そろそろ温泉旅をしたいけど……温泉宿は今、どうなってるの?
賛否両論・紆余曲折あったものの、10月1日より東京都も含めて、GoToトラベルキャンペーンが始まりました。
9月の4連休などに各地に出向いた方も多いかと思いますが、観光地が大混雑している報道などを見て「本当に旅行に出かけて大丈夫なの?」と思った方もまた、多いのではないでしょうか。
私自身、先日の連休も含めて、主に土日を使って温泉宿に泊まる旅を再開しています。
この記事では、私自身の経験をふまえて
・温泉旅館がどのような対策をしているか
・温泉旅では何に気をつければいいか
・温泉一人旅はしやすくなったのか
など、これからの温泉旅について、まとめてみたいと思います。
- そろそろ温泉旅をしたいけど……温泉宿は今、どうなってるの?
- 2020年、感染症対策のために温泉宿が変化したポイントまとめ
- 館内ではマスクの着用を求められる
- 玄関前や食事処の前には必ずアルコール消毒が設置してある
- チェックイン時の体調確認と検温がある
- ボールペンやスリッパを消毒している宿もある
- 部屋への案内をやめた宿もある
- チェックイン前から部屋に布団が敷いてあることが多くなった
- 各部屋にもアルコールや除菌ウェットティッシュが置いてある宿も多い
- マスク袋やマスクスタンドを提供している宿もある
- 部屋食だったのが会場食に変わった宿もある
- バイキングを止めた宿もある
- 化粧水の瓶などのアメニティは撤去した宿が多い
- 脱衣所などでの湯上がりの飲料水・お茶の提供をやめた宿もある
- 脱衣カゴの場所指定や消毒を行っている宿もある
- 宿泊可能な部屋数を減らして営業している宿もある
- 館内施設が休業していることもある
- 日帰り入浴の受付を停止している宿は多い
- 浴室の利用時間/方法が変わった宿もあるかも?
- 県外や流行地域からの宿泊を制限している宿もある
- 温泉旅に行くとき、何を準備すればいい?
- 温泉旅をするとき、何に気をつければいい?
- 高級宿は実は混んでいるって本当?
- ところで、一人温泉旅はしやすくなった?
- 今、一人温泉旅をするならどんな宿が狙い目か
- ちなみに登山はどうしたらいいの?
- 2020年、感染症対策のために温泉宿が変化したポイントまとめ
2020年、感染症対策のために温泉宿が変化したポイントまとめ
他県への移動自粛要請が解かれて以降、何度も温泉宿に泊まりましたが、私の場合、宿を選ぶ際は「コロナ禍以前にも泊まったことがある宿」を選ぶことが多かったです。
宿も大変なときだと思いますので、以前泊まって「いい宿だなあ」と思った宿を応援したいという気持ちと、以前泊まったときの雰囲気で「この宿なら今泊まっても大丈夫だろう」と思えた宿を選んだ、という2つの理由からそうしていました。
「この宿なら大丈夫」というのは「感染症対策をきちんとしていそう」と「東京からのお客だからと言って敬遠されることはなさそう」という2点について「大丈夫そう」ということです。少ないですが「空いてるけどあそこはやめとこう」と思った宿もあります。
何をもって「大丈夫そうか」を判断したかと言うと、完全に「以前泊まったときの印象」ですので明文化することは難しいのですが、幸いどの宿もきちんと対策されていましたし、安心して過ごすことができました。
東京から泊まりに来る私を、内心どのような気持ちで受け止めてくださっていたのかはわかりませんが、どの宿でも歓待していただけたと感じています。ちなみに、なるべく混んでいない宿を選ぼうと思い、いつも直前予約で空室のある宿を選んで予約していました。
ある宿では、土曜日なのにお客さんが私と、男性1人客の2組だけ、ということもありました。小規模な旅館ではありますが、10室以上はある宿なのに……です。
