温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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上高地明神地区の伝説の山小屋 嘉門次小屋(かもんじごや)で岩魚の塩焼きを頭からいただく

囲炉裏で焼いた岩魚の塩焼きが名物 嘉門次小屋

嘉門次(かもんじ)小屋は、上高地の明神地区にある昔ながらの雰囲気を残す山小屋です。
宿泊営業も行っていますが「囲炉裏でじっくり焼いた頭から食べられる岩魚の塩焼き」をいただける食堂の営業が特に有名で、日中からいつも賑わっています。

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山と食欲と私の鮎美ちゃんも涸沢帰りに立ち寄った、嘉門次小屋についてレポートしたいと思います。

嘉門次小屋はなぜ「伝説の山小屋」なのか

ブログのタイトルでさらっと「伝説の山小屋」と書いてしまいましたが、なぜ嘉門次小屋が「伝説の山小屋」かと言うと、日本近代登山の父と言われるウォルター・ウェストンという方がおりまして。

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上高地にはウェストン氏の記念碑もありますね。バスターミナルの対岸に、こんな感じで。

そのウェストン氏の山の案内役として知られる上條嘉門次氏が、明神池の畔に建てた狩猟小屋が、この嘉門次小屋の発祥なのです。

現在の嘉門次小屋の当主の方は上條嘉門次氏のひ孫だとのこと。また、嘉門次小屋は国の登録有形文化財にも登録されているそうです。伝説の山案内人、上條嘉門次氏が起こした山小屋ということで「伝説の山小屋」と言われているんでしょうね。(山小屋としての営業を開始したのは現在の4代目のご主人になってからだそうです)

ご存じ「山と食欲と私」の36話「涸沢カール逗留編⑤ 伝説の山小屋と岩魚の塩焼き」でも嘉門次小屋が登場します。

単行本の第4巻に収録されています。鮎美ちゃんが涸沢からの下山時に嘉門次小屋に立ち寄る、というストーリーです。

涸沢や槍ヶ岳方面から下山してきた際、明神まで来れば上高地バスターミナルまであと1時間なのですが、ここであえて明神館前の分岐を梓川方向に曲がり、明神橋を渡ります。正面に見える明神岳の、尖った山容が美しいですね。

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穂高神社奥宮に向かう道の途中に、木々に隠れるようにひっそりと、嘉門次小屋はあります。

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小屋の前には小屋についての説明書きがありました。

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では、入ってみたいと思います。

嘉門次小屋で岩魚の塩焼きと自家製チーズのくんせいで一杯

嘉門次小屋の中でも食事をすることができますが、外にもテーブルと椅子が並んでおり、晴れていれば外でいただくのが気持ちいいです。
一応屋根もあるので日差しも防げますし、少々の雨なら降っても大丈夫でした。

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まず、席を確保して注文したいメニューを決めてから、店内で注文&支払いを行うという流れ。

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というわけで、外のテーブルを確保し、メニューを眺めてみたいと思います。

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嘉門次小屋の食堂メニュー

メニューの1ページ目には、注文の際の注意書きがありました。

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ビールやジュース類は外の水槽から取って、小屋の中で支払いをするようです。

飲み物のメニューはこちら。
お酒は地酒の冷酒と燗酒とビールです。シンプル。でもノンアルコールビール缶もあるのですね。

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ソフトドリンクはコーヒー、ミルク、りんごジュースをそれぞれアイスとホットでいただけます。ペットボトルと缶ジュース類、パック牛乳はいずれも200円。

食事のメニューは蕎麦類とおでん。
「山菜入りのおそばに岩魚の甘露煮がのっている」という、嘉門次そばがいちばんのおすすめのようですね。あとはおでんも、肌寒い日にはいいですね。

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上高地周辺に、喫茶系のお店はたくさんあるので、嘉門次小屋で甘いものを食べようと思ったことはないんですけど、おしるこのほかにガトーショコラとりんごのタルトも用意しているのか……意外だな。

そして!お待ちかね!のイワナです。
岩魚の塩焼きの単品が1000円。塩焼きにご飯とお味噌汁と小鉢とお漬け物がついた定食が1600円。

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岩魚の骨酒(こつざけ)もあるんですね。
私は以前、某旅館でイワナの骨酒を飲んで「生臭い日本酒じゃないか!」と憤慨した記憶からもう2度と頼まないと決めているのですけど、あれ、おいしく作ったらおいしいんですかね。。。どう考えても、熱燗でイワナの塩焼きを普通にいただいたほうがおいしいような気がするんですけども。

