温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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東京から電車で2時間、快晴の残雪期谷川岳を日帰り登山

谷川岳は、東京から電車&バスで日帰り雪山登山ができる貴重な山

3月中旬の週末に、山仲間のL氏と2人で谷川岳に日帰り登山してきました。
谷川岳は、最もメジャーな登山口である土合口まで、通年で公共交通機関が通っており、また谷川岳ロープウェイも通年運行しているため「首都圏から公共交通機関利用で日帰りで雪山登山が楽しめる」貴重な山の一つです。

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ロープウェイの終着地「天神平」にはスキー場があるので、通年運行しているんでしょうね。ありがたいことです。。。
コースタイムも、ロープウェイを使えば往復5時間程度とほどよく、冬でも登山客が多い山です。
ただし、奥秩父や八ヶ岳は冬は晴れることが多いのと比べると谷川岳は曇りや雪の日が多く、天気予報もはずれることが多いのですよね。。。

ですが今回は見事に晴れ、風もあまりなく雪の状態も良く、この季節としては最高のコンディションで残雪期の谷川岳を楽しめましたので、レポートしたいと思います。

残雪期の谷川岳を登るための装備は?

今回、谷川岳登山を計画したのは3月17日土曜日のこと。
前々日に、同行の山仲間L氏と「装備どうする?」と相談しました。
装備を決める際は大抵、下記の2つをチェックします。

(1)ヤマレコで直近の山行記録を検索し、雪や凍結の状態をチェック

(2)近隣の山小屋や登山指導センターの公式アカウントのアナウンスをチェック

山小屋や登山指導センターのアナウンスについては、ヤマケイオンラインの「最新情報」で確認することも多いです。

www.yamakei-online.com

「谷川岳登山指導センター」からの情報もこちらに掲載されています。

このときは

ヤマレコ:朝のうちは雪がしまっているが、下山時は雪が緩んで踏み抜き多数

登山指導センター:アイゼン、ピッケル、ワカンなど完全な冬山装備が必要です。

という情報が得られたので、想定通りではありますが「アイゼン・ピッケル・ワカン」と、私はさらにトレッキングポールも持つことにしました。

谷川岳登山指導センターの「今日の谷川岳」は、かなりまめに情報を更新してくれるのでありがたいですね。雪の季節に限らず、必ずチェックしておいたほうがいいと思います。

www.yamakei-online.com

谷川岳の山頂直下は6月中旬でも残雪がある

私が初めて谷川岳に登ったのは、登山を始めて3年目の6月中旬のことでした。

実は、谷川岳は6月中旬になっても山頂直下にかなり残雪があるのです。しかもそこはけっこうな急斜面。。。

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こんな感じです。天気は悪くなかったんですけど、山頂周辺はかなりガスが多かったんですよね。。。雲の中を歩いている感じでした。

登りはなんとか大丈夫なのですけど、残雪の急斜面はかなり滑りやすく、転んでいる方も多かったのですが、私は「残雪あり」との情報をあらかじめ得て、チェーンスパイクを持参していたので事なきを得ました。

幸い、転んだところで滑落するような場所ではないので、この程度の残雪なんてどうってことないよ!という方も多いとは思うのですが、行ってみないとどんなところに残雪があるのかわからないですしね。。。調べておいて良かったと思っています。

東京から谷川岳ロープウェーまでのアクセス

公共交通機関利用で、東京から谷川岳ロープウェイに朝一番に着くための行き方は3つあります。

(1)東京駅6時36分発の新幹線「たにがわ401号」に乗り、7時53分に上毛高原駅で下車
→8時4分発の谷川岳ロープウェイ行きの始発バスに乗車し、8時49分に到着
→電車6110円+バス1250円片道7360円

(2)東京駅6時8分発の新幹線「とき301号」に乗り、髙﨑駅で下車
→上越線に乗換え、8時17分に終点水上駅で下車
→8時29分発の谷川岳ロープウェイ行きのバスに乗車し、8時49分に到着
→電車6210円+バス750円
片道6960円

