登山口から2時間歩いてたどり着く、九州最高所の温泉
法華院温泉は、大分県竹田市久住町、九州連山の山腹の「坊がつる」という湿原帯にある温泉です。標高1303メートルの高所にあり、九州で最も標高の高いところにある温泉です。
法華院温泉山荘はその法華院温泉にある通年営業の一軒宿です。歩いてしか行くことが行けない場所にあるので、温泉旅館というよりは「温泉付きの山小屋」と考えておいたほうが間違いないでしょう。
ただし、一般的な山小屋よりはかなり設備もよく、食事もおいしい宿です。私は2014年の3月に初めて泊まったのですが、かなり気に入りまして再訪の機会をうかがっていました。それで2019年の1月に2度目の宿泊が叶いましたので、レポートしたいと思います。ちなみに、2度とも1人で泊まりましたので、1人泊で検討している方にも参考にしていただけるかと思います。
- 登山口から2時間歩いてたどり着く、九州最高所の温泉
由布院から九州横断バスに乗り、長者原へ
法華院温泉に向かうのに最も便が良い登山口は「長者原(ちょうじゃばる)」という登山口です。長者原と牧ノ戸峠という2つの登山口が、九重連山の登山口の中でもメジャーな登山口ですね。
「長者原」「牧ノ戸峠」までのバスによるアクセス
長者原に公共交通機関で向かうには、由布院駅前にある「由布院バスターミナル」からバスで向かうことになります。
由布院駅前からは晴れていれば由布岳の美しい姿が眺められます。ちなみに、出発したこの日はあまり天気が良くなかったので由布岳は見えず……この写真は翌日に由布院に戻ってきた際に撮影したものです。
4月から11月までの登山者が多い期間は、由布院から長者原もしくは牧ノ戸峠に向かうバスは
・毎日運行の「九州横断バス」が3往復
・土日のみ運行の「亀の井バス 牧ノ戸峠線」が2往復
あり、土日は合わせて5往復の運行があるのでそこそこ便がいいほうなんですが、亀の井バスの牧ノ戸峠線は12月から3月までは運休してしまうため、その間は九州横断バスを利用することになります。
でも、1日3往復であっても平日も定期運行してくれるのは本当にありがたいことです……。九州横断バスのおかげで私は法華院温泉山荘に行くことができるというわけですよ。今回もしっかり利用させていただきました!
九州横断バスは「空席があれば予約ナシでも乗れるが、予約優先」のバスです。こちらのページに詳しい説明がありますが、ネット予約も可能ですので、必ず予約しておいたほうがいいです。黒川温泉を経由するバスですので、平日でも外国人観光客などでかなり混み合うことがありますので。
今回私は、前日は由布院温泉の「いよとみ」に宿泊し、午前9時に由布院駅前バスセンターを出発する九州横断バスに乗車します。
由布院いよとみは駅からも徒歩8分と徒歩県内で、休前日でもGWやお正月も必ず1人で泊まれる、1人泊専用のシングルルームがあるので、九重山に向かう前日は必ずと言っていいほど泊まっています。
50分少々の乗車で、9時52分に「くじゅう登山口(長者原)」バス停に到着です。この先にある牧ノ戸峠には10時1分に着くことになります。
バス停には「長者原ヘルスセンター」なるドライブインがあり、お土産品の販売や食堂営業を行っているほか、2階には日帰り入浴できる温泉もあります。
今回はバスの時間がギリギリだったので寄れなかったのですが、以前2014年に来たときは、時間があったのでこちらの温泉にも立ち寄りました。さすが大分県、単純硫黄泉のとてもいいお湯でした。
歩き始める前に必ず、法華院温泉山荘に電話する
ドライブインでトイレを借り、身支度を整えて出発するわけですが、その前に必ず、法華院温泉山荘に電話を1本入れて「今日予約している○○ですが、これから長者原を出発します」と連絡する必要があります。
予約したお客さんが何時にどの登山口を出発したかを把握しておきたい、ということなんでしょうね。これは、個人的にはとてもいい取り組みだなと思います。山小屋に予約の電話を入れた際に、歩く予定のルートを聞かれることはありますが、当日天気が悪かったりして変更することもありますからね。
ドライブインの後方にある、この登山口から歩き始めました。ルートの途中にある「雨ヶ池」に向かう道標があります。
「雨ヶ池」を経由して、坊がツルに向かうルートです。
