温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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雪見露天風呂を楽しめる温泉宿12軒と、公共交通機関でのアクセスまとめ

露天風呂で雪景色を見た温泉宿を、公共交通機関での行き方付きでまとめた

実は雪国出身なので、雪景色には特に思い入れがなく、冬になると九州の温泉地への旅を計画するタイプの温泉好きです。

しかし、冬が近づくと「雪見露天風呂を楽しめる宿を紹介してほしい」というオファーをいただくことが度々あります。何しろ雪見露天風呂を求めて旅をしていないので「絶景雪見露天風呂!」みたいな宿はほとんど知らないのですが、北関東や東北、甲信越の宿に冬に泊まった際に、露天風呂から雪景色を眺めたことはあるので、そういう宿の中から紹介していました。

それで今回「これが今の私の精一杯です」ということで、雪見露天風呂を楽しめる温泉宿について1記事にまとめてみることにしました。概ね1人で泊まっているので、1人で宿泊可能な宿かどうかについても紹介していますが、あくまで記事公開日時点の情報であることだけはご承知おきください。(全国旅行支援の再開など予約が増えたタイミングで、1人泊のプランがなくなってしまうのはよくあることです……)

雪のない時期に入った露天風呂で「冬になれば雪見露天風呂が楽しめるだろうな」という宿はたくさん思い当たるのですが、一応「少しでも雪がある」ときに泊まった宿に限定してご紹介することにしました。

また、私自身いつも公共交通機関を利用して旅をしているので、紹介する宿に公共交通機関でアクセスするときの行き方についてもまとめています。雪が降らない地域にお住まいの場合、普段は車で旅をしていたとしても雪道の運転は自信がない、という方も多いかと思いますので、参考にしていただければと思います。

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一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

露天風呂から雪景色が眺められるかどうかは、運に左右される

「紅葉」や「桜」など同様に、露天風呂から美しい雪景色を眺められるかどうかはタイミング次第です。

たとえば群馬県の草津温泉や四万温泉など、北関東の有名温泉地でも雪が降る日はあり、降雪直後は雪見露天風呂を楽しめることもあります。しかし、露天風呂からは常に温かい湯気が出ているわけですから、道路や庭に雪が積もっている日であっても露天風呂には既に雪がない……ということもままあります。

例として……私の故郷である山形県の鶴岡市に九兵衛旅館というすばらしい旅館があり、このブログでも何度もご紹介しているのですが。

以前、年末にこちらの宿に泊まったときのこと。当日はまとまった降雪はなかったものの、おそらく前日はそこそこ降ったのでしょう。路上にも雪が残っており、宿の中庭にもどっさり雪が積もっていました。

これならば雪見露天風呂が期待できるのでは……?と思うわけですが、露天風呂に行くとこんな感じ。

温泉の熱で雪はほぼ溶けていました。

鶴岡は沿岸部の街で積雪もそこまで多いわけではないですし、1番雪が多く降るのは2月ごろですから時期的にもまだ早かったというのもあるとは思います。しかし、こういうことはどの季節のどの温泉地でもあり得ます。

今回ご紹介する宿については「雪が多いか少ないか」についても触れるようにしました。「雪多め」と書かれている宿であれば1月下旬から2月いっぱいぐらいの雪が多い時期であれば雪見露天風呂となる可能性は高いとは思います。

ただ、山沿いの温泉地に、雪が最も多い2月ごろに行ったとしても、たまたま「数日前から雪が降っていない」タイミングだったりすると、露天風呂の周辺の雪は溶けていてあまりきれいじゃない……というのもよくあることです。また、雪が多い日に「今日なら期待できるかも?」と思いきや、雪が多すぎて真っ白で何も見えなかったり露天風呂が利用できなかったり……ということもけっこうあります。

あまり期待し過ぎないで「雪見露天になったらラッキー」ぐらいの気持ちで出かけるほうが、個人的にはおすすめです。きれいな雪景色が眺められなかったことにがっかりして、旅の印象が色あせてしまったらもったいないと思うので。

ということを先にお伝えした上で、ご紹介していきたいと思います。

青森県「奥入瀬渓流温泉 星野リゾート奥入瀬渓流ホテル

雪は多め!土曜日も1人泊可能な山中のリゾートホテル

青森県十和田市の奥入瀬渓流沿いにある温泉ホテルです。星野リゾート系列のお宿で、私自身のチョイスでは選ばないであろう宿ですが、取材で宿泊しました。一応、土曜日も1人で宿泊可能な宿です。

冬のあいだ露天風呂は、周囲を雪の壁で囲まれた「氷瀑の湯」になります。

実はこちらは自然にできた雪の壁ではなく、毎日水を吹きかけるなどして氷瀑っぽい姿になるように成形しているのだそうです。人工の氷瀑ではありますが、スタッフの方たちの日々の苦労を思うと人工物でもまあいいじゃないかと思えますね。

ちなみに、露天風呂は渓流に面しており、ライトアップされているので天気が良ければ渓流も見えるのだろうとは思うのですが、この日は横殴りの雪が降っていたので何も見えませんでした。

東北新幹線八戸駅・青森駅から予約制の送迎バスあり

奥入瀬渓流ホテルに公共交通機関で行くには、新幹線の八戸駅、またはJRの青森駅からホテルの送迎バスで向かうのが最も便利です。

首都圏から向かうなら八戸駅のほうが便利ですね。

万が一、電車遅延などで送迎バスに遅れてしまった場合は路線バスを利用することもできますが、途中で乗り換えが必要でけっこう面倒ですので、路線バスは奥の手と思っていたほうがいいでしょう。路線バスについての詳細は宿のホームページの「アクセス」のページにも記載がありました。

