温泉ブログ 山と温泉のきろく

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台温泉 中嶋旅館 築100年の木造建築と天然の岩風呂で有名な宿に一人泊

花巻温泉郷 台温泉 中嶋旅館

中嶋旅館は、20軒ほどの小規模旅館が軒を連ねている台温泉の一番奥のほうに位置する、宮大工によって造られた純和風建築で有名な旅館です。

台温泉の代表的な旅館と言っていいのではないかと思います。

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台温泉に初めて来たときから「いつか泊まってみたい」と思っていた中嶋旅館さんに今回、7年越しで泊まることができました。

泊まってみると、建物の素晴らしさだけでなく、とても居心地の良い宿でしたので、レポートしてみたいと思います。

観光荘で立ち寄り湯を楽しんだ後、16時ちょうどに中嶋旅館にチェックイン!

宿にチェックインするには少し早い14時着のバスで台温泉に到着し、まずは日帰り入浴を受け付けていた観光荘でお風呂をいただきました。

ピリッと熱めで、ぬるぬる感の強いすばらしいお湯でした。

お風呂あがりは、浴室前の休憩スペースでフットマッサージャーを使ったりしながらしばらく過ごし、16時少し前に観光荘を出て、今宵の宿、中嶋旅館に向かいました。
中嶋旅館のチェックイン時刻は、なぜか他の宿よりも1時間遅めの16時からなのです。

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この日は1月上旬、成人の日連休の初日でした。
1月の16時と言えばもはや日も傾きかけて夕暮れの気配が近づいてくるころ。
中嶋旅館の玄関では提灯に火が灯され、えも言われぬいい雰囲気です。一度チェックインしてしまうと、玄関から再び外に出ることってまれなので、チェックインの際にこの素敵な風景を見ることができてよかったかも♪

ずっと泊まりたいと思っていた中嶋旅館さんでしたが、なかなか泊まることができなかったのは、休前日は一人泊のプランの設定がなく、平日に休みをとる必要があったから、でした。休みをとって旅をする機会がこの数年間なかったわけではないのですが……なかなかタイミングが合わなかったんですよね。

それが今回なぜか、三連休の初日というまさかの日程で1人泊のプランが出ていたんです!直前キャンセルが出たから、というわけでもなく、普通に1ヶ月ぐらい前に旅行サイトから予約したんですけどね。。。

平日に泊まるよりはもちろん、やや割高な値段ではありましたが「三連休の初日に1人で泊まる値段としてはお買い得じゃないか」と納得できる値段でした。ちなみに、平日泊で9720円のところを、今回12960円でした。約3000円のアップですかね。
ちなみに、頻繁にチェックしていると空室が多いタイミングででしょうか。土曜日に1人泊のプランが出ることがたまにあるようなんですが、その際の宿泊料金は11800円。平日泊の約2000円アップですね。

泊まってみて思ったのですが、平日でもこれで1万円を切るのは破格なんじゃないかな?と思わせてくれる宿でした。

では、詳細をレポートしたいと思います。

【部屋】★★★★☆ 建物は古いが居室も居心地がよく、館内の様子も大変すばらしい

今回宿泊した部屋は2階のお部屋です。

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ちなみに、予約した際のプランの名前は「和室6畳~12畳スタンダードプラン」で、部屋の広さは決まっていないプランでした。
当日空きがあれば、ちょっと広めのお部屋に案内していただけたりするんでしょうね。
ちなみにいずれのお部屋も「バスなし トイレなし」のお部屋です。
トイレと洗面所は共同ですが、トイレはやや個室が狭かったもののウォッシュレット付きできれい。

共同の洗面所は1階の浴室の前にあり、側に洗濯機もありました。洗面所は、懐かしい感じのタイル張り。

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レトロな見た目ですが、ちゃんと暖かいお湯が出る洗面所です。洗面器も置いてあるので洗顔にも不自由しないですね。

 

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ドライヤーはあまり風力の強いタイプではなかったですが、化粧水が置いてあるのがちょっと意外なサービス。(使わなかったけど)

