食事やドリンクメニュー、アメニティや浴室にもこだわりが光るリピーターの多い宿
友家ホテル (Tomoya Hotel)は、新潟県魚沼市の湯之谷温泉郷大湯温泉にある、全14室の温泉ホテルです。
建物は新しいわけではなく……正直古いホテルですが、客室は1室毎に異なるテイストでリノベーションされており、レトロな雰囲気をまとった居心地の良い空間になっています。
浴室はすべて貸切で利用し、広々とした浴室を独り占めして肌に優しいかけ流しの源泉を満喫できます。貸切風呂の利用状況をタブレットで確認して予約できたり、温泉水を使ったオリジナルの化粧品を販売・提供していたりと、随所で工夫とこだわりが光る宿です。
毎年更新している「2022年に泊まりたい宿」という記事で新潟県で泊まりたい宿として選んでいた宿でした。
2022年3月に初めて宿泊したところ、部屋・風呂・食事のいずれもすばらしく、休前日も1人で泊まれるので12月に早くも再訪してしまいました。2回の宿泊分を合わせてレポートしたいと思います。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- 食事やドリンクメニュー、アメニティや浴室にもこだわりが光るリピーターの多い宿
上越線小出駅からバスで30分ほど、外観は新しいとは言えない友家ホテルにたどり着く
友家ホテルのある大湯温泉の最寄り駅は上越線の小出駅。
上越新幹線に乗り、越後湯沢もしくは浦佐駅で乗り換えて向かいます。
小出駅からは南越後観光バスの小出~大湯温泉~栃尾又温泉線で向かいます。
実はこのバスで向かうと、大湯温泉到着時刻が12時47分もしくは15時47分になってしまうのがちょっとつらいところ。
友家ホテルのチェックイン時刻は、じゃらんや楽天などの予約サイト経由だと15時以降、公式サイトからだと14時以降になりますが、いずれにせよ、13時前に着いてしまうのはちょっと早すぎですよね……。
大湯温泉には時間を潰せる喫茶店のようなものはなさそうですし、早い便で来た場合、時間を潰せるのは近くで日帰り入浴するぐらいでしょうか。徒歩10分ぐらいのところにある交流センターユピオだったら気軽に行けそうかな……?
などと考えつつも、結局はのんびり、15時台のバスで来てしまいました。
大湯温泉バス停から友家ホテルまでは徒歩3分の道のりです。
バス停から宿に向かう細い道の路肩には前日に降った雪が積もっていましたが、路面に積雪はほとんどありません。
ところどころから湯気があがっているので、恐らく温泉水を歩道に流すなどして溶かしているのでしょうか。ありがたいことですね。
どう考えても人しか通れない細い道だけど、こんなに雪が積もっていてもちゃんと通れる。すばらしいわー。
友家ホテルに着きました。
予約時にサイトで館内写真や室内写真を見て「インテリアも凝っていて雰囲気ありそうな宿だな」と思っていたのですが、外観は昔ながらの古いホテルそのものだったので、初めて見たときは「え??ここで合ってる??」と思いました。
玄関から一歩足を踏み入れると……。
あ、なんか、中はきれい。広々しているし、良い雰囲気ですね。
チェックイン手続きを済ませて、部屋に案内していただきます。
【部屋】★★★★☆ リノベーションされ独特の雰囲気があり、至って快適
友家ホテルは2つの棟に分かれており、玄関から入ってすぐのフロント・ロビー・売店のあるこのフロアは「別館2階」です。
本館と別館のそれぞれに客室、浴室があり、どちらの棟に泊まったとしてもすべての館内施設を利用可能です。
私は、初回は「別館4階」の部屋に、2度目は「本館2階」の部屋に宿泊しました。
客室内の雰囲気は部屋によってかなり異なるようですので、詳しくは公式サイトを見るとわかりやすいと思います。
全14室のうち11室は禁煙ルームですが、喫煙可能な部屋が3室あります。また、本館と別館4階はお子様連れNGだけど別館3階の部屋はOKだったりと、ライフスタイルに合わせたお部屋選びができるようになっているのも工夫を感じました。お子さんが3階の部屋でちょっと騒いだとしても、階下には客室がないので音も響きにくいですよね。