風呂ずっと独り占めで最高でしたけど「大丈夫なんだろうか」と心配にもなりました。この宿も、以前にも泊まったことがあってブログでも紹介しているんですが、本当にいい宿なんですよ!それなのに……。
「東京から出かけるべきではない」という意見も目にしましたし、GoToトラベルキャンペーンなどすべきではない、という意見もたくさん見ました。しかし、旅行を自粛し続けることが最良の選択肢とは到底思えなかったので、自分自身の判断で旅を続けてきました。泊まった宿でその後に感染者が出たこともありませんし、今のところ、ご迷惑をおかけしてはいないと思っています。
そんなわけで「コロナ禍以前」と「コロナ禍後」に同じ宿に泊まるという経験を何度もしたため「ここ前と変わってる!」というポイントがはっきりとわかりました。
コロナ禍を経て温泉旅館がどう変わったのか、以下にまとめてみたいと思います。
館内ではマスクの着用を求められる
客室内でくつろぐとき以外の、ロビーや廊下、エレベーターなど、館内のいわゆる「共有スペース」で過ごすときは、マスクの着用が求められます。
もちろん、チェックインのときも同様です。言うまでもないことかもしれませんが、必ずマスクをして中に入りましょう。
玄関前や食事処の前には必ずアルコール消毒が設置してある
玄関の前やフロントの前、それから食事処やレストランの前には必ず、アルコール消毒のスプレーが設置してあります。
ありがたく使わせてもらい、チェックインします。
チェックイン時の体調確認と検温がある
チェックイン時に「現在の体調」や「直近2週間に流行地域に滞在歴があるか」などについて、記入を求められることがあります。
記入する内容は宿によって異なり、「流行地域」も「海外に行ったか」をチェックさせるところもあれば「東京・神奈川・大阪」などの感染者が多い地域に滞在したかをチェックさせる宿もありました。
ちなみに「東京」にチェックを入れたからと言って、対応が変わったりということは、特にありませんでした。(内心は警戒されていたかもしれませんが)
また、非接触の体温計で、チェックイン時に検温されることも多いです。
「体調確認」と「検温」は多くの宿で実施していますが、実施していない宿もありました。
ボールペンやスリッパを消毒している宿もある
チェックイン時に使用するボールペンや、館内で履くスリッパを、都度消毒している宿も、少ないですがありました。
間違えて「使用済み」のものを使ったり、使用したものを「消毒済み」の中に混ぜてしまわないよう注意が必要です。
部屋への案内をやめた宿もある
チェックイン後に、以前はお部屋まで案内していただき、お茶を淹れて室内の説明をしてくださっていた宿が「部屋の前までの案内」に変わったり「フロントで鍵を渡す」方式に変わっていたり、ということがありました。(もちろん、何も変わっていない宿もあります)
従業員の方の健康を守るために、客室の中になるべく立ち入らない方針で、サービスを変更しているということのようです。
チェックイン前から部屋に布団が敷いてあることが多くなった
同じように「なるべく従業員が滞在中に客室に立ち入らない」ために、布団がチェックイン前から敷かれていることが多くなりました。
1人泊の場合、もともと部屋の広さに余裕があるので最初から布団が敷かれていることはこれまでもあったのですが、以前は夕食のタイミングで敷いていたけど、現在はチェックイン前から布団を敷くようになった宿もありました。
また、チェックイン時に「布団敷きをご自身でやっていただける場合は、次回宿泊時に使える割引券を差し上げる」と言われた宿もありました。前に泊まったときはそんなことは言われなかったので、恐らく、なるべく客室内に入らないための対策の1つだろうと思います。
各部屋にもアルコールや除菌ウェットティッシュが置いてある宿も多い
食事処や玄関以外に、客室内にも消毒用アルコールスプレーや除菌ウェットティッシュが置いてある宿も多いです。