では、2階に戻りますよ。ちなみに3階も客室のようですね。

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私が泊まった部屋は手前の引き戸のお部屋です。

f:id:happydust:20170605221404j:plain奥に見える、スリッパが並んでいるところは私の部屋ではなく、別の方が泊まられているお部屋です。
私が泊まった部屋は扉の内側にスリッパを置くスペースがあったんですが、外に置くお部屋もあるんですね。一つ一つ部屋の造りが違うんでしょうね。それもまた、古い建物らしくてなんだかいい感じ。

引き戸を開けると、襖との間に少し空間があり、冷蔵庫が置いてありました。スリッパもこのスペースに脱ぎます。
f:id:happydust:20170605221951j:plain部屋の扉を開けてすぐ廊下!だと、廊下の音が部屋に響いたりしますから、何げにこの空間はありがたいですよね。

「冷蔵庫にはサービスのミネラルウォーターのペットボトルが入っています」と聞いていたのですが……。

f:id:happydust:20170605222005j:plainたしかにペットボトルはあったけど、前の方の飲み残しも入ってたよ!w
新しいのを入れるとき、気づかなかったのかしら。。。

襖を開けて室内へ。

f:id:happydust:20170605221636j:plain6畳の和室で、あらかじめ布団が敷いてあります。
布団の件は受付で「敷かせていただいております」と断りがありました。私はぜんぜん気にしないタイプなのでいいのですが、部屋食なの食事の前に布団が敷いてあるのが気になる方もいるかもしれないですね。
たぶん、1人泊で部屋の広さに余裕があるから、先に敷かれていたんだとは思います。

6畳、とは言うものの、部屋の奥の広縁っぽいところにも畳が敷かれており、実際は8畳ぐらいの広さはありそうです。

f:id:happydust:20170605221902j:plainテレビの位置はちょっと低くて、布団に横になって見るにはちょうどいいけれど、座っては少し見にくい気がしましたね。

縁側にはなんと!!フットマッサージャーが!!

f:id:happydust:20170605221922j:plainしかもこちら、足だけじゃなく腰のほうまで揉んでくれる、なかなかいいやつじゃないですか!
けっこう気に入って、チェックアウトまで何度も使ってしまいました。これが無料で、自室で使えるって素敵すぎます♪

浴衣、羽織、タオル、バスタオル、歯ブラシ。

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そして、ちゃんと各部屋にドライヤーが置いてあるんですね。すばらしい。。。

床の間には「小物入れ」と書かれたカゴと、箱ティッシュ。

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お茶セット。ポットが湯沸かし機能付きではないのは個人的にはちょっと残念。

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お茶菓子はべっ甲せんべい。

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では、お茶を飲んで一休みしたら、お風呂に行ってみたいと思います。

【風呂】★★★★☆ 天然岩風呂は女性が入れる時間帯は短めだが、お湯は大理石風呂のほうがよかった

中嶋旅館では、男女別の内湯の大浴場に、滞在中いつでも入ることができます。

f:id:happydust:20170606011545j:plain浴室は1階にあるので、階段で1階へ。

1階からさらに、こちらの階段を少し下ると左手が女湯、右手が男湯です。

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男湯と女湯の入れ替えは「午後7時半~午後10時半」の間のみです。

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午後10時半以降はまた、左手が女湯、右手が男湯に戻るようですね。
今回、夕食前にまず一風呂ということで、左手の女湯、大理石風呂に入ってみることに。

女湯・大理石風呂へ

こちらが女湯・大理石風呂の脱衣所です。

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脱衣カゴが置いてあるだけでシンプル。やや湿気が多く、脱いだ服が湿ってきそうな湿度です。地下だからかしら。。。

湿度はすごいですが、脱衣所は清潔でカビが発生しているようなこともありませんでした。

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では、あちらの扉から浴室内へ!

浴室へは、脱衣所からさらに階段を下ります。

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階段が、下りだとちょっと滑りやすくて焦りました。 

おお!なんだか思った以上にモダンできれいな浴室です。

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床や壁は大理石で、洗い場や浴槽の側には畳敷きになっている場所もありました。
桶やお風呂場用の椅子で大理石が傷つかないようにするためかもしれません。

アメニティも豊富です。クレンジングとボディシャンプー。

f:id:happydust:20170606011848j:plainシャンプー&コンディショナーは、有名メーカーのものが2種類。

1種類は、資生堂のツバキでした。

f:id:happydust:20170606011921j:plainシャワー設備もきれいで、問題なく使えました。 

体と頭を洗った後は、いよいよ浴槽へ!