全客室にDVDプレイヤーが設置され、レンタルできるDVDの種類も豊富
客室の前に、ロビーの奥にあるDVDレンタルスペースをご紹介したいと思います。
↑この写真の左奥、窓際あたりに、DVDが大量に置いてあるスペースがあります。
某レンタルショップのロゴを模した看板が・笑
友家ホテルのすべての客室にはDVDプレーヤーが設置してあり、ここにあるDVDを借りて客室内で見ることができます。
洋画の名作から邦画のドラマDVDまで、幅広くラインナップされていました。
部屋食なので、DVDを見ながら食事ができるのもうれしいですね。
2022年3月に宿泊した別館4階の禁煙14畳シングルベッドルーム
友家ホテルにはエレベーターがないので、移動にはすべて階段を利用します。ロビーのある階が2階なので、客室に行くために2階分階段を上ることになります。
ちなみに……別館は1階に浴室があるので、そこに行く際は3階分上り下りしないといけないですね……。
疲れたら休めるようにという配慮か、階段の踊り場にソファが設置してあるのがちょっとおもしろい。廊下や階段周辺の照明も凝っていて、あちこち眺めて歩くのも楽しいです。
客室の並ぶ4階に着きました。
宿泊したのは「406号室」です。
部屋のドアを開けると、奥にもう1つドアがあり、その手前にトイレがあります。
トイレを出たところの場所的には洗面所があると便利そうな位置に、冷蔵庫が置いてあります。(洗面所は客室内に別にあります)
中は懐かしさを感じさせる和室です。中央に座卓があります。
手前に湯わかしポットやお茶セットが置いてあるスペースが。
グラスやコーヒーカップ、ドリップパックのコーヒー。それから急須とお茶も用意されています。
座卓の上に置いてあったお茶菓子は、パッケージに宿のロゴが印刷してあり、オリジナル商品のようです。
さくさく食感のサブレのような焼き菓子でした。
お茶セットスペースの橫には、浴衣やタオルなどが置いてあり、ハンガーバーもあって洋服をかけることもできます。
浴衣と帯、羽織、足袋ソックス、バスタオア、フェイスタオル、歯ブラシ、ヘアゴムやコットン綿棒のセット。
フェイスタオルが、よくある白いタオルではなくベージュ色に染めてあるのがなんだかおしゃれ。宿の名前が英字で、ターコイズブルーで刺繍してあるのもいいですね。
大きめの液晶テレビの橫には、ドリンクを注文したり浴室の空きを確認できるタブレットが置いてあります。
内線電話はボタン式の、ちょっと懐かしいタイプ。
テレビの下にDVDプレーヤーも設置してあります。
ロビーにあるDVDコーナーから「ホタルノヒカリ」を借りてきて、食事どきなどに流し見していました。
そしてそして、和室の奥にはベッドルームが。
真ん中に大きな柱があり、柱の右側にシングルベッドが設置してあります。
この部屋は1~2名定員なんですけどシングルベッド1台しかないので、2人で泊まるときは和室のほうに布団を敷くんでしょうかね。
そして柱の左側にはライティングデスクが。
電源タップが複数ついていて、なかなか使えるデスクです。座り心地もなかなか。
カーテンを開けて窓の外を眺めると、川が流れていて、向こう岸には昔ながらの温泉ホテルの姿が見えました。
この宿も、外からは古びた昔ながらのホテルに見えるんでしょうね……中に入ったらぜんぜん印象違ったけれども。
このベッドルームの端に洗面所も設置してありました。
カゴの中にドライヤーも入っており、広いし新しくてきれいな洗面スペースでした。
2022年12月に宿泊した本館2階の禁煙和室「芙蓉」
2022年12月に再訪した際は、本館2階にある「芙蓉」という部屋に宿泊しました。
昔ながらの木の階段を上って2階へ。
わざと昔ながらの雰囲気を残したのでしょうか。懐かしい感じの白い壁の細い廊下です。部屋のドアも、簾のような素材の引き戸でした。
古いけれど、あえて古いままにしてあるのでしょう。廊下はピカピカに磨かれていて、とても清潔です。