客室からも雪景色が眺められ、氷瀑を眺めるツアーにも参加可能

取材での宿泊だったので部屋はおまかせでしたが「渓流和室」という窓から渓流を眺められる部屋に宿泊しました。

窓辺に置かれたソファーの座り心地が良くて、ソファで寝そうになったことを覚えています。

こちらの宿の特徴して(この宿特有なのか星野リゾートの宿の多くがそうなのか知らないのですが)無料で参加できるアクティビティが豊富なことがあります。

たとえば、氷瀑ライトアップツアー。奥入瀬渓流にできる氷の滝「氷瀑」のうちのいくつかを、投光器を積んだ車と一緒にまわって見学するアクティビティです。

また、奥入瀬渓流の雪景色をガイド付きで見学するツアーもあります。いずれも徒歩移動ではなく、バスに乗って見学スポットを回ってくれるので気軽に参加できます。スノーブーツのレンタルもありました。

取材だから参加したものの、個人的な旅だったら申し込まないだろうなーとは思ったのですが、無料で参加できるのに参加しないとなると、ちょっと損しているような気もするので、この宿はアクティビティに魅力を感じる人向けの宿なんだろうなと思いました。

食事は朝夕共にビュッフェです。

帆立やりんごをはじめとした青森県産の食材が使われ、青森の郷土料理も楽しめるビュッフェです。品種の異なるりんごから作られたりんごジュースの飲み比べがなかなか楽しい。

その場で切り分けてくれるローストビーフはかなりおいしかったし、他の料理も普通においしかったです。

食後は大きな暖炉のあるラウンジスペースで、コーヒーを飲みながら雪景色を眺めたり。

朝食も同じ会場でビュッフェですが、取り放題のイクラがあったり焼きたてのりんごパンケーキをいただけたりと、満足度の高い朝食バイキングだったと思います。

「温泉宿」として食事と温泉を満喫する、という楽しみ方だとちょっとお値段高めに感じますが、奥入瀬渓流の雪景色を送迎付きで気軽に楽しめる宿はこの宿しかありません。雪景色をめいっぱい楽しみたい方におすすめの宿です。

山形県「蔵王温泉 深山荘 高見屋

雪は多め!土曜日も1人泊可能な歴史ある温泉旅館

山形県の蔵王温泉は、宮城県と山形県の県境にある蔵王連峰の山形県側、標高900メートルほどの場所にある温泉地です。

積雪が多いので冬季は露天風呂を閉鎖してしまう宿もありますが、深山荘高見屋では屋根付きの露天風呂から雪景色を眺めることができます。

1人泊専用の部屋があり、土曜日や連休でも早めに予約しておけば1人で宿泊が可能な宿です。

山形新幹線山形駅からバスで40分、蔵王温泉バスターミナルで下車

蔵王温泉はスキー場のある温泉地なので、山形駅から冬でも1時間に1本程度バスの運行があります。

山形駅前では路肩に少し雪が残る程度の積もり具合でも、40分バスに乗って標高900メートルほどの蔵王温泉まで来るとかなり積もっている、ということが多いです。(年にもよります)

深山荘高見屋まではバスターミナルから徒歩6分ほどですが、宿に電話すれば1名でも迎えに来てもらえるので、雪の中を歩きたくない場合は遠慮せず電話しましょう。

こちらの宿は既に3度泊まっているお気に入りの宿で、宿泊レポートも公開しています。

快適な部屋とおいしい食事、浴室もすばらしく湯も極上!

この日は時折晴れ間が覗くもののかなりの積雪。

時期は2月上旬ごろです。やはり、雪景色が見たいなら2月に計画するのがベストでしょうね。

1人泊専用の部屋はもう少しコンパクトなんですが、この日は空室があったそうで、ベッドルームの寝室が別についた広めの部屋に案内していただきました。

深山荘高見屋には2つの浴室があります。先にご紹介した雪見露天風呂は、新しい「せせらぎの湯」の浴室ですが、もう1箇所の「長寿の湯」という浴室があります。

昔ながらの木造で、雰囲気の良い浴室です。また「せせらぎの湯」と「長寿の湯」では異なる源泉が使われており、長寿の湯は1716年の創業当時から湧き続けている「高見屋一号源泉」です。入ってみると「長寿の湯」のほうが濃い感じで、力強さが感じられるお湯でした。

食事は朝夕共に食事処でいただきますが、1人泊の場合衝立の影になる人目につきにくい席に通していただけます。

地酒の飲み比べセットが数種類あるのがうれしい。

山形牛や地鶏、高原野菜など地物食材たっぷりの夕食でした。

朝食は、開始時間に合わせて土鍋で炊き上げられたご飯と、山形名物芋煮がうれしい!

露天風呂については雪景色は眺められるものの「絶景」とは言いがたいかもしれませんが、食事、風呂、サービス共に良い、満足度の高い宿です。

山形県「小野川温泉 やな川屋旅館

雪はそこそこ。土曜日も1人泊可能なリーズナブルな温泉宿

山形県米沢市の奥座敷と呼ばれる小野川温泉の中心部にあるやな川旅館。

屋上にある展望露天風呂からは晴れていれば周囲の山々を見渡すことができます。小野川温泉は標高300メートルほどの場所にあり、山の中の温泉ほどの積雪はありませんが、米沢は内陸部で山形県内でも積雪は多い場所ですから、雪はまあまああるほうだと思います。この写真は年末ごろに撮影したものです。

土曜日でも1万5千円ぐらいから2食付きで1人で泊まることができますが、なぜか今はじゃらんで1人泊のプランが出ていないようなので、1人で泊まりたい方は楽天トラベルをチェックしてみてください。

山形新幹線の米沢駅から路線バスで25分、バスを降りて徒歩2~3分

小野川温泉までは米沢駅前から1~2時間に1本程度バスの運行があります。

駅前はしっかり除雪されているので、雪が多い年であってもバス停ぐらいまでは大丈夫でしょう。

小野川温泉までは25分ほどの乗車で、終点手前の「小野川温泉」バス停で下車します。

小野川温泉の共同浴場「尼湯」の屋根にもかなりの雪が積もっていました。

やな川屋旅館まではバス停から徒歩2~3分で着きます。

最上階の露天風呂から眺める景色と部屋のこたつがうれしい

部屋は昔ながらの和室ですが、冷蔵庫などの設備は整っていますし、冬はこたつがあるのがうれしい!