それと、嘉門次小屋の隠れた素敵メニューが「くんせい」です。イワナのくんせいとチーズのくんせいは、店内でもいただけますし、お土産用に包んでいただくこともできます。

缶ビールやジュース、ペットボトル類はこちらの水槽から自分で取り出します。

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よく冷えているものを見つけないとですね。。。
缶ビールは、キリン・アサヒ・サッポロと3メーカー揃っています。

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注文が決まったら店内へ!テーブル番号を伝えてお金を払い、あとは席で待つだけ!です。

岩魚とチーズは日本酒にもビールにも合う

嘉門次小屋に最初におとずれたのは、2011年の9月に、1人で上高地をトレッキングしたときのことでした。
このときはチーズのくんせいをつまみに、一番搾りをいただきました。

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チーズのくんせいはそれほど強くスモークされているわけではなく、あっさりスモークでおいしくいただけました。

そしてもちろん、岩魚の塩焼きもいただきました。

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なんだかすごい顔つきの岩魚ですね・笑

「頭から食べられますので」と言われたので、言われたとおりがぶっといきました。
囲炉裏の火でじっくり焼かれているからか、骨も、なんというか骨せんべいのような感じで柔らかくなっており、パリッといただけました。大変おいしかったです!

このとき「次回は日本酒と一緒に岩魚を食べたいなあ」と思ったのですが、次に嘉門次小屋をおとずれるまでなんと、5年もかかってしまいました。。。

というのはこの後私はテント泊をするようになり……テントを担いでハードな縦走をした後に明神にたどり着くと「ちょっとここらで日本酒を一杯」という気持ちにはなかなか、なれなかったんですよね。。。とりあえず上高地までたどり着いて、この重いザックを下ろしたい!と思ってしまいまして。

なので次に嘉門次小屋で岩魚&チーズをいただいたのは、2016年の夏に彼と明神館に泊まったときのことでした。このときはガチな登山ではなく、上高地周辺をぶらぶらするのが目的だったので、ひさびさの再訪と相成りました!

今回は地酒の、その名も「嘉門次」をいただきました。小屋のオリジナルのお酒ですかね。。。

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もちろん今回も、岩魚が焼けるまではチーズのくんせいを!
そして、日本酒だけについてくるのか?わかりませんが、ふき味噌をいただきました。これだけでだいぶ飲めるw

今回の岩魚は、前回よりもやや顔つきが穏やかな感じです。

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お皿は5年前と同じですね。
しっかり塩がきいてカリッと焼かれているのも相変わらずです。念願の日本酒と共に、おいしくいただきました。

飲みながら彼が「あの人は何をやっているんだろう?」と言うので見てみたらば。 

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なんと、生け簀らしきところから岩魚を出してしめて、串を刺しているところでした。よく見つけたね。。。
私は1人だとあんまり周りを見ない人(芸能人とすれ違ったりしても気づかないタイプ)なので、きょろきょろしてる人が一緒だと、いつも見ないようなことに気づけてよいですね。

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下界は30度近い暑い日でしたが、嘉門次小屋は20度に満たない涼しさ。。。

 

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ほろ酔いで上高地まで歩いて帰る道も、輝いて見えますね。(酔ってるから?)

 

f:id:happydust:20170917123652j:plain河原で遊ぶ家族連れ。

登山者はあまり通らない、明神池と上高地を結ぶルートは水の流れがとても美しい道です。 

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河童橋のかなり近くにある沼。

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上高地っていいところだなあと改めて思います。

【再訪したい度】★★★★★ 次回は登山帰りに定食か嘉門次そばを食べてみようかな

岩魚もチーズもおいしいし、雰囲気も良く、もっとちょいちょい立ち寄りたい山小屋なのですが、問題は、私がここにたどり着くとき、テント泊のザックを担いでいることが多い、ということです。

あと1時間、大きなザックを担いで歩くのに酒を飲んでしまっていいのか?と思ってしまうのです。。。そんなにお酒強くないので……「どうせなら飲めるときに!」などと思っていると、なかなか立ち寄れない。

しかし、改めてメニューを眺めてみると、飲まなくても「嘉門次そば」や「岩魚の塩焼き定食」で楽しめそうなので、次回は酒なしで食事をしに立ち寄ってみるのもいいかな、と思いました。

山と食欲と私の鮎美ちゃんも、テント泊帰りに定食を食べてましたしね。

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この回は、コミックスの4巻に収録されています。