オフシーズンの冬にのんびりと、温泉とフレンチを楽しみに老舗のホテルに泊まる
中禅寺金谷ホテルは、日光湯元温泉から引かれた緑がかったかけ流しの硫黄泉と、金谷ホテル伝統のフレンチフルコースを楽しむことができる、中禅寺湖畔のホテルです。
ハイクラスの宿、というイメージの方も多いかもしれません。私自身も以前は「登山の後、ザックに登山靴でチェックインして大丈夫だろうか……」と心配していました。が、大丈夫でした!
中禅寺湖畔にリッツカールトンや星野リゾートの「界 日光」などのお高めの宿が増え、相対的に以前より泊まりやすい宿になったのではないでしょうか。また物価高で宿泊料金を値上げする宿が多い中で中禅寺金谷ホテルの宿泊料金はコロナ禍前からほぼ変わっていないように思います。
だからと言って質が下がったということもなく、金谷ホテルの伝統をしっかりと受け継いだおいしい食事とサービスを提供してくれる、安心感のある宿です。しかも、1人泊専用のセミダブルルームがあるため、お正月や連休でも1人で泊まることができます!
ブログでご紹介するのは今回が初めてですが、実は既に3度泊まってしまったお気に入りの宿、中禅寺金谷ホテルについてレポートしたいと思います。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- オフシーズンの冬にのんびりと、温泉とフレンチを楽しみに老舗のホテルに泊まる
東武日光駅から路線バスか、ホテルの送迎バスに乗って中禅寺金谷ホテルへ
日光にはハイキングや軽登山を楽しめる場所がそこら中にありますから、晴れれば早めに出発して、どこか歩いてからチェックインしたい……。
そんなときに便利だったのが、新宿駅を7時31分に出て、9時27分に東武日光に着く特急「日光1号」でした。
しかし、この日光1号は2023年3月18日のダイヤ改正で発車時刻が2時間後ろ倒しになり、東武日光に着くのが11時30分ごろになってしまいます。
現地で観光やランチを楽しむには11時30分はちょうど良いのでしょうけれど、登山には使えなくなってしまいます。そんなわけでダイヤ改正直前、3月上旬のこの日はちょっと名残惜しい気持ちで日光1号に乗車し、2時間ぐっすり寝て東武日光駅へ。
快晴です!遠くの山もよく見えますね。
この日は奥日光ではなく日光駅から歩いてアクセスできる「鳴虫山」に登ってから、宿に向かうことにしました。
早めに日光に着いて観光や登山、ハイキングを楽しんでから向かうのも良い
日光駅から徒歩10分ほどの場所に登山口がある「鳴虫山」は、標高1103.5メートルとほどよい高さの山です。冬でも積雪は少なめで、真冬でもチェーンスパイクがあれば十分というコンディションの日が多いので、私は毎年のように晩秋から春にかけて登っています。
日光駅から歩けるので、駅のコインロッカーに登山に必要ない荷物を預けて登れるのも気に入っているポイントの一つ。
鳴虫山のピークに向かう途中で通過する「神ノ主山」からは女峰山を眺めることができます。
途中、急坂もありつつ登っていくと2時間ほどで山頂に到着。
冬の間は木の葉が落ちて見晴らしが良い山頂で休憩を取って元来た道を下山。3時間半ほどで東武日光駅に戻ってきました。
金谷ホテルのシャトルバスには「東武バス定期観光バスのりば」から乗車する
ここからホテルまでは「金谷ホテルのシャトルバス」か、東武の路線バスで向かいます。
シャトルバスは、東部日光駅とJR日光駅の間にある「定期観光バスのりば」を「10時10分」「14時30分」「16時40分」に出発し、日光金谷ホテルを経由して中禅寺金谷ホテルに向かいます。
特に予約などは必要ないので、出発時刻までに乗り場に向かえば乗車できます。
発車時刻の15分前にはバスが来ているそうなので、早めに来ておいても大丈夫です。
冬季は東武バスのフリーパスを、宿泊客は半額で購入できる
日光では東武バスがいくつかのフリーパスチケットを販売しており、有効期限中は乗り降り自由になるためかなりお得なのですが、冬期間(例年12月~3月末)は「湯元温泉フリーパス」と「中禅寺温泉フリーパス」のみ、現地の宿の宿泊客限定で半額で購入することができます。
湯元温泉フリーパスは2日間乗り放題で3500円のところ、1750円で購入可能です。
購入できる場所は東武日光駅併設の「東武日光駅ツーリストセンター」です。基本的には「宿泊予定の宿に『半額フリーパスを購入したい』旨を事前に連絡する」必要があります。
ですが、宿に連絡するのを忘れてしまったときに「事前に連絡していないと半額のフリーパスは買えませんか?」と窓口で聞いてみたところ「予約していることを証明できるものがあれば」とのことだったので、じゃらんの予約確認画面を見せて購入できました。