縁側の椅子に座って、温泉街の酒屋で購入したクラフトビールで雪見酒。

と思いましたが、やっぱりこたつのほうがいいなあと思い……。

東京駅で買ってきた焼き鳥をつまみに、テレビを見ながらこたつでビールを楽しみました。

夕食は部屋食なので食事はこたつの上でいただきます。鯉の旨煮は、県内出身の私的には懐かしいけど、苦手な人は苦手かもしれません。

やな川屋旅館の夕食のメインは「すきやき」か「しゃぶしゃぶ」から予約時に選びますが、私はしゃぶしゃぶをチョイス。ちなみにグレードアップしたプランで、牛肉を米沢牛に変更することも可能です。黒毛和牛のスタンダードプランから+4000円ぐらいです。

朝食は食事処で。ごく一般的な旅館の朝食です。

比較的リーズナブルに泊まれる宿ということもあり、食事にはそこまで期待しないほうがいいかなと思いますが、お湯はとにかく極上です。

小野川温泉の高温の源泉とややぬるめの源泉を混ぜて適温にし、源泉100%のかけ流しで提供しています。

露天風呂からは晴れていれば遠くの山並みも眺められます。

翌朝は天気が微妙だったので周りは真っ白でしたが、天気がいいときよりも雪見露天らしいかもしれません。ちなみに、冬期にあまりにも天気が悪いときは利用できない日もあるそうですので、ご了承ください。

特に案内がなかったので入らないでしまったのですが、実は別館「ほてい荘」の内湯にも入れたとのこと。小野川温泉には多少飲食店もありますし、素泊まりなら1人でも1万円以下で泊まれるので、素泊まりで泊まるというのもありかなと思いました。

山形県「白布温泉 中屋別館 不動閣

雪は多め!土曜日も1人泊可能な山中の温泉宿

吾妻連峰の中腹、標高900メートルほどの高所に位置する山中の温泉地、白布温泉。

すぐ近くにスキー場がある温泉地なので雪は多めですが、冬も蔵王ほどには混んでいないのでのんびり泊まりに行けるのが良いところです。

ご紹介する中屋別館不動閣には、屋根がしっかりありますが露天風呂があり、湯に浸かりながら雪景色を眺めることができます。土曜日も1人泊可能な宿です。

山形新幹線の米沢駅から路線バスで行けるが、予約制で送迎もあり

米沢駅から白布温泉までは1~2時間に1本程度バスが運行しています。ちなみに地域の方の生活路線なので、土日祝日よりも平日のほうが運行本数は多めです。

中屋別館不動閣の最寄りバス停である「白布温泉待合所」は宿の本当に目の前ですが、バスを降りるとこんな感じでした。

門の中は、かろうじて1人通れるぐらいのスペースが除雪されていたのでここを通りましたが、革靴の人は絶対ここは通らないほうがいいです。私は防水のトレッキングシューズだったのでどうということはないのですが、普通の靴だとびしょびしょになります。

よく見ると、少し遠回りすれば車が通るための道をもっとしっかり除雪してありました。門をくぐらなくても良かったんですね……。

そんなわけで、バスでもいけることはいけるのですが、米沢駅から宿まで、行き帰り共に1本のみですが送迎バスが運行しています。予約制ですので利用したい場合は宿に連絡しておくといいでしょう。玄関の目の前で降ろしてくれるので圧倒的に楽です。

宿泊レポートはこちらです。

ひろびろオリンピック風呂と日本酒の品揃えがいい感じ

部屋はいくつかのタイプがありますが、私がいつも泊まるのはトイレ付きの8畳間です。

この写真は夏に泊まったときに撮影したものですが、コロナ禍以降はチェックイン時から布団が敷かれています。2人以上で泊まるときに布団をどうしているのかはわかりませんが、1人なら先に敷いてあってもスペースは十分あります。

浴室は内湯と露天風呂は行き来できず完全に分かれていて、それぞれに脱衣所があるタイプ。

先の東京オリンピックのあった昭和39年に開業した内湯、通称「オリンピック風呂」は渓流に面していて窓越しに雪景色を眺められます。広すぎて、冬の間は湯気で向こう側が見えないほどです。こちらは夜通しの利用が可能です。

露天風呂は、しっかりと屋根に囲まれた半露天タイプ。

おそらく、この場所に開放的な露天風呂を作ったら雪が吹き込みすぎて冬期間は利用できなくなってしまうのでしょう……。

循環消毒なしのかけ流しの熱い湯につかりながら、雪景色を眺めることができます。

夜23時~朝6時までは消灯してしまうので、寝る前にもう1度露天風呂に入りに行きました。夜の露天も良かったです。

中屋別館不動閣の食事で気に入っているのは、10種類ほどある定番の地酒メニューの中から好きなものを3種選び、好みの組み合わせで利き酒セットにできること。

この日は利き酒セットをオーダーした後、季節限定のお酒の中からも1合いただきました。

食事プランはいくつかあるので好みと予算に合わせて予約時に選びます。

私は米沢牛料理が1品つくスタンダードプランの「吾妻膳コース」を選ぶことが多いです。

朝食も温泉旅館らしいメニューで、おいしくいただきました。

前もって予約しておけば土曜日でも一人泊しやすいし、送迎あり、湯も良く食事もおいしいので、冬以外の季節も何度も泊まっています。

福島県「高湯温泉 安達屋

雪は多め。今は残念ながら1人で泊まれない山麓の温泉宿

高湯温泉は福島市の郊外にある温泉地で、吾妻連峰の山腹、標高750メートルほどの高所にある温泉地です。

山中の宿なので雪も多めで、混浴の大露天風呂と予約制の貸切露天風呂で雪見露天が楽しめます。

以前は平日のみ1人泊のプランが出ていたのですが、少し前から1人では泊まれなくなってしまいました。とても残念ですが、いつか誰かを誘って再訪したいなと思っているすばらしい宿です。