(3)東京駅6時8分発の新幹線「とき301号」に乗り、髙﨑駅で下車
→7時12分発の上越線に乗換え、終点水上駅で8時24分発の長岡行きに乗換え
→8時33分に土合駅で下車し、徒歩20分、9時過ぎに谷川岳ロープウェイ着
→交通費は電車代のみ、片道6210円

楽なのは「出発時刻が遅く、乗換が少なく、始発バスに乗れる」ので、上毛高原まで新幹線で行く(1)でしょうか。ただし、交通費はちょっとの差ではありますが一番高いです。

(2)の水上駅からバスルートも悪くないのですが、上毛高原で多くの乗客がバスに乗ってしまうと、水上駅から乗ったのでは座れないこともあります。20分間の乗車ですので、耐えられないことはないかもしれませんが。。。

(3)の土合駅から徒歩ルートは、到着時刻が少し遅れますが、交通費は一番安上がりです。「日本一のモグラ駅」などと称される土合駅も見学できますし、時間に余裕があるときならこちらでも良いかも。
先日OKPさんも土合駅から歩かれてましたね。

moognyk.hateblo.jp

今回は、(1)の上毛高原まで新幹線で行こうと話していたのですけれど、スキーシーズン中のため、数日前ではたにがわ401号の指定席を予約することができず……。
そのため、(2)の髙﨑まで新幹線、水上からバスで谷川岳ロープウェイに向かうことにしました。

水上駅からバスで谷川岳ロープウェイに向かうつもりが……バスが超満員!

当日は水上駅で同行のL氏と合流し、足早にバス乗り場に向かうと、谷川岳ロープウェイ行きのバス乗り場には20名弱の登山者が並んでいました。

上毛高原から乗ってくる人があまり多くなければいいのだけれど……と祈りながらバスを待ったのですが、残念ながら、水上駅に着いた時点で既に空席がなく、立っている登山客がいる状態。残雪期なのに!谷川岳、人気すぎでしょ。。。

「あまりバスが混んでいたらタクシーを使おう」

と示し合わせていた私とL氏は、水上駅前に1台だけ泊まっていたタクシーに乗り込み、バスに先行して谷川岳ロープウェイに向かいました。

水上駅から谷川岳ロープウェイまでの乗車時間は15分ほど、タクシー代は3800円ぐらいでした。

谷川岳ロープウェイを利用し、天神平から歩き始める

雪のある時期に谷川岳に登るのは今回が2度目です。
前回は2013年の12月、新雪の時期でした。積雪量はそれほど多くなかったものの、天神平の周辺は降ったばかりの雪でもっふもふの状態。そんなに長い距離ではありませんでしたが、ワカンを付けて歩いた記憶があります。

「谷川岳の四季」を表しているというカラフルな通路を通って、ロープウェイ乗り場へ。

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登山の人と、スキーヤー&ボーダーの方も大勢乗っていました。

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スキーヤー、ボーダーのみなさんと一緒に、定員ギリギリまで詰めてロープウェイに乗車。
定員ギリギリまで詰めたものの、待ち時間はほぼありませんでした。

さて、残雪期の谷川岳はどんな姿なんでしょうか。
おお……。

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青い空。リフトと真っ白なゲレンデ。
しかし、このあたり(天神平スキー場)を滑っている人たちはあまりいませんでしたね。

山頂を目指す場合はこちらから歩き出します。
右手奥に見えるのが谷川岳の山頂です。このときは雲に包まれていますね。
向こうに着くまでに晴れるといいねーと思いつつ、アイゼンを着けて登山開始。

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前々日ぐらいに雪が降ったはずなので、念のためワカンも持ってきたのですが、今回の登山では不要でした。しかし、歩き始めからけっこうな急坂ですね。。。

少し登っては振り返って、歩いてきた方向を眺めてみます。 下に見える建物がロープウェイ乗り場ですね。

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けっこう急じゃない? 

まだまだ登るよー。というか、まだまだ登り始めなんですが。。。 

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ひゃー……。 

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幸いにもまだ午前中で、雪が締まっているのでそこまで登りづらくはないのですけど、このあたり、山頂往復して戻ってくるころには気温が上がって雪がグズグズになってそうじゃないですか?

