上高地明神池畔 旅荘 山のひだや
山のひだやは、上高地の明神池の畔にある、岩魚の塩焼きで有名な嘉門次(かもんじ)小屋のお向かいにある山小屋です。
明神地区には「明神館」と「嘉門次小屋」と、この山のひだやの3軒の山小屋がありますが、他の2軒に比べると山のひだやはちょっと地味な存在かもしれません。
私も以前はあまり気にとめていなかったのですが、明神池に向かう際に通りかかってちらっと見てみたら、オイルランプが揺らぐ雰囲気のあるカフェが営業していたんです。
それで思わず入ってみたところ、思った以上に素敵なカフェで、気に入って2年連続で行ってしまいましたので、レポートしたいと思います。
山のひだやの「食事処どっこいしょー」が、まさかのおしゃれカフェに転身
山のひだやさんの食堂営業は、以前は「食事処どっこいしょー」という名前で、岩魚の定食なんかを出していたんだそうです。
でもそれだと、近所の嘉門次(かもんじ)小屋や明神館と変わり映えしないですもんね。変わり映えしないから変えたのかはわかりませんが、2015年の6月に「Cafe' do Koisyo」と店名も変更し、食堂からカフェに転身したんだそうです。中身は変わっても「どっこいしょ」は残したところがなんかちょっといいかもしれない。
山のひだやさんは、梓川沿いの道から少し入ったところにあります。
ちゃんと看板が出ていて「カフェ・ド・コイショ」の文字も見えます。
手前に見える玄関が宿泊者用の玄関ですが、カフェの入り口はこちらではなく、建物の向かって左側に回り込んだところにあります。
こっちですね。正面に写っている大きなガラスの窓は、カフェスペースの窓です。ここから覗いてみて「なんか雰囲気あるお店じゃない?」と思って、つい立ち寄ってしまったんですよ!嘉門次小屋に寄った帰りでお腹は満たされていたのに。。。
カフェの入り口はこちら。
専属パティシエールが作るスイーツとオリジナルコーヒーの店、ですと……?
これは気になる!
というわけで、入ってみました。
ちなみに、カフェの営業時間は朝7時30分から午後3時まで。3時から8時までは宿泊者専用の時間帯となるそうです。
山のひだや カフェ・ド・コイショの店内
店内の灯りはオイルランプのみ。窓も大きく外も晴れているのですが、なぜかほの暗いです。
暑い中を歩いてきた後ですから、落ち着く薄暗さでした。
とは言えちょっと店内の様子がわかりにくいので、ちょっと写真を明るくしましたw
太い柱と梁が通る、古民家風の作りです。テーブルや椅子も手作り感のあるもの。
店内の真ん中には、鉄瓶がかかっていました。
オイルランプが並んで、ほのかに揺れる灯りがなんとも言えないリラックス空間を作り出しています。
お店の奥にはショーケースがありました。(そしてその上には鹿の頭部の剥製が鎮座している)
ショーケースの中には、さまざまな種類の焼き菓子がたくさん並んでいます。
いいなー、ビスコッティ買っていって、テントでコーヒーに浸して食べたい。
パウンドケーキもありますね。
実際、これから山に入る感じの男性の一人客が、けっこうな数の焼き菓子をまとめて買っていったりしていました。もしかして、どこかの小屋の小屋番さんなのかもしれませんが。。。
山のひだや カフェ・ド・コイショのメニュー
2017年に訪問時のメニュー
最も最近、2017年の6月に訪問した際のメニューです。
コーヒーはオリジナルとアメリカン、そしてカフェオレ。お茶類もありますが、お酒の販売はありません。あくまで「スイーツのお店」なんですね。
そして本日のケーキ。
750円or800円と、かなり強気な値段ではありますが、1年前に来たときもケーキはかなりおいしかったので、やはり食べたい。。。
ケーキとドリンクが1枚にまとまっている黒板メニューもありました。
2016年に訪問時のメニュー
実は、初めて来たのは2016年だったんですが、このときはもっと、室内が暗かったです。
写真の撮り方の問題ではなく、隣のテーブルの人の顔が見えないぐらいの暗さでした。
このときは、おしゃれな黒板メニューではなく、手書きの紙メニューでした。
値段や種類は、特に変わっていないようですね。
本日のケーキについては口頭で説明していただきました。
カフェ・ド・コイショでいただいた絶品スイーツとオリジナルコーヒー
2017年にいただいたのはクリームブリュレ!
最も最近伺ったときは、クリームブリュレとオリジナルコーヒーをいただきました。
クリームブリュレは、盛り付け方もなんだかおしゃれ。
注文が入ってからバーナーで焼いてくれたみたいで、下のほうは冷たいのに、焦げ目の部分はほんのりと温かく、最高においしかったです。
コーヒーも、豆からこだわっているのがわかる、おいしいコーヒーでした。
2016年はチョコバナナタルトとチーズケーキを
1年前の2016年に来たときは2人だったので、2人で違うケーキを注文しました。
チョコバナナのタルトとチーズケーキです。どちらも濃厚なお味で「こんな山の中で下界のケーキ屋に負けないおいしいケーキをいただけるなんて!」と感動しました。
【再訪したい度】★★★★★ 今でも十分雰囲気ある&おいしいカフェだが、進化を続けているのがなお素敵
1年前の画像と比べるとはっきりわかりますが、盛り付け方やメニューが、洗練されてきているなあと思いました。
2015年の6月からカフェの営業に切り替えたとのことですから、カフェになって2年が経ち、余裕が出てきたんでしょうかね。
値段は少々お高めではありますが、上高地の標準価格と比べたら普通ですし、それにこちらのケーキとコーヒーは本当においしいんですよ。手作りされているのがわかる味わいです。
それと、お店にとっていいことなのかわかりませんが、カフェ・ド・コイショは休日の昼間でもあまり混んでいないんです。いつ来ても、なんだかゆったりと時間が流れているような感じ。
カフェ営業に徹しているので、食事をしたい人・お酒を飲みたい人は別のお店に行ってしまうのかもしれませんね。
でも、そんなところもこだわりが感じられていいなと思います。下手にランチ営業なんてやらないで、このまま続いていってほしい素敵なカフェです。
ホームページを見ると、宿泊時の食事も大変おいしそうだし、宿泊時は相部屋にはせず、1人でも必ず個室の利用となるようです。人工温泉の大浴場もあるようなので、山小屋に慣れていない肩が、宿泊してゆっくりと周辺を散策するのも楽しそうな宿だと思いました。河童橋周辺の宿と比べると、宿泊料金もだいぶ安いですしね。