客室内へ。
入るとすぐ2畳ほどの次の間があり、その奥に10畳の和室が広がっています。
客室内も懐かしさを感じさせる和室ですが、畳はきちんと取り替えられており、新しいです。
壁際に冷蔵庫と金庫、お茶セットが。
設備や置いてあるものは、別館のお部屋と変わりません。
急須とお茶のセット、グラスとコーヒーカップにドリップパックのコーヒー。
オリジナルのお茶菓子も座卓の上に置いてあります。
テレビ、DVDプレイヤー、タブレットは別館の部屋と同様にありました。
このお部屋はベッドルームではなく、布団は夕食後に和室に敷いていただくのですが、和室の奥にフローリングのスペースがあって、トイレ・洗面所やソファがあります。
水回りの設備は新しく、機能も問題ありません。ドライヤーは、こちらの部屋に設置してある壁付けのやつは、風量が弱いのでちょっと使いづらいけどまあ、ドライヤーは脱衣所にもありますので。
そしてこのソファが、なんとも素敵。
窓を開けて外を眺めつつお茶やお酒を飲むのもいいし、寝転がってもいいですね。
こちらの部屋も、窓からの眺めは川と昔ながらのホテルです。
浴衣や羽織、タオル類もこちらにまとめて置いてあります。
おや、アメニティの中に、別館の部屋にはなかった「耳栓」があります。
別館は鉄筋だけれど、本館の建物はより古くて音が響きやすい、ということなのでしょうか……?
たまたまかもしれませんが、この日は近くの部屋の方も静かで、特に耳栓を使いたいタイミングはありませんでした。でも、わざわざ用意してくれるなんて親切ですよね。
ハンガーの下にあるかごの中には、寒いとき用のブランケットと、虫が出たとき用の殺虫剤とガムテープが入っていました。泊まったときは2回とも雪が降る寒い季節だったので、虫グッズは使わずに済みました。
各部屋にあるタブレット端末で貸切風呂の予約やドリンクオーダーが可能
友家ホテルではすべての客室にタブレットが置いてあり、貸切風呂の空き状況確認や予約、ドリンクオーダーなどができるようになっています。
特に、貸切風呂の予約機能は秀逸です。客室が14室ある宿で貸切風呂が4室なので「空いているときに自由に入る」方式だと「入りたくてお風呂まで行ったのにどこも空いていなかった!」ということにもなりかねませんが、このタブレットのおかげで無駄足を防ぐことができます。
「入浴状況&予約」のページを開くと、4つある貸切風呂の利用状況が表示されます。
「空き」「予約中」「入浴中」の3つのステータスに分かれており「空き」のときは画面をタップすれば、その後5分間「予約」状態になります。
館内がけっこう広いので、予約してからお風呂に行く支度をする感じだと、おそらく5分を過ぎてしまうので「いつでも風呂に行ける」状態になってから予約するのがコツです。
そうして浴室の前に行くとまたタブレットが設置してありますので、画面をタップして「入浴中」ステータスに変更してから中に入り、鍵をかけて入浴します。
お風呂から上がったらまたタブレットをタップし「空き」状態にしてから戻ります。
もちろん、たまたま浴室の前を通ったときに「空き」の状態であれば、予約なしでも「入浴中」にして入ってしまってOKです。
お風呂上がりに操作をし忘れると「実際は空いているのに入浴中のまま」になってしまいますし、他の人が予約している状態であっても横入りして入ってしまうこともできると言えばできるので、宿泊客のモラルに委ねられる仕組みではありますが……。
とは言えこちらの宿、雰囲気や宿泊料金などから宿泊客の多くは「落ち着いた大人」だと思いますし、2度泊まりましたが横入りされたり永遠に空かない浴室があったりということはありませんでした。
よく考えられている、すばらしいシステムだと思います。
別館1階の娯楽室はミラーボールが回り、漫画や卓球ビリヤードマッサージ機など楽しめる
友家ホテルの館内施設で、最も特徴的なのが別館1階にある「娯楽室」です。
別館にある浴室「庭園風呂」の目の前にあり、湯上がりの休憩所も兼ねているのですが、とにかく広い!