踏み抜き地獄になっていたら嫌だなあと思いつつ、まずは最初の急坂を登り終えました。 

小休止。あ、山頂周辺晴れてきましたね。 

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あそこに着くまで晴れのままだといいのですが……一息ついてまた、山頂を目指します! 

完全に雪に埋まった熊穴沢避難小屋を通過し、山頂を目指す

ここまで登ると、だいぶ山頂が近くなってきたように思えますね。 

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ズームで撮ってみると……おお……めちゃめちゃたくさんの人が登ってますね! まるでアリの行列のように、人が歩いていますよ。。。 

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絶好の天気ですからそれはそうなのかもしれないですが、かなりの数の登山者が登っていましたね。

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このあたりは、傾斜も比較的緩やかで風もなく、歩いていると暑いぐらいです。 

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ハードシェルの中に着ていたフリースを脱ぎました。 

少し進むと、岩肌が出ている斜面をトラバースする場所があり、ちょっと慎重になりましたが。

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この場所以外は「急坂の登りが疲れる&下りが滑りそうになる」という程度で、危険箇所というほどの危険箇所はなかったように思います。

下りが滑りそうと言っても、天神尾根は無雪期だと岩肌が出ている登山道なので、雨上がりで濡れていたりするとやはり滑りますし、むしろ雪があったほうが歩きやすかったかもしれません。

いやー、気持ちのいい稜線歩きです。 

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このあたりにたしか、避難小屋があるはずなのだけれど……まだかな?と思ったら、ありました! 

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これが本来、熊穴沢避難小屋だったはずの場所です。

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2013年の12月に登ったときはこんな感じでした。
しっかり踏み固められていて歩きやすいので気づかなかったけれど、実は2メートル以上積もってるってことですよね、このあたり。

避難小屋周辺は霧氷もきれいでした。 

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霧氷を眺めつつ、さらに登っていきます。  

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避難小屋から山頂までは約1時間半ほど。  

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見た目にもかなり、山頂が近づいてきたような雰囲気です。

このあたりまで来ると、かなり標高が上がってきたので周辺の山々も美しく見えますね。 

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最後の一登りはまたしてもなかなかの急登。でも、あそこまで登ればおそらく、山頂直下の肩の小屋に出るはずです。 

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なんか登山者でもスキー・スノーボーダーでもなさそうな方もいますね。かなり少数だったと思いますけど……。ここまでスノーシューだけで登ってくるのけっこう大変そうだけどな。

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いやー美しい!さっきとあまり変わらないけど何度も写真撮っちゃう!

あ!あれは山頂の方角を示す標識、ということはあの先には。。。 

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見えました肩の小屋。 

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谷川岳肩の小屋は、冬季以外は管理人が常駐している営業小屋です。4月下旬から11月上旬ぐらいまでは管理人がいて、トイレや売店も利用できますが、冬の間は休憩小屋のみしか利用できないとのこと。

とりあえず小屋はスルーして山頂に向かいます!

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ああ、一番高いところに来たって感じ。 

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美しいなー。 

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山頂までもうちょいです!

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トマの耳で記念撮影後、肩の小屋で休憩して下山する

着きました。トマの耳です。
谷川岳は、ちょうど猫耳をつけたような双耳峰なので、天神平側から見て手前のピークを「トマの耳」、奥のほうのピークを「オキの耳」と呼びます。 「手前」が「トマ」、「奥」が「オキ」と訛った感じでしょうかね。

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記念撮影をしまして。 

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さらに奥に見えるあちらのピークがオキの耳です。

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あちらのピークにもかなりたくさんの人が登っていますね。
トマの耳からオキの耳までは片道10分のコースタイムです。往復20分。写真撮ったりするし、オキの耳まで行くとプラス30分というところかなー。さて、どうしましょう。

バスの時間を調べると、ここで引き返せば15時過ぎのバスに確実に間に合うけれど……オキの耳まで行くと15時50分のバスになるね……。 

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ということで、オキの耳には寄らずに戻ることにしました。
何度も登っていますし、下山後にゆっくり風呂に入りたいので。

