岩手県 花巻台温泉 観光荘
岩手県花巻市にある台温泉は、東北本線の花巻駅から路線バスで30分ほどのところにあり、20軒ほどの小規模旅館が軒を連ねている、鄙びた温泉地です。
台温泉に向かう道すがら、車で5分ほど手前の場所に「花巻温泉」があり、大型旅館が立ち並ぶ花巻温泉のほうが台温泉よりも知名度は高い気はします。でも、お湯は確実に台温泉のほうがいいですよ!
小規模旅館がほとんどなせいか、あまり日帰り入浴客を積極的に受け入れている印象のない(すいません)台温泉ですが、その中で日帰り入浴ウェルカムな宿、観光荘に立ち寄ってお風呂をいただきてきました。レポートしたいと思います。
盛岡で焼肉をいただいた後は、電車で花巻駅へ
2017年の成人の日連休を使って岩手を旅した私。
行きの交通機関は今回も夜行バスで、到着後は盛岡冷麺の名店「盛楼閣」で焼肉ランチをいただきました。
焼肉も、数年ぶりにいただいた盛岡冷麺も最高においしかったです!
さて、早めのランチを終えた後は、盛岡駅から東北本線に乗って花巻駅へ。
鉛温泉や大沢温泉におとずれるため、これまでも何度も利用している花巻駅ですが、この日の行き先はいつもの鉛温泉方面とは違います。
岩手県交通のバスに乗車し……。
到着したのは山あいの鄙びた温泉地、台温泉です。
乗客は7人ほどで、私以外の人はみな、手前の花巻温泉か温泉病院で下車しました。
三連休の初日だというのに空いている台温泉
三連休の初日ですので、宿泊客はきっと多いはず……と思っていたんですが。
台温泉に14時に着くバスだったので、宿泊客が利用するには少し早かったのかもしれません。次のバスが14時50分着予定だから、15時チェックインならそれに乗ればいいし。
何より、台温泉は早く着いたからと言って時間を潰せるような場所も、特にはないんですよね。どこかで日帰り入浴するぐらいか……。
雑貨屋、的なお店も電気が消えていました。(後で、15時過ぎに覗いたら電気が点いていました!)
人っ子ひとり歩いていない、とはまさにこのこと……。
今日って、本当に三連休の初日なんだよね?私、間違えて1日早く着いてないよね??
と心配になるほど誰も歩いてません。
実は、今日はこの、台温泉の宿に1泊する予定なんですが、宿泊予定の宿はチェックイン時間が16時なんですよね。14時じゃさすがに入れないだろうしなあ。。。
そう考えながら、宿泊予定の宿の前まで来ました。
チェックインはできないにしても、荷物ぐらい預かってもらえないかなと、思って玄関を開けてみたんですけど、照明は落とされていてしんとしており、声をかけても誰も出てきません。これは厳しそうね。。。
それで、諦めて本気で日帰り入浴できるところを探すことにしました。
台温泉で日帰り入浴可能な宿一覧
台温泉に来たのは今回が初めてではなく、2009年に一人旅で、2010年には友人と2人で泊まりに来ています。(珍しく、キャバ嬢ではない友人と一緒でした)
1人で来たときは、宿泊した翌日にせっかくだからどこか湯めぐりして帰ろうと思って日帰り入浴できる宿を調べたんですよね。
そうしたら、台温泉案内所のホームページに掲載されている「日帰り入浴MAP」なるものを見つけました。
各宿の日帰り入浴可能な時間帯と料金が掲載されており、一見すると大変便利そうなMAPです。
朝から日帰り入浴を受け付けている宿も5~6軒あったので、チェックアウト後に「日帰り入浴したいんですが」と宿の玄関口をたずねたのですが、2軒続けて「今日はやってない」「今日は午後から」と断れてしまい……。
しょんぼりして歩いていたら一軒だけ「日帰り入浴できます」と看板を出している宿があり、そこでお風呂をいただいて帰路についた記憶があります。
さて、今回はどうなんでしょう。
「台温泉 日帰り入浴」で検索をかけると「台温泉旅館組合」のブログにたどり着きました。
更新日は「2016年1月8日」
ちょうど1年前の、成人の日の3連休の直前にアップされた記事でした。
そのブログの記事によると……。
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おすすめ
☆精華の湯 6時~22時(500円)
☆観光荘 11時~21時(400円)
混雑時はお断りの可能性あり
☆吉野屋旅館 10時~21時(300円)
☆そめや旅館 10時~16時(400円)
☆ホテル三右エ門 15時~20時(500円)
☆松田屋旅館 10時~16時(500円)
☆福寿館 10時~16時(350円)
「台温泉ツウ」が通う家族風呂(待ち時間あり)
☆水上旅館 8時~19時(300円)
☆藤助屋旅館 8時~18時(300円)
※全て小さい施設なので、混雑時は断られる可能性があります。
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とのこと。
※実は、Twitterでいただいた情報では、この他の宿でも日帰り入浴できる宿もあるとのことだったのですが、こちらはあくまで旅館組合のブログでの情報です。
なるほど、どこだったかは忘れてしまったけれど、前回私が立ち寄って断られた宿もきっと「混雑時はお断りの可能性あり」との宿だったんでしょうね。
朝10時過ぎの段階でそんなに混雑しているとは思えないけれど、おそらく、前日の宿泊客が多かったから掃除が終わっていないとか、そんな感じの事情でしょうか。週末でしたしね。
それなら、おすすめの宿に行ってみようじゃないの。ということで、観光荘に行くことにしました。ちなみに精華の湯は日帰り入浴施設で、駐車場に車がたくさん泊まっていたのでやめました。
こちらの宿です。
いざ、観光荘へ!
