金時山登山前後の宿泊に最適!箱根仙石原で白濁硫黄泉と行列ができる精肉店のローストビーフを堪能
マウントビュー箱根は「箱根ラリック美術館」「箱根ガラスの森美術館」など美術館や観光施設の多い箱根の仙石原エリアにある温泉宿です。
観光施設への便が良いのはもちろんのこと、富士山の眺望が良く登山者に人気の「金時山」の登山口も徒歩圏内という非常に便利な場所にあります。
日帰り入浴も営業しているので、実は宿泊する前に何度か、日帰りで大浴場を利用したことがありました。設備の整った浴室と露天風呂のとろりと濃いにごり湯の硫黄泉が気に入って何度も足を運んでいたのですが、今回初めて宿泊でお邪魔しました。
宿の近所にある行列のできる精肉店「相原精肉店」のローストビーフをいただけるプランで宿泊し、貸切風呂の雰囲気もいいし、客室内や館内もきれい、そして宿泊料金も箱根の中ではお手頃な宿です。
土曜日の1人で泊まれますし、金時山登山の前後に泊まると幸せになれる良宿だと思いますので、ご紹介したいと思います。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- 金時山登山前後の宿泊に最適!箱根仙石原で白濁硫黄泉と行列ができる精肉店のローストビーフを堪能
箱根湯本駅から「桃源台行き」のバスに乗り、仙石原文化センター前で下車してすぐ
都内から仙石原に向かうには、新宿始発の小田急の高速バスもありますが、事前予約制なのと、個人的にあまり長距離バスが得意でないので……この日は電車で箱根湯本駅まで来て路線バスを利用しました。
駅前のバスターミナルから「桃源台行き」のバスに乗り、25分の乗車の後「仙石原文化センター前」で下車すると、本日のお宿「マウントビュー箱根」はすぐ目の前にあります。
この日私は、宿に一番近い「仙石原文化センター」より2つ手前の「仙石」というバス停で下りました。
実は、あまりよく調べずにバスに乗ったので、最寄りのバス停が「仙石」だと勘違いして降りてしまったのですが……2つ手前の仙石バス停からでも徒歩5分の近さです。
仙石バス停は「桃源台行き」以外のさまざまな行き先のバスが停車するので、バスを使って箱根観光を楽しんだ後に宿泊するにも便の良い宿だと思います。
仙石バス停から歩いて宿に向かう途中、何やら列ができているお店がありました。
よく見るとこちらが、行列ができる精肉店として有名な「相原精肉店」でした。
今回はこの「相原精肉店」の看板メニューであるローストビーフが夕食で提供されるプランで予約していたので、ますます楽しみになってきました。ちなみに、このときは15時ごろでしたが、翌日チェックアウト後に10時ごろに通りかかったときはさらに長い列ができていましたね。開店(9時)直後が1番混むのかもしれません。
橋を渡って左手に、マウントビュー箱根はあります。
チェックイン時刻の15時を過ぎたところで中へ。
宿泊する3階のお部屋にエレベーターで向かいます。
1階フロント前には売店があり、ちょっとしたお土産品や飲料などを販売していました。
【部屋】★★★★ 和室のシングルユースで設備も新しく不自由なし
今回宿泊するお部屋は3階にある和室のシングルルーム。
マウントビュー箱根で1人で泊まれるの部屋は「一人旅用M(和室)シングルユース)」と「一人旅用M(ベッド)シングルルーム」の2種類です。
ベッドのシングルルームは、コンパクトな和室にベッドを置いた造りのようで、宿泊料金が若干安いのでそちらでも良かったのですが、この日は和室にしか空きがなく、和室を予約していました。
317号室のドアを開けると……なんだか広そうなお部屋ですね。
和室の手前、左手側に洗面所とトイレ。
建物はそう新しくないと思いますが、洗面所もトイレもきちんと手を入れられているようで設備はどれも新しく、きれいです。
では、室内へ。
広い部屋に、既に布団が敷いてありました。畳も新しいですね~。
縁側はありませんが、窓際にテーブルと椅子2脚が。
窓を開けると宿の名前の通りの「マウントビュー」です。
きれいな山並みですが「富士山が見える!」とかではないので、眺望には過度な期待はしないほうが良いとは思います。
空の冷蔵庫と湯沸かし機能付きのポットあり。
ルームサービスでいただける飲み物のメニューもありました。
そして、部屋の隅にはガスファンヒーターが。
