日本三大うどんの一つに数えられることも多い水沢うどん
水沢うどんは、群馬県渋川市伊香保町水沢付近で名物料理とされるうどんです。古くは水澤寺(水澤観音)の参拝客に対して提供されたのが始まりだそうで、冷たいざるうどんで提供されるのが一般的だそう。
日本三大うどんの一つにも数えられることの多い水沢うどんのお店の中でも、創業が1582年(天正10年・本能寺の変があった年)という長い歴史を持つ田丸屋さんでランチと一杯いただいてきましたので、レポートしたいと思います。
上州湯めぐり号に空席がなく、電車と路線バスで伊香保温泉に向かった
少し前のことになってしまいますが、週末ギリギリに急遽、伊香保温泉で泊まりたいと思っていた宿の予約が取れたので、土曜日に伊香保に向かうことになりました。
伊香保温泉に公共交通機関で向かう場合、東京からであれば「上州湯めぐり号」という直通の高速バスを利用するのが便利です。しかし、この日は直前だったため、早めの時間帯のバスは既に満席。できればお昼ごろには伊香保について現地で食事を取りたかったため、電車と路線バスを乗り継いで向かうことにしました。
早朝に東京を出発し、高崎駅で電車を乗り換えて午前中のうちに渋川駅に着きました。快晴です!
電車の中で、この日のランチをどこで食べるかを悩みつつ来たのですが、渋川駅に着く頃には「伊香保温泉街で食べるのではなく、途中でバスを一度降りて水沢うどんを食べよう」と心に決めていました。
ちなみに水沢うどんは「香川の讃岐うどん」「秋田の稲庭うどん」と並んで「日本三大うどん」の一つに数えられることの多いうどんです。「数えられる」ではなく「数えられることの多い」なのは、讃岐うどんと稲庭うどんは確定らしいのですが、3つ目は「長崎の五島うどん」「富山の氷見うどん」など諸説ある、ということで。「世界三大美人」3人目みたいなものですかね。。。
水沢うどん街への公共交通機関でのアクセス
水沢うどん街の最寄りの駅は渋川駅です。駅からの距離は車で20分足らずというところでしょうか。
徒歩だと1時間半以上かかるようなので、普通は歩いて行こうと思う場所ではないですね。
水沢うどん、一度食べてみたいなとは思っていたのですけど、伊香保温泉街からも渋川駅からも徒歩では厳しいし、あんまり本気で考えたことがなかったのです。でも、よく調べるとちょうどいいバスが出ていたのでした。
渋川駅から伊香保温泉に向かうバスは、関越交通のバスが本数も多いし知名度も高くて、私もそれしか知らなかったのですけど、実は、本数は少ないけれど群馬バスでも運行していたんですね。
そして、群馬バスだけが水沢うどん街を経由するのです。
こちらが、渋川駅発水沢経由、伊香保案内所行きのバスの時刻表です。
1日5本と本数は少ないのですが、お昼の時間帯には11時55分発と13時20分発のバスがあります。
つまり11時55分発のバスに乗って水沢で下車してうどんをいただき、次の13時20分発のバスに乗ればいいのです。1時間30分ほど時間がありますので、週末で混んでいたとしてもなんとかなるのではないでしょうか。
バス停に並んでいるときに気づいたのですが、赤城山が美しい!
雪のある赤城山にも登ってみたいものです。
そして気がつくと、後ろにかなり、バスを待つ人の列ができていました。
実は、この数分前に関越交通の伊香保温泉行きのバスが出たんですけれど、そちらに乗る人はあまりいなかったんですよね。ということは並んでいる人はもしやみんな、水沢うどんがお目当て?
もしそうだとしたら、着く前に入りたいお店の目星をつけておいてさっさと入店しないとですね。お店が混んでいて次のバスに乗り遅れたりしたら大変だわ。。。
バスは満席に近い状態で駅を出発し、やはり多くの人たちが水沢の停留所で降りました。
車中で目星を付けておいた田丸屋さんへ足早に向かいます。
なぜ田丸屋さんを選んだかと言うと、食べログで「群馬県渋川市伊香保町水沢 うどん」の条件で検索すると、田丸屋さんが1位だったからです。。。
こちらです!
おお、店名がゴールド。
武家屋敷のような外観ですね。
では、中に入ってみたいと思います!
元祖田丸屋の店内
店内に足を踏み入れると、大きな招き猫がお出迎え。
なんか、ここまでしっかり招き猫がいるの珍しいなと思って、後ろからも撮ってしまった。
履き物は鍵付きの下足箱に収納します。
待っている人が数組いましたが、お会計の人もどんどん出てくるし、どんどん案内されているのでたぶんそんなに待たないでしょう!と、受付で名前を言って待たせてもらいます。
やはりすぐに呼ばれて、席に案内されました。
それもそのはず、店内がめちゃめちゃ広く、席数が多いのです!