書棚には、漫画をはじめさまざまなジャンルの本が並んでいます。
フットマッサージャーを使いつつ、お茶を飲みつつ読書を楽しめます。
ちなみにお茶も「ジャスミンほうじ茶」など、一ひねりある個性的なお茶です。
娯楽室の奥には卓球台もあり、畳敷きのスペースには碁盤や将棋盤もあるようでした。
ビリヤード台に、ファミコンやスーファミらしきものも見えます。
ちょっと懐かしい雰囲気で大人も子供も楽しめる(大人のほうがより楽しそうかも)ので、滞在中に覗いてみるといつも賑わっていました。
オリジナル商品中心の売店の品揃えにもこだわりが詰まっている
2階のフロント前には売店があります。売店の商品は客室内のタブレットから注文してチェックアウト時に受け取ることもできますが、売店では実物を手に取って見ることができます。
品揃えは多くはありませんが、宿のオリジナル商品を中心としたこだわりのラインナップです。
大湯温泉の温泉水を使用したオリジナルの化粧水や乳液は、浴室の脱衣所にも置いてあり、使ってみて気に入れば購入できます。
宿のロゴ入りオリジナルスリッパも。
新潟県産のさまざまなフルーツジュースやご当地サイダー。
オリジナルのお米も! 魚沼ですからね。
食事のときにご飯がおいしいなあと思ったら、買って帰ることができるのです。
それから、ちょっと懐かしい感じの宿の名前入りの灰皿。昔はよく見たように思うんですが、最近では珍しいですね。それから、使い心地の良いカラフルなお箸も。
売店には自動販売機も設置してあります。深夜にビールが飲みたくなっても安心ですね。
緑茶、紅茶、天然水、オレンジジュース、キリンレモン、おつまみ、そして缶酎ハイと缶ビール。
缶ビールは「ハイネケン」と「プレミアムモルツ」と、新潟限定の「風味爽快ニシテ」という、やはりどこかこだわりを感じさせるラインナップです。
限定ビールがあるとつい買ってしまう……というわけで「風味爽快ニシテ」を購入して、お風呂上がりに部屋でいただきました。
【風呂】★★★★☆ 肌に優しい極上湯がかけ流される浴室をすべて貸切で利用
友家ホテルの浴室は、別館1階に1箇所と本館1階に3箇所、計4つの温泉浴室があり、すべて貸切で利用します。
かつては「男湯」「女湯」と「貸切浴室×2室」だったそうですが、コロナ禍を機に全室貸切利用に変更したとのこと。
公式サイトの説明書きを見るとここ数年で改修を行い、源泉かけ流しになった浴室もあるようで現在はすべての浴室でかけ流しのお湯を楽しむことができます。
また、浴室はチェックインから翌朝10時まで利用可能です。毎日朝10時にお湯を抜いて清掃を行うため、日帰り入浴は受け付けていません。すべてのお風呂に宿泊客だけが入ることができます。
別館1階「庭園風呂」は砂漠のオアシスがテーマの広々内湯
まずは最も広い、別館1階にある「庭園風呂」へ。
元は大浴場だったのでしょう。脱衣所も広いです。照明や脱衣カゴを置く棚のデザインも洒落ていますね。
洗面所には友家ホテルオリジナルの化粧水・乳液・美容液が置いてありました。源泉が使われており、気に入れば売店で購入することができます。
綿棒やコットン、櫛もあり、ドライヤーも風力がしっかりあるものが置いてありました。
化粧水などの後ろには温泉分析書が掲示してあります。
ph7.8の弱アルカリ性、泉温48度の単純温泉。加水も加温もせずにかけ流せる、ちょうどいい温度の源泉ですね。
では、いざ浴室へ。
手前に洗い場が4ヶ所あり、DHCのシャンプー&コンディショナー、ボディシャンプー、クレンジング、洗顔料が設置してありました。
そして浴槽……広い……。
「庭園風呂」と言うと庭が見える浴室なのかな?と思いがちですが、こちらは浴室自体が庭園の雰囲気を持っているということなんでしょうね。公式サイトによれば「砂漠のオアシス」をイメージしたデザインだとか。
