会津檜枝岐温泉 旅館ひのえまた
福島県の檜枝岐村にある檜枝岐温泉は、会津駒ヶ岳や尾瀬の登山口に近いことで、夏の間は特に、登山を楽しむ方の前泊地として賑わう温泉地です。
賑わう……と言ってもこの地に大型旅館はなく、あるのは小さな温泉民宿と小規模旅館のみです。というのは、檜枝岐村の村民はけして他所からやってきた人に土地を売らないからなんだそう。今あるお宿はすべて、代々この地に住んでいる方たち*1が営んでいる宿だそうで、大きな資本が入ってくる余地がないわけですね。
旅館ひのえまたは、そんな檜枝岐温泉の中ではおそらく、最も規模が大きいと思われれる鉄筋コンクリート5階建ての立派な旅館です。
実は1年前、2017年の4月中旬に山仲間と2人で宿泊したのですが、そのときのサービスのすばらしさ、料理のおいしさが忘れられず……。約1年後の2018年のGW前半に、1人でまた泊まってきましたので、レポートしてみたいと思います。
- 会津檜枝岐温泉 旅館ひのえまた
尾瀬や会津駒ヶ岳登山の前泊に最適な宿、旅館ひのえまた
檜枝岐温泉は尾瀬や会津駒ヶ岳の登山口に近い温泉地ではありますが、尾瀬に限って言えば、最もメジャーな登山口は檜枝岐村のある福島県側ではなく、群馬県側の尾瀬戸倉から鳩待峠に向かう登山口です。関東地方からなら、群馬県のほうが単純に近いですからね。
私も、尾瀬に初めて行ったときは群馬県側の鳩待峠から入山しました。しかしとにかくこの登山口、めちゃめちゃ混んでいるのです。
マイカー規制されているのですが、許可を受けた車両がひっきりなしに行き交っているような状態です。
この鳩待峠から直接登れる「至仏山」という山も大変人気で、山頂もいつも大混雑!
いい山なのですけどね。。。
そう、尾瀬は本当にいいところ!だけど混んでるのは嫌!
何しろ私は、混んでる山が嫌なために、富士山に登るのに5年もかかってしまったという人間です。
以前、こんな記事も書いています。
とは言うものの、晴れた夏の日に山が混んでいるのはまだ仕方ないと諦められます。富士山のように渋滞しているわけではないですし。ですが、温泉好きでもある私としては尾瀬から群馬県側に下山したときに立ち寄れる日帰り温泉が混んでいるのが嫌だったんですよね。
尾瀬に近いのに、驚くほど空いていた檜枝岐温泉
それで何度目かの尾瀬山行の際に「東京からは遠くなるけれど、あえて福島県側に下りてみるというのはどうだろう」と思い、試しに福島県側の「尾瀬御池」なる登山口に下山してみました。
すると……あれ?空いていたのです!
その日は尾瀬御池から会津高原尾瀬口に向かうバスを途中下車して、檜枝岐温泉の日帰り入浴施設に立ち寄ったのですが……ここも、驚くほど空いていました。
なにかしら、この温泉地。今までノーマークだったけれど、最高ではないですか!
緑も豊かで川の流れも美しい。釣りに訪れる人も多いそうです。
これが私と檜枝岐温泉の出会いで、以降毎年のようにおとずれています。
後で宿の食事のところでもご紹介しますが、食文化も独特で、もちろん山菜などの山の幸も最高においしいのです。
下山後の日帰り入浴で立ち寄るだけでは飽き足らず、宿に泊まって楽しみたくなった私は、それから2度、かぎや旅館さんに1人で宿泊しました。2015年ごろのことです。
かぎや旅館さんは、日本秘湯を守る会の予約サイト経由で当時から休前日の1人泊の予約が可能だったのですよね。かぎや旅館に泊まって翌日の早朝から会津駒ヶ岳に日帰りで登山したり、尾瀬を歩いたりしました。
いつの間にか休前日の1人泊も可能になっていた旅館ひのえまた
今回ご紹介する旅館ひのえまたは、かぎや旅館のお隣にある旅館で、以前から評判の良い宿だと聞いていました。ですがその当時は休前日の1人泊の予約ができず、なかなか泊まることができなかったのです。
それで「1人泊できないなら人を呼んでしまえばいい」と、1年前の4月に山仲間と2人で土曜日に旅館ひのえまたさんに宿泊し、翌日の早朝から残雪の会津駒ヶ岳に登ったのです。
泊まってみるとやはりすばらしい宿でしたので「2017年に泊まって良かった宿(コスパ重視編)」の6位に選出しました。
こちらの記事です。
そして、前回の宿泊から約1年経った2018の4月、GWの登山の予定を立てるために楽天トラベルで宿を検索していると、GW中にも関わらず、旅館ひのえまたさんに1人泊のプランが出ていることに気づいたのです! どうしたのかしら。方針が変わったのでしょうか。。。
楽天トラベルでもじゃらんネットでも予約可能です。それに気づいた瞬間に、私のGWの予定が決まりました。今年も旅館ひのえまたに泊まって、会津駒ヶ岳に登ろう!