金谷ホテルのシャトルバスだとあちこち寄り道はできませんが、路線バスなら中禅寺湖や日光東照宮で途中下車することもできますし、本数もそこそこ多い路線です。行き帰りに観光やハイキングを楽しむのであれば、フリーパスがおすすめです。
日光駅からバスに乗り「中禅寺金谷ホテル前」で下車します。
バス停の目の前に中禅寺湖。
道の向こうには中禅寺金谷ホテルが建っています。
実は、バス停があるのは宿の裏手側でして……ここからホテルの正面玄関まではちょっと遠いので、裏口のようなところから入れるようになっています。
案内板に従って進んでいくと、ガラス張りの廊下に「出入口」と書かれた引き戸があるので、ここから入れます。
実はここは、客室棟と浴室をつなぐ渡り廊下です。
ちなみに、1月に来たときはこの周辺にも少し雪が積もっていて、滑りやすかったので真冬に行かれる際はご注意ください。でも、雪があると景色はよりきれいですね。
ガラスの引き戸を開けて「フロント」と書かれた方向に進むと、客室の並ぶ廊下に出ます。
初めて来たときは、フロントに行くつもりがいきなり客室だったので「何か間違えちゃったかな?ここで大丈夫?」とちょっと驚きました。この廊下をひたすら突き進むとフロントに着きます。
車、あるいはシャトルバスで来た際は、正面玄関から入ることになるのでこちらから。
こちらは中に入るとすぐフロントなので迷う心配はありません。
チェックインを済ませて、客室に向かいます。
【部屋】★★★★☆ 設備は十分に整い、高原のホテルらしい雰囲気がある
中禅寺金谷ホテルの現在の建物は1992年に建てられたものです。
築30年以上経過しているので新しいとは言えず、旅行サイトやGoogleのレビューでは建物の古さを指摘する方もいますが、個人的には特に気になったことはありません。
木の温かみが感じられる家具や内装は山のリゾートホテルらしくて良いと私は思っています。
2021年・2022年に宿泊したツインルーム
2021年と2022年には「スタンダードツインルーム」に宿泊しました。
部屋の内装やアメニティについてはほぼ同じだったので、2022年に泊まった305号室のほうをご紹介しようと思います。
一つだけ違ったのが、2022年に泊まったときの305号室のキーホルダーは丸みを帯びた普通の形のキーホルダーでしたが、2021年に泊まった220号室はムササビ型でした。
部屋によってムササビ型のときもあるのか、それとも2021年まではムササビで、2022年に普通のタイプに変わったのかはわかりません。(ちなみに2023年も普通でした)
中禅寺金谷ホテルの客室はすべて、中禅寺湖側に面していて日当たりが良く、ベランダからの眺めもなかなかです。
日中は電気を点けずに過ごせる明るさです。
ベランダには木製の椅子が置いてあり、中禅寺湖を眺めることができます。
私はいつも冬に泊まっているのであんまりベランダで長居したことはありませんが、気候のいい時期であれば気持ちがいいでしょうね。
ツインルームには客室内に、テーブルとシングルソファが2脚あります。
それから隅のほうに、ライティングデスクのようなメイクスペースのようなデスクが。
コンセントもあるので、滞在中はこちらでPC作業などしていることが多いですね。ちなみに中禅寺金谷ホテルはWi-Fiも速くて安定しており、快適でした。
デスクの上にはドライヤーと、アメニティ類も置いてあります。
アメニティは、歯ブラシ、カミソリ、コットンセット、シャワーキャップ。
それから、パウチに入ったクレンジング・洗顔料・化粧水・乳液のセットがあります。
クローゼットの中には使い捨てのスリッパとバスタオルが4枚、フェイスタオルも2~3枚。
大浴場にはタオル類は置いておらず、部屋から持っていくことになりますが、そのためか1泊でもタオルは多めに置いてあります。
冷蔵庫の中には有料の飲料が。
缶ビールとミックスナッツ、ウィスキーの小瓶が入っていました。
それからお茶セットと湯わかし機能付きのポットが。
金谷ホテルのロゴ入りのミネラルウォーターはサービスです。お茶菓子と緑茶・ほうじ茶のティーパックもありました。
後ほどご紹介しますが、コーヒーと紅茶は宿泊者専用のラウンジでいただけますし、部屋に持ってきて飲むこともできます。
部屋の隅にはチェストと、その上に液晶テレビ。橫には加湿機能付きの空気清浄機が。
チェストの中には浴衣と帯、それから浴室に行くときなどにも使える、金谷ホテルのロゴ入りの袋が。
水回りは、浴室と洗面所、トイレが1室にまとまっているタイプ。
新しいホテルだとトイレは別にする傾向がありますので、このあたりは昔ながらのホテルという感じ。