多くは、洗面所に置かれています。
消毒用アルコールが市場から消えてしまったときは、スーパーなどの入口に設置してあるアルコールが盗まれてしまうこともあったと聞きましたので、こうして各部屋に無防備にアルコールスプレーが置いてあるのを見ると、なんというかホッとしますね。
マスク袋やマスクスタンドを提供している宿もある
客室内にマスクをはずしたときに入れておく用の袋が置いてあったり、食事処に、マスクをはずしてかけておけるスタンドがある宿もありました。
私自身は、自前のマスク用袋をいつも持ち歩いてはいるのですが、お気遣いありがたいですね。
部屋食だったのが会場食に変わった宿もある
お客側からすると、会場食よりも部屋食のほうがリスクが少ないと思いがちですが、客室内は密室で、お客のほうもハメをはずして騒ぎがちです。(私は1人なので騒ぎようがありませんけども……)
従業員の方の健康を考えると、十分に広い食事会場があるのであれば会場食のほうが理に適っているんだと思います。
地方の温泉旅館の場合、会場食であってもスペースにはかなり余裕があることがほとんどです。
↑こちらの食事処は掘りごたつなので、もともと卓と卓の間はこれだけ空いていたんですね。さらに衝立も置かれており、換気もしっかりされていました。一般的な飲食店と比べても、かなり広々としているのではないでしょうか。
「部屋食・個室食じゃないから」と言って敬遠する必要は、個人的にはないと思っています。
バイキングを止めた宿もある
見ればどこの宿だかすぐわかってしまう人も多そうなのであえて隠しませんが、酸ヶ湯温泉です。
酸ヶ湯温泉の朝食はバイキング形式の食事でしたが、現在は、メニューの内容はほぼバイキングのときと同じなのですが、セットメニューとして皿に盛り付けられた状態で提供されています。
ドリンク類はドリンクバー形式でセルフでしたが、ご飯のおかわりも、宿の方によそっていただきました。
私は十分お腹もいっぱいになりましたし、これで十分だなと思いました。ただ、酸ヶ湯の場合は「バイキングが売り」というわけではもともとなかったと思いますので良いのでしょうけど、宿によっては「イクラ盛り放題のバイキング」が目玉だった宿なんかもあるわけで。そういう宿に関しては、バイキングを休止してしまうことを残念に思う人もいるでしょうね。
そういった事情もあってか、宿によっては対策を行ったうえでバイキングを継続しているところもあります。
対策の内容は「トングなどを使わなくていいようにすべて小皿に盛り付けた状態で提供」しているところもあれば「トングを定期的に消毒」しているというところもあって、それぞれのようです。
化粧水の瓶などのアメニティは撤去した宿が多い
浴室、あるいは客室の洗面所に、化粧水や乳液のボトルを置いていた宿では、感染症対策として撤去した宿も多いようです。
これまで、宿を紹介する記事の中で「脱衣所や客室にどんなアメニティが置いてあるか」を撮影して掲載してきました。
実は私自身は、常にトラベル用のコスメを持ち歩いているので、宿のアメニティはあまり使用しないのですが「宿に置いてあるなら持っていかない」という方の参考になればと思って情報を掲載していました。ですが、2020年以前の記事で「化粧水や乳液が置いてあった」と書かれていても、現在はない場合もあることをご承知いただけますと幸いです。
脱衣所などでの湯上がりの飲料水・お茶の提供をやめた宿もある
脱衣所や、湯上がりのお休み処などで、お茶や冷水の提供をしている宿は多いですが、2020年以降、休止しているところもありました。
使用前・使用済みのコップなどを適切に管理することが難しいと判断されたのかなと思います。
脱衣カゴの場所指定や消毒を行っている宿もある
長野県北部にあるとある温泉旅館に日帰り入浴に行った際、受付で利用料金を支払うと大きなビニールを1枚渡されました。