もし、夏になって予約が混み合ってきたら1人泊のプランがなくなる可能性もなくはないですが、現状ではお盆休みの最中の土日も1人泊のプランが出ています。
夏に1人で尾瀬や会津駒ヶ岳に行く計画を立てている方は、もしかしたら早めに予約をしておいたほうが良いかもしれません。
東京から檜枝岐温泉までの交通アクセス
東京から公共交通機関で檜枝岐温泉に行く方法をざっくり言うと「電車で会津高原尾瀬口駅まで行き、そこから会津バスで檜枝岐温泉まで行く」ことになります。
電車・バスの本数は多くないものの、接続はそれほど悪くないので助かります。
東京から会津高原尾瀬口駅まで電車を乗り継ぐ
会津高原尾瀬口駅は「野岩鉄道(やがんてつどう)」という、第三セクターの鉄道会社の駅ですが、野岩鉄道は東武線に乗り入れているため、うまくすれば少ない乗換回数で到着することができます。
私は今回、浅草駅から東武日光駅に向かう特急「けごん」に乗りました。
会津高原尾瀬口駅は鬼怒川温泉駅の先にあるので、下今市駅で特急を降り、鬼怒川温泉方面に向かう各駅停車に乗り換えます。
この各駅停車は、新藤原駅から野岩鉄道に乗り入れています。
野岩鉄道の駅ではSuicaやPASMOは使えませんので、精算が面倒なので乗車駅から会津高原尾瀬口まで、紙の切符を買っておいたほうが楽です。。。
ちなみに、実は浅草から会津高原尾瀬口まで乗換無しで行ける「リバティ会津」という特急もあります。ですが私はこのときリバティ会津を予約しませんでした。。。
というのは、今回乗った「けごん」や「きぬ」などの東武線の特急は、スマホからチケットレスで特急券の購入ができて大変便利なので、いつも利用しているのですが、リバティ会津はチケットレスサービスが利用できず、予約方法がよくわからなかったのです。それで乗り慣れているけごんの乗ることに。
ちょうど帰ってきたタイミングでこちらの記事を見つけて、予約方法が理解できましたので、次回はリバティ会津に乗れるかもしれません。しかし、東武線の駅で切符の受け取りが必要だったりと、チケットレスサービスに比べるとちょっと難易度は高そうでした・笑
会津高原尾瀬口に着きました!
いいお天気です。
檜枝岐温泉から往復なら会津バスの回数券を買うのがお得
会津高原尾瀬口からは、会津バスに乗って檜枝岐温泉に向かいます。
乗車時間は1時間半ほどとけっこう長いですが、乗換はなく直通のバスなのがありがたいです。乗務員さんも親切!
会津高原尾瀬口駅から檜枝岐温泉までのバス料金は1790円です。バス停の前にある売店でバスの乗車券を販売していますので、予め購入しておけば降車時に慌てて両替したりしなくてすむので楽です。
このとき、帰りも同じバスを使って会津高原尾瀬口に戻るのなら、乗車券を往復で買うよりも「170円券×20枚」の回数券を購入すると400円お得になります。
額面3400円分の回数券が、3000円で購入できるので。
「回数券ください」と言わなくても、乗車券売り場で「往復で購入できますか?」と言うと「往復で買うよりこちらのほうが安いですよ」と、勧めてもらえます。
12時45分発のバスに乗り、14時に檜枝岐温泉に着く予定ですが、これは4/30までのダイヤですので、5/1以降は変更になっています。
旅館ひのえまたの最寄りのバス停は「上の原」というバス停です。
道路添いに咲くしだれ桜がきれいでした。
ひのえまた温泉には温泉街らしきものはなく、旅館や民宿、飲食店が街道沿いに点在しているのですが、旅館ひのえまたのすぐ近くには観光案内所や共同浴場の駒の湯、酒屋さんなどがあって、便のいいところです。
バスがほぼ定刻通りに着いたので、時刻は14時過ぎです。
チェックインは15時からなのですが、まだお部屋に入れなかったら荷物を預かってもらって散歩でもしてこよう、と思い、少し早めに中に入りました。
旅館ひのえまたにチェックイン
フロントでは小熊が歓迎してくれます。
旅館の法被を着ている……のかな。
呼び出しボタンを押すと宿の方が出てきて「掃除は終わっているのでご案内できますよ。お風呂にも入れますので」と、部屋に案内してくださいました!よかった!
