかと不安になりましたがそんなこともなく、普通に話をしながら楽しく下山。

帰りがけに、近くの大町温泉郷の日帰り温泉に寄って入浴と食事をし、さっぱりしたところでSさんの運転で東京に戻ります。

このとき私は、Sさんとなら少なくとも山仲間にはなれるんじゃないかなーと思っていたんですが、結局そうはなりませんでした。

帰りの車の中で話すことがなくなった

会話をしながら下山していたときは楽しかったんですけど、車の中で話したのは、なぜかあまり楽しくなかったんですよね。

連休の中日だったので、そこまで道は混んでいないかなと思っていたんですけど、事故渋滞で思った以上に道中が長かったことも一因ではあるとは思います。途中で話すことがなくなってしましました。

考えてみると、山中では山の話しかしていなかったんです。これまでどんな山に登ったの~とか。
でも、帰りの車の中では仕事や山以外の趣味のことも話したんですが、それがぜんぜん話が合わなかったんですよね。

「わかるわかる」と言い合えたのはドラゴンボールの話だけでした。

別に言い争いになるようなこともなかったんですけど、楽しくなかったし、向こうもそうだったんでしょう。LINEは種池山荘で休憩したときに交換していたんですが、帰った後「今日はありがとうございました」的な挨拶をしあった後は、お互い、特に連絡することはありませんでした。

教訓:知り合って間もない相手と長時間2人きりになるべきではない

Sさんは最初から最後までとても紳士で、2人で車に乗ったことで身の危険を感じるようなことはまったく!ありませんでした。本当に彼はいい人だった。

もしかしたら種池山荘で私が、当初の予定どおりもう1泊していくことにしてSさんと別れていたら、きっとその後LINEして、東京で飲みに行くとかしたんではないかと思います。そうしたらもしかして、ちょっと結果は違っていたかもしれません。

長時間一緒にいて話すことがなくなる相手では、どっちにしろダメだったかもしれないし、そういう意味では「合わないことが早くわかってよかったじゃないか」と言えるのかもしれませんが…….。

でも、今の彼氏とだって出会って間もないころはそんなに話が弾んだわけではなかったんですよね。そんなに共通の話題もなかったし、最初のころ「あんまり会話が続かないけど大丈夫なんかな」と実は思っていました。

となると、もしかしたらSさんとも「再会していきなり8時間超の長時間移動」という流れでなかったとしたらどうなっていたかはわかりません。どうにもならなかった可能性のほうがもちろん高いのですが。
まあ、誰もがSさんのような紳士ってわけでもないから、やっぱりいきなり車に同乗して、2人きりにはならないほうがいいんだと思います。そりゃそうだ!

実は、遠征登山で都内在住の登山男子と知り合ったのはこれが初めてではなかった

よく歩いている山梨県や長野県の山で出会ったのではなく、最初に出会ったのが九州の山だった、という点も、この出会いが印象に残っている理由の一つだと思うのですが、実は九州の山で東京在住の登山男子に出会ったのは、これが初めてではありません。

同じ年、2014年の3月に、やはり大分県の九重山に登るために「法華院温泉山荘」に宿泊したんですが、そのとき、1人で泊まっている同世代っぽい男性がいて、話したら東京から来られた方だったんですよね。

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法華院温泉には、きっとまたいつか泊まりたい。。。

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連絡先を交換して、翌日は下山ルートが異なっていたので山荘で別れたんですが、帰京後に連絡を取り合ってお茶したり、飲みに行ったりはしました。

でもその方は、どちらかと言うと装備はウルトラライト系で、トレイルラン寄りの登山をされる方だったので「あの山はどうだった?」みたいな情報交換はしたものの、一緒に登ろうという話にはなりませんでしたね。まあ、山仲間というほどではないけれど、Facebookもつながっているし今でも連絡を取り合える知り合いではあります。

もし、出会った初期のころからお互いに恋愛感情めいたものを持っていれば、どちらかが、あるいはお互いに歩み寄って「自分の好きな登山はトレイルランで、八ヶ岳を日帰りで縦走できるけど、この人と一緒のときは山小屋に泊まってのんびり楽しもう」という風になるのかもしれません。
考えたら私も今は、そこまでガチで登山するわけじゃない彼氏に合わせて無雪期の乗鞍岳に日帰りハイクに行ったりしてますからね。。。

でも、普段単独で登山してる人が「山仲間」を求めるのなら、ある程度趣味嗜好や登山レベルが合ってないと厳しいから、恋愛感情抜きで山仲間になるって、実は、逆に難しいことなのではないか、と思います。

山で出会わなくてもよくなって思うこと

登山歴5年目の2015年に、山ではなく酒場で彼氏と出会ったので、今は特に出会いは求めていません。

↑彼についての詳細はこちらの記事で。

そうなってみて思うのは、彼氏ができるまでの自分は、がんばって山で社交的になろうとしてたんだな、ということです。大したことはしてないですけどね。。。

自分から話しかけることはあまりなかったですが「あの人は同世代っぽいな。どのへんから来ているんだろう」「1人なのかなあ」とか、意識してチェックしていましたね。こっちが少し意識していると、大抵の場合向こうから話しかけてくれるものでした。

今はそれをやらなくて良くなったので、もともと社交的な人間でもないですし、とっても楽!になったとは思います。

でもその反面、泊まりで山に行っても最初から最後まで誰とも話さない!(テントの受付以外)ということが多くなったので、それはそれでどうなんだろう……というか、出会いを求めていた頃はけっこうドラマがあったんだなあ……と、昔を振り返って思ったり。

単独登山女子と単独登山男子は相性がいいのか

いや、悪いと思うよ普通にw

まあ「本当は誰かと一緒に登りたいけどたまたま相手がいなくて」仕方なしに1人で登ってる人たち同士だったらいいのかもしれないですけど、もし「1人で登山をしている」理由が私と同様に「1人で登るほうが楽だから」という理由の人たち同士だったらもうね、絶対1人で行ったほうがいいですからね。

こだわりが強い、かつ人に気を遣ってしまうタイプの人は、山では1人になって自分を解放してあげたほうがいいのではないだろうか……と。まあ、自分の実力に見合った山に登ることが大前提ですけどね。

そういえば、昨年亡くなった田部井淳子さんのエッセイを読んだんですが、田部井さんのご主人も登山をされる方で、出会ったのも登山中だそうなんですけど、違う山岳会に所属していたから若いころはぜんぜん一緒に登山しなかったんだそうです。

ご主人は登山以外にバイクも趣味にしていて、田部井さんが海外遠征して登山している間に、子供を連れてアメリカにバイク旅行に行ったりしていたんだそうです。一緒に山に登るようになったのは、ご主人が退職されてからだそうで。

なんか、そういう関係性がいいなあと思いました。理想だわ。
そういえば、田部井さんが亡くなってからもう1年か。。。

婚活登山シリーズはいったん今回で完結です。

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