ランプの宿 高峰温泉に1人泊してきました。
高峰温泉は、標高2000メートルの高原にひっそりとたたずむ温泉宿です。秘湯を守る会の会員宿でもあります。
タイミングが良ければ雲海を眺められる、絶景の露天風呂で有名です。
これまで、黒斑山登山と絡めて2013年3月と2015年の1月に山仲間と一緒に泊まったことがありましたが、2017年の5月に初めて1人で泊まってきましたので、レポートしてみたいと思います。
- ランプの宿 高峰温泉に1人泊してきました。
実は一人泊の難易度がやや高い秘湯の宿 高峰温泉
高峰温泉は、一人泊の宿泊予約は前日にならないと受け付けてもらえず、つまり「基本的には2人以上で泊まってほしいのだけど、前日に空室があれば1人泊でも予約可能」というスタンスの宿なので、これまで2回の宿泊はいずれも山仲間と2人での宿泊でした。
まあ、人気の宿なのでそれも当然かなと思います。アサマ2000スキー場に近いこともあり、特に冬の間はスキー客や、黒斑山を登山する人で賑わうので、週末の予約は2ヶ月ぐらい前に埋まっていることも珍しくありません。私も登山をするので、できればある程度天気がわかってから予約できたほうがありがたいのですが、高峰温泉の場合は週間天気予報を見てからでは予約が難しいのです。
しかし今回、時期としては5月の中旬でしたが「土曜日は雨、日曜日は晴れ」という予報だったので「どこか山麓の宿に泊まって日曜日に登山ができないかな」と考えて金曜日に秘湯を守る会のホームページで高峰温泉をチェックしたところ、翌日の土曜日に1人泊のプランが出ていたのです!
高峰温泉は、じゃらんなどの旅行サイトや公式ホームページからは宿泊の予約はできないのですが、秘湯を守る会の公式サイトからはネット予約が可能です。
考えてみると5月の中旬という季節は、スキー場は既に営業を終了しており、登山道にはまだ少し雪が残っていて歩きにくいため、ちょうど空いている穴場の時期だったのかなと思います。
高峰温泉までのアクセス
当日は新幹線としなの鉄道を乗り継いで小諸駅まで、小諸駅で絶品生クリームトーストをいただいてからJRバスで高峰温泉に向かいました。
JRバスは新幹線の佐久平駅、もしくは在来線の小諸駅から1日2往復出ています。
時刻表はこちらです。
秘湯を守る会のネット予約だと、バスの片道切符付きや、バス利用だと宿泊料金が500円引きになるプランが出ていたりするので、私もネット予約を利用しました。
雪のない季節はバスの終点が「高峰温泉」となり、宿の目の前でバスに乗降することができるので便利です。
バスを降りると、目の前に宿が。
この写真はチェックアウト後に撮影したものですが、到着時は雨が降っていたので、宿のスタッフの方が傘をさして出迎えてくれました。ありがとうございます!
私はバス利用ですが、自家用車の方はもちろん、宿の目の前まで車で来ることができます。
冬はアサマ2000スキー場から高峰温泉まで雪上車で送迎してもらえる
実は、高峰温泉は冬になると雪に包まれてしまい、宿の前まで車で行くことができなくなってしまいます。バスも「アサマ2000スキー場」が終点に変わります。
冬の間はどうやって宿まで行くかというと、アサマ2000スキー場の駐車場から宿まで、雪上車で送迎してもらえるのです。
こちらが雪上車の運行時刻表です。
アサマ2000スキー場に迎えに来てもらう時刻については、宿泊予約の際に伝えておきます。
ちょっと遠い写真なんですが……先に見える黄色っぽいワゴン車のような車が、雪上車です。
乗車時間は5~10分ぐらいですが、もこもこの雪の上を走るのでけっこう揺れましたw
とは言え、秘湯っぽさは断然冬の間のほうがありますね!
路線バスが宿の目の前まで来ているのに「秘湯の宿」というのもなんか不思議な感じがしますので。。。冬の間はたしかに「秘湯」です!