福島駅から路線バスあり、予約制の送迎バスも利用可能

高湯温泉までは福島駅から路線バスの運行もあり、2022年12月現在も平日5本、土日祝日は3本運行しています。

このほかに、1日1本のみ予約制の送迎バスも運行していますので、利用したい場合は宿にその旨連絡します。

私は、送迎バスの時間よりも早く着いてしまったので、宿に「少し早めに着いても中で待たせてもらえるか」電話で確認してから14時20分ごろに高湯温泉に着く路線バスで向かいました。

2月だったので当然雪は多いだろうと思っていたのですが、着いてみるとあれ……?そうでもないですね。

駐車場はもちろん除雪しているでしょうけれど、路面には雪はまったくなし。周辺の木々にも雪はついていません。まあ、もともと雪見露天を期待して来たわけではないので別にいいか。

中に入ると囲炉裏のあるラウンジでお茶とお菓子をいただきます。このラウンジでは滞在中、コーヒーやジュースのサービスもありました。

日本酒ペアリングコースが量も質もすごかった

宿泊したのはシンプルな8畳の和室です。
雪見露天を目指さずに何を目指して来たかというと、もちろんすばらしい温泉があるからですが、もう一つ理由が。
夕食のコース料理に合わせて日本酒を提供してくれる「日本酒ペアリングプラン」を楽しみに来ました。

夕食は囲炉裏のある食事処でいただきますが、その前に、部屋におつまみと日本酒が3種類も届きました。1種類ごとの量もけっこうあり、これだけで酔っぱらってしまいそう……。

夕食会場に移動すると、料理の一品毎に異なるお酒を出してくださいます。

「前菜」「お椀」「お造り」「肉料理・鍋」「デザート」に合わせて1杯ずつ、5杯の日本酒が提供され、宿の方の話では「全部で3合以上」とのこと。全部おいしかったんですが、ちょっと飲み過ぎてしまい。混浴の露天風呂が18時~21時まで女性専用時間になるというのに、入りに行けませんでした……そんな気はしたんですけどね。

とは言え翌朝は元気に朝食もいただきました。お粥もおいしかったし、鍋の中身が穴子の卵とじだったのも豪華でうれしかったです。

そして……到着時はあんまり雪がなかったのですが夜の間に積もりまして、朝は雪見露天らしい雪見露天を楽しむことができました。

青みがかった硫黄泉と、積もったばかりの白い雪はよく合いますね。

ちなみに、前日の午後に入ったときはこんな感じでした↓

全然違いますね!

高湯温泉はかなり雪が多い温泉地だと思いますが、そんな雪が多い場所に、1番雪が多いはずの2月に泊まっても、日によってぜんぜん違うんだなあと。雪見露天風呂の難しさを実感した滞在でした。

栃木県「日光湯元温泉 奥日光 森のホテル

雪はそこそこ!土曜日も1人泊可能な高原の温泉ホテル

栃木県日光市の日光湯元温泉は標高1600メートルの高所にある温泉地です。北関東ですが、標高が高いので少し前まで部屋にエアコンがない宿が多かったほど。雪もけっこう積もります。

大小さまざまな温泉宿がある中で、奥日光森のホテルは温泉付きのリゾートホテルという雰囲気の居心地の良い宿です。1人泊専用の部屋があり、前もって予約しておけば土曜日でも1人で泊まることができます。

日光駅から路線バスあり、冬季は割引乗車券あるので宿に連絡すると良い

湯元温泉まではJR日光駅もしくは東武日光駅から湯元温泉行きの路線バスで向かいます。

このとき、2日間有効のフリーパスを「東武日光駅ツーリストセンター」で購入しておくと、現金やSuicaなどで往復料金を払うよりも安いうえに、何度でも途中乗降できてとても便利です。しかも冬期間は、中禅寺温泉・日光湯元温泉の宿に宿泊する場合はフリーパスを半額で購入できます。冬場は雪道の運転に自信がないという方に向けた心遣いなんだと思いますが、本当にありがたいですね。

詳細はこちらのサイトが詳しいです。あらかじめ宿に「フリーパスを購入したい」旨を連絡しておく必要がありますのでご注意ください。

バスに乗る東武日光駅の駅前には雪はまったくありません。

遠くの山の上のほうには雪がついているのが見えますが……はたして湯元温泉には雪があるのでしょうか。

1時間20分ほどの乗車の後、湯元温泉バス停に到着。

わりとしっかり雪はありました。

奥日光森のホテルまではバス停から徒歩5分ほどです。道はもちろん除雪されていますので、気をつけて歩きます。

浴衣と作務衣の用意があり、客室や館内の快適度が高く食事もおいしい

1人での予約でしたが、案内いただいたのはツインルームでした。

1人泊専用の「シングルルーム」は「機械室に近いので音がするかも」という但し書きがあったのですが、この部屋が訳ありの部屋なのか、空きがあってツインルームに案内いただけたのかはわかりませんでした。

ベッドの寝心地も良く、私にとってはとても快適なお部屋でした。

奥日光森のホテルでは、浴衣と作務衣がフロントの前にまとめて置いてあり、好みのものを選んで使う方式です。
「両方お持ちになってもかまいませんよ」
と案内時にお声がけいただいたので、遠慮なく作務衣と浴衣を。浴衣はお風呂あがりに、作務衣は部屋着として着るので両方あると幸せになれますね……。

窓から外を眺めると、除雪されていない部分はものすごい雪で、長いつららが垂れ下がっていました。これなら雪見露天風呂も期待できそうです。

日光湯元温泉の源泉はほぼ中性の硫黄泉で、湧き出たばかりだと緑がかった透明なお湯ですが、時間が経つと濁り湯になります。

森のホテルの源泉は湧き出てから間もない、濁りの少ない極上湯でした。広々とした内湯に、適温の源泉が常時注がれています。

泊まった翌朝は晴天で、真っ青な空と雪の青、そして源泉の薄いグリーンの対比がなんとも美しいです。

天気がいいので昼になると雪は溶けてきそうですが、朝のうちは気温が低いので、美しい雪見露天風呂を楽しむことができました。

森のホテルは食事も大変おいしいです!日本酒の利き酒セットもあり、前菜からすべておいしい。すき焼きも具材などありきたりでなく工夫されていて、甘みはなんと綿飴でつけるというこだわりの一品でした。