このように、脱衣カゴの上に敷いて、衣類や荷物が脱衣カゴと直接触れないようにして使うのだそうです。
また、宿によっては脱衣カゴの近くにもアルコールスプレーが置いてあって「使用前後に消毒してください」と書かれていたり、あるいはチェックイン時に「滞在中、脱衣所では3番と書かれたカゴをお使いください」というように、脱衣カゴを指定されたこともありました。
ちなみに、上記の「脱衣カゴにまで気を配っている」宿3軒は、実はすべて、長野県北部の宿です。宿同士で情報交換などして、どの程度対策するかなどを決めているのかもしれませんね。
また、消毒や場所指定までしている宿は少ないですが、脱衣カゴの数を減らすことで脱衣所が混み合わないように対策している宿は多いようです。
宿泊可能な部屋数を減らして営業している宿もある
食事処や浴室での混雑を防ぐために、あえて満室までお客さんを入れずに、客室数を絞って営業している宿もあります。
その場合、宿の公式サイトや、予約サイトのお知らせ欄などに「客室数を減らして営業している」旨を記載していることもあります。そういった対策を行っている宿であれば、ゆったりと過ごせる可能性が高いのではないでしょうか。
館内施設が休業していることもある
宿の宿泊営業は行っていても、昼食時間帯に営業していたはずのレストランやラウンジ、エステやマッサージなどが、休業していることもよくあるようです。
理由は「感染症対策のため」の場合と「お客さんが少なくて営業しても厳しかったから」という2つの理由があると思います。後者の理由が主だった場合は、今後お客さんが戻ってくれば営業を再開することもあるかもしれません。
日帰り入浴の受付を停止している宿は多い
浴室の混雑を防いで、宿泊客にゆったりと使ってもらうため、日帰り入浴の受付を休止している宿も多いようです。
たとえば、上高地には本来、温泉も温泉でないところも合わせると5か所ほど、日帰り入浴ができる施設があり、下山後の入浴に利用されていました。
しかし今年は、感染症対策のためにすべての宿で日帰り入浴ができなくなっています。
車で来たならば帰り道にどこかで寄ればいいでしょうけれど、公共交通機関利用の場合はかなり困りますよね……。
ちなみに公共交通機関利用の場合「平湯温泉を経由してひらゆの森に立ち寄る」という方法があることはあるのですが、少し遠回りになってしまいます。
浴室の利用時間/方法が変わった宿もあるかも?
空いている宿を選んで泊まっているからかもしれませんが、私自身は、宿泊の際に感染症対策のために浴室の利用時間に制限を設けている宿には、まだ巡り会っていません。
チェックイン時に「脱衣所を覗いてみて混み合っているときは、少し時間を置いてから入るようにしてくださいね」と言われたぐらいでしょうか。実際にそのやり方で、今までのところは、十分のんびり浸かることができています。
ですが、宿によっては男湯・女湯だったのをグループ毎の貸切利用に変更するなど、浴室の利用可能時間が以前と変わっている宿もあるようです。たぶん、数は少ないのではないかと思うのですが……。気になる場合は先に問いあわせるか、公式サイトなどをチェックしてみるといいでしょう。
県外や流行地域からの宿泊を制限している宿もある
宿泊先を探す中で気づいたのですが、公式サイトなどで「県外からの宿泊を遠慮いただく」「感染状況レベル3・4の地域からお越しの方の宿泊や日帰り入浴をご遠慮いただく」旨を明示している宿も、少ないながらありました。(現在もその対応を続けているかはわかりません)
匿名で「宿泊業やってるけど東京からのお客は本当は断りたい」とツイートしている方はけっこう見ましたが、公式にお断りするのは、ある意味勇気ある行動だと思います。
宿の事情もいろいろあると思いますので、尊重したいところです。予約する前に公式サイトは1度チェックしてみたほうが良いと思います。
温泉旅に行くとき、何を準備すればいい?
