温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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新潟県 栃尾又温泉 神風館 宿泊記

栃尾又温泉 湯治の宿 神風館

栃尾又温泉は、日本有数のラジウム含有量を誇る、ぬる湯の長時間浴が特徴の温泉地ですが、宿泊施設は3軒あり、それぞれ個性的な宿です。

実は3軒のうち2軒にこれまで泊まったことがあったのですが、最後の1軒である「神風館」に今回、越後駒ヶ岳登山の前泊で宿泊しました。

こちらの宿です。

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実は、3軒の中で神風館が最もリーズナブルに泊まれる宿なんですが、外観はそれなりに新しいですし、古い宿にありがちな、来た瞬間の

「この宿に泊まるのか……?」

な雰囲気は、建物にはぜんぜんありませんね。
(ちなみに、妙高高原に行ったときはそういう宿がけっこう多かった。。。)

宿の読み方がややわかりにくいですが「じんぷうかん」が正しいようですね。
公式サイトのURLに「jinpu」という表記があったので。

栃尾又温泉までは小出駅から路線バスで30分。運賃は410円。

神風館は駅までの送迎は行っていないので、最寄り駅の小出駅からバスに乗って向かいます。
バスは、1~2時間に1本程度は出ており、それほど不便ではありませんが、接続の悪い電車に乗ってきてしまうと、何もない駅前でしばらく待つことになるので、あらかじめ時間を調べておいたほうが良いです。

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小出駅の駅舎です。新しくきれいなのですが……。
実は、古い駅舎だったときは売店やコインロッカーもあったそうなのですが、新しい駅舎になる際に撤去されてしまったとのこと。登山の起点として使う際は、コインロッカーあるとありがたいんですけどね……。

今は、待合室と自動販売機ぐらいしかないです。ちなみにトイレもホームの中にしかないです。ちょっと不便。(駅員さんに声をかければ使えますが。。。)

今回は、接続の良い電車で来たので、20分ほど待った後、駅前にバスが来ました。

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終点栃尾又温泉まで所要時間は30分ほど。運賃は410円です。

なんか、上毛高原駅から湯宿温泉まで20分乗って680円だったから、こっちのバス代安く感じるなあ。。。
あちらは関越交通で、こちらは南越後観光バス。尾瀬とかに行くときも思うんですが、関越交通のバス代けっこう高いんですよね。

うとうとしてる間に栃尾又温泉に到着です!

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今年2回目なので、見覚えのある風景です。

栃尾又温泉の3軒の宿を、個性と料金で比較してみる

栃尾又温泉には3軒の宿があると書きましたが、1軒ごとにかなり個性が異なります。
ほかの2軒を簡単に紹介しますと……。

自在館:湯治宿と一般的な温泉宿のハイブリッド。貸切風呂もあり、家族旅行に最もおすすめ

自在館には昨年宿泊しました。

湯治部屋で安く泊まることもできるようなのですが、隣の部屋の音がかなり筒抜けという話を聞き、旅館タイプの部屋での宿泊でした。
食事も一般的な旅館の食事という感じで、貸切風呂などもあり、家族旅行にいいんじゃないかなという印象です。料金は2食付きで1万円代前半というところ。

宝巌堂:部屋・酒・料理にこだわりあり。女性同士の宿泊やカップルにおすすめ

宝巌堂には今年宿泊しています。

 宿泊料金は2食付きの基本プランが1万8千円ぐらいで、やや高いのですが、料理、特に野菜料理にこだわりがある宿で、お酒の種類も多く、食にこだわりのある女性なら絶対喜びそう!という感じ。

部屋も新しくきれいで、すべての部屋が異なる趣になっており、こだわりの感じられる宿でしたね。そうそう頻繁には泊まれないけどw

神風館:旅行というより湯治目的ならこちらでは?2食付き7000円台で泊まれる

そして今回宿泊した神風館は、他の2軒に比べると宿泊費はリーズナブルで、1泊2食付きで7000円~8000円で泊まれます。

食事については詳細は後述しますが、家庭料理で量も多くはないので、いわゆる旅館の食事を期待している方には物足りないかもしれません。
でも、何日も滞在する方にとっては、旅館の会席風の料理は多すぎますもんね。