門構えからは、こんなに奥まで広いと思わなかったです。。。
橋を渡ったむこうは、予約専用の個室のようです。
お店の中に中庭のようなものもあり、楽しい。
食べログの情報だと「350席」とあるのですが、公式サイトによれば「200席」とのこと。どちらにしろかなりの席数ですが……。
椅子席も多そうだったのですけど、通されたのは広間の席。
お茶の入ったポットを置いていってくれるのは、お替わりをお願いする必要がなくて良いですね。
ではまず、メニューを眺めてみたいと思います。
元祖田丸屋のメニュー
まずはドリンクメニューと……上の「しんこ餅」はデザート系のメニューでしょうか。
場所柄、車で来るお客さんが圧倒的に多いのでしょう。そりゃそうだ!
でも、一応お酒もあります。ワインはすべて地元奥利根ワイナリーのもの。
おつまみメニュー。天ぷらもいいけど玉子焼きいいなあ……。
しかし、玉子焼きは小でも1500円だしきっと、かなり大きそうな気がする。
箱膳。おかずの盛り合わせのような感じ。
これ3品ぐらいいただいて、一杯飲んでからうどんというのが良いかなあ。
「古伝 喜利麦(こでん きりむぎ)」これ、お店のホームページでずいぶん推されてました。
全粒粉を使った平打ちのうどんを、オリーブオイルと塩でいただくというもの。
おいしそうな予感はあるけど、水沢うどんを初めて食べる人向けのメニューではない気がする。。。
こちらが普通のうどんのメニュー。水沢うどんは基本、冷やしのざるうどんなんですね。
胡麻つゆと醤油つゆがあって、両方つけることもできるのですね。
やっぱ、最初なのでうどんはこれがいいんじゃないかなー。
あんかけなどの温かいうどんもあります。
こちらはかけうどん。
そしてかけうどんと箱膳のセット。
基本のざるうどんのセットはないのかしら。
と思ったら、ありました!
じゃあこれと、あとは熱燗をいただきましょう!
おすすめセットの「ほてい様福膳」をいただく
まずは熱燗を一合。
前橋町田酒造のお酒。一合300円は普通酒にしても安いですね。
お通しなどはないので、空腹で熱燗をがんがんのむのはちょっとしんどいな。
ちびちびやっていたら、そんなに待たずに来ました!ほてい様御膳。胡麻つゆと醤油つゆ付き。
天ぷらはかき揚げと舞茸。小鉢は「牛蒡とこんにゃくをかつおだしで煮たもの」と「なめこおろし」つまみには良いですね。本腰を入れて熱燗を飲みます。
天ぷらは残念ながら熱々ではなかったですが、ほんのりと温かく、醤油つゆでいただくとおいしかったです。
うどんは固めでコシがあり、好きなタイプのうどんです。地元庄内地方の麦きりを思い出しました。
食べ終わると、うどんは実は底上げでした・笑
男性は大盛りにしたほうがいいかもしれないですね。
とは言えおいしかったです!ごちそうさまでした。
【再訪したい度】★★★★ 観光客向けの店ではあるけどうどんはおいしかった
いわゆる観光客向けのお店で、讃岐うどんのように地元に根付いた名物料理とは異なる種類のうどんでしたが、サービスもそつなく、うどんもその他の料理もおいしかったです。
交通の便が良くないので、水沢うどんのためにまた来るかと言われたら微妙なところですが、伊香保温泉には特に名物というほどの料理はないですし、伊香保に来たら話のタネに食べてみるのは良いんじゃないかと思いました。
小鉢で一杯飲んで〆にうどんという、蕎麦屋のような使い方ができるのは良いですね。ただ、そう考えるとセットの小鉢だけ先に出してもらえたらありがたかったかも。そういうリクエストはできるのだろうか……。
バスの時間まで水澤観音に立ち寄る
田丸屋さんは混んでいましたけど、案内も料理が出てくるまでもスムーズだったので、飲んで食べて1時間もかからず、次のバスまで30分以上時間が余ってしまいました。
というわけで、歩いてすぐのところにある水澤観音へ。
日光東照宮を思い出させるような、きらびやかな外観ですね。
なんと飛鳥時代の創建だそうで、東照宮よりも実は歴史は古いのですが。
あれが本堂かな。
激混みではないので安心して、境内をぶらぶらします。
あれは六角堂でしょうか。
下のお堂を回転させられるみたい。
まあ、私は寺社仏閣に興味がない人なので、遠くから眺めて写真を撮ってどんどん歩いていき……。
行き着いた先は、境内のはずれにあった茶店でした。
焼団子も気になるけれど……ここはやっぱり上州名物焼きまんじゅう!
200円ですが、口に入りきらないほど大きい焼まんじゅうです。
あんこが中に入っていない、ふかふかのおまんじゅうに甘いタレをつけてこんがりやいたものなので、大きく見えるけれどわりと軽めです。漫画の孤独のグルメにも出てきましたね。
焼きまんじゅうをいただいたところで、バスの時間が近づいてきましたので伊香保温泉に向かいます!