温泉ブログ 山と温泉のきろく

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ゴールデンウィークに駒の小屋に泊まり、1泊2日で残雪の会津駒ヶ岳に登る山旅

尾瀬国立公園 会津駒ケ岳 駒の小屋

会津駒ヶ岳は、福島県南会津郡檜枝岐村にある2133メートルの山です。日本百名山の1つにも選ばれています。
スキー場などは特にありませんが、冬の間もバックカントリーのスキーヤーで賑わう山です。その年の積雪量にもよりますが、上のほうでは5月ぐらいまでスキーが楽しめるようですね。

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尾瀬からも近く、尾瀬御池を経由して燧ヶ岳から縦走することもできますが、最もメジャーなルートは、会津檜枝岐温泉にある「滝沢登山口」から往復するルートです。
日帰り登山が十分に可能なルートですので、実は私もこれまでに2度、滝沢登山口からの往復で4月と5月の残雪期に、日帰り登山をしたことがありました。
しかし、公共交通機関利用で残雪期に日帰り登山をするのは、帰りのバスの時間が気になってどうしても慌ただしくなってしまいがち。

そこで2018年のGWに初めて、山頂直下にある山小屋「駒の小屋」に宿泊して登山を楽しんできましたので、レポートしたいと思います。

会津駒ヶ岳には3つの登山口がある

会津駒ヶ岳に登るための登山口は主に3つあり、いずれの登山口にも、会津高原尾瀬口駅を出る会津バスでアクセスすることが可能です。
山頂までの標準コースタイム(上りのみ)と共にご紹介したいと思います。

滝沢登山口:山頂まで3時間50分

最短で山頂に到達できる登山口で、単に「駒ヶ岳登山口」と呼ばれることも多いです。檜枝岐温泉内の「駒ヶ岳登山口」バス停で下車します。こちらの登山口までのみ、冬期もバスが運行しています。

バス停から30分ぐらい林道を歩きますが、車で林道に乗り入れることができるため、マイカーなら30分ほどショートカットできます。

キリンテ登山口:山頂まで5時間

会津方面から来ると、檜枝岐温泉の集落を通り抜けてしばらくしたところにある登山口。「キリンテ」バス停で下車します。ただし、バスの営業は無雪期(5月~10月)のみです。
周辺にはキャンプ場がありますが、駐車場は近くにありません。マイカーの場合は檜枝岐温泉内の中土合公園の駐車場が最寄りになり、少し歩くことになるようです。

御池登山口:山頂まで6時間

尾瀬や燧ヶ岳の登山口でもある御池登山口。
キリンテ登山口と同様に、会津バスが無雪期(5月~10月)のみ運行しています。
450台止められる広い駐車スペースがありますが、1回1000円の駐車料金がかかります。

公共交通機関利用の場合、山中1泊 or 前泊が必要になる

いずれの登山口までもバスでアクセスすることは可能なのですが、1番早いバスでも、登山口に着くのが11時ごろになります。そのため、公共交通機関利用の場合はバスで来てその日のうちに日帰り登山というのは、かなり厳しいです。

私はこれまでの2回、2015年と2017年の残雪期に登った際は「土曜日に檜枝岐温泉に前泊して、翌日の早朝から滝沢登山口を往復」という計画でした。でも、それでもちょっと慌ただしかったのですよね。。。

なので2018年はGWの前半の3連休で「檜枝岐温泉に前泊」し、かつ「山頂直下の駒の小屋で1泊する」という計画を立てました。

登山前夜、檜枝岐温泉の宿に前泊して翌朝からの登山に備えた

4月28日、3連休の初日の朝に東京を出発し、午後2時ごろにバスで檜枝岐温泉に到着。
その日は「旅館ひのえまた」に前泊しました。

旅館ひのえまたについてはこちらの記事に書いています。

東京から檜枝岐温泉への公共交通機関での行き方についても↑この記事に詳しく書きました。お得な回数券などの情報も掲載していますので、公共交通機関利用の方にはぜひチェックしていただきたいです。