これ、実はちょっとうれしいポイントでした。
宿泊したのは天気の良い4月だったので、朝晩もそれほど冷えることはなくエアコンがあれば十分でしたが……箱根は標高が高いので、真冬に広めの和室で暖房がエアコンのみだとちょっと寒いことがあるんですよ。
以前、箱根の別の宿に真冬に泊まったときにエアコンのみで寒かったので「ガスファンヒーターがあるなら、この宿には真冬も泊まれるな」と思いました。
クローゼットの中に金庫、ドライヤーと浴衣と羽織が。
ドライヤーはPanasonicのイオニティです。
それから、浴室に行くときに使えるカゴバッグが置いてありまして、その中にバスタオルとフェイスタオル、歯ブラシ、足袋ソックスが入っていました。
座卓の上にあったお茶うけの温泉まんじゅうをいただいてから、お風呂に向かいます。
【風呂】★★★★ 大浴場の露天風呂と、有料の貸切風呂で白濁硫黄泉を楽しめる
マウントビュー箱根の浴室は、フロントのある1階から階段を降りた地下1階にあります。
地下1階の左側が大浴場、右側が貸切露天風呂です。
マウントビュー箱根の日帰り入浴の料金・営業時間
マウントビュー箱根は、仙石原エリアで土日も日帰り入浴できる貴重な宿でもあります。
仙石原エリアの他の宿でも、ホームページ上に日帰り入浴できる旨が書いてあったり、日帰り入浴した方のレビューがあったりするのですが、土日は混み合うので断られてしまうことが多いのです……。そして、箱根湯本や小涌園のような日帰り温泉施設もなく、金時山登山後に立ち寄れるこちらの宿は本当にありがたい存在です。
そんなわけで泊まる前に何度も日帰りでお邪魔しているので、以前日帰り入浴記も公開しています。(4年前の記事なので、ちょっと情報は古いです)
日帰り入浴の営業時間は、大浴場は11時から15時まで、料金は大人1200円、子供630円。
貸切露天風呂も日帰りで利用でき、こちらは11時から14時までで、1室ごとに3500円~4000円となります。
大浴場では露天風呂で白濁硫黄泉に浸かれる
ではまず、大浴場をご紹介したいと思います。
脱衣所の入口にはスリッパを間違えないようにする目印のクリップが置いてありました。
脱衣所は清潔で、鍵なしで脱衣カゴが置いてある棚と鍵付きのロッカーが一つおきで設置してありました。
以前は脱衣カゴがずらっと並んでいて、それとは別に鍵付きのロッカーがありましたが、今のほうが混雑もしにくいし、使いやすいですね。
洗面台には綿棒と、DHCの化粧水や乳液、クレンジング。
ドライヤーは部屋にあるのと同じ、Panasonicのイオニティでした。
仙石原温泉についての解説が掲示してあります。
源泉名は「大涌谷温泉 蒸気造成混合泉2合泉」、泉質は「酸性ーカルシウムー硫酸塩・塩化物温泉」です。
泉温は64.1度、ph2.0の酸性泉。源泉名にあるように、火山の噴気と地下水を使って造成されたお湯です。造成泉は温泉じゃない!なんていうこだわりがある人もいますが、私は別に気にしません。
詳しい温泉分析表もありました。大浴場に掲示してあるのに施設名が「貸切露天風呂 金魚」になっていますが、恐らくすべての浴室で同じ内容なんでしょう。
源泉が高温なので加水していますが、加温・循環・消毒なしのかけ流しです。
では浴室へ。
内湯にも大きな浴槽がありますが、こちらは温泉ではありません。
露天風呂が温泉なんですが、強酸性でずっと浸かっていると肌に良くない感じもするので、長湯するなら内湯と交互に入るほうがいいかもしれませんね。
シャワー付きの洗い場は隣との間に仕切りもあり、混んでも快適です。DHCのシャンプー&コンディショナー、ボディシャンプーあり。
では、露天風呂へ。
屋根付きの岩風呂に、白濁の硫黄泉が満たされています。
開放感はあまりありませんが、屋根があるので雨や雪の日も外で湯浴みを楽しめるからいいですね。
この日はとても天気が良かったので、屋根がなかったらまぶしそうだし日焼けもしそうです。
とろみを感じさせるような濃厚なお湯で、ゆっくり浸かってあがると風呂上がりは肌がすべすべになりました。
貸切露天風呂「めだか」は竹林を眺められて雰囲気良い
マウントビュー箱根には3つの貸切露天風呂があります。
有料で、1回45分の予約制ですが、大浴場には日帰りで何度も入っていたし、せっかくなので予約して入ってみることにしました。