ただ、温泉大浴場があるので特に部屋の風呂を使うこともないですし、1人なので「トイレに行きたいときに同行者が歯を磨いていて入れない!とかいうこともなく……同室でも特に困ることはありませんでした。
洗面台の前にはハンドソープと、シャンプー&コンディショナーとボディシャンプーのミニボトルも置いてありました。
2023年に宿泊したセミダブルルーム
2023年はセミダブルルームに宿泊しました。
2021年、2022年はコロナ禍で、しかもオフシーズンの冬だったので、客室も満室ではなかったように思うのですが、2023年は冬でも週末はけっこう混んでいました。そうなると、1人ならセミダブルルームのほうが安く泊まれるし……ということで初めてセミダブルルームへ。
セミダブルルームは(秋などの繁忙期はわかりませんが)基本的にシングルルームとして提供しているようで、連休などの繁忙期でも1人で泊まることができます。
枕いっぱい置いてあるな……。
ピンクのベッドカバーはツインルームと同じですね。
ツインルームではチェストの上にテレビが置かれていましたが、セミダブルルームにはチェストがなく、テーブルの上にテレビが。
デスクは、セミダブルルームはメイクスペースと兼ねているわけではなく、ちゃんといたライティングデスクです。シングルソファはツインには2脚あったけれどセミダブルルームは1脚でした。部屋の広さはほぼ変わらないと思うんですけど、やはりこちらは1人用の部屋なんでしょうね。
冬は、木の葉が落ちているのでベランダから湖が良く見えます。
おそらく、夏に来たら木の葉が茂っていて、それはそれで緑はきれいでしょうけど、湖はあまり見えないんじゃないかなと。
クローゼットにはバスタオルとタオル、浴衣が。
ちなみに使い捨てのスリッパは、2023年に来たときはバージョンアップして前よりいいやつになってました!2022年までは白くてちょっとぺなぺなしたやつで、いかにも使い捨て!という感じでしたが、黒くて少し厚みのあるタイプに変わっていました。これはうれしい変化ですね。
浴室・洗面所・トイレの様子はこちらも同じ。
一つ違うのは、セミダブルルームではドライヤーやアメニティ類はデスクの上ではなく洗面所に置いてありました。まあ、こちらのほうが使いやすい気はします。
お茶セットと冷蔵庫。あれ……?2021年・2022年のときと少し変わってますね。
間違い探しみたいですけど「ティーカップじゃなく茶碗と受け皿に」なり「冷蔵庫のウィスキーが3種類→2種類に」なって「お茶うけのお菓子がなくなって」います。
これが、すべてのお部屋で同じ変化が起こっているのか、セミダブルルームだけなのかはわからないのですが……一様にコストカットしているわけではなく、使い捨てのスリッパなど良くなっている部分もあるので、サービスを取捨選択しているのかもしれませんね。
よく考えると、部屋にはもともと緑茶とほうじ茶しか置いてなかったので、ティーカップより茶碗を置いておくほうが自然なのかもしれません。
コーヒーや紅茶をいただける宿泊者専用ラウンジ
フロント・ロビーから1階階段を上がった2階、ロビーの真上に宿泊者専用のラウンジがあります。
エスプレッソマシンと紅茶のティーパックが置かれ、ラウンジで外を眺めながら飲んでもいいし、部屋に持ち帰って飲んでもOKとのこと。
利用できるのは15時から22時までです。
紅茶はダージリンティーとアップルティー、そしてカフェインレスのアールグレイが。デカフェの紅茶まであるのはちょっと珍しい気がします。
夕暮れに染まる中禅寺湖を眺めつつ、コーヒーをいただきました。
冬季は夕方から夜にかけて、ロビーの暖炉に火が入る
11月から4月ごろまで、ロビーにある暖炉に、夕方から火が入ります。
この暖炉の周りのスペースが、雰囲気があってお気に入りです。
明るい色のソファやファブリック。
窓が大きく、円形になっているのも素敵です。
赤く火が燃える暖炉。
冬の夜はかなり冷え込みますが、暖炉の火を眺めると「冬に来てよかったなあ」と思いますね。
ちなみに、正月の三が日に泊まったときは紅白幕や凧が飾られていました。
ちょっと好みが分かれそうな装飾ですが、正月なんてめったに来れないので、これはこれで楽しかったです。
飲料の自動販売機は大浴場に向かう途中にある
中禅寺金谷ホテルの自動販売機は、客室棟の1階から大浴場に向かう途中にあります。
ウォーターサーバーや椅子が置いてあり、日帰り入浴の際の待ち合わせスペースとしても使われているようですが、こちらに自動販売機が設置されています。
アサヒの自動販売機で、アルコールとソフトドリンクがあります。