【部屋】★★★★☆ 1人泊だけど最上階の角部屋に案内される
今回宿泊したお部屋は最上階の5階の角部屋「平ヶ岳」のお部屋です。
廊下も、余計な物が置かれているようなこともなく、とてもきれいに掃除されています。
では、部屋の中へ。
お部屋は、8畳の和室です。
1年前に2人で宿泊した際も、まったく同じ間取りのお部屋でしたので、1人で使えるのは贅沢な感じがしますね。
窓際にもテーブルと椅子があり、ここで風呂上がりのビールを飲んだら気持ち良さそうですねー。
冷蔵庫は大きめで、中には有料の飲み物も入っていますが、買ってきた飲み物を入れるスペースも十分あります。
冷凍庫もあるので、買ってきたアイスも冷やせます。
尾瀬の自然水のペットボトル1本は、サービスだそう。
浴衣と歯ブラシ、宿の名前の入ったタオルと、湯上がり用の足袋あり。
バスタオルと、宿名の入った袋もあります。
この袋、入浴時に使う小物を入れたり、洗濯物を入れたりするのに便利なのであると貰って帰るのですが水芭蕉が書いてあるのがなんとなくうれしい♪
洗面所とウォッシュレット付きのトイレも付いており、どちらも新しく清潔です。
室内の洗面所にはアメニティ類やドライヤーは置いてありません。
後でご紹介しますが、アメニティは脱衣所の洗面所に十分にありましたし、ドライヤーは、お部屋で使いたければフロントに申し出ると貸してもらえるそうです。
お茶受けは「尾瀬の宿」という固めのサブレ?のようなもの。おいしかったです。
灰皿とマッチが置いてありますが、室内にたばこ臭さはまったくありません。
お部屋に灰皿が置いてあることを毛嫌いされる方も多いのですが、最近の旅館では喫煙OKの部屋であっても、たばこ臭さを感じることは本当に少なくなりました。
ビジネスホテルの洋室なんかだと、喫煙ルームしか空いてないと煙草くさいんですけどね。。。
お部屋には、館内・館外の施設についての案内書きも置いてありました。
レンタサイクルなんてあるんですね~。ちょっと便利かも。
それと、旅館に泊まると通常500円で入れる共同湯の入浴券が300円で購入できます。利用期限などはないそうです。私も、下山後の入浴用に1枚購入させていただきました。
また、旅館ひのえまたの館内は全館Wi-Fi完備です。ありがたい~。
この日も実はノートパソコンを持ち込んでおり、GW中に更新しようと思っていたこちらの記事を、空いた時間はずっと書き進めていました。
しかし、チェックインから夕食時まではWi-Fiも普通に利用できていたのですが、なぜか深夜~朝にかけては接続状態が悪くなってしまい、利用できませんでした。私のパソコン側の問題である可能性もなくはないですが、ちょっと不思議でしたね。
温泉に来たんだからブログばかり書いていないで、少しのんびりしなよ、ということだったのかもしれません・笑
ちなみに、携帯の電波は主要キャリアは問題なくつながるはずです。
【風呂】★★★★ 深夜早朝も温泉に入れるのはありがたい
旅館ひのえまたには2つの大浴場があり、夕食時間帯を境に男女の浴室が入れ替えになります。
浴室は2階に隣り合わせで並んでいます。
エレベーターを降りて奥のほうの浴室が「燧ヶ岳の湯」で、手前のほうの浴室が「水芭蕉の湯」です。共に露天風呂が付いています。
2018年に宿泊した際は、チェックインから夕食前まで、奥側の「燧ヶ岳の湯」が女湯でした。
ちなみに、2017年に泊まったときは手前の「水芭蕉の湯」のほうが、夕食前まで女湯でした。1日おきに順番が変わる方式なんでしょうね。
燧ヶ岳の湯
チェックインして一休みしたあと、まずは燧ヶ岳の湯へ!