冬に黒斑山に登った際の記事はこちらです。
このときはお隣の高峰高原ホテルに宿泊しました。
宿泊レポートはこちらです。
高峰高原ホテルも料理がおいしく、サービスもすばらしい宿でした。
高峰温泉にチェックイン
14時30分にJRバスで高峰温泉に到着し、チェックイン。
フロントで、浴室の利用時間などの説明を受け、部屋に案内していただきます。
フロントの前のスペースでは、暖炉が青い炎をあげて燃えていました。
こちらの暖炉は天然ガスを使用しているものなので薪を燃やす必要もなく、匂いも煙も出ないんだそう。
高峰温泉の売店は登山用品が豊富に売られている
売店では、お土産品や登山グッズが販売されていました。
山Tシャツやフリース、レインウェアなどの衣類も並んでいます。
なんと!登山用ストックの先端ゴムや、スノーバスケット、スパッツの替えゴムまで売られていました。
山麓の宿で、衣類や手袋が売られているのはよく見かけますが、ここまで揃っている宿は初めて見ます。
浴室の場所、食堂の場所などを案内していただきつつ、お部屋に向かいます。
階段を登って2階へ。
廊下は、ロッジ風で木目が美しいですね。
今回宿泊するお部屋は2階の「うぐいす」でした。
24時間入浴できる、内湯の大浴室に最も近い部屋なのでうれしかったです。
【部屋】★★★★☆ 山の宿にしてはかなり設備が整っており、快適に過ごせる
お部屋は8畳の和室。全室トイレ付きです。
2人で泊まったときも同じ、8畳の和室でした。
ちなみに、冬の間は座卓がコタツになっており、あまりにも快適すぎてなかなかお風呂に向かえないという弊害がありました。。。
今回は5月でしたので寒いということはありませんが、窓のサッシは二重になっているので、すきま風などもまったく入ってくることはなく、冬でもとても暖かく快適でした。
ただ、暖房は完備ですが冷房はないので、真夏はもしかして、時間帯によっては暑いかもしれません。
山麓の温泉宿は、テレビがなかったり浴衣が別料金だったりと、旅館と山小屋の中間のようなサービスのところもよくあります。でも、高峰温泉の室内には、液晶テレビや金庫、電話など、温泉宿としての設備はしっかり整っており、山小屋っぽさはまったくなし。完全に旅館です。
テレビの右側に、非常灯までありました。まあ、値段も1泊2食付きで1万5千円とかなので、当然かもしれませんが。。。
ポットも、湯沸かし機能付きの電気ポットです。うれしい♪
ただし、室内に冷蔵庫はありません。自動販売機はありますので、冷たい飲み物は都度購入したほうが良いかと思います。
自動販売機のラインナップはこちら。市価よりはやや高いですが、山の宿の自販機という意味では、まあまあがんばっている値段ではないかと。
ちょっと高いですが、地ビールのオラホビールの缶が入っているのはいいいですね!
ちなみに、室内に置かれていた案内書きに、軽食や飲み物についての案内もありました。
昼食は12時からの提供だそうです。連泊の方向けでしょうか。
注文すれば、夜食も用意していただけるもよう。
室内にはちゃんとお茶セットもあります。お茶請けはクルミ饅頭でした。
浴衣とバスタオル、歯ブラシとフェイスタオルのセットも棚に入っています。
ちなみに、部屋に常備してあるアメニティは最小限のものですが、フロントに申し出れば「シャワーキャップ」「カミソリ」「使い捨てのヘアブラシ」「ヘアゴム」 「コットン」「綿棒」などがいただけるそうです。
トイレは、ドアを開けると自動的に点灯して便座の蓋が上がるという、最新式のもの。
洗面所はないということになっていますが、トイレに、水のみですが手が洗える小さな洗面台はあります。
室内に三面鏡もあったので、メイクも室内でOK。
顔を洗ったり歯を磨く際は、お湯も出る、混合栓の洗面所が各階にあります。
室内の隅にもランプがぶら下がっており、おお!!と思ったのですが。
こちらも、ガスや油を使う本気のランプではなく、白熱灯でしたw
まあ、ランプにしろ暖炉にしろ、本物は扱いが大変ですからね。。。
白熱灯のランプで「ランプの宿」と名乗って良いものか少々疑問ではありましたが、気分は味わえるので良いかなと。
高峰温泉は、夕食をいただいている間に布団を敷いていただけるのですが、部屋に戻るとこんな感じで、ランプの灯りのみになっていました。
灯りの強さの調節も簡単だし、雰囲気あっていいですよね。
高峰温泉は、自然観察会や星空観察会など、宿泊者が無料で参加できるイベントもいろいろ開催されています。
この日は「いつもいるわけではない」という大旦那がいらっしゃる日だったそうで「夕食後の大旦那のコーナーにぜひどうぞ」と言われたのですが、酔っぱらってすぐに寝てしまったので、もちろん行きませんでした。
私、宿の無料イベントとかぜんぜん参加しないんですよね。。。
Wi-Fiは使える?携帯の電波は入る?