長者原から登山道を2時間弱歩いて長者原を目指す
登山口付近に概略図がありました。
長者原から雨ヶ池を経由して坊がツルに向かい、法華院温泉山荘にたどり着くまでの標準コースタイムは、約2時間です。
1月でしたが、登山口付近には雪はまったくありません。
「自然研究路」と書かれた遊歩道をしばらく歩いた後、樹林帯の登山道に入っていきます。
ゆるやかな樹林帯の登山道を歩いていきます。
この道を歩くのは実は今回が3回目ですが、雪があるとき以外は迷うようなポイントもなく、整備された歩きやすい道です。
途中で湿原帯の中を歩くポイントがあり、木道を歩きます。歩き始めから雨が降ったりやんだりという微妙な天気だったので予想はしていましたが、霧で真っ白です。
向こうにあるのが雨ヶ池のようですが……霧でよく見えません。
「雨が降ると池ができます」ということですので、雨が少ない時期は見えないのかもしれませんね。
雨ヶ池を通り過ぎて少し歩くと、眼下に草原が広がっているのが見えます。あれが棒がツルです!
ここからは下り多めの登山道となるので、わりとあっという間に着きます。
来ました!坊がツルです。
冬なので草原もすっかり枯れて、干し草のようですね……。
「法華院」と書かれた道標に従い、進みます。あと0.7km!
着きました!法華院温泉山荘です。
わりとのんびり歩いてきましたが、2時間15分ぐらいで着きました。
このとき時間は12時半なんですが、チェックインには少し早すぎるような気もするけれど、どうしましょうね。
2014年3月の法華院温泉までの登山道
チェックインする前に、これまで別の季節に長者原から棒がツルまで歩いた際の登山道の様子についてご紹介したいと思います。
初めて歩いたのは2014年3月の春分の日の連休のときでした。
前々日までまったく雪がなかったそうなんですが……前日の夜からまさかの大雪!
新雪祭りでした。
1日で積もった雪なので「踏み抜いて歩きづらい」というようなものではなかったのですが……雪は当日の朝も降り続けており、登山者も少ないので、樹林帯の中を歩きつつ
「道、これであってるよね?」
と不安に思ったりもしました。
ところどころに道標もありますので、道を間違うようなことはなかったのですが、まったく初めて歩く道ですし、踏み跡もあまりない状態の雪山をたった1人で歩くのは、なかなかに心細かったですね・笑
湿原帯に出たところで、前を歩く登山者に追いついて、少しほっとしたり。
棒がツルも、とにかく真っ白でした。
とは言え、道はとても良く整備されていますし、雪山登山のレベルとしては北八ヶ岳ぐらいだと思います。
三連休ということで法華院温泉山荘にはそこそこ予約が入っていたようなのですが、あまり天気が良くないということでいつでも行ける地元の方の多くは、キャンセルしてしまったとのこと。
宿の食堂で居合わせた人たちのほとんどが、飛行機で関東や関西から来た人でした。
2015年6月の坊がつるまでの登山道
2015年の6月にも長者原から坊がツルまで歩きました。
このときは法華院温泉山荘には泊まらず、登山口近くにある、法華院温泉山荘の別館「花山酔」に泊まり、日帰りで山を歩いたのですが。
雪の登山道も風情がありましたが、緑が美しい時期はやはり格別ですね……。
お花もちらほら見ることができました。
湿原帯では「雨ヶ池」が、このときはちゃんと「池」としての体面を保っていました。
緑の坊がツルです!当たり前かもしれませんが、冬とは景色がぜんぜん違います!
3月に来たときは枯れ草だったのに、3ヶ月ですっかり生まれ変わるんですね……。
坊がツルにはトイレなどの設備もあり、テント泊をすることも可能です。
幕営の受付は法華院温泉山荘で行い、日帰り入浴料金を払えば山荘で温泉に浸かることもできます。
ちなみに、1月と3月に来たときは、山荘の目の前にテントを張っていた人は何組かいましたが、坊がツルにテントを張っていた人はいませんでした。
外のトイレはもしかしたら、冬季は使えないのかもしれないですね。
6月の九重山と言えば、ミヤマキリシマの季節です。
ただ、この年はミヤマキリシマの開花ピークが例年よりもかなり早く来てしまったそうで、あまり咲いていませんでしたが……個人的には、緑の坊がツルが美しかったので満足!