アサヒなのでスーパードライやクリアアサヒですね。ウィルキンソンのジンジャーエールと炭酸水があるのはいいな。
浴衣とスリッパでOKなのは「大浴場と部屋」を行き来するときのみ
中禅寺金谷ホテルの客室内には浴衣と羽織、使い捨てのスリッパが用意されています。
ちょっとお高めのホテルの場合「浴衣とスリッパで部屋の外に出て良いのか」という問題がありますが、温泉大浴場がある中禅寺金谷ホテルでは「大浴場と部屋を行き来するときのみ、浴衣とスリッパでOK」とされています。
レストランで食事をするときやラウンジでお茶をいただくときなども浴衣はNG、靴を履くことになります。
ただ、エレベーターやメインの階段がフロント・正面玄関のすぐ前にあり、大浴場が1階にあるので大浴場と部屋を行き来する際は基本的に、フロントの前を通ることになるんですよね……。それで「浴衣の人がうろうろしていてがっかり」とレビューされてるのを見たことがあるのですが……利用される際は「そういうホテルなのだ」ということを理解したうえで予約&宿泊されることをおすすめします。
ちなみにですが、客室棟の端のほう、大浴場寄りのところにも階段があり、そちらを通ればフロント・正面玄関の前を通らずに浴室に向かうこともできます。
【風呂】★★★★☆ 大浴場「空ぶろ」で緑がかった硫黄泉を楽しめる
中禅寺金谷ホテルには、日光湯元温泉から引湯した硫黄泉を楽しめる、露天風呂付きの大浴場があります。
前述のとおり客室と大浴場を行き来する際は浴衣・スリッパでOKですが、冬は大浴場に向かう途中の渡り廊下がけっこう寒いので、靴下とウールのタイツを身につけて暖かくして向かいました。
お湯も良く設備も整った浴室で快適な湯浴みを楽しめる
大浴場は別棟にあり、ガラス張りの渡り廊下を通って向かいます。
景色が見えるのでこの廊下はなかなか雰囲気があって良いのですが、暖房は入っていないので冬はけっこう寒いです。
夜もこんな感じで、外がライトアップされているのが見えてきれいでした。
手前が男湯で奥が女湯。男女の浴室の交換はありません。
女湯はドアに常時ロックがかかっており、解錠するための暗証番号をチェックインの際に教えてもらいます。
脱衣所に入ると、手前がパウダーコーナーになっています。
ポーラの化粧水・乳液・クレンジングオイルが設置してあり、ドライヤーも4台ほど使えます。ドライヤーはPanasonicのイオニティなどでしたが、特にシリーズを統一しているわけではないようで、他のメーカーのものもありました。
パウダーコーナーの奥には、脱衣カゴが並んでいる棚が設置してあります。
ちなみにこちらの写真↑は2022年に泊まったときのもので、感染症対策のためにカゴの数を少し減らしていましたが、2023年に宿泊した際はすべての棚にカゴが置いてありました。
では、浴室へ。
手前側に洗い場が10箇所ほどありました。数も十分ありますし、シャワーの水圧や温度も問題なく、隣の洗い場との間に仕切りもしっかりある、快適な洗い場です。
右手側にはサウナも。ちなみに2022年に宿泊した際はサウナは使用禁止でしたが、2023年は「利用人数は最大2名まで」の制限はあるものの、利用できるようになっていました。
水風呂はないので、サウナを利用後は隣にあるシャワーブースを使います。
洗い場の奥に浴槽があります。
緑がかったお湯が常時注がれている明るい浴室です。
日光湯元温泉からの引湯ですが、湯元温泉ではそこまで緑色は濃くならないのに、中禅寺温泉だと鮮やかな緑色になるのはどうしてなんでしょうね。
時間が経つと緑がかった濁り湯になりますが、中禅寺金谷ホテルの内湯はお湯が入れ替わるのが早いのか、透明な緑のお湯のことが多いです。
やや熱めの適温のお湯を、ゆったりと楽しみました。
露天風呂から晴れた日の夜は星空を眺められる
内湯で温まったあとは露天風呂へ。
浴槽内に段差が3段ありますが、濁り湯で見えにくいので慎重に入ります。
やや青みがかった濁り湯です。
湯口は温泉成分で真っ白になっています。日によって温めだったりやや熱めだったりしますが、心地よく入浴できる温度に整えられています。
中禅寺金谷ホテルには冬におとずれることが多いので、露天風呂の周辺の木々もほとんど落葉しているのですが、紅葉の時期は見事な紅葉が眺められることもあるそうです。
ただ、紅葉シーズンは宿も交通機関や道路もかなり混みますので……私は、紅葉は眺められなくても人が少ない冬に行くのが好きですね。
露天風呂は濁り湯のことが多いのですが、1度だけ、お湯を入れ替えたばかりだったのでしょうか、透明グリーンのお湯を楽しめたこともあります。
濁り湯はいかにも温泉らしくて良いですけど、酸化する前の透明な源泉に巡り会うとテンションが上がりますね!