肩の小屋で少し休憩して昼食を取ります。 

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この日は本当に風も弱かったのですが、山頂周辺だけは風が強く吹いていました。

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でも、肩の小屋の周辺はそれほど風がなかったので、たくさんの人が小屋の左側に並ぶようにして休憩していましたね。

菓子パンなど食べて15分ほど休憩し、下山します。 

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元来た道を戻ります。
天気はいいのに気温が低いという、残雪期の山を登るには最高のコンディションだったと思います。

暖かい日だと、午前中のうちは雪が締まっていても午後には緩んでグズグズで歩きにくかったり、踏み抜きが多くなったりしますが、この日はそんなこともなく、快適に歩けましたね。

遠くの山々を眺めながら、のんびりと下ってきました。 

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下りで焦りたくないから、オキの耳を飛ばしたのでね。。。
そして、半分ほど下ったところで雲が出てきたので、カメラをしまってしまいました。というわけでこの日の写真はここまでで終わり。

2013年12月上旬、新雪の谷川岳を登ったときの写真をついでに公開

実は、雪の谷川岳を登ったのは今回が2回目。
前回は数年前になってしまいますが、2013年の12月初旬に登りました。

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天神平スキー場も雪が少ない!
これはまだ、スキーはできないですね。。。

山頂のほうはここからだと真っ白に見えるけれど、少し岩肌が出ているようにも見えます。

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そしてちょっと雲が出ているな。。。

雪は少ないんですけど、降ったばかりの新雪で、かつ歩いている人も3月ほど多くないので、雪がもっふもふなんですよ!

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このあたり、ツボ足では歩きづらかったので、ワカンを使いました。

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今回、3月のときもワカン持っていきましたけど、使いませんでしたね。

新雪で歩きにくいけれど、雪の量は多くないので、3月には完全に埋まっていた熊穴沢避難小屋もこのとおり。

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ああ……、なんか稜線にもまだ、夏山の面影が少しある!

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山肌もまだまだ岩がところどころ見えて、山頂直下でもスキーができるような状態ではないんですね。

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山頂が近づいてきて、周辺の山々を眺めると、仙ノ倉山や平標山に続く主脈の稜線は、3月の姿とあまり変わらないですね。

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山頂周辺はまだ、雪の下から草が見えていました。

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トマの耳!

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こちらから見える標高の高くない山々は、まだぜんぜん雪がついていませんね。

天神平から眺めたときは、山頂周辺に雲が多かったのでどうなるかなと思いましたが、このときも山頂では気持ちよく晴れてくれました!

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やっぱり、雪の谷川岳は最高ですね。
いや、他の季節もすばらしいのですけど、初夏~夏はお花がきれいだけど虫が多いし、秋は紅葉が美しいけれど人が多いしで、なんとなく冬が一番、快適に登れる気がします。。。

下山後はバスに乗って温泉へ

14時30分ごろにロープウェイに乗り、15時前にはベースプラザに戻ってくることができました。

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15時10分発のバスに乗って、水上温泉方面に向かいます。

ちなみに、行きほどではないですが帰りのバスもかなり大勢の乗客が乗っていて、立っているお客さんもいました。座って帰りたいなら、バスの出発時刻より早めに来たほうがいいですね。始発なので10分以上前からバスが来ているんですよね。

バスの乗客を見ると、登山客とスキー&スノーボーダーがほとんどでしたが、中には観光でロープウェイで天神平まで行って戻ってくる、という方もいたようです。

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たしかに、東京から日帰りで来れるし、スキーや登山をしなくても、天神平周辺を歩くだけでも楽しいですからね。もっと谷川岳のすばらしさが、多くの人に広まるといいなー。

しかし、できれば関越交通さんには、あまりにも乗客が多いときは水上あたりからバスを増便していただきたいです。。。今回の行きのバスの混み方は本当に、ちょっと心が萎えたので。。。

さて、今回は2人での登山でしたが、同行のL氏は日帰り温泉に寄った後東京に戻り、私はこれから1人で行き着けの温泉宿に泊まってきました。

次回はその宿についてレポートしたいと思います。