では、3軒を比較してみたところで、神風館についてレポートしていきたいと思います。

【風呂】★★★★ 暑さの残る9月なので、ぬる湯の心地よさを存分に味わえた

栃尾又温泉は、どこの旅館も大浴場は持たずに宿泊客は共同浴場を利用します。
利用時のルールや浴室の紹介については、宝巌堂に宿泊した際の記事に書いていますので、そちらをご参照ください。

前回撮影できなかったおくの湯について、写真やコメントを追加しています。

ちなみに、神風館からも、ほかの2つの旅館と同様に濡れずに屋根の下を通って共同浴場に移動することができます。

フロントの前にある本棚などがあるスペースの前を通り抜け

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ちなみに、この本棚のところに、無線LANのパスワードなどがありました。

廊下を通り抜けて裏口に出ます。

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裏口でスリッパをサンダルに履き替えて……外に出ると

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3つの宿の中継地点的な場所に出て、ここからは屋根がついています。


私は、チェックインのときに

「神風館に泊まるのは初めてだが、栃尾又温泉のほかの旅館には泊まったことがある。おくの湯ができてからも泊まりにきたことがある」

と話したら、お風呂についての説明はいっさいありませんでしたw

なので、この通路のことも始めは知らず、正面玄関からお風呂に行こうとしたところ、女将さんが呼び止めてくれ、教えてもらいました。

9月で、日中はまだ暑さの残る日だったので、栃尾又温泉のぬる湯に長湯するのはとても気持ちがよかったです。

【食事】★★★ 家庭料理だが味はよく、連泊なら十分。配膳時にハプニングありw

神風館の食事は、夕食は18時から、朝食は8時からの固定で、部屋食です。
時間になるとお膳を部屋に運んでいただけるので、食べ終わったら外に出しておく、という昔ながらの湯治宿の方式。

今回私は、登山の荷物を持っていたということもあり、チェックインの際に「明日は早い出発になりますか?」と聞かれたんですが、チェックインの時点では8時30分ぐらいに出ればいいかなーと思っていたので、そう答えました。

で「それなら朝食は8時で大丈夫ですね」「そうですね」というやりとりがあったのですが、もしかして、もっと早くに出たいということだったら、少しは早めてもらえたのかもしれません。

登山客が多い宿だと、朝食を早く出してくれたり弁当に変えてくれるサービスをやっていたりしますが、ここは山に近いとは言え湯治客がほとんどなので、あんまりわがままは言いたくないなーと思って、私は通常どおりの時間帯でお願いしたんですが、実際はどうだったのかなー。聞くだけ聞いてみればよかったですね。

さて、夕食の前にお酒の話。
神風館には自動販売機はなく、部屋の中にも食事時でも、特にお酒のメニューなどは出てきませんでした。

お酒はどこで買えるかというと、1階の階段わきの冷蔵庫です。

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これですね。

冷蔵庫の上に料金表とメモ帳がありまして、冷蔵庫から飲み物を出して飲んだ場合、メモ帳に自分の名前と部屋番号を書いておくと、部屋料金につけておいてくれるというわけです。

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たまに「飲んだらお金をいれておく」方式の宿もありますけど、部屋付けにしてもらえたほうが小銭を用意しなくていいし、スマートですね。

ただ、持ち込みも自由なので、越後湯沢駅あたりで買ってきたほうがお得ではあるのですが。

ちなみにラインナップとしては

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缶ビールはスーパードライとモルツ。 

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八海山のワンカップ。サントリーのハイボール。宝焼酎カップ。