朝食はバイキングです。新鮮な野菜サラダや、日光名物の湯波を使った料理、カレーなどバラエティ豊かなメニューを楽しみました。

東武日光駅で購入したバスのフリーパスを利用して帰りますが、何度でも途中下車が可能なパスですので、中禅寺温泉で下りて華厳の滝を眺めたり、日光東照宮に立ち寄りながら帰るのも楽しいですね。

群馬県「四万温泉 柏屋旅館

雪は少なめ。土曜日も1人泊可能な温泉宿

四万温泉は群馬県の山あい、標高700メートルほどの場所に位置する温泉地です。北関東の、そこまで高所ではない温泉地なので雪は多くはありませんが、冬の間は積もる日もあります。

柏屋旅館は温泉街から少し離れた静かな場所にある宿で、男女別の大浴場のほかに空いているときに貸切で利用できる露天風呂が3つあることで人気の宿です。

館内やお部屋も小ぎれいで、食事も女性に好まれそうな内容でした。

中之条駅から路線バスで「清流の湯入り口」で下車

公共交通機関で四万温泉に行くには、吾妻線の中之条駅から路線バスに乗るか、あるいは都内からは直通の高速バスも運行しています。

このとき、一つ気をつけておきたいのは、柏屋旅館は四万温泉の温泉街からは少し離れた静かな場所にあり、路線バスで行くと最寄りのバス停は「清流の湯入り口」になります。

「清流の湯入り口」バス停で下車すれば柏屋旅館はすぐ目の前なんですが……このバス停には高速バスは停車せず、終点の「四万温泉」まで行ってしまいます。

四万温泉バス停は「四万グランドホテル」や「積善館」など大きめの旅館があり、飲食店などのお店があるあたりです。

周辺にはお蕎麦屋さんや、おいしい鰻屋さんなども点在しており、路線バス利用だったとしても「まずは四万温泉バス停で下車して、温泉街をぶらぶらしてから宿に向かおう」と計画される方もいるかと思います。

温泉街には柏屋旅館と同経営の柏屋カフェもあり、ランチやお茶を楽しむことができるのでぜひ、立ち寄りたいところなのですが……。

柏屋旅館では四万温泉バス停(つまり温泉街)から宿までの送迎は行っていないので、温泉街をぶらぶらした後に柏屋旅館に向かう場合、路線バスで「清流の湯入り口」まで戻るか、あるいは徒歩移動となります。

私は歩きましたが……こういう感じの道を20分ほど歩くことになりますので、歩かれる場合は覚悟してくださいね!

柏屋旅館の宿泊レポート、少し前のものですがこちら↓に掲載しています。

3つある露天風呂はすべて貸切利用、洋朝食がおいしかった

柏屋旅館の館内は、女性が好みそうな和モダンのインテリアで統一されていました。

お部屋はコンパクトですが、必要な設備はしっかり揃っており、冬でも暖かく快適です。デスクもあり、Wi-Fiも高速だったのでワーケーション利用にも良さそうですね。

客室にはテラスもあり、雪景色を眺めることができました。冬以外ならここでお茶をいただいたりしても良さそうですね……。

柏屋旅館には内湯の大浴場と、空いていれば何度でも入れる貸切露天風呂(深夜は休止)が3ヶ所あります。

チェックイン後、夕方に入ったこちらの露天風呂は少し雪が残っていてかろうじて雪見露天っぽかったのですが……。

翌日朝に入ったこちらの露天風呂は、ほぼ雪なしでしたね。部屋の窓から見る景色は雪景色なんですが……雪見露天風呂は儚いものです。

夕食は部屋に持ってきていただき、1人でのんびりいただきました。

シングルベッドルームだけど部屋食って珍しいなと思っていたんですが、現在は半個室の食事処での夕食に変わっているようです。

朝食は和食と洋食、それから系列の「柏屋カフェ」でのブランチの3つから選べるので、私は口コミで評判の良かった洋食を選びました。

「欧州から生地を取り寄せている」という焼きたてのパンが大変おいしかったのですが、残念ながらお替わりはできず「別料金でお持ち帰り用のパンを焼くことはできる」とのことでした。焼くのに30分かかるから「おかわりください!」と言われてもすぐには用意できないということなんでしょうね。このあたりの対応は、現在は変わっている可能性もありますが……。
パン以外のソーセージやマッシュルームスープも本格的な味わいでおいしかったです。食事内容や客室の雰囲気など、全体的に女性が好みそうなサービスの宿だと思います。

群馬県「川古温泉 浜屋旅館

雪はそこそこ。平日のみ1人泊可能な極上ぬる湯の湯治宿

川古温泉は群馬県みなかみ町の標高600メートルほどの場所にある温泉地で、浜屋旅館1軒だけが営業しています。40度弱のぬるめの源泉で人気で、長期滞在の湯治客が多い宿です。

四万温泉と標高は変わらないのですが、雪の量はややこちらのほうが多いような気がしました……が、訪れたときがたまたま雪多めの年だったのかもしれません。

露天風呂周辺が塀などに囲われておらず、自然の中での湯浴みが楽しめます。

ただ、源泉が40度以下で加温浴槽などもないため、熱いお湯が好きな方には特に冬は厳しいかもしれません。ぬる湯好きの方におすすめです。

上越新幹線の上毛高原駅からバスで30分。「休石」バス停から送迎あり

浜屋旅館には2度泊まったことがあるのですが、以前は送迎はなく、公共交通機関利用だとタクシーを使うしかありませんでした。

現在は新幹線の上毛高原駅から「猿ヶ京温泉」行きのバスに乗り、「休石」というバス停で下りるとそこまで宿の車で迎えに来てくれます。予約制ですので、バスに乗る時間が決まったら宿に連絡しておく必要があります。