脱衣所の手前に無料で使える貴重品ロッカーと、お手洗いがあります。
脱衣所は畳張り、脱衣カゴと洗面台が向かい合わせになっています。
洗面台は3つ。
アメニティは、歯ブラシ、綿棒、化粧水、シャワーキャップ、櫛などが置いてありました。
ドライヤーは脱衣所は1つだけ置いてあります。
混み合うと順番を待つことになるかもしれませんが、フロントに申し出ればドライヤーを貸してもらって、部屋で使うこともできるようです。
では、浴室へ。
光がよく入る明るい浴室です。
内湯と洗い場の間に衝立があるのが良いですね。シャワーのしぶきが浴槽に飛んでくることがありますので。
カランもシャワーも新しく、水圧も十分。
アメニティはシャンプー&コンディショナー、ボディシャンプー、固形せっけんもありました。
木の洗面器の縁に、黒い、カビ予備軍のようなものが付いているのが、少しだけ気になりました。
内湯は41~42度のやや熱めの適温のお湯です。
浴槽にはアルカリ単純泉のお湯が満たされています。
実は旅館ひのえまたさんのお湯はかけ流しではないのですが、塩素の香りが気になるようなこともなく、悪くはないお湯です。
この浴室のどのへんが「燧ヶ岳の湯」なんだろうと思っていたのですが……。
もしかして、湯口のこれが、燧ヶ岳を形取っているということでしょうか?きっとそうですね・笑
露天風呂に出てみます。
檜の浴槽は新しくきれいです。そう言えば、内湯にも露天風呂にも「湯枕」がありましたね。
こちらのお湯は内湯よりもややぬるめ。40度ぐらいでしょうか。
外の山の緑が眺められて、すがすがしい気持ちで湯浴みを楽しめます。4月はまだ、蚊やアブなどの虫もいないし、気温も高くないので長湯しやすくて良いですね。
旅館ひのえまたは「日本秘湯を守る会」の会員宿ですので、浴室にも提灯が飾ってありました。
湯口からは次々と新しいお湯が投入されています。
GW中とは言え、山の上にはまだ雪がたくさんありますので、登山者が増えるのはもう少し先の季節です。
宿泊客も多くないのか浴室が混み合うこともなく、外の風を感じながらのんびりできてよかったです。
脱衣所にあった、源泉利用状況と源泉分析表です。
源泉利用状況、とてもわかりにくいのですが、おそらくこれは「かけ流しと循環を併用しているよ」ということでしょうね。
たしかに、そんなに強いパワーを感じさせるようなお湯ではありませんでしたが、清潔で気持ちよく過ごせる浴室だったと思います。
水芭蕉の湯
夕食後に女湯になった手前の「水芭蕉の湯」にも、夜と翌朝に入りに行きました。
脱衣所や浴室の作りは「燧ヶ岳の湯」とほぼ一緒です。
洗面台と向かい合う脱衣カゴ。
内湯は、燧ヶ岳の湯を反転させたような形ですね。
水芭蕉の湯、だけあって、湯口には水芭蕉が!
もちろん本物ではありませんが・笑
こちらの露天風呂は、燧ヶ岳の湯よりもやや小さめの、円形の浴槽でした。
見た目には雰囲気あって良いのですが、実は浴槽のふちがちょっとギザギザしていて、よりかかったり腰掛けたりするとちょっと痛かったです。ケガをするようなものではないのですが。。。
露天に関しては、燧ヶ岳の湯のほうが入浴しやすくて良かったかなと。
お湯は、どちらもアルカリ泉らしいぬめりをやや感じさせる、良いお湯でした。
浴室の前には湯上がり処と自動販売機が
浴室の手前には冷水が置いてあり、休める畳敷きのスペースがあります。
男性と女性が同室のときに、お風呂上がりにここで待ち合わせたりするのかな?とも思いましたが、実はこちらのお宿は、男女が同室の場合、鍵を2本用意してくださるのです!