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ペットボトルは爽健美茶のみでした。

ちなみにソフトドリンクについては、自在館の1階、したの湯の入り口近くに自動販売機がありますので、そちらで購入することもできます。

私は、今回はビールはやめておき、八海山のワンカップにしました。

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新潟ですもの。

でも、飲むときは普通のコップになってしまうわけですがw

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18時10分ほど前から八海山を飲み始め、食事が来るのを待ちます。
ちなみに、今回は寒くもなかったのでワンカップでいいやーと思ったのですが、厨房に熱燗を頼むこともできるようです。

電子レンジがあれば、自分でワンカップを好きに燗して飲めていいんですけどねw

18時ちょうどぐらいから配膳用のエレベーターが動く音が聞こえ、隣室におじいさんが食事を運んでいる声が聞こえました。
連泊の方が多いためか、ときおりお客さんと話し込んだりしている様子で、私の部屋にはなかなか来ません。。。

10分経過。。。まだか。。。

20分経過!いや、これはおかしいよね?電話しよ。

で、厨房に電話して

「食事がまだ来ないんですが、このまま待っていて大丈夫なんでしょうか?」

と聞いたところ、厨房はだいぶ慌ててまして、返答ないまま電話を切られました(オイw)

えー。まさか作り忘れたとかじゃないよね~。それはやめてね。。。
と思ったら、5分後ぐらいにおじいさんが、すまなそうに持ってきてくれました。

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よかった!食事あって!(ハードル下がってるw)

量はそんなに多くありませんが、味は普通に良いです。焼き魚あるし、日本酒のつまみにもちょうどいい、飲める和食ですね~。

ご飯もおいしかったですが、炊き方はやや柔らかめなので、好みが分かれるところかもしれません。

デザートのメロン付き。

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おいしかったです!ごちそうさまでした。
なぜ忘れられたかは特に聞かなかったけど、何でだったんでしょう?
お膳が余ってたら忘れてるって気づきそうなものですが……きっと余ってもいなかったんですよね?たぶん「まだ来てない」って言われてからしつらえた感じがしたので。

しかし、朝は早めに出たいのに、また遅れられたら困るわー。先に「なるべく早めに」とか言っておくべきかしら。

などと迷いつつも、結局面倒で何も言わないでしまったのですが、翌朝はたぶん1番に持ってきてくださいましたw

7時48分でした。

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朝食もおいしかったです!

おじいさんに繰り返し、昨夜のことを謝られ、逆に恐縮したり。

朝食も夕食も、湯治なら本当に適量な感じ。
普通の旅館のご飯って、基本は多いですからね~。朝しっかり食べたら、お昼いらない感じ。

でも、神風館の場合、本当に適量なので、連泊の場合、きっちりお昼にはお腹が空いてしまうと思います。

神風館では昼食の提供はしていないようなので、連泊する場合は自分であらかじめ買って持ってくるか、自在館の食堂で食べるか、あるいはバスで小出駅周辺まで1度出るか、になるのかなあと。

【部屋】★★★★ 建物は古いが、必要なものは揃っており、快適度は高い

宿泊した部屋は、6畳のシンプルな和室です。新しくはないですが、きれいに掃除されて整えられていました。

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布団の上げ下ろしは自分でやります。
好きなときに布団敷けるので別に苦ではないですし、神風館の式布団は、わりと厚みがある布団でうれしかったです。

かけ布団はまだ押し入れに入っておらず、毛布に布団カバーをかけたものが2枚入っていました。

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お茶セット。

部屋に湯沸かし機能のある電気ポットがあったのが、個人的にはうれしかったです。
保温だけのやつだと、朝はお湯がぬるかったりするんですよね~。
熱々のお湯があればカップラーメンも作れますしね。

テレビも、ちゃんと液晶ですし。

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Panasonicのテレビでした。

浴衣、歯ブラシ、バスタオル、フェイスタオルなどのアメニティもついてます!