この日は1月上旬で、上毛高原からバスに乗った時点ではほとんど雪はありませんでした。

しかし、送迎車に乗り換えて宿に着くと、周辺には雪がしっかり。山の中の温泉宿ですね……。ちなみに、冬以外の季節は熊などの野生動物も出没するエリアです。

宿泊レポートは以下に公開しています。

冬でも非加熱のぬる湯を楽しめる!山の幸を使った料理もおいしい

湯治客が多い宿、ということで、お部屋は長期滞在仕様で新しくはないけど快適です。

8畳の和室は洗面トイレ付き。冷蔵庫や電気ポットなどもしっかり揃っています。冬はこたつがあるのもうれしいですね。

浴室は内湯が3ヶ所(男性用・女性用・混浴)と、露天風呂が2ヶ所(女性用・混浴)あります。混浴の浴室は湯浴み着やタオル巻きでOKです。

女湯の内湯はコンパクトですが、内湯のお湯は露天風呂より泡付きがあって、新鮮さが感じられるお湯でした。

内湯の隣にある女性用の露天風呂は、コンパクトで塀に囲まれてはいるものの、のんびり浸かれます。40度弱の源泉が露天風呂だと37~38度ぐらいのぬる湯になっているので、冬は特に、1度浸かるとなかなか出られません。

積もった雪を眺めつつ長湯します。

そして、湯浴み着を着て混浴の露天風呂へ!

以前、夏に来たときは日帰り客で混んでいましたが、冬は空いていますね。

開放的な混浴露天風呂で、雪景色を眺めつつ湯浴みを楽しめます。

ぬる湯なので夏のほうが人気あるんだろうなと思うのですが、私はこの宿は寒い季節のほうがいいなと思いました。本当に自然の中なので、夏は虫などが多いんですよね……。冬は人も少ないし、虫などもいなくてゆったり。

食事は朝夕共に食堂で。

秘湯の湯治宿ということで、食事はそんなに期待できないかな?と思いつつ、これが朝夕ともに山の宿らしい素敵な献立なのです。

自家製の生ハムに、ニジマスの刺身。

ごぼうなどの野菜たっぷりの猪鍋に、こんがり焼かれた岩魚など、山の宿らしい食材を使った手作りの料理で、味も大変おいしいです。

朝食のおかずも、ありきたりではなく品数豊富ですべてにしっかり手がかかっています。

たっぷりの舞茸陶板焼きに、ヨーグルトに入っているジャムも自家製とのこと。

1人で泊まれるのは平日のみなのでなかなか再訪できていないのですが、本当は連泊してじっくり楽しみたい宿です。

新潟県「松之山温泉 酒の宿 玉城屋

雪は多め!平日のみ1人泊可能なお酒好きにおすすめの美食の宿

松之山温泉は、日本有数の豪雪地帯である新潟県の十日町市にある温泉地です。

実は私が泊まったのは3月中旬頃。それでもしっかり雪はあった(降ってから時間が経っているのであまりきれいではないけれど……)ので、1月2月ごろならもっといい感じの雪見露天が楽しめるのでは……?ということでご紹介したいと思います。

お湯も熱めなので、冬に行くのにいい温泉地ですね。ご紹介する「酒の宿 玉城屋」さんは、料理も大変おいしく、お酒好きな方に特におすすめしたい温泉宿です。

越後湯沢駅から北越急行ほくほく線に乗りまつだい駅で下車後、バス利用

松之山温泉の最寄り駅は北越急行ほくほく線のまつだい駅。上越新幹線を越後湯沢駅で下り、乗り換えて40~50分。

3月も半ばですが、車窓からは美しい雪景色が見えました。

やっぱり雪景色って、露天風呂から見るより普通に見たほうがきれいじゃない……?
男湯は開放感ある露天風呂も多いかもしれないけど、女湯って外から見られないように塀があったりすることも多いしねえ。

などと思いつつ、まつだい駅からはバスに乗って20分少々で松之山温泉へ。本数は少なめなので、バスで都合がつかなければタクシーですね……。宿によっては送迎があるところもあるかもしれませんが、玉城屋さんは送迎の対応は特にありません。

松之山温泉バス停についたら、温泉街を歩いて宿に向かいます。

まつだい駅からのバスの到着時刻が「13時26分」か「15時48分」なので、15時ぴったりにチェックインしたい勢としてはどちらを利用するか迷いどころなのですが……。松之山温泉はお土産屋さんや日帰り入浴施設もあるので、早めについても多少は時間を潰せると思います。

湯は極上、日本酒ペアリングプランも私にはちょうど良かった

玉城屋さんは全8室の宿で、そのうち6室に露天風呂がついています。

このとき泊まったのは、露天風呂付きの客室の中で最もコンパクトな8畳の和室。

ベランダの部分に、足を伸ばして入れる広さの露天風呂がついていました。外は雪の斜面で、すばらしい景観というわけではありませんが、一応雪を眺めながら湯浴みを楽しめます。

お風呂付きの部屋が多いからか、大浴場があまり混んでいないのもいいところ。

松之山温泉のお湯は、石油っぽいような独特の香りがして塩分が強いよく温まるお湯です。草津温泉、有馬温泉と共に「日本三大薬湯」の一つに数えられる効能の高いお湯だそう。内湯では源泉の香りがはっきりとわかりますね。

大浴場についている露天風呂からも、雪の斜面と青空が見えました。

さて、こちらの宿のすばらしいところ……大浴場の手前にお休み処があり、そこに冷蔵庫も置いてあってお水やお茶が飲めるようになっているのですが……。

なんと「訳ありのお酒」も好きに飲めるのです。
レストランで抜栓してから日が経ってしまったお酒、ということだそうですが、いいお酒ばかりですし、私には十分おいしかったです。

