上高地温泉ホテル
上高地温泉ホテルは、梓川沿いに2軒並んで立つ温泉ホテルのうちの一軒で、焼岳を源泉とする「上高地温泉」をかけ流しで楽しめる宿です。比較的リーズナブルな値段で立ち寄り入浴もできます。
上高地バスターミナルからも歩いていけますが、バス停で最も近いのは「上高地帝国ホテル前」です。帝国ホテルから梓川方向に歩いていき、田代橋を渡ると、岸の向こう側に2軒のホテルが並んでいるのが見えます。
ちょっと木に隠れて見えづらいですが……向かって左側の茶色っぽい建物が「上高地温泉ホテル」右側の白っぽい建物が「上高地ルミエスタホテル」です。
今回は、上高地温泉ホテルについてご紹介したいと思います。
上高地で温泉に入れるの?と、驚かれることが多い
周辺地域の平湯温泉や中の湯温泉、乗鞍高原温泉などが有名なせいか「上高地の中で温泉に入れる」と言うと、驚かれることも多いです。特に、車で来られた方はわざわざ上高地で温泉に入ろう、とはあまり思わないのでしょうね。
ですが、公共交通機関利用で上高地を下山口にした場合は、上高地の中でお風呂に入らないとなると、どこかで途中下車して立ち寄り入浴するか、もしくは家に帰るまで我慢するか……ということになり、わりと面倒くさいです。
それを見越してか「上高地温泉」に入れる2軒のホテルよりもバスターミナルに近い、河童橋周辺でも何軒か「日帰り入浴」のできる宿はあります。上高地アルペンホテルや、小梨平キャンプ場併設の「小梨の湯」などで、こちらを利用する登山者も多いのですが……。ただこれらの宿は、お湯が温泉ではないのです。私はできれば温泉に入りたい!というわけで、バスターミナルからわざわざ20分歩いて、上高地温泉ホテルに向かうのですよ。
ちなみに帝国ホテルからなら10分で着きます。
こちらは、お隣の上高地ルミエスタホテル。以前は「上高地清水屋ホテル」という名前でした。
ルミエスタホテルでも一応、日帰り入浴はできるのですが、時間帯が「11時から13時まで」の2時間のみと限定されているうえ、大人2100円とかなり高額な入浴料金なので以前「物は試し」で一回行ってみたきりです。で、まあ、お湯は同じだし温泉ホテルでいいかなと。ランチが付いて3800円というプランも一応あるようですが、いずれにせよちょっとお高めですよね。
清水屋ホテル時代は1000円か、せいぜい1200円だったと思うんですけどね。改装後一気に値上げされてしまいました。宿泊料金もいまや帝国ホテル並にお高いようなので、宿泊者優先ということで、仕方ない部分もあるのでしょうか。。。
で、こちらが上高地温泉ホテルです!
いざ!入ってみたいと思います。
上高地温泉ホテルの日帰り入浴の営業時間とランチ・カフェ営業
こちらが上高地温泉ホテルの正面玄関です。
右手に何か看板があるので近寄ってみると……。
ラウンジのメニューとランチメニュー、そして「日帰り温泉 入り口は売店横」との貼り紙がありました。
日帰り入浴の入り口は別にあるんですね。
ついでなのでメニューもチェック。こちらはラウンジのメニューです。
おつまみの「わさびかまぼこ&野沢菜」で310円というのがいいですね。日本酒は「たる酒」がそうなのかな。野沢菜つまみながら日本酒とかいいですねー。
でも、風呂上がりはやっぱりビールか。
ケーキのメニューだけ、写真付きでありました。
ランチメニューはカレー各種と中華丼と牛丼。そんなにオリジナリティがあるわけではないですw
ランチの営業時間が特に書かれていなかったのですが(ホームページにも特に記載なし)この写真を撮影したのは14時ちょうどでした。なので13時半ぐらいがラストオーダーというところでしょうかね。。。想像ですけど。
温泉の入り口は、売店の向こう側のようです。
ついでなので売店もチラ見します。土日祝日限定で、おやきを販売しているようです。
あと、ソフトクリーム各種。このへんはよくあるやつなので特に心惹かれなかったのですが。
なんですかこの「アイスキャンディー冷えてます」は!
「ソーダ」「ミルク」「抹茶」「小豆」「甘夏」「あまおう」ですと……気になる。
各220円だそうですが、街中で買ったらいくらなんだろう、などと考えてみたりw(調べたら通販でまとめ買いして1本130円ぐらいでした)
いやー、でもやっぱりこれはなんか気になる。風呂上がりにいただこう。
で、まずは入浴券を購入します。券売機は「自販機コーナー」の中にあるのです。
あれね、手前にあるやつが入浴券売機。
大人1人800円。子供は半額の400円。タオルの販売とレンタルもあります。
日帰り温泉の受付時間も書いてありました。
なんと、上高地温泉ホテルでは立ち寄りで朝風呂も可能!