高峰温泉は、客室でWi-Fiを使用することができます。
電波の強さはほどほど、というところでしょうか。概ね普通に使えるのですが、たまに速度が出なくて「あれ?」ということがある、という感じ。
私はdocomoユーザーですが、客室では携帯のLTE回線は使えず、3G回線のみ電波が入りました。速度はあまり出ないので、ときどき繋がりにくくなるとは言えWi-Fiが使えるのはありがたかったです。
ちなみに、フロントの周辺ではWi-Fiは利用できなかったのですが、LTE回線はつながりました。
朝方や深夜にちょっと、廊下の騒がしさが気になった
木造建築なので部屋の壁の薄さが気になるところですが、何度か泊まっていますけど「隣の部屋のテレビの音が気になる」みたいなことはこれまではなかったです。
ただ、これは宿泊客のマナーに委ねられるところでもありますが、深夜や早朝に廊下で大きな声で喋っているのが聞こえて、ちょっと気になりました。
24時間お風呂に入れるので、深夜にお風呂に行く人の声か、早朝から登山に出かける方がいたのかもしれませんが……若い方はあまり泊まらない宿なんですけど、案外おじいちゃん集団のほうが騒がしかったりするんですよね・笑
【風呂】★★★★☆ 24時間入れる内湯と絶景露天風呂。泉質もすばらしい
高峰温泉には「野天風呂」と、内湯が1階と2階に2箇所あり、合計3つのお風呂を楽しむことができます。
すべての浴室が男女別で用意されており、時間による浴室の交換はありません。
展望のすばらしい野天風呂は時間制限があり、悪天候時は入れないこともある
まずは、高峰温泉の名物とも言える、野天風呂についてレポートしたいと思います。
高峰温泉の内湯は、チェックインからチェックアウトまでの間いつでも入ることができますが、野天風呂は「チェックインから日没まで」と「朝は7時から」という時間制限があります。
1階の奥にある野天風呂の入り口のドアです。「野天風呂入れます」の札がかかっている時間帯は入れます。
ちなみに、雪が積もる冬の間は朝の入浴ができなかったと思います。冬は日没も早いですし、野天風呂を楽しみたいならなるべく早い時間帯にチェックインしたほうがよいですね。
また、野天風呂にはシャワーやカランなどの体を洗うための設備はないので、内湯で体を洗ってから行ったほうが良いです。
入り口のドアを開けるとすぐ脱衣所……ではなく、左手に籐のカゴが並べてあり、右手に椅子が置いてある小部屋です。
ここは何かと言うと、野天風呂の浴槽が狭いので、キャパオーバーを防ぐために人数の調節をする、言ってみれば待合所です。
カゴに赤い文字で「女」、黒い文字で「男」と書かれているのがわかりますでしょうか。
このカゴは脱衣カゴなんですが、ここにカゴが置いてあったら入れる、ということです。カゴを持って野天風呂に向かいます。
カゴがなければ野天風呂は人でいっぱい、ということなので、ここで待つことになります。
このときは時間が早かったためか、待っている人はいませんでしたが、冬は特に入れる時間も短いため、この部屋の中に人がたくさん並んでいることが多いです。
待合所でスリッパをサンダルに履き替えて外へ。
50メートルほど歩いていきますと……。
手前に女湯、奥に男湯があります。
チェックインした当日は雨がポツポツ降っていたので、脱衣カゴはビニールシートの下に入れておきます。
脱衣所のようなものはなく、これだけですので、なるべく脱ぎ着しやすい服で来たほうが良いですね。
雨が降っているので何も見えません。。。悲しい。。。
ちなみに、枡が置いてあり、湯口からは飲泉もできます。
湯口はこちらです。
高峰温泉の源泉は35度ぐらいなので、お湯は加温してあるそうです。
何も見えなくて悲しかったので、翌朝もう1回来てみました!