写真だと浴槽からお湯が溢れ出る様子がわかりにくいですが、常時かなりの量が投入されています。
次回宿泊レポートを公開予定の宿の浴室。
— 月山もも🍶#ひとり旅本 8刷 (@happy_dust) February 1, 2023
この広々とした浴室を貸切で利用する。 pic.twitter.com/DN96lIA73e
やや温めで、新鮮さを感じられるすばらしいお湯です。
1人でゆったりと湯浴みを楽しむことができました。
ちなみに、庭園風呂の浴室外には野天風呂もあり、期間限定ですが渓流を間近に眺めながら湯浴みを楽しめるそうです。
春から秋にかけての営業のようで、私は2度とも寒い季節に泊まっているのでまだ入ったことがないのですが、いつか気候のいい時期に泊まって、野天風呂も楽しんでみたいですね。
本館1階「龍神の湯」では渓流を眺めながらかけ流しの湯に浸かれる
本巻1階にある「龍神の湯」は、庭園風呂に次いで広い浴室です。恐らく、こちらの浴室も以前は大浴場だったのでしょうね。
場所は、この後ご紹介する「扇風呂」の隣で、扇風呂の前から階段を少し下ったところにあります。
脱衣所も広々。
洗面所に化粧水なんかがないな?と思ったら、別の場所にドライヤーなどと一緒に置いてありました。
脱衣所内のアメニティは4つの浴室すべて同じで、ホテルオリジナルの化粧水・乳液・美容液とドライヤー、櫛が置いてあります。
浴室へ。
庭園風呂はやや暗めでライティングで雰囲気を出している感じでしたが、龍神の湯は光がたくさん入る明るい浴室です。
洗い場が4ヶ所ほどあり、しっかりとした仕切りがついています。(1人で使うからあまり関係ないけど・笑)
ちなみに龍神の湯のアメニティは、ポーラの「シャワーブレイク」のシャンプー&コンディショナー、ボディシャンプーと、同じくポーラの「アロマエッセ」のクレンジングと洗顔料でした。
実は、シャンプーなどのアメニティのブランドは、4つの浴室ですべて異なるものが置いてあるんですよね。このあたりもちょっとおもしろいこだわりだなと。
さて浴槽へ。
こちらは庭園風呂よりも若干熱め。冬には気持ち良い温度です。
段差に腰掛けて渓流を眺めて過ごします。
清潔で広々、こちらもすばらしい浴室でした。
本館1階「扇風呂」は湯のフレッシュさがすばらしく常連に人気
龍神の湯のお隣にある「扇風呂」。左側に見える階段を下ると龍神の湯です。
この浴室の前にも椅子とフットマッサージャー、お茶の用意があり、湯上がりに一休みできるようになっています。細やかなお気遣いがうれしいですね。
扇風呂は、扉を開けた後に階段を数段を下ります。
脱衣所も庭園風呂、龍神の湯と比べるとこぢんまりとしていますが、化粧水などのアメニティは揃っており、ドライヤーも設置してあります。
浴室内は、扇形の浴槽が1つと、シャワー付きの洗い場が1つ。
シャンプーなどのアメニティは、こちらも他の浴室とは異なり「ZIRA」というブランドです。クラシエの温浴施設専用ブランドですね。
湯口からは常時源泉が投入されており、オーバーフローはなかなかの量。
浴槽が小さめなのでお湯が入れ替わるのも早いのでしょう。庭園風呂、龍神の湯に比べてお湯は熱めで、より新鮮に感じました。
源泉のフレッシュさを実感しやすい、常連客に最も人気があるのも頷けるすばらしい浴室でした。
本館1階「四角い風呂」は浴槽内のタイルがかわいらしい
最後にご紹介する「四角い風呂」は、本館1階の、龍神の湯・扇風呂から少し離れた場所にあります。
四角い風呂の前には湯上がりの休憩スペースがあり、お茶やお水の用意がしてありました。このスペースもかなり広かったですね。
こちらが「四角い風呂」の入り口です。
2020年に改修して源泉かけ流しになった浴室だそうですが、脱衣所もそのときにリフォームしたのか新しくきれいです。
タオルや服を置く棚の形も、オブジェのようで格好いいですね。