温泉旅に行く際、自身で持っていったほうが良いものは何かをまとめてみました。
マスク(予備も忘れずに)
言うまでもありませんが、マスクは必須です。もちろん予備のマスクも忘れずに持っていきましょう。
私は、最近はこちらのマスクを愛用しています。サイズがやや小さめだけど小さすぎなくてちょうどいいし、個別包装のわりに安いので。(同じマスクでもっと小さいもの、もっと大きいもの出ています)
1枚1枚、ビニールの袋に入っていますので、旅行の際に予備のマスクとして持っていくのにもちょうどいいです。肌触りもまずまずでした。
マスクケース
マスクは食事中やお風呂のときには外すことになりますので、外したマスクをちょっと入れておける、ケースやポーチがあると良いと思います。
私は、黒百合ヒュッテという八ヶ岳の山小屋で購入した花柄のポーチを使っているのですが、専用のケース・ポーチもいろいろと売られているようです。
ペットボトルの水かお茶
脱衣所や湯上がり処でのお茶や水の提供がなくなっていることがあるため、風呂上がりの水分補給にペットボトルがあるとよいです。
部屋に戻れば冷水ポットなどがある宿がほとんどだと思いますので、なければないで大丈夫ですが、私は一応持っていくようにしています。
化粧水や乳液
化粧水などのボトルが、脱衣所や客室から撤去されていることがあるため、あてにせずに持参したほうが良いと思います。
私自身は、普段使いの化粧水などをボトルに詰め替えるのは面倒で、スターターキットやコンビニでトラベルセットを買って持っていくことが多いです。
スターターキットはヴェレダのもの、コンビニのトラベルセットは「肌ラボの白潤」や「ファンケルのボタニカルフォース」のものが好きでよく買います。
消毒用アルコール
食事処の前や、あるいは客室内に消毒用アルコールが設置されている宿がほとんどですが、それ以外のタイミングでも手や、あるいは購入した食品のパッケージなどを消毒したいことがあるので、自分でもスプレーに詰めて必ず持っていきます。
消毒用アルコールはかなり手に入りやすくなってきたと思いますが、私は今も、酒造メーカーが作ったアルコールを使っています。
なんとなくしっとりするような気がするし「飲んでもOK」なのが安全に思えるので、今も香料などが入っていない「飲用」として売られている高濃度アルコールを使っています。
温泉旅をするとき、何に気をつければいい?
温泉宿がどう変わったかと、旅の持ち物についてここまで触れてきましたが、それ以外の、主に「行動」の面で、どういったことに気をつけるとよいかを考えてみました。
日帰り温泉は人数制限があると思っていたほうがいい
旅館の日帰り入浴が休止していることが多いことに触れましたが、旅館ではない、いわゆる日帰り温泉施設でも「人数制限」を実施しているところはかなり多いです。
脱衣所や浴室が混雑しないよう、一定の人数を超えたところで、外で並んで待つよう指示されます。
夏の間はまだ良かったですが、今後は外で待つのも季節柄厳しくなるだろうな……と思ったりも。
また、入館まで予想外に時間がかかってしまったために、予定していたバスに間に合わなくなってしまう!というようなことが起こる可能性もあります。週末は特に、十分な時間の余裕を持って立ち寄る必要がありそうです。
また、私自身、これまでバスが来るまでの時間などを、日帰り温泉で食事や休憩をして過ごすことがよくありました。しかし現在は、館内の休憩スペースや食事処が休業している施設もあり、時間を潰すことが難しくなっていることもあるようです。
旅館に日帰り入浴に行く際は電話で確認する
日帰り入浴を休止・時間短縮している旅館はけっこう多いです。
私の大好きな宿、奥飛騨の新平湯温泉藤屋さんも、以前は日帰り入浴を行っていましたが、現在は休止中のようです。
小さな宿の場合特にですが「日帰り入浴を休止している」ことを、ホームページなどに記載していないところも非常に多いです。サイトには「日帰り入浴営業中!」と書いてあるのに、行ってみたらやっていなかった……ということは十分あり得ますので、行く前に電話で確認することをおすすめします。