朝は7時から入れるとのこと。この時期は5時ぐらいにはもう明るくなっているので、もう少し早い時間から入れたらもっとありがたいのですが、管理上難しいのかな。
今度は期待できそうです!
遠くに雲海も見え、絶景を眺めつつ湯浴みを楽しめました。
本当は、夜明け直後ぐらいの時間帯に入れたら、雲海ももっときれいだと思うんですけどね……。まだ言うかって感じですけどもw
真冬の野天風呂
以前、1月と3月に来たときも野天風呂に入りました。
ちなみに、冬は積雪直後や悪天候時は、除雪が間に合わなかったり危険だったりで、野天風呂には入れない日も多いそうです。2回とも入れたのはラッキーでした。
待合所を出ると……雪が見えます。
雪の中を50メートル……。寒いです!
女湯へ!
湯気の出方がやはり、5月とちがいますねw
一度入ると出られなくなるのが難ではありますが、真冬の野天風呂も最高に気持ちよかったです。
でも、寒いし朝風呂できないし混んでるから、どちらかと言うと5月のほうが良かったかも。
2階の宿泊者専用の内湯は、24時間入浴可能
次に、2階の奥にある宿泊者専用の内湯に行ってみたいと思います。
同じ作りの浴室なので、時間による交換はありません。
脱衣所は棚が並んでいるだけのシンプルなもので、鍵のかかるロッカーなどはないので、貴重品は持ち込まないほうが良いですね。
ティッシュペーパーとドライヤーは置いてありますが、石けんなどは何もありません。
ドライヤーはちゃんと使えるものなのでありがたいです。
入ろうとすると浴室の扉にいろいろと貼り紙がしてありまして……。
「風呂場にはボディソープ、シャンプーが無い」
「蛇口から出る水とお湯は創生水なので石けんなしでもきれいになる」
「だから石けん類は使わないでください」
との注意書きがあります。
すばらしいお湯と絶景を楽しめる野天風呂を持つ高峰温泉の風呂に、★5つを付けることができないのはこれが理由です。
いや、山の宿で「環境保護のために石けんの使用を控えて」と言われることはたまにあるので、慣れてはいるんですけど、その代わりに「創生水」なるものの素晴らしさを説かれるのがなんか、納得いかないといいますか。。。
化粧も創生水だけで落とせるし、ひげそりも水だけで大丈夫ということなんですが……ちょっと信じられません。
ただ、チェックインの際に「石けん使わないでね」と言われるようなことはないですし、どのぐらい強制力があるものかは微妙ではありますが。。。山仲間L氏は見事に貼り紙を見落として、持参したシャンプーを普通に使っていたそうですし。
でも、気づいちゃうとね、見なかったふりはしにくいですからね。
浴室へ。
光のよく入る明るい浴室です。
シャワーの設備は新しく立派なものですが、たしかにボディシャンプーやシャンプーの類いは何も置かれていません。
ああもう、本沢温泉のようにいっそカランもなかったら諦めもつきやすいんですけどねw
こちらも飲用OKなので、枡が置いてありました。
浴槽は、右側の小さな浴槽が非加熱の源泉で38度。右側の加熱浴槽が40度で異なります。
心なしか、非加熱の源泉の浴槽のほうが濁りが濃く、青みがかって見えますね。
この38度の源泉が、いつまでも浸かっていられる感じで最高に気持ちがよいのです!