そして、写真はなるべく人がいないタイミングで撮っていますが、冬に来たときとは段違いに登山者が多かったですね。
おそらく、法華院温泉山荘も混んでいただろうと思います。テント泊の方も多かったので、入浴利用も多いと思いますし。
冬山登山の経験がある方限定になってしまいますが、12月~3月に泊まれば、空いていて快適な法華院温泉山荘を満喫できると思います。(混んでいても、山小屋としては快適なほうだとは思いますが)
法華院温泉山荘にチェックイン
では、2019年1月のお話に戻りまして……チェックインするべく、法華院温泉山荘に向かいます。
1月でしたが、雪はまったくありませんでした。
山荘の前にはテント泊用のスペースとバンガローがありました。
テント泊・バンガロー泊の場合は食事はつきません。入浴料金も別料金となります。
では、いざ、山荘に向かいます !
法華院温泉山荘の宿泊料金・日帰り入浴料金
法華院温泉山荘の小学生以上の1泊2食付き、1名あたりの宿泊料金は
特別室(4部屋)10,000円
個室(22部屋)9,500円
大部屋(120畳敷)9,000円
となっています。
私が予約した2回は、いずれも冬期だったということもあり、予約の電話をかけると
「個室が9500円になりますが、それでよろしいですか?」
という聞き方をされました。おそらく、冬期は大部屋に泊まっていた方はいないと思います。
また、1名の予約であっても、特別室がまだ空いているタイミングであれば「+500円で特別室も予約できますが、いかがなさいますか?」と聞いてくださるので、とてもありがたいです。
後でご説明しますが、特別室は価格差500円以上の快適度があるので、空いていれば、特別室に泊まるのがいいと私は思います。
ちなみに、テントの幕営料は「入村料」という名目で300円のようです。詳しくはこちらのページをご覧ください。
自動販売機の飲料や酒類も種類が豊富
法華院温泉山荘の受付の前には、ソフトドリンクの自動販売機がありました。
ゴミ箱も設置されており、こちらで購入した飲み物の空き容器に限り、捨ててOKです。
ソフトドリンクの自販機は、サントリーのものでした。
500mlのペットボトルが200円、缶ジュースや缶コーヒーが150円と、市価よりは少しは高いものの、山小屋の販売価格にしてはお安いです。普通の、旅館の自販機と同じぐらいでしょうかね。
ちなみに、お酒の自販機は温泉浴場の近くにあり、日帰り入浴する際はこの、裏口っぽい玄関から直接浴室に向かうことができるのですが、この玄関の中に酒類の自販機があります。
これが、驚くほど種類豊富なんですよ!特に缶ビール……。
アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー、エビスと、主要メーカーのビールがすべてラインナップされているうえ、エビスの「華みやび」や、よなよなエールの「インドの青鬼」などもあります。
お風呂上がりにここを通ると絶対買いたくなるので、お酒好きな方は必ず、お風呂に行くときは小銭を持っていったほうがいいと思います。
「法華院温泉山荘」の看板がかかる引き戸を開け、正面が売店で、左手が受付です。
入浴の受付は売店で、宿泊の受付は左の受付で行います。
12時30分という早めの時間だったので、チェックインできるか心配でしたが、すぐに受付してもらえました。ちょうど、宿の方が昼食を食べているタイミングだったので、ちょっと申し訳なかったですが……。
必要事項が書かれた紙を貰って、部屋の場所を教えてもらいます。特に案内などはないので、自分で部屋に向かうことになります。
法華院温泉山荘の館内案内図
チェックイン時に館内案内図をいただきました。
今回私は、早めに予約したということもあり、1泊2食付き1万円の「特別室」に泊まります。
地図に丸のついている「25」の部屋が泊まったお部屋です。特別室は角部屋なんですね。
地図の中で「数字の書かれている部屋」が個室と特別室で、アルファベットが書かれている部屋が相部屋の大部屋です。
大部屋には泊まったことがないのですが、食堂の2階にあるので、食堂と浴室に近くて便利な場所ではあります。個室は違う棟にあるので、浴室に行くにはちょっと遠いんですよね。法華院温泉山荘は深夜も浴室を利用できるのですが、個室からだと深夜に入りに行こう!とはあまり思えませんでした。
【部屋】★★★★ 2度目の宿泊となった今回は、贅沢にも特別室に宿泊!