こちらに書かれているとおり、上高地温泉ホテルの日帰り入浴が可能な時間帯は「午前7時から午前9時まで」と「12時30分から15時まで」です。
清掃終了後、宿泊客がチェックインするまでということで、お昼の時間帯のみ日帰り入浴ができる宿は多いですけど、朝7時から営業しているところってそんなに多くないように思います。
つまり、夜行バスで上高地について冷えた体を温めてから散策をしたり、小梨平でテント泊してから、最後に温泉に浸かって帰路につく、ということもできるわけです。素敵!
入浴券を買ったら日帰り入浴用の玄関から中へ。
下足ロッカーに靴を入れ、スリッパに履き替えます。
大きなザックを持っている場合は、こちらの棚に置いておくことができます。これもありがたい心遣い。
化粧品などの自動販売機もありました。
歯ブラシセットは、現在は販売していませんでしたが。
ちなみに、タオルを買ったり借りたりしない場合は特に宿の人に声をかけたりすることなく、入浴券は入浴券を入れる用の箱に入れて、勝手に中に入ってよいことになっています。
階段を登って2階に、男女別の大浴場が。
入ってみたいと思います。
【風呂】★★★★☆ アメニティも設備も十分で、お湯も申し分なし!
脱衣所です。シンプルに脱衣カゴが並んでいるるタイプですが……
貴重品ロッカーも無料で用意されていますので、 安心です。
洗面コーナーには、化粧水と乳液、そしてハンドソープが。
ドライヤーも、業務用のきちんと風力のあるものが設置されていました。
成分分析表がありました。泉温が77度のものと、49度のものと二種類の源泉があるようです。
こちらの「1号泉」が、泉温が低めの源泉ですね。
ph7.9で、弱アルカリ性というところ。
では、浴室へ。
内湯は、ちょっと細長い感じの浴槽と、洗い場があります。
内湯の源泉は「2号泉」で、源泉温度が70度以上ある熱いお湯のようです。
さすがに加水しているようですが、それでもけっこう熱め、42度以上はあったと思います。無色透明ですがほのかに温泉っぽい香りがあり、パワーが感じられるいいお湯でした。
洗い場は5つほど。シャワーも新しいものです。
アメニティはシャンプー&コンディショナーとボディシャンプー、そして固形石けん。
ちょっと高級感のあるアメニティで、なかなか良いのではないでしょうか。
下山後に入る温泉にリンスインシャンプーしかないと、ちょっとしょんぼりしてしまうので……いいシャンプーがあるのではうれしいです。
内湯は長湯できなそうなので、露天へ。
露天風呂は、いくつもの浴槽が点在していました。
こちらは、ちょっと高い位置にあった瓶のような一人用の浴槽です。
こちらのお湯もおそらく、内湯と同じ源泉なのでしょう、わりと熱めでした。
あとは手前に「樽風呂」と、岩風呂。
岩風呂も熱めでしたけど、外の空気を感じながら入浴できるのはやはり気持ちいいです!
手前の岩風呂と奥の岩風呂ではやや、泉温が異なりました。
岩風呂を堪能したところで、最後に樽のお風呂へ。
実は、こちらの浴槽だけが他の浴槽と源泉が異なるのです!
少し濁りのあるお湯で、温度もぬるめ。40度あるかないかというところでしょうか。
入ってみると、ほのかに鉄っぽい香りがするお湯です。
1人しか入れない大きさなので、他にお客さんがいるときは独占しづらいですが……このときは他にお客さんがいなかったので、ぬるめの源泉を存分に楽しめました。
こちらが樽風呂の泉質表示。
泉温は40度前後。湧出量が少なめなので、あえての樽風呂のみでの提供なんですね。
ゆっくり楽しませていただきました♪
【再訪したい度】★★★★★ 上高地の中にこんないい温泉が湧いているなんて!と思わせる上質湯を楽しめた
観光地のホテルには、本来は温泉が出るような場所ではないのに、遠くから引湯していたり、加水・循環して何とか温泉を名乗っているようなところもあると思います……が、上高地温泉ホテルのお湯は、本物の上質な温泉です。考えたら活火山である焼岳の麓なんですもんね。温泉地としての歴史も、江戸時代からとけっこう長いんだそうです。
しかも、泉質の異なる2つの温泉を楽しめる宿は、有名な温泉地でもそう多くないと思います。アメニティや設備もしっかりしているし、登山帰りに立ち寄ることを想定して、荷物置き場や貴重品ロッカーを設置してくれているところもありがたいなと思いました。次回も登山帰りか、朝風呂に入りに行きたいと思います。
実は、上高地温泉ホテルの目の前には、無料で楽しめる足湯もあります。
緑を眺めながら足湯に浸かれば、トレッキングの疲れも癒えそうですね。
入浴前に気になっていたアイスキャンディーを購入しました。
迷ったすえ「甘夏」をチョイス。
あら、信州の名物かと思ったら、福岡から来たアイスなんですねw
こちらで売っていました。旬の果物を使っているため、ラインナップは時期により異なるんだそうです。
風呂上がりの水分補給にぴったりでした。
上高地温泉ホテルは、上高地の他のホテルと比べるといくぶん宿泊料金も安めで、しかも極上の温泉に浸かれる宿ですから、観光で上高地をおとずれて、山小屋には少し抵抗がある、という方にもおすすめできるホテルだと思います。
私も、いつか宿泊してみたいです。