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このあたり、湯治宿だとないところもありますが、神風館はわりと、至れり尽くせりなほうの湯治宿だと思います。

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宿泊したのはこちらの305号室でした。

エレベーターはないので3階まで階段ですが、部屋には外からちゃんと鍵をかけられます。

隣の部屋とドアがぴったりくっついているので、隣が開け閉めする音や、戸口で話している音は聞こえます。
隣の部屋の物音は、戸口の音以外は、テレビを消しているとうっすら隣の部屋の話声が聞こえるかなーぐらいです。

私は特に気にならなかったですが。山小屋やテントに泊まれる人間なので、気になる方には気になるかも。

でも、聞いたところによれば神風館は、自在館の湯治部屋よりはずっと防音性はよいらしいですね。あちらは、隣にうるさい方がいると大変らしい。

廊下に、タオルをかけておくバーが用意されています。

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共用部分もきっちり掃除されていました。

各階に、冷蔵庫と流しがあります。

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冷蔵庫の中をちょっと失礼して。

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持ち込み自由なので、買ってきたものを好きにいれておけます。

流し、兼洗面所。

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歯を磨いたり、食器を洗ったり。顔を洗えるように洗面器もありますね。
鏡もありました。

トイレも共同ですが、ウォッシュレットがちゃんと使えたので問題なし。

全体的に、きちんと掃除されていて快適な施設だと思います。何泊もできそうな居心地の良さです。

ちなみに栃尾又温泉は、携帯キャリアによっては電波状況が悪いらしく……。
ドコモは、場所にもよりますが概ねLTEが入るので問題ないのですが、電波のないキャリアの携帯をお使いの方のために、各宿でwifi環境を用意しています。

ただ、どこの宿のwifiも、正直あまり、実用的ではないです。。。
神風館でも一応つないでみたんですが(1階ロビーにパスワードがある)ロビーでは普通に通信できたものの、3階の部屋まであがると電波がありませんでした。

宝巌堂は、部屋でも接続はできましたが、速度が遅くてあまり使い物にならず。メールぐらいはできるかなあ?という感じ。

自在館も、利用している方が多いのか、速度が遅かったです。
今後、各宿が設備を拡充する可能性もあると思いますが、現状はそんな感じでした。

もし、前日泊まった大滝屋旅館ぐらい、wifiがしっかりしていたら、ノートパソコンを持ち込んで連泊したいところなんですが……そこだけちょっと残念です。

【再訪したい度】★★★★★ 1人で連泊するなら神風館でまったく問題ない

連泊を推奨している湯治宿って、部屋がきれいじゃなかったり、食事を自分で用意しなければならなかったり、部屋に鍵がついていなかったりするんじゃないの?というのがネックになって、なかなか宿泊しにくいところがありますよね。

でも、こちらの宿は部屋は清潔だし鍵もかかるし、食事も適量で2食提供してくれて1泊7000円台で泊まれる……非常にバランスのいい宿だなーと思います。

ちなみに今回宿泊時、夕食の配膳を忘れられるwというハプニングがありましたが、その件でお気遣いいただき、なんと翌朝、登山口まで宿の車で送っていただくことになりました!

実は、チェックインの時点では、チェックアウト後、歩いて登山口まで向かうつもりでいたのです。時間にして1時間ぐらいですかね。車だと10~15分ぐらいですけど。

でも、夜になって天気予報をチェックすると、どうも翌日は午後から天気が崩れるらしく。。。
私は山の上の避難小屋に泊まる予定でいたのですが、できれば早めに着いて雨を逃れたいなーと思い、登山口までタクシーで行こうかなーと考え直し、朝、フロントにタクシーを呼んでもらえるようにお願いしたんです。そうしたら、宿の車で送ってもらえることになりました。

おかげで早い時間帯に登り始めることができて助かりました!本当にありがとうございました!

また泊まりに来たいと思います。次回は酒とつまみを持ち込んで、連泊したいなー。