では、今回宿泊するお部屋に向かいたいと思います。
受付から、渡り廊下を通って個室のある棟へ。
こちらで登山靴を脱いでスリッパに履き替えます。この先は宿泊者以外立ち入り禁止です。
階段を上って2階へ。
廊下にあった、部屋番号の書かれている靴棚に登山靴を置きます。
右側のお部屋が今回泊まる特別室です!
6畳の和室で、テレビなどはありませんが、小さな石油ファンヒーターが1つ設置されています。
というわけで、コンセントも利用可能です。この石油ファンヒーターがあるおかげで室内がいつも暖かいので、お風呂上がりのビールも室内でおいしくいただけます。
エビスの華びやび、こんな山の中で飲めるとは思いませんでした。おいしかったです。
特別室と個室は何が違うのか?
特別室の宿泊料金は1泊2食付き1人あたり10000円。一般個室の料金は1人あたり9500円です。
では、その違いは何なのでしょうか?
まず、一般個室は木の引き戸になっており、鍵はかかりません。特別室は鍵をかけることができるため、チェックイン時に部屋の鍵を渡されます。
それから、特別室には石油ファンヒーターがありますが、一般個室にはありません。
夏は関係ないかもしれませんが、冬はヒーターがあるかないかはかなり大きいです。
一般個室は室内には暖房がないのですが、廊下に石油ストーブがあるため、入り口の扉を開け放して暖かい空気を入れるようにしていました。
廊下が効率よく暖まるように、カーテンで壁を作るなどして、宿のほうでも工夫してくださってはいました。
また、石油ファンヒーターを使うため特別室にはコンセントがありますが、一般個室にはありません。コンセントは1つだけだったのでヒーターと同時使用はできませんが、特別室ではスマホの充電も可能なのは大きなポイントではないかと思います。
ちなみに、廊下にはいくつかコンセントがあるので、一般個室利用の方は廊下のコンセントを使って充電している方もいました。
また、大部屋に宿泊する場合は「消灯時間は22時」と定められていましたが、個室の場合は勝手に電気が消えてしまうようなことはなく、特に消灯時間は定められていないようでした。
法華院温泉山荘のトイレ
法華院温泉山荘のトイレは、水洗式の和式で、とてもきれいに掃除されていました。
手洗い所にはハンドソープも用意されています。
洋式のトイレもあるのかもしれませんが……私が利用した個室は全部和式だったので、和式トイレが多いのではないかと思います。
法華院温泉山荘の水場
館内には水道が設置されており、蛇口から出る水は飲用可能です。
テント泊の方や、日帰りで通過する方も利用できるよう、建物の外にも蛇口はありました。
ただし、外の蛇口はもしかすると、冬期は凍結してしまうのではないかと思います。テント泊のときは水は分けてもらえるのではないでしょうか……おそらく。
法華院温泉山荘の談話室・乾燥室
法華院温泉山荘では、宿泊する室内や食堂ではガスバーナーなど火気の使用は禁止されており、調理などは談話室で行うことになります。
今回は調理器具などを持ってきていなかったので中には入らなかったのですが、ストーブもあって広く、快適そうな談話室でした。
仲間と一緒の宿泊であれば、素泊まりにして鍋などするのも楽しそうですね。
【風呂】★★★★☆ 早めにチェックインしたので一人でのんびり楽しめた
では、部屋で少し休んで落ち着いたところで、温泉浴室に行ってみたいと思います!
浴室に向かうには食堂の中を通っていきます。泊まっている部屋とは異なる棟にあるので、少し遠いです。
左側が女湯で右側は男湯。男女の浴室の交代はありません。
また、朝7時まで一晩中入ることができます!
脱衣所は新しく、床もピカピカに磨き上げられています。
無料で使える貴重品ロッカーがありがたい!