2000円で入れる「金魚」「めだか」と、3000円でちょっと広そうな「かぐや」の3つですが、「めだか」と「かぐや」の窓から見える竹林が雰囲気良さそうだったので、ちょっとお安い「めだか」を予約することに。
時間になったらフロントに向かい、鍵を受け取って地下1階に向かいます。
大浴場とは別の入口を通り、貸切露天風呂のあるエリアへ。
なんだかゴージャスな雰囲気の照明に照らされた明るい廊下を進み、暖簾をくぐった先に「めだか」の浴室はありました。
脱衣所はコンパクトですが洗面台も新しく、アメニティやドライヤーも大浴場と同じものが揃っています。
温泉分析表が掲示されていました。
こちらはちゃんと「めだか」の分析表ですね。源泉名や泉質、源泉の利用状況は大浴場に掲示してあったものと同じでした。
加水のみあり、加温・循環・消毒なし。
では、めだかの浴室へ。
おお……いい雰囲気じゃないですか。
2つの陶器の浴槽が仲良く並んでいます。本当は2人で入るとちょうどいい浴室なんでしょうね。
1つの浴槽に浸かったあと「もう1つのほうはどうかな?」などと考えてもう1つのほうに浸かります。
浸かったほうの浴槽は、お湯が溢れて量が減っていますね。
両方に浸かってみたけど、お湯の温度や濃厚さなども含めて、どちらも同じでした。
竹林を眺めながら湯浴みを楽しめる「めだか」の浴室は、写真で見た以上に雰囲気が良く、浴槽が小さいせいかお湯も新鮮に思えました。
【食事】★★★★ 相原精肉店のローストビーフは予想以上にボリュームたっぷり
食事は夕食、朝食共に1階の食事処でいただきます。食事処は畳の上にテーブルと椅子が置いてある方式です。
衝立などはあまりないのですがテーブルとテーブルの間の空間は広くゆったりしています。恐らく私が1人だったのでお気遣いいただいたのではないかと思うのですが、端のほうの席に通していただきました。
マウントビュー箱根のドリンクメニューはノンアルコール飲料が豊富!
ドリンクメニューは瓶ビール・生ビール共にサッポロなのが、ちょっと珍しくてうれしいですね。箱根駅伝のスポンサーだし、箱根の宿にサッポロビールがあるとちょっとうれしくなります。
日本酒は、1合でいただける「箱根山」のほか、300mlの瓶が4種類。ワインも種類は多くないようですが、ハーフボトル・フルボトル・グラスで赤白の用意があります。
そのほかにもサワー、酎ハイ、梅酒、焼酎は麦と芋が数種類ずつと一通りのお酒は揃っています。ソフトドリンクも「ペリエ」と「三ツ矢サイダー」ががあるのはいいですね。
微アルコールワインの「ビアリー」と、梅ワイン。
ノンアルコール飲料のメニューも別途ありました。サイダーなどのいわゆるソフトドリンクの他に、ノンアルコールサワーやカクテルテイストの飲料の用意があるようです。
これはちょっと珍しいし、あまり飲まない・ぜんぜん飲まない人でもいろいろ楽しめていいですね。
マウントビュー箱根の夕食は「ローストビーフプラン」がおすすめ!
マウントビュー箱根の夕食は予約時に「基本の和食会席プラン」「ローストビーフプラン」「ヒレステーキプラン」「ロースステーキプラン」から選びます。
私は「ローストビーフプラン」を選んで予約していました。
ステーキもローストビーフも、宿の近所にある行列のできる精肉店「相原精肉店」から仕入れているものですが、ステーキよりもローストビーフプランのほうがちょっとお安いですし、相原精肉店の看板メニューは「ローストビーフ」なので、ここはやはりローストビーフプランが一番おすすめかなと。
お品書き。
ローストビーフは冷たい料理ということもあり、食事の最初から並んでいましたが、コース料理の中で言うと中盤以降に出る「強肴(しいざかな)」なんですね。
まずは生ビールを1杯。食前酒の梅酒もいただきます。
左が先付けの「カリフラワームース」で、右が酢の物の「小鯛笹漬け」です。
爽やかな味わいで、食事のはじめにいただくのにちょうどいい料理ですね。
前菜は春らしい彩り。
左上から時計回りに「バイ貝」「海老寿司」「鴨ロース クリームチーズ」「桜餅」「鰊(にしん)」「若竹袱紗焼き」
若竹袱紗焼きは、春の味覚の若竹を卵と合わせて焼いたもの。春らしい食材がうれしい。
ビールがなくなったところでお酒を。
冷酒の「箱根街道 生酒」を注文しました。
いただきます!