脱衣所、内湯、露天風呂すべて、設備が整っていて快適に湯浴みを楽しめるし、お湯もすばらしいです。
「空ぶろ」では13時から15時まで日帰り入浴も可能
中禅寺金谷ホテルでは13時から15時までの短時間ではありますが、大人1300円の入浴料金で日帰り入浴も可能です。
メンテナンスなどで営業時間が変わることもあるそうなので到着前に電話で確認したほうが良いそうですが、ホテルのレストランでランチをした後に日帰り入浴を楽しめるのはありがたいですね。
日帰りでも贅沢な休日を楽しめそうです。
【食事】★★★★☆ フレンチフルコースの夕食と、追加オーダーも楽しめる朝食
中禅寺金谷ホテルでは、夕食・朝食共に1階にある「ダイニングルームみずなら」でいただくのが基本ですが「食事が付かない素泊まりのプラン」や「朝食付きのプラン」あるいは「夕食をルームサービスでいただくプラン」なども用意されています。
また、素泊まりのプランで予約しても、当日20時までに申し込めばレストランで食事をいただくことも可能だそうです。
レストランは浴衣・スリッパでの利用はできません
ダイニングルーム「みずなら」は浴衣・スリッパでの利用はできません。
とは言え、ドレスコードを気にしなければならないようなかしこまった雰囲気ではなく、気軽に食事を楽しめるレストランです。
登山や戦場ヶ原トレッキングの前後に宿泊する方も多いので、フリースを着ていたり山帰りっぽい服装の方も見かけますし、トレッキングシューズやスニーカーの方もいます。
私も、スニーカーっぽいローカットのトレッキングシューズのときはそのままレストランに行きました。が、ハイカットの登山靴の日は単純に重くて足が疲れるので……室内履き用にクロックスのストラップシューズを持参しています。
軽量で歩きやすく、見た目もサンダルよりちゃんとして見えるので便利です。
重さなどが気にならなければ、登山靴でレストランに行っても別に問題はないと思います。
ダイニングルームみずならは、奥行きが広い形をしており、木の壁や椅子が山の宿らしさを感じさせるレストランです。
3度泊まっていますが、いつも奥のほうの席に案内していただいたので人目はあまり気にならずにすみました。フレンチやイタリアンが食べられる温泉宿がけっこう好きでいろいろ泊まっていますが、中禅寺金谷ホテルはこれまで泊まった中では、1人フレンチの敷居が低いほうのホテルです。サービスも心地良いもので、緊張せずに食事を楽しむことができました。
中禅寺金谷ホテルのドリンクメニュー
ドリンクメニューは毎回少しずつ変わっているのですが、1番最近泊まった2023年3月宿泊時のドリンクメニューをご紹介したいと思います。
まずはビールですが、金谷ホテルオリジナルのクラフトビールの瓶が2種類と、生ビールはアサヒの「熟撰」、アサヒとキリンの瓶ビールとノンアルコールビールも有り。
鳳凰美田など栃木県産の地酒もグラス、あるいは4合瓶でオーダー可能です。梅酒やゆず酒の用意もあり。
ワインは「金谷ホテルオリジナルラベルワイン」が、赤・白・ロゼと用意されており、グラスかボトルでオーダー可能です。
そのほかにもスパークリングワイン2種、白ワイン3種、赤ワイン3種をグラスオーダー可能なので、全部で11種類のワインをグラスオーダー可能でした。1人でもそれなりに選択肢が多くあってうれしい。
ボトルオーダー用のワインリストは「若く、飲みやすい赤ワイン」「やや渋みのある赤ワイン」など、わかりやすい解説付き。
それぞれのワインの味や香りについての解説もあったので、グラスワインをオーダーする際もこちらを参考にできました。
ノンアルコールドリンクメニューも、なかなか充実しています。
中禅寺湖から吹くそよ風をイメージしたノンアルコールカクテル、アルコール入りでもオーダー可能とのことでちょっと気になりますね。
2021年1月宿泊時の夕食は、ワインペアリングと共に
2021年に初めて宿泊した日はまだお正月(1/3)だったので、レストランにもしめ飾りがありました。
白いテーブルクロスにカトラリーがセットしてあります。
この日は「選べるディナーコース」プランで予約していました。