鍵のかからない山の温泉宿に泊まるとき、困るのは「貴重品をどうするか」です。
今回私は、鍵のかかる特別室に泊まったので、貴重品は部屋に置いて鍵をかけてきたのですが、大部屋や鍵のかからない部屋を利用する場合は、入浴中に貴重品をどこにおけばいいのかはけっこう悩ましいですよね。
しかし、法華院温泉山荘の浴室には、無料で使える貴重品ロッカーがありました!ありがたいですね……。
大きさもやや大きめなので、財布以外にもカメラなどを入れておけると思います。
石けんやシャンプーは利用不可!カランからお湯も出ないがドライヤーはある
脱衣所には水が出る洗面所とドライヤーがありました。それから体重計。
ドライヤーがあるので髪を乾かすことはできますが、カランからはお湯は出ないですし、石けんやシャンプーの使用は禁止です。
なので、冬は頭を洗うとしたら浴槽のお湯をくんで……ということになりますね。
温泉分析表も貼ってあります。泉温43.2度、ph6.9のカルシウム・マグネシウム・ナトリウムー硫酸塩泉です。
加水・循環ろ過・消毒はしていませんが、冬期のみ加温することがあるようです。
ではいざ、浴室へ!
浴槽の上には発泡スチロールの蓋がかぶせてありますので、それをどかして入ることになります。この蓋、重いので1人ではなかなか重労働です・笑
壁にカランがいくつかあるのですが、お湯は出ません。
冬に水で体を洗うのは厳しいので、浴槽のお湯を洗面器で汲んで、体を洗います。(石けんは使用できませんが……)
やっと入れる……。
ちなみに、カランがあるのとは逆方向にかかり湯用の蛇口もあるのですが、ここから出るお湯はかなり熱いので、そのままでは使えませんでした。でも、薄めるための水の蛇口は遠くにあるという。
少しぬるっとした肌触りがあり、ほんのり硫化水素臭のある、とてもいいお湯です。
41~42度の熱めの適温に調整されており、冷えた体に染み入ります……。いいお湯だ……。
閑散期、かつ早めのチェックインということで、1時間近く1人で湯あみを楽しんでしまいました。
脱衣所内には「どうぞ注文してください」と言わんばかりに、売店のお酒メニューが掲示してあります。生ビール、ハイボール、日本酒、焼酎、ワイン、ウィスキーと基本的なものは揃っており、大分限定の吟醸酒や、山荘限定の焼酎の紹介もありました。
注文するかどうか迷いましたが、浴室の前にある自販機で缶ビールを買って部屋に戻り、iPadで読書しつつビールを飲んで、夕食の時間を待ちました。
【食事】★★★★☆ 山小屋のメニューとしては豪華!岩魚のから揚げがおいしい
法華院温泉山荘では、夕食・朝食共に食堂でいただきます。
夕食は18時から、朝食は7時からでしたが、季節による変動もあるのではないかと思います。
夏季も同じかは不明だが、食堂の席は自由
食堂内でどこの席に座るかも特に定められておらず、自由でした。混み合う夏なども同じ方式かはわかりませんが……。
みな、思い思いの席に座って自分の名前が呼ばれるのを待ちます。
食事を申し込んでいる人は時間になると名前が呼ばれ、食事を受け取る仕組みでした。
食堂の一角にはソファーと液晶テレビが設置されているスペースもあり、漫画や登山関連の雑誌や書籍が、書棚にたくさん並んでいました。
「山と渓谷」「ワンダーフォーゲル」「ランドネ」など。
漫画は「課長島耕作」があったので、久々に手に取ってしまいました・笑
2019年1月宿泊時の夕食
2019年1月にいただいた夕食についてご紹介したいと思います。
主菜は岩魚のから揚げ、それにおでん。
から揚げはしっかり揚がっていて、小骨も気にならず食べれます。
副菜はきゅうりとわかめの酢の物やポテトサラダなど。
旅館の食事と比べると品数は少ないですが、山小屋の食事にしてはかなり豪華なほうです。
また、食後には「お汁粉がありますので、お腹に余裕がある方はぜひどうぞ」とのアナウンスがありました。
もちろんいただきましたよ!体もあたたまるし、おいしかったです。
大変おいしかったのですが、そこまで酒を飲みたくなる味付け・メニューではなかったので、お酒は飲まずに健康的に食事を終えました。
いいんだか悪いんだか、ですね。
2014年3月宿泊時の夕食
前回、2014年3月に宿泊した際の夕食についても紹介したいと思います。
主菜の岩魚のから揚げとおでんは共通したメニューですね。夏になったら変わるのでしょうか……?