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大理石で柱が丸くて。。。なんというか、ローマ風?ギリシャ風?という感じ。

 

かけ湯をした後、ツルツルした大理石の浴槽に体を沈めます。

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お湯は熱めで、ほんのりと硫黄っぽい、温泉の香りがします。
公式ホームページの記載によると泉質は「弱硫黄泉」とのことなんですが、台温泉観光案内所のホームページによれば「含硫黄-ナトリウム-硫酸塩 ・硫化物泉(塩化水素型)低張性弱アルカリ性高温泉」とのこと。
ph8.2のアルカリ性のお湯ですので、ちょっとぬるぬる感がありますが、ぬるつきでは観光荘のほうがもっとぬるぬるしていましたね。中島旅館のお湯はあっさり、さっぱり目の温泉でした。

竹を斜めに切った湯口から、源泉が静かに流れ出てきます。 

f:id:happydust:20170606012053j:plain基本的に女湯になっている大理石風呂は、浴槽が小さめということもあるのでしょうか、循環なし、かけ流しで提供しているそうです。
男女の浴室の交代時間に、有名な岩風呂のほうにも入ってみましたが、大理石風呂のほうが普通に長湯しやすい浴槽で(お湯は熱いですが。。。)お湯もよかったので「女湯がこちらでよかったかも」と思ってしまいました。

では、よく温まったところで、滑りやすい階段を気を付けて上ってあがります。 

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ちゃんと左右に手すりもついてるんですね。使いましょう。

脱衣所に出ると、足ふきマットがおいてあるべきスペースにあったのは……?

f:id:happydust:20170606012144j:plainなぜかくまモンのプレート。これ、布ではなくて石か、セラミックか何かです。固い。
岩手なのに、なぜくまモンなんでしょうね。

部屋に戻って、いつもなら食事の前にビールなんかをいただいてしまうのですが、今回はサービスでいただいたお水をいただきます。

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なぜなら、中嶋旅館さんは、男女の浴室が交換される時間帯が「19時30分~22時30分」の、完全に夕食後の時間帯のみに限定されているのですよ。

お酒を飲みすぎると、絶対に夕食後はそのまま寝てしまって、目が覚めるのは間違いなく深夜なので、今日は飲みすぎるわけにはいきません。
というわけで、夕食中のお酒も控えめにいただきつつ、夜9時半ごろに再度お風呂へ。

男湯・天然岩風呂へ

のれんが付け変わっているはずです!

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この時間帯だけは左が男湯、右が女湯です! 

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この時間帯だけ女湯になっている岩風呂へ。 

脱衣所はこちらもシンプルに、棚と脱衣カゴが並んでいるのみ。

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幸いにも、先客はいませんでした。

浴室内はほの暗く、右手側に洗い場、左手に岩風呂があります。 

f:id:happydust:20170606012337j:plain柱は、大理石風呂と同様に円柱形の柱です。

女湯と同様に、ツバキシリーズなど、有名メーカーのシャンプー&コンディショナーが置いてありました。 

f:id:happydust:20170606012430j:plainシャワーもきちんと使えるものです。

では、岩風呂へ。

f:id:happydust:20170606012503j:plain大理石風呂よりも広く、湯の表面に岩が映っています。

お湯はやはり、ぴりっと熱め。そして浴槽はけっこう深いです。 

f:id:happydust:20170606012558j:plain天然の岩を使った(つまり足場があまり良くない)しかも深めの浴槽なので、夕食後にほろ酔いで入るにはちょっと、足元が危うかったかもしれません。。。
なんでも、深いところの水深は90cmあるとか。

でも、とても雰囲気のいい浴室だったので、お酒を控えめにして入ってよかったです!