アメニティやドライヤーは、もちろんしっかりあります。
光がよく入り、白いタイル張りの明るい浴室です。浴槽と洗い場の間に仕切りがあるのもいいですね。
シャンプーなどのアメニティは「ミキモトコスメティックス」で統一されていました。
4つの浴室、すべて異なるブランドのものが置いてありましたね。
浴槽内のお湯が青っぽく見えるのはタイルの色のせいだと思いますが、湯桶のブルーと合っていてきれい。
湯口が浴槽内にあるので湯面が波立たず水音もなく静か。水玉模様の特徴的なタイルを眺めつつゆったりと湯浴みを楽しみました。
【食事】★★★★☆ 工夫が凝らされ、こだわりが感じられる創作料理
友家ホテルでは基本的に食事はすべて部屋食になります。(大人数の場合は個室食事処が別途あるようです)
DVDもいろいろ借りれますし、普段テレビを見ない方でも映画のDVDなど眺めつつ、部屋で食事をいただけるのはうれしいですね。
友家ホテルのドリンクメニュー
飲み物はすべて、客室にあるタブレットから注文します。
食事以外のタイミングでもオーダーできますし、部屋で飲むのではなくお土産として注文することもできるようになっていました。
日本酒は「緑川」「鶴齢」「巻機」など、魚沼らしい地酒が並ぶ中に「TOMOYA純米大吟醸」「TOMOYA YUKI」なる宿オリジナルの日本酒も。
「酔鯨 特別純米」気になるけど4合瓶か……。そしてビールはスーパードライとサッポロ黒ラベルの中瓶のほかに「ジャマイカビール」があってびっくり。
「芋焼酎」「米焼酎」のボトルのほか、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインがそれぞれフルボトルとハーフボトルで用意されていました。ワインはチリワインで揃えているようでしたね。ジャマイカビール然り、産地にこだわりはなく「おいしい」と思った銘柄をメニューに取り入れているようです。
果実酒も「ブルーベリー」「すもも」「梅」「かりん」などいろいろ。
ソフトドリンクは「ももジュース」「ポンカンしぼり」「ユキオトコサイダー」「越冬とまとジュース」「雪下人参ジュース」などのほかに「ジャワティー」の赤白が!
しかもガラス瓶のジャワティーだそうです。見たことない……。
追加料理としておにぎりとソーセージ5種盛りも注文可能でした。おにぎりは連泊時に昼食として注文することもできるようです。
2022年3月宿泊時の夕食は前菜の「嶺岡豆腐」と「ポークソテー」を気に入る
まずは2022年3月に初めて宿泊した際の夕食をご紹介します。
友家ホテルでは食事のお品書きもタブレットで見ることができます。
毎日印刷する必要もないし、食材や調理法についての詳しい解説もあっていいですね。
お品書きは、個人的には絶対にあったほうがうれしいし、詳しく書いてあるほどうれしい。
リーズナブルな宿で一気出しだったら別ですけど、コース料理で1品ずつ出てくる場合お品書きを見てから注文するお酒を決めるので……。あと何品出てくるかわからないと、お酒のおかわりもしづらいですしね。
お酒は、宿オリジナルの純米大吟醸をお願いしました。
一合瓶なので気軽に頼めるのが良いですね。純米大吟醸らしい優しい味わいのお酒で、料理と一緒に楽しむのにちょうどいいお酒でした。
料理は、はじめに前菜と、その場で調理する鍋を運んでいただき、以降の温かい料理は一品ずつ出来たてを持ってきてくれます。
手前にあるお豆腐は突き出しの「嶺岡豆腐」です。
牛乳を使って作った豆腐、もっちり食感でおいしい。食前酒は梅酒のワイン割り、甘さ控えめで食欲が湧いてきますね。
前菜はそれぞれ、かわいらしい豆皿に入っています。
上段左から、じゃことえのきの柚子風味、ホタルイカ酢味噌、カリフラワーのペペロンチーノ。
下段はうるいと桜海老、フルーツトマト、いぶりがっこクリームチーズ。
宿のオリジナルのお酒と共に、いただきます!