前の年に山仲間と泊まったときの鍵です。時間を合わせてお風呂をあがったり、フロントに鍵を預けたりするのもちょっと面倒なので、ありがたい心遣いだなと思いました。
湯上がり処の前には、自動販売機もあります。
お値段は、酒類は市価よりやや高いようですが、ソフトドリンクはコンビニで買うのと同じ値段で素敵ですね。
さて、お部屋に戻って、ブログを書きながら夕食の時間を待ちたいと思います。
【食事】★★★★★ 2名までなら部屋食OK。山菜や川魚など山の恵みを存分に味わえる
旅館ひのえまたの宿泊プランを見ると「2名までは希望すれば部屋食にできます」という旨が書いてありました。特に部屋食にするための追加料金などもありません。
ただ、旅館ひのえまたさんでは部屋食にしなくても食事処を襖で仕切ってくださり、個室状態にしてお食事をいただけるんですよね。なので今回も私は、特に部屋食は希望しなかったのですが、1人泊ということでお気遣いいただいたようで
「夕食はお部屋に用意しますね」
と言っていただけました。
夕食は、18時以降でお願いできますので、私は今回18時30分にお部屋に持ってきていただきました。
旅館ひのえまたのドリンクメニュー
旅館ひのえまたのドリンクメニューは、基本を押さえたシンプルな構成です。
お部屋に置いてあったドリンクメニューはこちら。
フロントへのドリンク注文は15時から21時まで可能なようです。
冷酒は2合徳利からで1種類のみ?それはちょっと残念かも。
と思いきや、エレベーターに「利き酒セット」を注文できる旨が掲示してありました。
また、ビールや300MLの日本酒の小瓶、ワインなどは部屋の冷蔵庫に入っているものを飲むこともできます。
ちなみにこちらは、食事処に置いてあるドリンクメニューです。
あー、食事処のメニューだと、日本酒のメニューもっと多いんですね・笑
たぶん「日本酒はほかにもないんですか?」って聞けば、部屋食でも注文できたんだろうとは思います。お部屋のドリンクメニューが、食事処のメニューと比べると簡易版なことって、けっこうよくあるんですよね。。。
2018年に1人で泊まったときの夕食
6時30分になると係の方が部屋に来てくれ、夕食を並べてくれました。
おお……筍、ワラビ、こごみ。春の山の恵み。。。
今回は熱燗を1合いただきました。
では、いただきますー!
こちらがお品書き。一つ一つの料理について細かに説明されています。
筍の和え物。ぜんまい煮。地こごみ。
はっとう。檜枝岐村を代表する郷土料理なんですが、これがめちゃめちゃおいしくて、もはや大好物と言ってよい感じ。
蕎麦粉ともち米をよく練ってのばし、菱形に切ったものを茹でて、きな粉とエゴマをつけていただくというものなのですが、ここ檜枝岐村でしか食べれない名物料理と言ってよいと思います。本当においしい。
鍋料理は「山人鍋」
舞茸、きくらげ、山菜、鴨肉、それに蕎麦をつまんだ「つめっこ」を入れた味噌仕立てのお鍋です。
岩魚の塩焼きは、おそらく囲炉裏で焼いているのでしょう。頭から食べられます。
そして檜枝岐村自慢の裁ち蕎麦。
切り方に特徴がある、蕎麦粉100%の、今日女将が裁った蕎麦だそう。
蒸し物は鶏の真丈。
蕎麦の実の入った餡がかかっていて、優しいお味。
下のお皿は、いずれも檜枝岐村の名物料理。
左から「揚げ蕎麦のあんかけ」「くう(蜂の巣)」「天然サンショウウオの唐揚げ(!)」
サンショウウオの唐揚げ、去年も食べたはずなのですが、見る度にドキッとします。味は、これについてはめちゃめちゃおいしいものではないと思います。お酒のつまみには悪くはないかな。
蜂の巣のほうは普通に濃厚な甘みがあっておいしいのですけどね。
最後に舞茸ご飯と自家製のお新香。
デザートにグレープフルーツが出ておしまいです。
グレープフルーツは酸味が強かったので、残っていた蜂蜜を付けてたべたらおいしかったです。
料理は品数も多く、どのお皿もこのあたりで取れる山の幸を使っているというだけでなく、調理方法も檜枝岐村独自のものが多くて、おもしろいです。
もちろんおいしいですしね。 ここでしか食べれない料理が多いので「またあれを食べに檜枝岐村に行きたい」という気持ちになれます。
2017年に2人で泊まったときの夕食
1年前、山仲間と2人で泊まった際は、特に希望しなかったので夕食は個室食事処でいただきました。
テーブルの中央には、2人分の鍋がかかっています。