スタンダードなフルコースの「本日のディナー」と、日光産虹鱒を使った「トラウトディナー 中禅寺金谷ホテルスタイル」から、どちらかを選ぶことができます。
トラウトディナーも気になるのですが……肉料理があったほうがうれしいので「本日のディナー」を選んでしまう私です。
この日は「ソムリエ厳選ワイン」の「シャンパン・白・赤」をペアリングでいただけるとのことだったので、そちらをオーダー。ペアリングはいつもあるわけではなく、3度泊まったうちこのときだけメニューにありました。
それぞれのメニューで使われている食材の産地が書かれた紙が別にありました。栃木県産の野菜たっぷりのフルコースです。
前菜はサーモンや猪肉のパテと、ベビーリーフや紫大根などの野菜、エディブルフラワーが色鮮やかに盛り合わせてあります。
ペアリングの1杯目、ロゼのシャンパーニュ「パイパー・エドシックロゼ・ソヴァージュ」と一緒にいただきます。
スープは「本日のポタージュ」と「コンソメ」からポタージュを選びました。なんと「かぼちゃとコーヒー」のポタージュ。クリーミーなかぼちゃ味だけれど香りはコーヒーという、不思議だけどめちゃくちゃおいしいポタージュでした。
そして金谷ホテルベーカリーのパン。皮パリパリで中しっとりのバゲット、おいしい……。
魚料理は「金目鯛とカリフラワーのオーブン焼き」で、白ワインの「農民ドライ」と共にいただきます。
魚料理は「戦場ヶ原の根セロリとシャンパーニュのソース」で、ブロッコリーのピュレが添えてあり、ソースだけでもさまざまな種類の野菜が使われています。
肉料理と一緒に、ココファームワイナリーの赤ワイン「陽はまた昇る」を。
「栃木霧降高原牛のフィレ肉のポアレ」は赤ワインの農民ロッソとビーツの、やや甘めの味わいのソースでいただきます。
肉料理の皿にもたくさんの野菜が添えられているほか、一緒に野菜サラダまで提供されてびっくり。このサラダが、よくある間に合わせっぽいサラダではなく、野菜の種類や切り方までしっかり気を配られたもので、ドレッシングも大変おいしい……。
最後に、デザートの「かぼちゃのプリンととちおとめのアイス」とコーヒーを。
アイスはとちおとめの酸味がしっかり生きた濃厚なソフトクリームで、大変おいしくいただきました。
2022年1月宿泊時の夕食は、栃木の贅を尽くしたスペシャルコース「ボンヌシェール栃木」
2022年1月に宿泊した際は「ボンヌシェール栃木」なる、グレードアップコースで予約していました。
前菜は「栃木しゃもと日光湯波のテリーヌ フォアグラのソース」
スパークリングのロゼワイン「サンミッシェル・ブリュット・ロゼ」と一緒にいただきます。
ポタージュスープはさつまいも。
パンは、いつものバゲットのほかに「いちごのパン」が付き、これがほんのり甘くもちもち食感で、ベーカリーで売っているなら買って帰りたい!と思うおいしさでした。
魚料理は「日光産ヤシオマス 二つの火入れ 栃木県産キノコのピュレとトリュフのヴィネグレット キャビア添え」です。白ワインの「鶴沼 ゲヴュルツトラミネール」と共にいただきます。
「低温調理したもの」と「皮をパリッとさせるようにソテーしたもの」の2種類を盛り合わせているので「二つの火入れ」なんだそう。
ヤシオマスの下に敷かれているのがきのこのピュレで、周りを囲んでいる黒いソースはトリュフのソース。
グレードアップコースには肉料理の前にレモンのソルベが。
ここで赤ワインの農民ロッソをオーダー。
肉料理は「とちぎ和牛匠フィレ肉のポワレ 栃木赤ワインソース 温野菜添え」
付け合わせの温野菜は大根、にんじん、れんこん、かぼちゃ、カリフラワー、ブロッコリー。お肉本当に柔らかくておいしい。
一緒に「トマトとクレソンのサラダ」が。小さめのトマトがまるごと一個入ってました……こんなに野菜が食べられるフレンチフルコースはなかなかないですね。
デザートは「紅あずまのモンブラン スカイベリーのアイスクリーム」でした。
2023年3月宿泊時の夕食はやっぱり「本日のディナー」に
2023年3月も「選べるディナーコース」プランで予約しました。
今回も、魚も肉も食べられる本日のディナーをチョイス。トラウトディナーは、いつかね……。