次は2品とも、友家ホテルの名物料理。赤いお椀に入っているのは「ぜんまいの一本煮」です。田舎料理の定番ですが、このあたりで採れた太くて立派なぜんまい。山菜好きなのでこれ大好きです。
そしてはまぐり鍋。大きなはまぐりをあっさりとした出汁で。ちょっと殻が割れてしまっていたけどおいしいので問題なし!
お刺身は「天使の海老、まぐろ、イカ」の3点盛り合わせ。山の宿とは思えないほど魚介も新鮮です。
タブレットのお品書きに「以前口コミに『山奥で刺身なんて』と書かれ、それからがんばっていい刺身提供してるよ!」「山奥って言うけどシカゴとかからしたら日本全国海沿いなんですけどね」と書かれており、たしかに!と笑ってしまいました。私は山の宿で海の魚の刺身が出てもおいしければうれしいです。
そして、山の宿ならではのメニュー、岩魚の塩焼きもちゃんとおいしかった。
岩魚を食べ始めるあたりで最初の日本酒がなくなったので、もう1種類の宿オリジナルの日本酒をタブレットから注文。
「TOMOYA YUKI」なる濁り酒です。しっかり濁っているけど舌触りはさらっとしていてやや甘口。
次なる料理、栗豚のソテーの甘めの玉ねぎソースには合うんじゃないかなと。
ポークソテーを持ってきてもらったところで「ご飯もお持ちしますか?」と聞かれたので、ああこのポークソテーはご飯にも合うかもねと思い、持ってきてもらいました。
ほうれん草と豆腐がたっぷり入った具沢山なお味噌汁と、自家製の漬けもの、を食べつつ、お酒も一緒に飲みました。ポークソテーも量たっぷりあって、ご飯にもお酒にも合いましたね。
お酒は残ったら後で飲めばいいやと思っていたのですが、飲みやすいのでご飯が終わるまでに飲みきってしまいました。そしてお腹いっぱいだけどやはり魚沼、ご飯もおいしかったです。
デザートはチョコミントアイス。
コーヒーは自分で淹れたものです。チョコミントアイスはあまり乳脂肪分が高くないさっぱりとした食感で「食後にちょっとだけ甘いものを食べたい」ときにちょうどいい満足感がありました。
2022年12月宿泊時の夕食は「和風ローストビーフ」の赤身のおいしさに感動
2022年12月に宿泊した際の夕食メニューです。
定番メニューで変わっていないものと、季節メニューで変わっているものとあります。
まあ、前回宿泊から9ヶ月経っていますし、前回全部おいしかったのでまったく同じメニューでもぜんぜんOK!ぐらいの気持ちでしたが、さて今回はどんな感じでしょう。
今回も鍋とお椀と前菜、食前酒、あとはすりおろした「自然薯」が最初に提供されました。
自然薯は、つまみとして食べても、最後にご飯と一緒に食べてもいいとのことで、私はご飯までとっておくことにしました。出てくるタイミングとしては「突き出し」なんでしょうかね……ちょっと不思議な感じだけど。
今回の食前酒は「自家製梅酒とカシスとワイン」をブレンドしているそうで、なかなか凝っています。
前菜は左上から時計回りに「じゃことえのきの柚子風味」「牡蠣のオイル漬け」「小豆と甘く煮た金時豆」「トマトとオリーブ」「かまぼことアンチョビ」です。
どれもお酒に合いそうで食べるのが楽しみ!
今回、お酒は魚沼の日本酒「緑川」の生酒2合瓶をオーダーしました。そして、気になっていた「ガラス瓶入りジャワティー」もチェイサー代わりにお願いしてしまいました。
いただきます!
ぜんまい煮とはまぐり鍋は前回もいただいたメニューですが、どちらも大変おいしくてまた食べたいと思っていたのでうれしい。
お刺身は「かんぱち」「まぐろ」「天使の海老」です。ここのまぐろはおいしいですよ!