サラダは春雨のサラダ、野菜の小鉢はかぼちゃの煮物でした。
このときは、デザートにプリンがついていました。1月は、お正月あけたばかりだったからお餅があって、それでデザートがお汁粉だったのかもしれませんね。
2019年1月宿泊時の朝食
さて、翌日は7時から同じ食堂で朝食をいただきます!
2019年1月にいただいた朝食はこちら!
サラダは、野菜の種類も多くてうれしい!
好みのドレッシングをかけていただきます。
冷や奴に白菜漬け、お味噌汁。
大根と手羽先のゆで卵を甘辛く煮付けたおかず。
これ、夕食に出てもおかしくないぐらいボリュームもあっておいしかったです。
2014年3月宿泊時の朝食
2014年3月に宿泊した際の朝食はこんな感じでした。
おかずは肉じゃが。朝は肉系の甘辛いおかずなんですね。
卵は生卵だったか温泉卵だったか忘れてしまいました……。
ちなみに早朝に出発したいときは、朝食はお弁当に変更することもできます。
朝食後は別ルートを歩いて長者原へ戻る
朝食を食べた後は荷物をまとめて出発します!
チェックアウト手続きは特にありませんが、特別室の場合は鍵を返却し、9時までには出発する必要があります。
翌日はとてもいい天気でした!坊がツルの方向は山の影になっているので寒そうですが。
今日は、昨日とは別ルートで。
宿の後方にある登山道を通って長者原に戻ります。
昨日歩いてきた道と比べるとやや急ですが、よく整備された登山道を登っていきます。
登りきると「北千里ヶ浜」と呼ばれる平坦な場所に出ます。
冬なので樹木がある場所も枯れてしまっているため、わかりにくいのですが、このあたりは火山ガスで樹木が育たない場所なので1年中、荒涼とした景色が広がっています。
2014年に来たときは、北千里ヶ浜を歩いて九重山に登頂したのですが、今回は九重山には登らず、長者原に下山する予定です。
というのは、この日は別府温泉に宿を取っていたのですが、バスの時間の関係で九重山を経由していると、到着がかなり遅くなってしまうんですよね。
今日泊まる宿もかなり楽しみにしていた宿なので、早めにチェックインするために登頂は目指さなかったのですが、2014年には登頂しましたので、写真は後で紹介します。
この日は、北千里ヶ浜から「すがもり越避難小屋」を経由して長者原に戻ります。
このルートは「すがもり」と呼ばれるようですね。
こちらがその避難小屋。
宿泊できるような施設ではなく、座って休憩するぐらいの場所です。
こに避難小屋から「三俣山」に登ることもできますが、けっこうな急登で、山頂までは上り1時間少々かかるようです。
今日は三俣山にも登らず、このまま下っていきます。
上のほうはガスで見えませんが、下山中に山肌が白くなっている山が見えます。あの山は「硫黄山」といい、近年まで硫黄の採掘が行われていたそうです。白いのは硫黄の成分なんでしょうね。
岩がゴロゴロしていてやや歩きにくい道ですが、ペンキでマーキングしてあるため道を間違えるようなことはありません。
途中からは整備された林道歩きになりますが、左に見える斜面は落石が起こりやすいようですので注意を……。
どんどん下っていきます。
「長者原」と書かれた道標がありました。ここから少しの間また、登山道になります。
笹の中の道を歩いていきます。前日の天気が微妙だったこともあり、少しぬかるみました。
振り返ると九重山の山頂が美しかったです。上のほうは雪がついているようですね。
ゲートをくぐって車道をしばらく歩くと、昨日出発したのと同じ、長者原のドライブインに出ます。
11時18分に長者原を通過するバスに乗り、由布院駅前のバスセンターに向かいます。
ちなみにこの時間帯のバスは、前日黒川温泉に泊まった方がたくさん乗っているので、休日は特に、予約をしておいたほうが確実です。
帰りのバスの時間が決まっているので少し冷や冷やしましたが、無事に時間に間に合って下山することができました。