旅館ひのえまたは、民宿が多い檜枝岐温泉の宿泊施設の中ではお値段高めの旅館だとは思いますが、食事もおいしく、サービスも本当にすばらしい宿です。

登山当日の朝、旅館ひのえまたの車でゲートまで送っていただく

登山当日の朝は、チェックアウト後に旅館ひのえまたさんの車で、登山口まで送っていただきました。

この日は山頂直下の山小屋まで行ければいいので、朝6時半に朝食を用意していただいたというのに、朝食後部屋でのんびりコーヒーをいただいたりして、チェックアウトは9時になってしまいました・笑

それでも時間的にはぜんぜん余裕があります。泊まり登山って本当にすばらしい。。。

「駒ヶ岳登山口」のバス停から、本来の登山口までは林道を30分歩かなければいけないのですが、ゲートまで車で送っていただけたのでその分ショートカットできました。

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また、下山時は車で送っていただいた林道を歩いて下りなければならないわけですが、宿の方にその際の近道も教えていただきました。下山のところでご紹介しますが、近道と言ってもちゃんと地図にも載っている正規の登山道なのですけれど、目の前に車が止まっていたりで、ちょっと入り口がわかりにくいのですよね。

ゲートからほんの100メートルほど歩くと木の階段があり、ここからいよいよ登山道のスタートです!

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ちなみに1年前、4月中旬に登ったときはこのあたりにもまだガッツリ、雪がありました。

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昨年よりは2週間遅いタイミングなことはもちろんありますが、今年はやはり残雪が少なく、雪解けが例年より早いようです。

ちなみに数年前、今回よりさらに半月ほど遅い、5月中旬ごろのタイミングで会津駒ヶ岳に登ったことがあるのですが、そのときは登山口の階段は、すっかり新緑に包まれていました。

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ほんの半月で、別の場所かと思うぐらいに様子が変わってしまうことには驚かされますね。

残雪の登山道を駒の小屋までひたすら登る

階段を上ってからしばらくの間雪はなく、木の芽が芽吹き始めたばかりの樹林帯の登山道を登っていきます。

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滝沢登山口から会津駒ヶ岳に登るルートはアップダウンは少なく、ひたすら上り上り上りです。

途中から残雪が現れはじめます。

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しかし、日当たりの良い斜面に出るとまた、雪はまったくなくなったり。 

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わりと、傾斜が急なところに雪がついていることもあるので滑りやすく、アイゼンを着けたくなったりするのですけど、すぐに雪のないところに出たりするのでなかなかタイミングが難しいです。

こういうときはとりあえず、チェーンスパイクを着けて様子をみます。

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しかし、宿でのんびりしすぎたこともあり、徐々に気温が上がって雪が溶けかけてきており、チェーンスパイクのチェーンの中に雪が詰まって用をなさなくなってしまいます。。。 

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なので、途中で前爪ありのアイゼンに替えたのですが、そうしたらまたしばらくの間雪がなくなったり……。

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木の根が露出しているような場所を、アイゼンを履いて歩きたくはないので、またはずすのですが、この時期は本当に、アイゼンを着けたりはずしたりで時間をとられますね。

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そうしているうちに雪の量も増えてきて、アイゼン着けたままで歩けるようになりました。しかし、雪が緩んでいるので登りにくいですねー。

時間があるからと言って宿でのんびりしすぎずに、やっぱり早朝に出ればよかったかしら……でもまあ、時間的にはコースタイムどおりに歩けているので、疲れはするけど別にいいか。。。

コースの途中に、テントが4張りほど設営されているのを見かけました。

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会津駒ヶ岳のルート上では、本来テント設営は禁止です。悪天候などの緊急避難時は仕方のない面もあると思いますが。。。
ただ、積雪時だとその定義が曖昧になるようなところもあって、たとえば先日木曽駒に登ったときも、本来のテント場である駒ヶ岳頂上山荘前ではなく、天狗山荘の前にテント設営されてましたしね。

で、今回コース上にあったテントについて、この日の夜、山小屋での食事時に「あそこにテントあったよね」と話題になっていたんですが、やはり、雪があるからと言って設営して良いわけではないそうです!それはそうですよね。。。
なので見かけたとしても、真似はしないようにしましょうね。。。小屋の関係者が通りかかったときは、注意するそうですので。

さて、そうこうしているうちにだんだん、周辺の木々がまばらになってきたような?