フレッシュな味わいで、春らしい料理に合いますね。
お刺身はまぐろ、ぶり、イカの3種盛り。
あまりお腹がいっぱいになる前に、そろそろローストビーフをいただこうかな……と。
かなりボリュームたっぷりです。付け合わせの温野菜もしっかりと量があり、ドレッシングが2種類とポン酢が用意されています。
まずはポン酢で……。
ほどよく入った脂がおいしく、柔らかく、肉の旨みもしっかりあって、行列ができるのも納得の味わいでした。ローストビーフ、おつまみや前菜として食べる機会は多いですが、こんなおいしいローストビーフをいただいたのは、前回がいつだったか記憶にないぐらい久しぶりな気がします。
焼き物は銀ダラ柚香焼き。
脂が乗っていて、味付けもちょうどよく、お酒が進みます。
お凌ぎは茶碗蒸し。
煮物は「信田巻(しのだまき)」
牛蒡などの野菜と鶏肉を油揚げで巻いて出汁で煮たものです。海老、里芋と共に。優しいお味でおいしい。
天ぷらは、後から熱々を持ってきていただきました。
海老、茄子、かぼちゃ、青唐。熱いうちに天ぷらでいただきます。
鍋料理は「鯛ちり」です。
水菜やマロニーと一緒に鯛を煮て、ポン酢醤油でいただきました。
最後にご飯とお味噌汁とお漬物。デザートにフルーツ杏仁豆腐とほうじ茶で、ごちそうさまでした!
ローストビーフ以外の料理は一般的な会席料理ですが、そのぶんローストビーフの印象がかなり強烈でした。基本の会席プランだと少し物足りなく思ってしまいそうなので、小食な方以外はローストビーフ付きのプランがおすすめです。
マウントビュー箱根の朝食は品数豊富で食後はデザートとコーヒー付き
朝食も同じ食事処で。
朝食もさまざまなおかずが並びます。
サラダに温泉卵、ほうれんそうのお浸し、いんげんの胡麻和えなど定番の朝食のおかず。
焼き魚の紅鮭も塩加減がちょうど良く、ご飯が進みます。
鍋の中はお味噌汁で、蟹の出汁がよく出ていておいしかったです。
最後にフルーツゼリーとコーヒーをいただいて、ごちそうさまでした!
チェックアウト後は荷物を預かってもらって身軽に金時山登山
10時にマウントビュー箱根をチェックアウトした後は、フロントで登山に必要ない荷物を預かってもらい、金時山へ。
宿から徒歩で登山口に移動できるのがうれしいですね。金時神社の登山口から登り始めます。
途中にある、真ん中で真っ二つに割れた大岩「金時宿り石」を眺めつつ、進んでいきます。
山頂から見える富士山には少し影がかかってしまったけれど、いい天気でうれしい。
芦ノ湖と箱根の街並み、箱根山を眺めつつ下山します。
帰りは仙石原に直接ルートへ。下山する途中、矢倉沢峠から明神ヶ岳、明星ヶ岳に向かう縦走路が見えます。
あの道も久々に、歩いてみたいな……。
仙石原に下山すると、桜が咲いていました。
温泉も食事も山も楽しめた、すばらしい週末でした。
【再訪したい度】★★★★☆ かけ流しのお湯に浸かれてお高くなく館内きれい、バランス良い箱根では貴重な宿
箱根は都内からの便が良く、外国人観光客にも人気の超有名温泉地なので、正直なところ他のエリアよりも宿泊料金が高いと思います。
宿の数が多いので1人で泊まれる宿も少なくはないですが、宿泊料金がものすごく高くなったり、足下見られてるなあと思うことも多いです。「箱根で宿を取るのと同じ金額で湯河原に泊まったほうが満足度高くない?」と思うこともあります。
ですが、箱根には気軽にハイキングを楽しめる山もあるし、湯河原にはない白濁硫黄泉の源泉もあります。やっぱり、箱根でお気に入り宿をいくつか見つけておきたい……と思っていくつかの宿に宿泊したところ、そこまでお高くはなく、館内はきれいでお湯も良く、食事もなかなかおいしいこちらの宿はかなりいい線をいっているのではないかと思いました。
きっとまた、登山と合わせて宿泊したいと思います。
【1人旅に優しい度】70点:土曜日でも連休でも1人で泊まれて、1人でもそこまで高くない箱根では貴重な宿
泊まりやすさ 20/20
直近1ヶ月ぐらいはあまり空室がないが、少し先の日程なら土曜日でも連休でも1人で予約可能。シングルルームがあるので箱根ではかなり1人で泊まりやすい宿。
この記事の更新日時点で、海の日の3連休の空室もまだあった。
食事場所の配慮 10/20
会場食だが席と席の間隔は広く、おそらく1人なので隅の方の部屋に通していただいた模様。
プランの選択肢 15/20
1人だと泊まれない広い部屋はあるが「1人だと予約できない食事プラン」はないのがありがたい。
ドリンクオーダー 10/20
焼酎やウィスキー、サワー類、生ビール、梅酒、グラスワインなどはグラスでいただくことができる。
日本酒は300ml提供のものが多く、1人だといろいろ試すことは難しそう。
フリーWi-Fi完備 15/20
Wi-Fi利用可能。速度も特に問題ないレベル。