SNSやサイトの「お知らせ欄」などに、営業状況を掲載していることもありますので、比較的新しい更新情報があればそれを信じても良いと思います。しかし「今日は連泊のお客さんで混雑しているから日帰り入浴を休みます」というようなことがないとも限りませんので、1番確実なのは当日に電話することです。
飲食店も営業しているか電話で確認し、夕食はできれば席を予約する
飲食店は、宿以上に休業中・廃業したお店がとても多いです。
たとえば、私が本当に大好きで、ブログのみならず、さまざまなメディアでも紹介させていただいていた、甲府駅前の「フォーハーツカフェ山梨文化会館店」も、2020年6月30日に閉店してしまいました。
「駅近なのに空いていて良い」というのも好きだったポイントの1つだったので、5月6月のお客さんがいない時期に、耐えられなかったということでしょうか……悲しいです。
3月に立ち寄って、柿のパフェを食べたのが、最後になってしまいました。
飲食店も、余程の有名店やチェーン店でなければ、休業・廃業情報がネットには出ておらず、行ってみないとわからないことも多いです。
甲府駅前のような他にもお店がいろいろある場所であればまあ、悲しいけれど他にも選択肢があるから良いのですが……。たとえば温泉宿に素泊まりし「夕食は温泉街の飲食店で食べよう」と思っていたらば、目当ての店は休業中、他の店は席数を減らして営業しており、予約でいっぱい……みたいなことになってしまうと本当に笑えません。
どうしても立ち寄りたい飲食店があるなら電話や公式SNSアカウントなどで営業状況を確認し、特に夕食の際は席を予約したほうが良いと思います。真っ当なお店ほど、席数を減らしていて営業していることが多いと思いますので。
指定席を予約する際、なるべく空いている号車を選ぶ
9月の4連休の際も、車移動を選んだ方が多かったのか、新幹線を含む電車は比較的空いていました。
窓口で切符を買い求めても、できる限り隣に誰もいない席を選んで指定してくれるとは思うのですが「えきねっと」などで自分で席を指定する際は、なるべく空いている車両で予約したほうがもちろん快適かつ安全です。
高級宿は実は混んでいるって本当?
先日、こういう記事を読みました。(有料記事ですが、無料部分だけ読みました)
20代女性へのインタビューをまとめたもので、表題は「密を気にする人が多いのでSNSに写真をあげづらくなった」という内容ですが、私が気になったのは下記の内容です。
コンパクトな旅行は流行りやすいと思う。オールインクルーシブも、自然の中のホテルなら、新幹線で行ってホテルにこもるだけですよね。
普通の旅行は、移動する度にいろんな人に接するじゃないですか。USJと道頓堀食べ歩きみたいな、混み混みの旅行コースはあげづらい。
京都でいうと、清水寺いって二条城いって、有名な箱のティラミス食べて、そういうバスで観光地をぐるっと回るのも抵抗がある。
あとは「Go To」で高級宿は流行ると思う。観光より癒されるラグジュアリーな短期旅行。ホテルでゆっくりみたいな感じ。
なるほどたしかに!と思いました。
私はもともと観光はほとんどしませんが、混み合う観光地には今はなるべく行きたくないでしょうし、行ってもSNSに写真をアップするのは憚られますよね。
観光地以外でも「日帰り入浴」や「外食」がしづらくなった、ということをここまで何度か書いてきましたが、そうするとたしかに、外をあちこち回るよりも自然と「宿でゆったり過ごす」旅が好まれるようになるわけで。
「宿でゆったり過ごす」のがメインなら、予算が許す限り快適な宿に泊まりたいと思う人が多いでしょう。しかも、GoToトラベルキャンペーンで安く泊まれるなら尚更、高い宿に行きたくなりますよね。
私は、お高い宿もリーズナブルな宿も好きなので、常にさまざまな価格帯の宿の空室状況をチェックしていますが、実際に今、お高めの宿ほど空室は少ないです。
ところで、一人温泉旅はしやすくなった?