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浅めのところに腰かけて楽しみました。

 

湯口も、岩と岩の隙間からしみ出るような形でお湯が湧き出ています。

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以前はこちらの岩風呂、足元から源泉が湧出していたんだそうですね。
現在は、台温泉の共同湯からの引き湯に変わっているそうですが、それでもほんのりと、硫黄の香りのするいいお湯でした。

中嶋旅館には貸切の家族風呂もある

実は中嶋旅館には、貸切の家族風呂もあります。

17時~22時の間、1回40分、無料で利用できるそうですが、私は、特に案内がなかったので利用しませんでした。利用時間が限られているので、利用できるのはせいぜい3~4組ですよね。となると1人で使うのはさすがに気が引けるので「家族風呂あるんですか?」とは聞けない私です。。。その名も家族風呂ですしね。

【食事】★★★★ 2食とも部屋食でのんびりといただけたが、お酒のメニューは多くない感じ

中嶋旅館では、食事は2食とも部屋食でした。
チェックインの際に夕食と朝食の時間帯を訊ねられます。

夕食は18時以降の開始で、20時30分ぐらいまでに食べ終わってくれれば何時からでも良いとのこと。
朝食は7時以降で用意できるとのことでした。

中嶋旅館の夕食

夕食は18時30分でお願いしたので、5分ほど前に食事係の方が部屋の座卓に料理を並べてくれました。 

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最後の食事とデザート以外は一気だしでしたが、天ぷらなど、揚げ物はないので特には気にならず。。。

でも、食事開始と同時にいきなり、すき焼きに火をつけられてしまったのはちょっと残念だったかも。煮えすぎてしまうので、少し待ってほしかったー。

たまに、チャッカマンを置いていって「お好きなタイミングでつけてください」という宿あるけど、あれが一番ありがたい気がします。

何かお飲み物は?と聞かれたけれど、部屋の中には特にメニューのようなものは見当たらず。

「日本酒は何がありますか?」と聞いて、熱燗を一合いただくことに。 

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熱燗、ちょっとぬるめ。南部美人だそうです。
 

煮える前のすき焼き。お肉たっぷりでうれしい。

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お品書きがないので、料理の名前はわからないのだけれど……。

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でも、どの品もおいしかったと思います。 

 

内陸の宿ではありますが、海老、新鮮でした。 

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茹で蟹。 

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食べるの面倒だからそんなに好きじゃない蟹だけど、このぐらいの量ならおいしくいただけます。熱燗に合うね。

 煮貝。

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こちらも熱燗に合う合う。 

かずのこ。 

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お正月の名残でしょうか。薄味でおいしい。もっとお酒飲みたい……けど、この後岩風呂に入らなければならないので、ちびちび飲みます。

すき焼き煮えました。 

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卵をつけていただきます。

お蕎麦。 

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そしてビーフシチュー!! 

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あ、ここでもうご飯を貰えばよかったんだわ、と、帳場に電話します。

ご飯は雑穀米でした!プチプチしていておいしい。

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漬物もすべておいしかったです。

最後のデザートはいちごとぶどう。

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なんと、いちごは単なるいちごではなく、お腹をくりぬいてクリームチーズが詰まっていました。

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デザートに一手間かかっていると、なんだか幸せな気持ちになりますね。
すべておいしくいただきました!ごちそうさまでした。
もっとお酒飲みたかった。。。

中嶋旅館の朝食

朝食は、7時30分からお願いしました。

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旅館の基本的な朝ご飯という感じ。
朝食のご飯は白米です。

 焼き鮭とイクラ!

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そして湯豆腐!

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朝から日本酒が飲みたくなりますね。
なんか、昨夜から「酒が飲みたい」しか言ってない気がするけど、大丈夫かな。。。

ご飯もおいしくいただきました!

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ごちそうさまでした♪

【再訪したい度】★★★★☆ 食事もお風呂もサービスもすばらしい宿でした

木造建築と岩風呂のハード面がクローズアップされがちな中嶋旅館さんですが、料理や接客など、ソフト面もすばらしい宿だったと思います。

冷蔵庫のペットボトルが……とか、お酒のメニューと料理のお品書きほしい……など、ちょいちょい抜けはあるものの、ご愛嬌!と笑って許せる感じ。

朝食の後はもう一度お風呂につかり、のんびりと10時ちょうどにチェックアウトしましたが、花巻駅行きのバスが9時52分発なので「今から出て大丈夫?」と心配されました。

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この日はとてもいい天気!

「ちょっとそのへんに寄ってから帰ろうと思って」

と答えると

「そうね、精華の湯とかあるものね」

と。お見通しですね。
この後は、台温泉の日帰り温泉施設「精華の湯」に向かいます。

中嶋旅館さん、すばらしい宿でした♪