そして、レストランでいただくフレンチの夕食がまたすばらしい……。

日本酒のペアリングプランを選んだので、1品ごとに異なる日本酒を1杯ずつ出していただけるのですが、これが本当にすばらしいお酒ばかり。酒器も素敵だし……。

料理のあしらいもすばらしいですね……。ペアリングプランのお酒の量も、個人的には酔いすぎないちょうどいい量でした。

翌朝の朝食は和食ベースで、南魚沼のおいしいお米と、野菜たっぷりで見た目にも楽しい料理をいただきました。

長野県「白骨温泉 泡の湯

雪は多め。平日のみ1人泊可能な山の秘湯宿

白骨温泉は、長野県松本市安曇の標高1400メートルほどの高所にある秘湯の温泉地です。

ご紹介する「泡の湯」の露天風呂は、男女別の大浴場にそれぞれ1ヶ所ずつあり、その他に有名な混浴の大露天風呂もあります。


画像:じゃらんnet提供

山奥なので雪は多めで、開放感ある大露天風呂では雪見露天風呂を楽しめることも多いです。にごり湯ですし、湯浴み着着用OKなので女性の方にも比較的入りやすい混浴だと思います。

泡の湯さんは、現在は平日のみ1人泊可能な宿です。

松本駅から新島々駅を経由し、路線バスで白骨温泉へ

白骨温泉に公共交通機関で向かう場合、松本からアルピコ交通のバスで向かいます。

以前は松本駅前のバスターミナルから直通のバスだったのですが、現在は、松本駅からアルピコ交通上高地線で新島々駅まで出て、新島々からバスに乗って向かうようです。

夏季と冬季では運行ルートが少し異なり、冬は乗鞍高原を経由します。夏は、今は沢渡経由だったはず……。

乗鞍高原から白骨温泉に向かう道はけっこうな山道で、途中にきつねがいました。

珍しい小動物なんかがいると、バスはちょっと停まって見せてくれます。親切。

松本駅を出てから約2時間ほどで着きました。1日2本の運行で本数は少ないのですが……「泡の湯」というバス停があり、バスを下りたら目の前に宿があります。

混浴の露天風呂が有名だが、個人的には内湯が好き。朝食の温泉粥もおいしい

泡の湯の建物は、昔ながらの「本館」と「新館」に分かれており、本館のほうが安く泊まれるので私は本館に泊まりました。

ところがコロナ禍以降、客室数を減らして営業しているとのことで、現在は本館に宿泊するプランは出ておらず……新館の客室にも平日のみ1人で泊まれるものの、以前よりもけっこうお高くなってしまいました。

泡の湯は混浴の大露天風呂が圧倒的に有名ですが、個人的には加温していないぬるめの源泉を楽しめる、内湯が1番好きです。38度ほどのいつまでも入っていられるぬる湯で、硫黄泉なのに泡付きがすごいという、他ではなかなか味わえないお湯に入れます。

女湯に付いている露天風呂も、こぢんまりとしてはいますが、ゆったり浸かれますね。

混浴露天風呂は……話のタネに1度は入りに行くのですが、そんなに長居はしないです。恋人同士やご夫婦で行くなら楽しいと思うんですが、1人で広い混浴風呂に浸かってもねえ……と。

混浴露天の女性用脱衣所には、宿泊客用に湯浴み着が用意してあり、入る度に新しい湯浴み着を使えますし、混浴風呂としての難易度は低めだとは思います。

停まった部屋の窓から混浴露天風呂が見えました。この日は12月下旬ですが、そのわりにはけっこう雪がありましたね。

食事は個室食事処でいただきます。

地酒の利き酒セットがあったり、チーズフォンデュや信州牛の石焼きステーキなど、演出的にも楽しい料理でした。

朝食では、白骨温泉の源泉を使った温泉粥をいただけます。

この温泉粥が、癖になるおいしさでお気に入りです。ちょっと変わった味ではありますが、ぜひ試していただきたいです。

長野県「信州湯田中温泉 加命の湯

雪はそこそこ。現在は平日のみ1人泊可能な快適な小旅館

湯田中温泉は、長野県下高井郡山ノ内町の標高700メートルほどの場所にある温泉地です。

ご紹介する「加命の湯」は、同じ湯田中にある歴史ある宿「よろづや」の姉妹館で、滞在中はよろづやの大浴場にもいつでも入りに行くことができます。

「加命の湯」の館内にも2ヶ所、露天風呂付きの浴室があり、こちらでも雪見露天を楽しむことができました。

直前予約や予約が少ないタイミングなどで、土曜日に1人泊のプランが出ているときもありますが、基本的には平日のみ1人泊可能な宿です。

湯田中駅から徒歩5分だが電話すれば送迎してもらえる

「加命の湯」の最寄り駅は長野電鉄の湯田中駅。北陸新幹線などで長野駅まで来て、長野電鉄に乗り換えて1時間前後で着きます。

この日は2月上旬というタイミングで、路面にもしっかりと雪がありました。

「加命の湯」までは駅から徒歩5分ほどでしたが、電話すればすぐに駅まで迎えに来てもらえます。

私は面倒だったので歩いてしまいましたが、道もけっこう凍結して滑りやすくなっていましたので、雪道を歩きたくない場合は遠慮せず送迎をお願いしたほうが良いと思います。

夕食は姉妹館のよろづやでいただき、よろづやの大浴場にもいつでも入れる

「加命の湯」には2度泊まっているのですが、最初に泊まったこたつのある部屋が非常に居心地がよく、「2020年に泊まった宿で部屋が良かった宿」1位にこの宿を選んでいました。

その後、改装したばかりだというツインベッドルームに宿泊しまして、こちらのほうが少しお安いし1人で泊まりやすいのですが……個人的にはこたつの部屋のほうが好きでしたね。

和ベッドルームは大抵デスクがないので、PC作業をしたいときに微妙なんですよね。

とは言え、おつまみまでガッツリ付いたワンドリンクサービスがあったり、客室のドライヤーもナノイーでナノイースチーマーまで置いてあるし、サービスが良くて設備の整った宿だと思います。

