温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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朝焼けの宿 明神館宿泊記 上高地バスターミナルから徒歩1時間の朝もやに包まれた神秘の池へ

上高地 明神館

上高地バスターミナルから約1時間ほど歩いたあたりを「明神地区」と呼ぶそうなのですが、その明神にその名も「明神館(みょうじんかん)」という山小屋があります。

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上高地から蝶ヶ岳や槍ヶ岳、涸沢に向かう際に必ず通る道沿いにあり、最初の休憩ポイントになることも多い場所ですので、登山者にとっては「ああ、あそこね!」という感じの山小屋ではないでしょうか。とは言え「知ってるけど泊まったことはない」方がほとんどの小屋のようにも思います。

そんな明神館に、実は昨年の夏に宿泊しましたので、レポートしてみたいと思います。

登山者にとっては前泊の宿だが、上高地や明神池の散策目的でも十分楽しめる

登山をする方が明神館に宿泊するのは「上高地に昼過ぎに着いて翌朝から登るための前泊」のことが多いのではないでしょうか。私は、上高地に来るのは夜行バスで早朝着ということがほとんどだったので、これまで明神館は前を通り過ぎるだけで、立ち寄ったことはありませんでした。

それが、2016年の7月に泊まることになったのは、雑誌に載っていた「明神池の朝もや」の写真を見て彼氏が「ここに行ってみたい」と言い出したからです。

朝もやは早朝に現れることが多いと思いますから、近くに泊まって見に行くのが一番確実です。というわけで登山の前泊としてではなく、上高地&明神池の散策を目的に明神館に泊まることになったのです。

宿泊当日は上高地をお昼過ぎに出発し、明神までのんびり歩きました。

この日は連休の初日だったので、河童橋周辺は大混雑!

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とは言え、穂高の峰は今日も美しく。

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でも、残念ながら明日の朝は雨予報なんですよね……。朝もやは……見れるのでしょうか。。。

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明神館に向かう道すがら、水の流れがきれいで癒やされます。

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 お花もときおり咲いていましたね。

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おや……前を行くのは???

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なんと、カルガモの親子です!かわいい。。。

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登山目的で同じ道を歩くときは大抵、重いザックを背負って足早に通り過ぎてしまうので、たまにはのんびり歩くのもいいものだなと思いました。

朝焼けに染まる姿が美しいと聞く、明神岳の姿が大きく見えるポイントを通り過ぎると……

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まもなく明神館に到着です。

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写真を撮りながらのんびり歩いても、1時間弱で着きました。

上高地のバス停からは3kmの距離です。

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それでは、明神館にチェックイン!

明神館の予約方法

明神館は山小屋……だと思うのですが、楽天トラベルやじゃらんでも予約を受け付けています。

「女性専用相部屋」「男性専用相部屋」「男女の相部屋」と「個室」があり、いずれもネット予約可能です。

相部屋も、2段ベッドの上or下を利用する形で、カーテンも付くようですので、雑魚寝の山小屋に比べるとかなりハードルは低いと思います。相部屋のベッドは全部で60ほどあるそうです。

個室は、部屋に合わせて値段が変わるわけではなく、宿側で宿泊人数に応じて部屋を割り当てる形でした。個室は26室とのこと。

今回私たちは、2人で個室を予約しました。

明神館の宿泊料金

明神館の宿泊料金は、相部屋利用の場合はシンプルで、いつ泊まっても2食付きで1人9500円です。

個室利用の場合は、人数や利用日によって料金が異なり1泊2食付きの料金は、平日利用で

1名1室:18000円
2名1室:14000円
3名1室:13000円
4名1室:13000円

とのことでした。2名で個室を利用するよりも3名以上のほうが少し安くなり、1人でも個室利用できますが、だいぶ割高になるようです。また、休前日は1000円ほどアップするようです。

私たちが宿泊したのは夏の連休だったので、2名の個室利用で15000円でした。山小屋だと思うと、けっこういいお値段のような気もしますね。

明神館で宿泊した部屋

宿泊したのは6畳の和室です。2階のお部屋でした。

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テレビや電話、冷蔵庫などはありません。

 

窓を開けると鳥の声が聞こえ、涼しくて良いのですが、登山道に面しているので外を歩く登山者の声もめちゃめちゃ響きます。

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お湯の入ったポットとお茶菓子、お茶セットが置いてありました。
部屋の隅にストーブはありましたが、エアコンなどは無し。でも、とても涼しかったです。

ちなみに、明神館は個室利用の場合、部屋に「浴衣、タオル、歯ブラシ」のアメニティが備え付けられています。相部屋利用の場合はそれらはついていませんので、持参するか、フロントで申し込めば別料金で利用することはできるようです。

また、明神館には消灯時間があり、21時30分になると非常灯以外の電灯が消えてしまいますので、宿泊の際はヘッドランプは用意しておいたほうが良いですね。

明神館で携帯電話はつながる?