券売機で券を買って勝手に入る観光荘。気楽な感じで素敵。
こちらが観光荘の玄関です。
なんだか、一見すると旅館というより、民家のような雰囲気ですね。
近寄ると「日帰り入浴できます」の看板が!
ああ、思い出しました。数年前に1人でたどり着いた宿もこの宿ですよ!
中に入ると靴箱があり「日帰り入浴のお客様へ 履き物は下の下駄箱にお入れくださいませ」との貼り紙が。
下の下駄箱の靴が日帰り入浴客の靴なら、まあまあお客さん多いですね。
まあでも、精華の湯よりはぜんぜん少ないし、大丈夫大丈夫。
中へ。左手にフロント、正面にロビー?、休憩所?そして右手に階段。
なぜか「無料電話です。ご自由にどうぞ」と書かれた電話が。。。
無料でいいのかしらね。。。
日帰り入浴後の待ち合わせにも使えそうな広めのロビー。
奥にはアイスクリーム用の冷凍庫らしきものが見えます。
寒い季節でしたが、このあたりも暖房でしっかり暖められていました。
フロントには人の姿はなく、券売機で利用券を買って、勝手に入る仕組みのようです。前もこんなだったかな……。
「男子風呂 ドライヤー利用できません」とのこと。
女子でよかったです。
観光荘の日帰り入浴料金は400円。
日帰り入浴可能な時間帯は、11時から21時です。
フロントの側には、温泉卵についての説明書きがありました。玄関の横で作れるようで、卵も販売していましたね。
卵、けっこうたくさん冷蔵庫に入っているんですが、そんなに買う人がいるんだろうか。。。人気なんですね。
帰りに撮った、玄関横の温泉卵用設備。
源泉96度もあるなら、いい感じで茹だりそうですね。私は茹でないですけど。。。
では、階段で2階にある女湯に行ってみたいと思います!
館内は、ほんのり古民家風味の内装です。
2階の女湯前には、自販機とマッサージチェアが置いてありました。
なんか、この光景はものすごく見覚えがあります。
自販機と並んでロッカーもありました。
大きさも十分あるロッカーですし、無料で使えるのもありがたいですね。
自販機には、ソフトドリンクにビール各種、ハイボールなど。
おお、フットマッサージャーもあるのね。
お風呂上がり、時間があったら使ってみようかな。
浴室の扉。
一応、男女の入れ替えもあるのですが、日帰り入浴可能な「11時~21時」の間は、女湯はずっとこちらのようです。
たしかに、前回もこちらの浴室を使いましたね。
では、浴室内に入ってみたいと思います。混んでないといいなー。
【風呂】★★★★☆ 熱めのかけ流しの極上湯!浴室内も新しくきれい
脱衣所は、壁際に脱衣カゴが並んでいるシンプルな作り。
そして、日帰り入浴客の靴箱には女性用の靴もあったのに、女湯は無人でした。なぜ……。
ストーブが音をたてて燃えており、季節は冬でしたがとても暖かかったです。
洗面所はアメニティなどはなくシンプルですが、普通に使えるドライヤーがあったので、ありがたかったです。
男湯では使えないそうなので。。。宿泊すれば、お部屋にはあるんですよね?きっと。
加水・加温を一切していないんですね。すばらしいですね。。。
メタケイ酸豊富な「美肌の湯」とのこと。
泉質は「ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉」です。
phは8.2。アルカリ性ですね。
加水・加温・循環ろ過なし。消毒については記載ありません。
たまに、消毒については何も触れていない宿ありますけど、していないなら「していない」と書いたほうがいいと思うんですけど、どうなんでしょうね。。。
まあ、細かいことは抜きにして、入ってみたいと思います!