このときは、エレベーターの中に貼ってあった「利き酒セット」を試してみることに。
檜枝岐村の隣町である「南会津町」の地酒3点です。
檜枝岐村では稲作を行っていないため、日本酒の酒造もありません。でも、福島県は日本酒がおいしいところですからね。こちらも3種類ともおいしかったです。
料理は、昨年も今年も同じ月(4月)に泊まっていることもあり、だいたい同じです。
蒸し物がちょっと違うかな。
それと「蜂蜜と揚げ蕎麦」が「ミョウガと田楽」に変わっていました。
田楽もおいしかったですね。
そして、この日はなぜか、舞茸酒が2合もついているプランを選択してしまい。。。
同行者はお酒を飲まない人なので、半分以上残してしまいました。
もしかして体にはいいのかもしれないですが、これ自体はそんなにおいしいものではなかったです・笑
2018年にいただいた朝食
2017年に宿泊した際は早朝出発だったので、朝食はいただかずにお弁当に代えていただき、朝5時に出発したのですが、今年は行程に余裕があったので、朝食もいただくことができました。
朝食は、個室食事処に用意していただきました。
旅館ひのえまたは、登山口に近い宿だけあって朝が早く、朝食は一番早くて6時から用意していただけます。
私は、6時30分でお願いしました。
襖で仕切られた個室に案内され、こちらでいただきます。
テーブルの真ん中のコンロには、具だくさんのお味噌汁がたっぷり入った鍋がかかっています。
温泉卵や山菜、納豆、川魚の甘露煮など、山のお宿らしい朝食で、味も大変おいしかったです。
お味噌汁には、近くで取れたきのこと、長芋の細切りがたっぷり入っており、これもちょっと珍しくてよかったです。
朝食の後には、ロビーでコーヒーのサービスがあるとのことで、立ち寄ってみました。
このとき朝7時ごろでしたが、やはり登山の格好をしたお客さんが、チェックアウトして出ていくところでした。
私は、そんなに急ぐ必要ないので、ゆっくりコーヒーをいただきます。
朝食も大満足でした。
2017年に作っていただいたお弁当
2017年に宿泊した際は、早朝出発で朝食をいただく時間がなかったので、朝食をお弁当に替えていただきました。
ちなみに、朝食を宿で食べて、昼食用の弁当を別料金で用意していただくこともできます。
このとき作っていただいたお弁当も、非常に豪華でした!
紙に包まれたお弁当と、殻付きのゆで卵、そしてペットボトルのお水。
紙を破くとまず、大きなおにぎりが2つと魚肉ソーセージが1本現れました。
これだけでかなりおいしそうですが、これで終わるわけではありません。
おにぎりの下には、ビニールのパックに包まれたたくさんのおかずが!!
唐揚げ、天ぷら、みかん、青菜炒め、鮭。。。かなり豪華なお弁当でした。
おにぎりの具は梅干しです。山歩きにはやっぱり梅干しのおにぎりですよね。疲れが取れるし。
今年は、昼食用にパンを持ってきたのでお弁当はお願いしなかったのですが、この写真を見たら「やっぱりお弁当頼めばよかったかも」と思ってしまいました。
【再訪したい度】★★★★★ 食事おいしく、登山者にはたまらないきめ細かなサービスがすばらしい
2018年は、翌日の登山の行程に余裕があったので、のんびりと朝の時間を宿で過ごしましたが、初めて宿泊した1年前は、朝5時の早朝出発でした。
早朝出発のとき、大抵の宿では前夜のうち精算をしてしまって、翌日は好きな時間に出て行ってくださいね、というのがわりとよくある対応なんですが、旅館ひのえまたさんは違いました。
まだ薄暗い早朝5時に宿の方も出てきてくれて、作りたてと思われる温かいお弁当を手渡していただき、そこでチェックアウトして、かつ、登山口まで車で送ってくださったのです。
宿から登山口までは少し距離があったので、かなりありがたかったです。さらに、登山に不要な荷物も下山まで預かっていただけて、身軽に楽しむことができました。
1人泊だとやや割高にはなってしまいますが(平日泊で16000円程度、休前日だと19000円程度)送迎や荷物預かり、お弁当など以外にも、細かいところまで行き届いたサービスを提供してくれる宿なので、やっぱりまたここに泊まりたい!と素直に思ってしまいます。次回は、別の季節に泊まってみたいですね。
さて、この後は旅館ひのえまたさんの車で登山口まで送っていただき、残雪の会津駒ヶ岳に登りたいと思います。
*1:平家の落人伝説が残る村で、村民の名字は「星」「橘」「平野」の3つだけなんだとか