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木の高さも、ちょっと低くなってきた気がするし。 

向こうに見える稜線も、だんだん近づいてきたような。

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きっとこれは!!もうじき稜線に出ますね! 

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おおー!来た!!

長かった。。。  

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会津駒ヶ岳に登るのは今回3度目ですが、山のイメージとしてはこの、山頂に向かっていくなだらかな稜線が非常に印象深いのです。

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でも、この稜線歩きの時間は実は非常に短くて、稜線に出てから山頂直下の駒の小屋に着くまではせいぜい30分なんですよね。。。

稜線にたどり着くまでの樹林帯の登りのほうがずっと長い・笑
そういう意味では金峰山とちょっと近いかもしれません。

金峰山も、最後の稜線のイメージが強いのですが、稜線を歩いている時間はほんのちょっとなんですよね。アップダウンが少なくて、ずっと上りなところとかも似てる気がする。

ここまで来ると、燧ヶ岳もかなり迫って見えますね。 

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本当にいい天気でうれしい。雪はあるけれど暑いぐらいです。半袖で登っている人もいました。

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稜線に出るとあっという間に、山頂直下の駒の小屋に到着しました。  

小屋の前にザックを置いて、会津駒ヶ岳山頂へ!

駒の小屋から山頂までは20分ほどの上りです。
メインのザックは小屋に置かせてもらって、サブザックで山頂に向かいます。

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ゆるやかな上りですが、山頂直下のみちょっと急勾配です。

荷物が軽くなったので身軽でらくちんです。雪がゆるんでいるので、アイゼンは相変わらず利きづらいのですが。 

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最後の急坂を登れば、山頂に着くはず! 

2018年の誰もいない山頂

着きました!会津駒ヶ岳山頂です!!

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誰もいません。

やはり、みんなもっと早い時間帯のうちに登ってしまったのでしょうね。
GWの2日目ですし、登山者は多かったと思うのですが、日帰りの方も多いので。
このとき時刻は14時ごろ。日帰り登山だったらもう下山してる時間ですものね。

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会津駒ヶ岳の裏側に見えるなだらかな山は中門岳。
そうか、早く来て中門岳まで足を伸ばすという手もありましたね。
でも、冬は行く人少なそうだしなー。道の状態もわからないから、まずは無雪期に一度行ってみたいところですね。池塘とお花がきれいな山だと聞くし。

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山頂の周辺を少しぶらぶらして、あちこち写真を撮って。 

でもやっぱり誰も来なかったので、もう1回山頂碑と、燧ヶ岳を撮って小屋に戻ります。 

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山頂記念写真のシャッターを誰かにお願いしたかったのだけど、まあいいや・笑

来た道を戻って、駒の小屋に向かいます。 

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帰りは10分ぐらいですぐ着きました。 

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アイゼンをはずし、小屋の前に置いていったリュックを持って、中でチェックインです! 

2017年4月上旬は山頂碑が雪に埋もれていた

今回は会津駒ヶ岳の山頂碑と燧ヶ岳の写真を撮ることができましたが、実は1年前、2017の4月中旬に登ったときは、山頂碑は雪に埋もれていて撮影することができませんでした。

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周りを見回してもここが一番高いし、登山者がみんな休憩しているからたぶん、ここが山頂なんだよね?とは思いつつも、山頂碑は見当たらず。。。 

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どこにもないし、記念撮影している人もいません。

仕方がないので燧ヶ岳と至仏山を背景に1枚撮っていただき、じゃあもう帰ろうか、と思ったらば。 

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あ、もしかしてこれが山頂碑……? 

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頭をほんのちょっとだけ覗かせた状態でした。でもこれじゃあ、一緒に記念写真は撮れないですね。 

周辺の山々を見渡しても昨年は、今年よりは圧倒的に白が濃かったですね。

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まだ、いかにも冬山!という色をしていました。

2015年5月中旬、山頂にはもう雪がなかった

そして、今回の登山よりも2週間ほど遅いタイミングで会津駒ヶ岳に登った2015年のときは、なんと山頂には既に雪がありませんでした。

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駒の小屋から山頂付近までは、今年と同じようにしっかり雪があったのですが……。

山頂直下のやや急な上りを終えると! 

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あれー?雪がありません! 