今回の野菜のラインナップ。
前菜は「鴨のロースト たまり漬けとバルサミコ わさびの茎のソース」
ロゼスパークリング「サンミッシェル・ブリュット・ロゼ」と。
ポタージュスープは「ごぼうとシナモン」
今回はパンが4種類に!ホワイトロール、フランスパン、デニッシュロール、小さな食パン。金谷ホテルベーカリーを系列に持つホテルだけあって、パンはどれもおいしいのでいろいろ食べられてうれしい。
魚料理は「平目とキャベツのグラティネ トマトと玉ねぎのクーリ」
グラティネってなんだろうと思ったら、グラタンだそうです。平目とキャベツにホワイトソースでグラタン風にした上に、薄くスライスした紫大根がのせてあります。ちなみにこの紫大根、生ではなくスープで煮てあります。
肉料理はいつものフィレ肉のポアレ。今回は別皿でのサラダはなかったですが、そのぶん付け合わせの野菜が大盛りでした。
インカのめざめのフライドポテト、シャドークイーン(紫芋)のマッシュポテト、アロマにんじんなど、野菜自体の甘みがどれもすごい。ワインはブルゴーニュのピノノワールをお願いしました。
デザートはテリーヌショコラと栃木県産いちごのソフトクリーム、そしてとちおとめ。
定番の料理もありつつ、細かいところは変化・進化を重ねていて、すべておいしくいただきました。
2021年1月宿泊時の朝食はお正月のスペシャルバージョン
朝食もダイニングルームみずならで。時間指定はなく、7時30分~9時30分の好きな時間帯で伺います。
初めて泊まった2021年はお正月のスペシャルメニューで、通常のカトラリーとは別にお箸の用意が。そしてお屠蘇が。
通常の朝食に付く選べる卵料理とハム類、サラダとドリンクのほかにお雑煮とおせち料理がついていました。
このときは「オムレツ」と「ベーコン」をチョイス。
オムレツの完璧な焼き具合に感動。
トーストとロールパン、ミニサラダ。
後ほどご紹介しますが、ジュースやコーヒーなどの飲み物も数種類から選ぶことができます。
黒豆、海老、昆布巻き、きんとん。
フレンチレストランの朝食でお正月気分が味わえるとは……。
お雑煮は味噌仕立て。おいしくいただきました。
2022年1月宿泊時の朝食はサラダとフルーツを追加
前回はお正月のスペシャルバージョンの朝食だったので、この後ご紹介する朝食が通常版の朝食です。
こちら↓は、レストランの前に出ていた朝食メニュー。
「朝食付き」のプランの場合は左上の「COMPLETE BREAKFAST」が付くのですが、卵料理とハムなどの付かない「CONTINENTAL BREAKFAST」や、単品メニューもあるようです。こう見ると単品のメニューのほうには「チーズオムレツ」とか「パンケーキ」などがあって、こちらも気になりますね……。追加オーダーできないのだろうか。
朝食付きのメニューで予約した場合、席に着くとこちらのメニューが提示されます。
ドリンクや卵料理をこちらで選びます。また、右側のメニューから追加オーダーも可能です。
朝のテーブルセッティングはこちらが通常仕様です。
ジュースは「オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、トマト、ミルク」から選べますが私はいつも「パイナップル」を選んでしまいます。珍しいから……。
小さなグラスに入っているのは「ハーブウォーター」です。コーヒーは最初から持ってきてくれて、お替わりもまめに注いでくださいます。(なのでいつも飲み過ぎる)
そしてこのときは、右側の追加オーダーメニューから+200円で、ミニサラダを「季節の野菜サラダ」に変更してもらいました。
思った以上に大盛りのサラダが来てびっくりしました。
野菜は新鮮だしドレッシングもおいしくて、トマトは甘いしモッツァレラチーズまでのっていてすばらしいな。
肉料理は「ベーコン、ハム、ソーセージ」からソーセージをチョイス。卵料理は「スクランブルエッグ、プレーンオムレツ、フライドエッグ、ボイルドエッグ」からの選択ですが、私はいつもオムレツです。
パンはトーストとロールパン。
とちおとめのジャムとバターをたっぷり塗っていただきます。
そしてもう1点追加オーダー!