浴室は2ヶ所あって時間帯で男女が交代になる方式。

どちらの露天風呂もほんのり雪見露天な感じになっていましたが、中庭や宿の外にはけっこう雪が積もっているのに、露天風呂周辺の雪はだいぶ溶けていましたね。

「加命の湯」は夕食提供をしていないので、外食するか、あるいは姉妹館の「よろづや」の夕食がついたプランを選びます。

私は、よろづやの個室食事処で「科野しなの会席」をいただくプランで予約していました。

地酒もけっこう揃っており、信州サーモンや鯉など川魚のお刺身がたっぷり出たり、信州牛のステーキもおいしくいただきました。

デザートも3品もあってうれしかったです。

よろづやから加命の湯までは歩いてもほんの2分ほどの近さですが、宿では「送迎しますので!」といつも言っていただけます。

夕食の後に加命の湯に戻るとき、迎えを呼ぶのも申し訳ない感じがして歩いて帰ったのですが、ツルツルに凍結していてちょっと怖かったですね。でも、凍ってさえいなければ楽しい夜の散歩になったはず……。

そして、部屋に戻ると夜食にきのこご飯のおにぎりが置いてありました。これがまた、大変においしいのです。

朝食は加命の湯の食事処でいただきます。長野県産の果汁100%フルーツジュースが2種類ついたり、大きなだし巻き卵など、おいしい朝食でした。

岐阜県「奥飛騨温泉郷 山の旅舎 中尾平

雪はそこそこ。土曜日も1人で泊まれる、浴室はすべて貸切利用の宿

奥飛騨温泉郷の新穂高温泉は、西穂高岳などの登山口にあたる新穂高ロープウェイの周辺にある、登山者にはおなじみの温泉地です。

ご紹介する「山の旅舎 中尾平」は、新穂高温泉の中でも「中尾源泉エリア」と呼ばれるエリアにあり、活火山である焼岳を熱源とした源泉をかけ流しで楽しむことができます。標高1100メートル前後の場所なので、雪はそこそこ多いです。

山の旅舎中尾平は全6室の小旅館ですが浴室が部屋の数と同じ6つあり、すべて空いているときに貸切で利用します。6つのうち2つが露天風呂です。

土曜日も1人泊のプランが出ていますが、わりと先まで埋まっていることも多いので早めの予約が必要です。

松本駅からバスで平湯温泉へ。新穂高ロープウェイ行きのバスに乗り換える

首都圏からのアクセスは、松本駅まで電車で出て、松本駅前のバスターミナルから濃飛バスでまずは平湯温泉に向かい、平湯温泉で新穂高温泉行きのバスに乗り換えて向かいます。

12月だと雪はそんなにないこともありますが、この年は雪が積もるのが早く、12月中旬で既に路上にもしっかりと雪がありました。この写真は乗り換え地点の平湯温泉バスターミナルの駐車場です。

宿の最寄りのバス停「中尾高原口」に着いたら電話をすれば迎えに来てもらえますが、歩いても20分少々なので私は歩いていきました。

途中で真っ白になった槍ヶ岳が見えるポイントがあり、うれしかったです。

中尾高原の宿が並ぶエリアに来ると、路面の雪はなくなりました。

山の旅舎中尾平に到着です。雪があると建物がいい雰囲気に見えますね。

2017年に初めて泊まった際の宿泊レポートも公開しています。

このときは秋でしたが、2021年の12月に再訪した際に雪見露天を楽しめました。

夕食の飛騨牛ローストビーフが絶品!客室にはロッキングチェアあり

こちらの宿、お部屋がなかなか素敵で「2021年に泊まった部屋が良かった宿」の3位にも選んでいます。

和室のような洋室のような不思議な部屋なのですが、雰囲気も良く快適なのです。

琉球畳にはふかふかの布団がチェックイン時から敷かれています。そして窓辺にはロッキングチェアが。

浴室は、コンパクトな内湯が2ヶ所と大きめの内湯が2ヶ所。そして露天風呂が2ヶ所。
空いているときに鍵をかけて、何度でも貸切利用が可能です。

大きな内湯は本当に広々。
おそらく、以前は「大浴場×2と貸切風呂×2」という割り振りだったのではないかなと思います。全6室で浴室が6つなら、今の全部貸切方式のほうがいいですね。

露天風呂は建物とつながっておらず、一度外に出て向かう方式。ロビーの鍵置き場に鍵があれば空いているので、鍵を借りて向かいます。

長靴をお借りして雪の中を歩いて向かいます。人が歩ける分のスペースを、一応除雪してあるように見えました。

1番奥にある見晴らしの良い露天風呂には、階段を上った先にあります。

おお!屋根もなく開放的な露天風呂です。
しかし、冬が始まったばかりの12月の時点でこの雪ということは……2月とかにドカ雪が降ったらこの露天風呂は使えなくなるかもしれないですね……。ここに来るまでの道の除雪も大変そうですし。

もう1ヶ所、さっきの露天風呂よりも手前にある露天風呂にも後で行ってみましたが、こちらはそれほど開放感がなく、屋根もあり、周辺を壁に覆われています。

たぶん、本当の真冬になったら上の露天風呂は閉鎖して、こちらだけになるんじゃないかしら……と予想。

中尾平さんは食事もとてもおいしいです!

奥飛騨の日本酒の飲み比べセットをお願いしました。

メイン料理は飛騨牛のローストビーフ。これがちょうどよくサシが入っていて本当においしい……。

岩魚の笹焼など、和食ベースではありますがいわゆる「旅館の会席料理」とは一線を画す、オリジナリティー溢れるおいしい夕食でした。

朝食も野菜のおかずたっぷり。奥飛騨名物朴葉味噌もあり、思わずご飯をおかわりしたくなる朝食でした。

2022年12月時点ではこれが私のご紹介できる「雪見露天が楽しめそうな温泉宿」の精一杯ですが……また雪景色が楽しめる露天風呂に出会ったら、追記しようと思います。