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雪がないと、ぜんぜん違う場所のようですね。

5月の会津駒ヶ岳は、山頂付近の稜線上では最後の雪山歩きが楽しめて、下のほうではブナの新緑が美しく、1つの山がいくつもの顔を見せてくれてかなりバラエティに富んだ登山だったと思います。

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これから先、まさにこのときの状況に近づいていく時期だと思いますので、最後の雪山歩きを楽しみたい方は、ぜひ計画されてみてはいかがでしょうか。

登山道の状況などの最新情報は、駒の小屋のブログか、ヤマケイオンラインに、わりと詳しく紹介されていることが多いです。

駒の小屋にチェックイン!

山頂でのんびりしてから駒の小屋に戻ってきて、15時前ぐらいにチェックインしました。

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駒の小屋はいわゆる避難小屋ではなく、予約必須の営業小屋です。
ただし、食事の提供はしておらず素泊まりのみですので、宿泊の際は必ず自分で食事の用意をしておく必要があります。

1泊の宿泊料金は税込3000円です。

駒の小屋は、予約必須の山小屋です

駒の小屋には宿泊用の布団が28組あり、必ず1人1組の布団が使えるよう、宿泊者数の上限は28人と決めているそうです。
なので宿泊したい場合はまず、予約をする必要があります。予約についてはこちらを参照ください。直前でなければメールでの予約も可能です。週末の予約はかなり混み合うようですので、お早めに。

GW中のこの日も、小屋は満員状態でした。
宿泊したのは2階のお部屋。階段の踊り場に荷物置き場があり、ザックはこちらに置くことになります。室内にはびっしりと布団を敷くため、ザックを置くスペースがないのです。

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ちょっと暗いので、ここで荷物整理をすると忘れ物をしてしまいそう。。。
荷物の整理は布団を敷く前や片付けた後に、部屋でやったほうが良さそうでした。

小屋番さんに部屋に案内してもらい、どの布団を使えばよいかを教えてもらいます。

空いているときはどうかわかりませんが、布団の位置も自由ではなく「ここを使ってください」と指定される仕組み。 

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布団は、かけ布団、敷き布団、毛布、枕で1セットです。
駒の小屋は冬期は営業しておらず、2018年の営業開始は4月28日から。
この日は4月29日ですからまだ今期の営業が始まったばかりです。そのせいもあってか、寝具もとてもきれいでした。

駒の小屋には発電機も一応あるのだそうですが、まったく使っておらず、消灯時間まではランプが灯されていました。 

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消灯時間は20時30分です。

荷物の整理をし、サポートタイツをウールのタイツに履き替えてリラックス。 

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ちなみに、部屋は男女別にはなっていないのですが、私の泊まった部屋には「女性のみのグループ」と「男女混合のグループ」がいました。

男性のみのグループは別の部屋にまとめられていたようだったので、男女別ではないものの、多少配慮はされていたのでしょう。更衣室のようなものは見た限りではなさそうでしたので、同室に男性がいて着替えにくい場合はトイレですかね。

私は、タイツを履き替えるときはなるべく男性がいないタイミングで、毛布をかぶって着替えてしまいます。

翌朝、チェックアウト前のお部屋も撮影してみました。 

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ちなみにこちらは、男性グループが泊まっていた部屋で(覗いたら誰もいなかったから撮らせてもらった)女子が多い部屋はもうちょっときれいでした・笑 

駒の小屋の売店

駒の小屋には食料品や飲み物、お土産を売っている売店があります。

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お水のペットボトルは500MLで400円です。
駒の小屋には水場はありませんので、飲用水は自分で担いで持ってくるか、こちらで購入することになります。
登山道の途中に本来は水場もあるのですが、今年はまだ、雪に埋もれて水が出ていない状態のようでした。(駒の小屋のブログで、水場や登山道の状況は常に更新されています)

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カロリーメイトにサトウのごはん、レトルトカレー、缶詰。
コーヒーのドリップパックは駒の小屋オリジナルのようです。気になったのですが、買おうかな、と思ったときに小屋番さんが近くにおらず、買いそびれてしまいました。ちょっと後悔。。。

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お茶やポカリスエットのペットボトルは450円、チューハイも450円ですがこの日は売り切れ。
缶ビールとワンカップの日本酒は500円でした。
ペットボトルや空き缶は、駒の小屋で購入したものに限り、回収していただけます。