岩魚の塩焼き、今回もおいしくいただきました。
そして今回、肉料理はローストビーフです。
質の良い赤身肉を使っているようで、柔らかく旨みが強いです。味付けは醤油ベースで完全に和風、もちろん日本酒にもよく合い、付け合わせの野菜とうずらの卵までおいしくいただきました。
最後にご飯とお味噌汁を。取っておいた自然薯と共にいただきます。
デザートはカシスのシャーベット。
前回のチョコミントもそうでしたが、さっぱりとした食感で四角い形もおもしろいです。注文していたジャワティーにちょうどよく合いました。
朝食は脂の乗った焼き鮭と魚沼産コシヒカリのご飯、手作りのデザートがうれしい
朝食は、7時半から8時半の間の指定した時間に、お部屋でいただきます。
こちらは2022年3月に宿泊した際の朝食です。
見るからにおいしそうです!
ロースハムには粒マスタードとマッシュポテトが添えてありました。
だし巻き卵は優しい味付け。
焼き鮭は脂が乗っていてご飯が進みます。
じゃこの入った和え物は、山椒の風味が効いていました。
味噌汁にはお麩となめこ、三つ葉がたっぷり入っていて具沢山。柚子で風味付けがしてありました。おそらく自家製と思われる漬けものもたっぷり。漬かり具合もしょっぱすぎず好みでした。
朝食にもデザートがつきます。チーズケーキのパイナップル添え。手作りっぽい軽めの味わいのチーズケーキで、食後のコーヒーを淹れておいしくいただきました。
そしてこちら↓が、2022年12月に宿泊した際の朝食です。
ほぼ同じメニューですが、とにかく魚沼産コシヒカリのご飯がおいしくて。
旅館の朝食メニューにありがちな塩辛い「ご飯のお供」的なメニューは少ないのに、たくさんご飯を食べてしまいました。
今回も、デザートはチーズケーキ。こちらもおいしくいただきました。
ちなみに、朝食が部屋食だと「朝食後にお風呂に入りに行きたいのになかなかお膳を下げてもらえなくて時間がなくなってしまった」というようなこともままありますが……。友家ホテルでは「朝食の下膳(部屋不在)」ボタンを押しておけば、あとは不在でも片付けてもらえるのえお風呂に行ってしまってOKです。こういう工夫もすばらしいなと思いました。
最後に一風呂浴びて10時にチェックアウトしました。
【再訪したい度】★★★★★ 部屋食事風呂サービスそれぞれにすばらしく、こだわりも楽しい宿
リノベーションされた部屋、浴室の雰囲気やアメニティにもこだわりが感じられ、予約システムも工夫あり。食事やドリンクのメニューも凝っていて味も良い……と、随所に工夫が感じられる宿です。
こだわり強めなのでハマらない人はハマらないかも……とは思いますが、個人的にはよく考えられていてすばらしいなと思ったし、気に入っています。
以前はかけ流しではない浴室があったそうですが、改修してすべてかけ流しになったりと進化を続けているのもいいし、土曜日や連休でも1人で泊まれるのもありがたいですね。
大湯温泉の先にある栃尾又温泉には何度も泊まったことがあったのですが、友家ホテルに泊まって大湯温泉の良さを知ることができました。既に2度泊まっていますが、きっとまた泊まりたい宿です。
【1人旅に優しい度】80点:部屋食でGWも1人泊可能な1人旅に優しい宿
泊まりやすさ 20/20
休前日も1人泊可能、年末年始やGW中も1人で予約可能
食事場所の配慮 20/20
部屋食で、テレビやDVDを眺めつつゆったりいただける。
プランの選択肢 15/20
「2名に1杯蟹がつく」プランは1人では申し込めないけれど、基本的には1人泊でも2人以上でも予約できるプランは同じ。ちなみに予約サイトで申し込むより公式サイト経由のほうがプランの選択肢は多い。
ドリンクオーダー 10/20
宿オリジナルの日本酒2種類は1合瓶でオーダー可能。
ワインや焼酎などもグラスオーダーは見当たらず、ボトルでのオーダーとなるため、1人だと選択肢はやや少なめ。
フリーWi-Fi完備 15/20
客室内でWi-Fi利用可能。速度も問題ありませんでした
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。