泉温が高いだけあってか、湯気はかなりもうもうと立ち込めていました。
浴室は、改装したんだと思います。記憶にあるよりずっと新しかったです。
洗い場には隣との間に衝立もあり、至れり尽くせりな感じ。
シャワーも新しいです。今日初めてのお風呂なので、しっかり体を洗います♪
リンスインシャンプーとボディシャンプーが設置されていました。
シャンプーとコンディショナーが分かれていたほうがうれしいけど、香りのよい製品でした。
では、いざお風呂へ!!
入ったとたん、ぴりっとしびれるような熱さを感じますが、入っていられないほどではありません。ゆっくりと体をお湯に沈めていきます。
水を足して薄めることもできるようですが、幸い、耐えられないほどの熱さではありませんし、せっかくの加水なしの源泉ですから、そのまま入りたいな。
源泉は、温度調節のためか少量ずつ、浴槽に流れ込んできます。
館内の蛇口から出ているお湯はすべて温泉だそうです。湯量豊富なんですね。
浴槽は奥行きがあってかなり広く、奥の方は「あつめ」になっていました。
熱めのほうも入っていられないほどの熱さではなく、半身浴できる段差もあったので、しばらく熱めの湯で半身浴を楽しみます。
奥の熱めの湯のほうから、浴室の入り口方向を見たところ。
メタケイ酸豊富なアルカリ性の湯ということで、かなり!ぬるぬる感が強かったです。木の浴槽なのでツルツルして滑りやすい感じ。これはたしかに「美肌の湯」なのかもしれません。
どうも、男湯になっている3階の浴室は、窓があいて半露天風呂として利用できるようなのですが、女湯の窓は開きません。
浴室の窓から覗いた風景がこちらなので、窓が開いたらちょっと、見えてしまうかもしれないですねw
浴室は、湯気がかなり立ち込めていてちょっと暑かったので、高窓でもいいから外の空気が入ってきたらいいなと思ったんですが。
しばらく1人きりの湯浴みを楽しんでいたら、脱衣所のほうに別のお客さんが入ってきた気配がしたので、あがることにしました。
数年ぶりにの再訪だったと思いますが、今回もいいお湯でした!
【再訪したい度】★★★★★ 日帰り湯としてはすばらしいし、今後も同じ姿勢で続いてほしい貴重な宿
泉質は文句のつけようのないすばらしいお湯ですし、前回来たときよりも明らかに、浴室がきれいに、使いやすくなっていました。値段も400円と高くはないですし、日帰り客でも使える休憩室や、無料の鍵付きロッカーがあるところもありがたいですね!
それに、宿で日帰り入浴させてもらう際に以外と重要なのが「安定して営業してくれている」ことだと思うんですよね。。。そこでお風呂に入ることを楽しみにやってきたのに「今日はやってない」だと、ちょっとしょんぼりしてしまうので。
もちろん、宿の一番のお客様は宿泊客なので、宿泊客の多い日の、チェックイン後のお客さんがいる時間帯に「今日はちょっと」と言われるのはまあ仕方ないかなと思うのですが、案外昼の12時に行ったのに「今日はやってません」な宿も多いんですよね。(データ上は営業してることになってるから行っているわけですが。。。)
そこをいくと観光荘さんは、前回も今回も安定して営業してくれていて、本当にありがたいなあと思いました。
ただ、日帰り入浴客として考えるとすばらしいんですが、自分が宿泊するとしたらどうなんだろう?と思う部分もあります。
観光荘さんの日帰り入浴の営業時間は11時から21時とかなり長め。宿泊客がチェックインしてからも、日帰りのお客さんが館内をウロウロしていたり、浴室が混んでいたりするのはちょっとつらいかなーと思ったりもしますね。
でも、時間が少しぐらい短縮されて、16時ぐらいで日帰り入浴はクローズしてしまってもかまわないので、今後も日中の間は、日帰り入浴ウェルカムな宿で有り続けてほしいなと思いました。
男湯の「太郎の湯」に続く階段。
そう言えば、日帰り入浴客用の靴箱にはもっと女物の靴があったのに、浴室は無人だったのはなぜ?と思ったら、日帰り客用の休憩室があったんですね。
女性客がおしゃべりしている声が聞こえたので、ちらっと覗いてみると「畳敷きにテーブル」という、ちょっと不思議な休憩室でした。座卓じゃないのね。。。
では、そろそろ16時……ということで、本日宿泊予定の中嶋旅館に向かおうと思います!