カップラーメンに袋ラーメン。おつまみ、お菓子。 

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そして、駒の小屋のオリジナルTシャツ!
このとぼけたようなセリフとフォントが独特でかわいいですよね。
これもちょっと欲しかったのですが、私、山ではTシャツってメリノウールのものしか着ないのですよね。。。買っても部屋着になってしまうなあ。
それで結局買わなかったのですが、下山してから「部屋着になってもいいから買えばよかったー」と思ってしまいました。次行ったら買おう。。。

手ぬぐいも、Tシャツと同様にオリジナル。 

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手ぬぐいならいいんじゃない?と思ったけど、セリフはTシャツバージョンのほうが好みかも・笑

駒の小屋は食事の提供がなく、自炊のみなので、普段山で調理をしない人にとってはそれが宿泊のハードルになることもあるかなと思ったのですが、実は卓上コンロも貸してもらえるのですね。30分400円だそうです。 

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普段山で調理をせず、コンパクトなバーナーなどを持っていない場合、駒の小屋に泊まるためだけにコッヘルやバーナーを購入するのは大変だよなあと思ったのですが、コンロと鍋を貸してもらえるなら大丈夫ですね。

ちなみに、鍋の使用はレトルト食品を温める用途のみということなので、借りた鍋で寄せ鍋をやったりはできません。

でも、ガスバーナーとか皿とか箸とかって、持ってる人でもなぜか忘れてきたりしやすいものですので、いざというときに貸してもらえる用意があるというのは、かなりありがたいことだなと思いました。 

駒の小屋のトイレ

駒の小屋のトイレは、宿泊棟とは別の建物にあります。

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宿泊する建物の後ろにあるこちらの建物です。
1階は、普段は使ってないそうですが冬期のみ避難小屋として開放しているとのことでした。雪が多いときは入り口が埋もれてしまいそうではありますが。。。

トイレの建物の中は新しく、清潔です。 

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使用料は1回100円。

男女のトイレは建物内で分かれており、女子トイレには個室が2つありました。

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トイレはくみ取り式ですが、洋式できれいに掃除されています。
まだ山頂周辺は雪山なので虫はいませんが、夏は虫が出るだろうなとは思いますけれど。。。
トイレットペーパーもちゃんと常備されていました。ありがたいですね。

駒の小屋の自炊室・乾燥室

駒の小屋の自炊室は、玄関入ってすぐ左側にあります。

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低い大きなテーブルを1つを、皆で囲むような形で座って調理&食事をします。
食事時には、テーブルの上に小屋の方が新聞紙を敷いてくれるので、バーナーを使う際、テーブルの焦げ付き防止に板などを敷く必要はないそうです。

駒の小屋の定員は28人ですが、この自炊室はつめても15人ぐらいしか並べないのですよね。 

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なので、定員いっぱいまでお客さんが泊まっている日は、自炊室の利用を2回に分けて時間を指定されます。
おそらく到着順に指定されているのだと思うのですが、私は遅めの時間帯のチェックイン(と言っても15時前ですが)だったので、後半の17時30分から自炊室を使うように言われました。

ということは、早めについた方は16時30分ぐらいから夕食を食べていたということですよね。。。それはちょっと早いから、やっぱり15時にチェックインして正解だったかもしれません。

あとは、小屋の前のテーブルで調理をすることもできます。こちらは利用時間の指定は特にないので、天気が良ければ外で食べるのもよさそうです。

また自炊室の奥には、宿泊者専用の乾燥室もありました。この日の装備は特に濡れなかったので使いませんでしたが、天気が悪いときは、専用の乾燥室があるのは本当にありがたいですね!