これは「しやすくなった」面と「しにくくなった」面が両方あると思います。
「しやすくなった」のは、一人旅は「同行者との会話が発生しない」ので、感染症対策的に望ましい旅行スタイルである、という意識が定着しつつあると思うのです。
かつては「一人旅って寂しくない?」「おいしい料理やきれいな景色は誰かと共有しないと空しくない?」などと、いらないツッコミをされることも多かった一人旅ですが、今、そんなことを言う人はかなり減ったのではないでしょうか。そのため、これまで、一人旅をしたいけど勇気が出ない……と思っていた人にとっても、一人で出かけやすい環境が整ったと言えるはずです。
反面、一人旅が以前よりも「しにくくなった」とも思います。
2020年現在、温泉宿は密を避けるために客室数を絞って営業していることも多いのですが、そうなると「稼働している客室の単価はなるべく上げたい」と思うものではないでしょうか。
そうなると「2人以上泊まれる部屋にはできれば2人以上で泊まってほしい」ということになり、実際に「以前は1人泊のプランが出ていたけど、今は出ていない」宿はちょいちょいあります。つまり1人で泊まれる客室の絶対数が減っているように感じています。
1人で泊まれる客室数は減っているのに、時代は密を避けて「1人で旅をしよう」という流れになっており……つまり「1人で泊まれる」少ない客室を、以前より多くの人と分けあわなければならないわけです。
一人旅で、特に土曜日や連休にいい感じの宿を予約する難易度は、以前より上がったのではないか?と思っています。
今、一人温泉旅をするならどんな宿が狙い目か
キャンペーンを利用して高級宿に泊まるのもいいと思いますが、すばらしいお湯を楽しめる、宿泊料金1万円台の、特に有名旅館ではないこぢんまりとした宿なんかが、今は狙い目ではないかと思います。
たとえば、群馬県湯宿温泉のこちらの宿など。
もともとは土曜日は1人で泊まれない宿なんですが、今年はピンポイントで土曜日1人泊のプランが出ていたので、さっそく泊まってきました。
また、9月の連休には新潟県妙高高原のこちらの宿に泊まり、連休中ですが混み合わず快適に過ごすことができました。
8000円あるいは10000円の2食付きプランで宿泊すると「こんなに!?」と思うほどおいしい料理が楽しめます。内湯のみですがお湯も良く、建物は古いけど「いいお湯とおいしいご飯があればそれで」という方におすすめしたいです。
2020年は、こういうタイプの宿が狙い目だと思いますので、ブログでも重点的に紹介していければなと考えています。
ちなみに登山はどうしたらいいの?
山にもちょくちょく登ってはいるのですが「これからはこうやって楽しむのがよさそうだ」という整理が、温泉旅ほどはついていません。
ただ一つ言えるのは、私が以前からおすすめしてきた「日帰り登山+温泉宿に一泊して楽しむ」という登山スタイルは、今の時代にとても合っているのではないか?ということです。
こちらの記事では「高速バス利用で早朝に現地到着後に登山をし、近くの温泉宿に泊まる」プランを多く紹介していますが、高速バスを使わずに、温泉宿に泊まって翌日の早朝から登れば、感染症対策的にはより望ましいでしょう。
ヤマケイオンラインでは「登山+温泉宿」をテーマに連載をしています。
登山については、2020年は休業している施設も多く、今後も施設や交通機関の営業状況に合わせていろいろと変わってくる部分が大きいと思います。
登山はこういう風に楽しむのがいい!と明言することはできませんが、自分なりに考えながら登っていきたいと思っています。
山も温泉も、今後も日常生活を含めて警戒を続けつつ、状況を見つつ、柔軟に楽しんでいきたいです。