+800円で季節のカットフルーツを追加しました。シャインマスカットや栃木の甘い苺の盛り合わせ。贅沢な朝食になりました。
2023年3月宿泊時の朝食はポタージュとやっぱりフルーツを追加!
2023年も朝食付きのプランで宿泊しました。
追加オーダーのメニュー、内容は変わってないけれど、いくつか料金アップしているものもありますね。というか前回の「野菜サラダ」が+200円はちょっと安すぎではないかと思ったのよ……。
今回もオムレツで、肉料理はハムです。
今回は「季節のポタージュ」が何かを聞いたら、以前ディナーでいただいておいしかった「かぼちゃとコーヒー」のポタージュだったので、思わず追加してしまいました。
ジュースはやっぱりパイナップル!
ハムは、ベーコンに比べるとあっさりしていて物足りないのでは……?と予想していたのですが、柔らかくてほどよく脂もあり、おいしいハムでした。
そして今回もやっぱりフルーツをオーダーしてしまいます。
本当は「ごろごろ野菜と牛ほほ肉のシチュー」が気になったんですが、スープも頼んでシチューも頼むのか……?多すぎない?と思ってフルーツにしてしまいました。
フルーツおいしかったけど、次泊まることがあればシチューも食べてみたいな……。
ちなみに中禅寺金谷ホテルは「朝食がおいしい温泉宿」の記事でも「洋朝食がおいしい温泉宿」としてピックアップしている宿です。
奇をてらわない基本的な洋朝食ですが、パンとジャム、卵料理、肉料理、サラダと基本のメニューが全部おいしいし、提供スピードが早いのもすばらしいなと思います。好きな時間にレストランに行って、その場で卵料理などを選んでオーダーする形なのに、長く待たせられた記憶がないのです。
ただ、レビューを読むと「朝食で待たせられた」という理由で評価を下げている方もたまにいるので、混雑する時間帯だと待つこともあるのかもしれませんが……私自身は特に不満を感じたことがなく、朝食を楽しんでいます。
【再訪したい度】★★★★★ お湯・食事・サービスすべて良い、セールやクーポンを要チェック
安い宿ではありませんが、値段に見合うサービスを提供してくれる宿だと思います。
ただ、いつも冬に泊まっているので、宿泊料金も夏・秋に比べるとお安いんですよね。私はできる限り混雑を避けたいタイプなので、紅葉シーズンはこの宿のみならず、日光に近づかないのです……。
調べると、秋の週末の料金は冬の週末の倍ぐらいするようなので、その値段で泊まって、しかもかなり混んでいたら私も「料金に見合わないな」と思うかもしれません。
でも、そういうものだと思うし、混雑期でも週末に1人泊のプランを出してくれているありがたい宿なので、秋に泊まるなら覚悟して泊まったほうが良いと思います。
なるべくお安く快適に楽しみたいなら12月~3月の宿泊をおすすめします。冬の日光、静かで私は大好きです。
また、中禅寺金谷ホテルは楽天スーパーセールなどでも割引きプランやお得なクーポンが出ていることが多い宿です。1人泊はセール・クーポン対象外になる宿も多いのですが、中禅寺金谷ホテルは1人泊でも割引が適用されることがほとんどなので、セールのときを狙って予約すると良いかと思います。
【1人旅に優しい度】75点:土曜日や連休も1人で泊まれる、1人フレンチとワインに挑戦するのに良い宿
泊まりやすさ 20/20
1人泊専用のセミダブルルームがあり、土曜日や連休も1人泊可能。
この記事の更新日時点で、海の日の3連休の空室もまだあった。
食事場所の配慮 10/20
レストランでの食事だが、夕食の際はいつも奥のほうのテーブルに案内されるので、配慮いただいているのかなと思う。テーブル同士の間隔も十分広い。
プランの選択肢 15/20
1人では泊まれない広い部屋はあるが、予約可能なプランは1人泊でも2人以上で泊まるときとほぼ同じプランを予約できる。
セールやクーポンも1人泊でも大抵適用となるので要チェック。
「ルームサービスでプライベートディナー」プランだけ、1人では予約できない。
ドリンクオーダー 15/20
グラスワインの種類もそれなりに多く、ノンアルコールも含めてグラスオーダー可能なドリンクの種類は多めなので、1人でもけっこういろいろ楽しめる。
フリーWi-Fi完備 15/20
Wi-Fi利用可能。速度も特に問題ないレベル。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。