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壁には熊の毛皮がかかっていました。

自炊室の隅には、ウォータージャグが用意されており、宿泊者は無料で天水を汲んで良いとのこと。天水ですのでそのまま飲み水にはできません。煮沸するか、基本的には調理用のお水ということだと思います。

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天水を無料で分けていただけることは、小屋に行くまで知りませんでした!
調理用の水も全部、自分で担いでくるかペットボトルを買うかだと思っていたので、今回けっこう水をたくさん持ってきていましたよ。

ただ、小屋のホームページにも「宿泊者は天水無料」な旨は書いてないようですし、何しろ天水ですから天候に左右されます。1年中いつ泊まっても天水無料とは限らないと思いますので、今回の宿泊時はこうでした!というご参考までということで。気になる方は予約の際に電話かメールで聞いてみたほうが良いかと思います。

自炊室の壁には、深田久弥の「日本百名山」の、会津駒ヶ岳に関する一節が書かれていました。 

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Tシャツや手ぬぐいにも書かれているこの手書き文字、なんかゆるくてかわいい。

自炊室を使い始めた17時30分にはまだ日が沈む前で明るかったのですが、いつの間にか、あたりもすっかり暗くなりました。 
そう言えば「日の入りが小屋の近くで見えるか」がちょっと気になっていたのですが、食事中だったのでチェックしないでしまいましたね。残念。

暗くなると、ランプの灯りが灯されます。テーブルの上に2つ。

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そして天井に3つ。

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ランプの灯りは雰囲気があって本当に美しいのですが、電灯の明かりのように全体は明るくなりません。それがランプの良さだとは思うのですが、周囲が完全に暗くなってから、ランプの灯りのみで調理をするのはちょっと大変そうでした。

私はもう、ほぼ食べ終わって食器も片付けてから暗くなったので大丈夫でしたけど、箸とかライターとか、細々したものをテーブルのどこに置いたかが見えなくなってしまうんですよね。なので忘れ物や落とし物に注意です。席を立つときはヘッドランプで周辺を照らして確認したほうがいいと思います。

駒の小屋は常連さんが多い小屋

噂には聞いていましたが、駒の小屋は本当に常連客が多い小屋でした。
一升瓶や大きな紙パックのお酒を担いで登ってくる常連さんも多いようで、この日も食事中に「飲めるならぜひ飲んで飲んで!俺の酒じゃないけどさ!」みたいな感じで、タダでたくさんお酒をいただいてしまいました・笑 

気候がいい時期の週末は、常連さんの予約ですぐにいっぱいになってしまうんだとか。
さらに「晴れている日は混んでるからさー」と言って、あえて天気の悪い日を狙って登ってくる常連さんもいるそうです。強い。。。

実は私、常連さんの多い小屋って少し苦手意識があったのですけど、駒の小屋の常連さんはみんな優しくて、楽しい方ばかりでしたね。(お酒をいただいたからというわけではないですが)

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この日は満月の前日ということで、大きな丸い月がのぼっていました。春らしい、朧月夜でしたね。

消灯時間より少し前に部屋に戻り、就寝。
インナーダウンを着ていたのですが、部屋の中は暑いぐらいだったので途中で脱いでしまいました。

翌朝、駒の小屋の目の前でご来光を眺める

翌朝、この日は4時45分ごろに日が昇るということで、4時過ぎに起きて身支度を整え、4時30分ごろに小屋の外に出ます。

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今日もいい天気!うれしい~。
前夜の夕食時に、駒の小屋のご主人に日の出が見える場所について聞いたのですが(正確には、聞いていた方がいたのでそれを「ほうほう」と横で聞いていた)駒の小屋の目の前の、少し小高くなっているところからちょうど、美しい日の出を眺めることができるんだそうです。

「山頂のほうがきれいに見えたりしますか?」という質問も出たのですが、実は山頂まで行くと逆に、見えにくくなってしまうんだそう。なので小屋の前で見るのが吉です!

月もまだ見えますね。 

f:id:happydust:20180511221648j:plain昨日は霞がかかったようにぼんやりとしか見えなかった至仏山も、朝の澄んだ空気でくっきりと見えています。

だんだん空が赤く染まってきました。f:id:happydust:20180511221704j:plain

もうすぐ? 

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あ!なんか小さな光の点が現れましたね。

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見えますでしょうか。

小さな点はどんどん大きくなり、三日月のような形に。

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このぐらいまではものすごく赤い太陽ですね。 

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さらにのぼって来て、半円ぐらいの形になるとオレンジ色になりました。

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この間、時間にしてほんの2分ぐらいでしょうか。 

クリアな朝日が見れて満足! 