私が初めて上高地をおとずれた2011年には、上高地のバスターミナルや河童橋周辺では携帯の電波がありましたが、明神まで行くと完全に圏外でした。

ですが、2014年ごろにアンテナの整備が進み、現在は上高地から横尾までdocomo・au・ソフトバンク3社とも問題なく繋がるようになったようです。ありがたいことです。

明神館の浴室

明神館には男女別の浴室があり、 15時から20時までの間利用することができます。
温泉ではなく、沢水を利用しているそうです。

山小屋ではシャワーや石けんが使えないこともありますが、明神館ではちゃんとお湯の出るシャワーが使えます。
また、リンスインシャンプーとボディシャンプーも備え付けてあり、脱衣所にはドライヤーも設置してありました。
また、脱衣所は時間によっては混むこともあるのですが、個室利用の場合はフロントに申し込めば無料でドライヤーをレンタルすることもでき、部屋で使えるそうです。

明神館の食事

明神館の食事は、食堂で一斉にいただきます。個室の人と相部屋利用の人では別の食堂だったので、食事内容が異なるのかどうかはわかりません。。。

明神館の夕食では、岩魚の塩焼きが必ずつく

こちらは私が宿泊した際にいただいた、個室利用の際の食事です。

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豚肉の鍋もあり、山小屋の食事としては品数はかなり多いですね。デザートにコーヒーゼリーもついていますし。

 

f:id:happydust:20170915190708j:plain1泊1万5千円と思うとまあ、普通かもしれませんがw

岩魚の塩焼きは、必ず夕食で提供されるメニューだそうです。

f:id:happydust:20170915190720j:plainこごみの胡麻和えがあったのはうれしかった♪

お蕎麦もありました。 

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熱燗を頼んで、岩魚をつまみながらいただきました。

明神館の朝食 デザートにヨーグルト付き

朝食も、夕食と同じ食堂でいただきます。
けっこう品数豊富です。卵焼き、塩鮭、ハム。 

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なんとまぐろの山かけもあってびっくり。
デザートにヨーグルト付きです。
お茶はいただけますが、コーヒーなどは特にないので、飲みたいときは1階玄関前の軽食・喫茶スペースで別途注文することになります。

明神館の喫茶スペースのメニュー

私は今回利用しなかったのですが、明神館は1階に軽食・喫茶スペースがあります。

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宿泊者用の食堂は建物の奥のほうにあり、こちらの軽食コーナーで食事を取るわけではありません。

扉には「焼きたて岩魚」の大きなイラストが!f:id:happydust:20170915190849j:plain

岩魚の塩焼き1000円、定食だと1500円。
ソフトクリームは「バニラ」「抹茶」「ブルーベリーヨーグルト」があり、すべて400円です。
生ビールも有り。特大ジョッキ1000円・大ジョッキ800円・中ジョッキ700円・小ジョッキ500円。

おすすめメニューの書かれた黒板がありました。 

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カレーライス、おしるこ、おにぎりなど。
「りんごジュースと生ビールのカクテル」がおすすめだそうです。

その他にも、おでんや牛丼、そばやうどんなどの山小屋定番メニューも揃っているようです。

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「手作りのおにぎり」と「野沢菜とお茶付きのおしるこ」も魅力的ですね~。
次回、登山の帰りにでも寄ってみたいと思いました。

食堂の営業時間は午前7時から午後3時まで。缶ビールなど、売店の営業時間は午前7時から午後7時まででした。

明神池の朝もや、朝じゃなくても見れる!?

今回、明神館に宿泊した一番の目的は、同じ明神地区にある「明神池」の朝もやを見ることでした。

明神池は、明神館の前の道を梓川に向かって歩いていき、川を越えた向こう側にあります。

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明神館から徒歩5分ほどでしょうか。

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しかし今回、無情にも朝からお昼ごろにかけて、雨が降ってしまったんですよね。。。
お昼過ぎに雨が止んだので明神池に行ってみましたが、もやは特にかかっていませんでした。

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やはり、朝もやは、当然ながら朝しか見れない?のでしょうか……。
でも実は、以前明神池に来たとき、午後だったにもかかわらず朝もやのようなものが見れたことがあったんですよね。

2011年9月、午後の明神池にて

2011年の9月、まだ登山を始めて半年も経たないころ、1人で上高地にトレッキングに来た際のことです。

午後1時頃、明神池にやってきたところ……

f:id:happydust:20170915203415j:plainあら、なんだか向こうのほうにうっすらと、もやがかかっていませんか?

池の水も澄んでいて美しいですが、水面をすべるようにもやがかかっていますね。

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紅葉にはまだ早い時期でしたが、少し色づいている木々もあり。

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美しかったです。

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奥のほうにある二之池は特に、もやがかかると神秘的で美しかったです!

 

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ちなみに明神池の入り口には「穂高神社奥宮」があり、明神池を近くで見るためには穂高神社奥宮に拝観する必要があります。

なので、拝観時間の午前6時から日没までに来て、拝観料(大人300円・小学生100円)を払う必要があるのですが……。

そのせいか、上高地の喧噪と比べて人もそれほど多くなく、神秘的な雰囲気を味わえますので、300円払っても私は満足でした。

【再訪したい度】★★★★☆ 個室料金はわりと高めだけど、登山しない人にもおすすめできる宿

今回は、狙っていた早朝に雨が降ってしまい、残念な感じではありましたが、もし晴れれば、朝もやだけでなく朝焼けに染まる明神岳も、宿の目の前から美しく見えるのだそうです。

休前日で14000円~15000円というのは、登山の前泊の宿としてはけっこう高いな、という感じもしますが……前泊利用の場合は滞在時間も短いですし9500円の相部屋で十分でしょうね。

とは言え明神館はお風呂にも入れて石けんも使えるし、トイレもきれいな水洗トイレ(ウォッシュレット付き)で寝具も清潔だし、普段山小屋に泊まり慣れていない方でも、問題なく宿泊できる山小屋です。(夜9時半で電気が消えるところだけが注意ポイントでしょうか……)

ハードな登山をしない人にこそ明神館に泊まって、泊まらなければ味わうことのできない、夕暮れから朝までの山の美しい時間を、ゆっくりと味わってみると楽しいのではないでしょうか。その意味では、かなりおすすめできる宿です。