2014年3月は九重山を登頂してから長者原へ
2014年3月に宿泊した際は、翌日チェックアウト後に九重山を登頂してから、やはりすがもり越を経由して長者原に下山しました。
このときも2日目はよく晴れたのですが、3月だというのにかなりの雪でした。(前々日まではまったく雪はなかったそうです)
白いのは雲ではなく、噴煙です。
硫黄の香りが立ちこめる北千里ヶ浜を歩いて、九重山の山頂に向かいます。
夏に見ると荒涼とした風景なんでしょうけど、雪がついていると真っ白になってきれいですね。
「久住分れ」を経由して、山頂へ。
あ、あのあたりが山頂っぽいですね。
お疲れさまでした!晴れてよかったです。
山頂から下界を見下ろすと、標高2000メートルに満たない山とは思えない高度感がありました。
帰りはまた、久住分れを経由します。
向こうに見えるのが「久住山避難小屋」です。冬も使えるかはわかりませんがトイレが設置されている避難小屋です。
元来た道を戻って、このときもすがもり越を経由しました。
2014年は、翌日は熊本方面に向かう予定だったので、14時30分ごろに長者原を出るバスに乗ることにしていたんです。
ここから熊本までスムーズに行っても3時間45分もかかるので、それがなかなかに長くて「次回は大分方面に戻ろう!」と思い、2019年は翌日の宿を別府に取ったのでした。
【再訪したい度】★★★★☆ 冬の空いているときはとても快適な温泉付き山小屋
冬にしか泊まったことがないので、夏がどんな感じかを知らないのですけど、浴室があまり広くないので混み合うと大変そうな気はしています。
本州なら八ヶ岳を歩ける程度の、雪山登山の心得がある人なら十分に歩ける道ですので、冬に泊まるのが個人的にはおすすめです。
真夏は暑そうですが、ミヤマキリシマの咲く5月~6月に、テント泊で来るのもいいかもしれないですね。
今回は、翌日の午前中のバスに乗りたかったので山頂を経由できなかったのですが、次回は翌日黒川温泉に宿を取って、14時台のバスでのんびり向かうのがいいかも……などと考えているところです。
【1人旅に優しい度】55点:1人でも個室利用可能なのはありがたい!無雪期はルールが異なる可能性あり
泊まりやすさ 20/20
積雪期の利用だからかもしれないが、三連休のタイミングでも個室・特別室を予約できた。夏はきっと混むと思うので、1人だと個室利用できない可能性もあるし、ミヤマキリシマの咲く6月や、夏は予約いっぱいになることもあるはず。
予約受付開始時期は「宿泊日の三ヶ月前の月の1日」の午前7時より電話のみにて受付とのこと。ちょっとわかりづらいですが……詳しくはこちらからご確認ください。
食事場所の配慮 5/20
食堂でいただく。
席は決まっていないので好きな場所で食べれるのは良いが、人目につきにくい場所などは特にない。1人泊の人が自分以外いないと、少し寂しいかもしれない。
プランの選択肢 15/20
1人でも、予約時に空いていれば特別室を利用できる(空いている日なら向こうから勧めてくれる)のは本当にありがたい。けれど、お客が少ない積雪期だからという可能性もある。
亀の井バスの牧ノ戸峠線が運行している、4月~11月の時期には泊まったことがないので、その時期は運用方法が異なる可能性もある。
ドリンクオーダー 15/20
基本的に1杯ずつの提供なので「1人だからオーダーしにくい」ということはない。ボトルのワインぐらいでしょうか。
お酒の種類は、自販機で売っている缶ビールの種類がとにかく多い!
売店で提供しているお酒の種類は、普通の山小屋と同じぐらい。
フリーWi-Fi完備 0/20
ドコモの電波は普通に入るが、その他のキャリアはわからない。
2014年に宿泊した際は、auの電波はなかった。Wi-Fiの設備もない。このあたりは普通に山小屋なのであまり期待をすべきではない。