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小屋の目の前で日の出が見れるってすばらしいことですね。

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泊まっている人がみんな出てきて、思い思いに写真を撮ったり、日の出や朝焼けに染まる山々を眺めていました。 

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風もなく、そこまで寒くはなかったです。
でも、さすがに夜の間に冷え込んだのか、小屋の周りの溶けかかった雪は凍ってカチカチになっていましたね。朝のうちに下山すればアイゼンがよく効いて歩きやすそうだな。
小屋から外のトイレに行く間の10メートルぐらいの道もツルツルに凍っていて、さすがにその距離を歩くのにアイゼンを着けたりはしないので、滑ってこわかったです。

最後に、朝焼けに染まる燧ヶ岳と至仏山をもう一度。

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ほんのり赤くそまってきれいでした。

小屋に戻り、朝食を食べて出発します! 

駒の小屋から滝沢登山口に下山

朝食はコーヒーだけ自炊場で淹れて、菓子パンを食べて終了。朝ものんびりと準備して、出発したのは7時ごろでした。
日帰りで登れる山に泊まりで登るって、時間に余裕があって本当にすばらしいですね。。。 

日の出のタイミングではまったく雲もありませんでしたが、出発の頃には薄い雲があちこちにかかっていました。

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でも、これはこれでなんかきれいですね。 

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下山するのが名残惜しく、また燧ヶ岳と至仏山を撮ったり。
この2つの山がきれいに見えると、妙に幸せな気持ちになるのですよね。。。

とは言えこの日は、午後から天気は下り坂の予報。いいかげん下りますよ!  

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朝7時でもまだ雪は締まっていて、アイゼンがきいて歩きやすいです。

あっという間に稜線歩きは終了し、樹林帯へ。 

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来た道を戻るだけなので迷うこともなく、登山口まで戻ってきました。 

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小屋からここまで2時間ぐらいでしたね。

教えていただいた近道を通ってバス停へ!

階段を下りてからすぐのところにゲートがあり、車がたくさん停まっています。 

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ここに20台ぐらいは駐車スペースがあるのですが、停めきれなかった車はここより少し下の、沿道の少し広くなっているところに停められています。

林道を下っていくと……。 

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こんな感じで。

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で、実はこのカーブミラーがあるところに、行きしなに旅館ひのえまたの方に教えていただいた近道があるのです。 

この写真だと青い車が停まっているところの後ろに正規の登山道があり、徒歩のときは林道を歩くよりもそちらのほうが早く下山することができます。
赤テープもついているのですが、その前に車が停まっていると見えづらいんですよね。なので、カーブミラーが目印です。

こんな感じで、近道と言ってもちゃんと整備された登山道です。 

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途中で林道と合流しますので、あとは林道を下っていきます。 

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雪解け水で沢が増量しており、流れも速いです。 

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もうちょっとで着くはず! 

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バス停近くのトイレの前を通ります。こちらのトイレ、以前4月中旬に来たときは閉鎖されていましたが、GWに合わせて整備されたのか、ちゃんと使えるようになっていました。

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着きました!お疲れさまでした。 

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駒の小屋からここまで、かかった時間は2時間30分ぐらいでした。 
山と高原地図のコースタイムが2時間40分ですので、概ね標準コースタイムどおりに歩きましたね。下山時も、アイゼンの着け外しで少し時間を取られましたが、アイゼンがよく効いて歩きやすいコンディションだったことに助けられたように思います。

下山後は檜枝岐温泉で日帰り入浴&昼食をいただく

このとき、時間は午前10時前というところ。
13時20分発のバスに乗る予定でしたので、時間はまだたっぷりあります!
日帰りで登山したときは、早朝から登り始めて、下山は15時発の最終バスになんとか間に合った……という感じ*1だったので、やっぱり泊まり登山ってすばらしい!

休前日の予約はなかなか取りにくそうだったけど、きっといつかまた、駒の小屋に泊まって会津駒ヶ岳に登ろう。次回はできれば無雪期に、中門岳まで行ってみたいなー。

この後は、檜枝岐温泉のお気に入りの日帰り温泉にのんびりとつかり。

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お気に入りの洋食屋さんでビールとランチをいただいて帰るのですが

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それはまた別の記事でご紹介したいと思います。

*1:そのときは今回より雪も多くてより時間もかかったのです