今回も堪能させていただきました。
ちなみに、この日は天気が微妙で外も真っ白でしたが、天気が良ければ浴室から山並みを眺めることができます。
日没の時間帯には、浴室から夕焼けが見えましたね。晴れていればね。
2階の浴室の前には飲泉所と休憩スペースがあります。
飲泉所。ちなみに高峰温泉の源泉はそんなに硫黄くさいわけではないのですが、飲むとかなり強く硫黄のにおいを感じます。
源泉はわりとぬるいです。
休憩スペースには山の本が置いてあるほか、ピッケルやキスリングなど古い山道具が飾ってありました。
こちらの休憩スペースの窓からは、朝焼けに染まる雲海がきれいに見えました。
浴室からも見えるのですが、どうしても窓が曇ってしまうので、休憩室の窓からのほうが写真が撮りやすかったです。
日帰り入浴も受け付けている1階の内湯 ランプの湯
最後に、1階のフロントの奥にある「ランプの湯」を紹介したいと思います。
こちらも男女別の内湯で、時間による交換はありません。
高峰温泉では午前11時から午後4時まで日帰り入浴を受け付けているのですが、日帰りで入れるのは、こちらの「ランプの湯」のみです。
脱衣所は、2階の浴室よりもだいぶこぢんまりとしています。
ドライヤーはPanasonicの、きちんと使えるものでした。
でも、もちろんこちらの浴室も石けん類不可なんですよね。。。
下山後の日帰り入浴でシャンプー使えないのはちょっと嫌だなw
浴室へ。 2階の浴室をぎゅっと小さくしたような感じで、作りは一緒です。
ただし、2階の浴槽とは温度が異なります。2階は「加温浴槽40度、非加熱浴槽38度」でしたが、1階は「加温浴槽41度、非加熱浴槽34度」と2つの浴槽の温度差がかなりあるのです。
実はこれがなかなかよくて、41度の浴槽で温まって熱くなってきたら34度のほうに入る、というように交互に入ると、痺れるような気持ち良さを感じられるのです。
ランプの湯にもシャワーはありますが、石けん類はありません。
源泉の使用状況が書かれていました。
小さい浴槽はかけ流しですが、左の大きい浴槽は循環とかけ流し併用とのこと。
泉質は、含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉。
泉温は35.6度で、phは7.0の中性でした。
お肌に優しいお湯ですね。
創生水についての件だけはどうしても、気持ちがもやっとしてしまうのですが、そのことを抜きにすれば文句のつけようのない、すばらしいお湯と浴室だと思います。
【食事】★★★★ 派手さはないが、夕食も朝食も十分においしい
食事は、夕食・朝食共に2階の食堂でいただきます。
夕食は全員18時からで固定ですので、時間になったら食堂に向かいます。
高峰温泉のドリンクメニュー
高峰温泉のドリンクメニューで最も特徴的なのは、生ビールがオラホビールの「ゴールデンエール」だということではないでしょうか。
旅館だと、一杯目から日本酒を飲むことも多い私ですが、今回は、まずはオラホをいただきますよ!
ビール以外にも日本酒、焼酎、ワイン、果実酒など、それぞれの種類は多くないものの一通り揃っているので、どんなお酒が好きな人でも大抵は大丈夫でしょう。
秘湯の宿限定の赤ワインなんてあるんですね!
そう言えば、オラホがあるからいいのですけど「秘湯ビール」は置いてないんですね。
果実酒は、かなりこだわって作られているようで、壁際にたくさん並べてありました。
2017年5月に宿泊した際の夕食
まずはオラホの生ビールをグラスでいただきます!
爽やかで飲みやすい!
少し飲んでから気づいたんですが、グラスにオラホビールのロゴが入っていました。
かわいいから、ロゴが見える方向に置いてくれたらよかったのにw
本日のお品書きはこちら。
席に着いたときに並べてあったのはこちらのお料理。
揚げ物や煮物、お蕎麦なんかは後から持ってきてくれます。
食前酒は自家製のカリン酒。
山ウドのきんぴら、セリのお浸し、ごま豆腐。
上にある酢の物は鰻ざくです。
お刺身は刺身こんにゃく。高峰温泉の定番ですね。これまで3回とも刺身こんにゃくが出ました。
手前に見えるのは「信州豚の唐板焼き」
陶板で焼いてからいただきます。
こんな感じ!
シンプルな料理ですが、付け合わせの夏野菜も瑞々しくておいしかったです。
このあたりでビールがなくなったので、冷酒をいただきます。
純米生酒の献寿を一合。
焼き物は鮎の塩焼きです。
はらわたまでおいしくいただきます。
煮物は、後から熱々のものを持ってきていただきました。
鯉と春大根の煮物です。
鯉が出てくるところが長野らしくていいですねー。
天ぷらも熱々のものを。
ヨモギ、たんぽぽ、タラの芽、ウド。
たんぽぽの天ぷらは初めていただきます。
ほろ苦くておいしかったです!
5月に山の宿に泊まると、山菜の天ぷらがいただけるのが良いですねー。
お凌ぎの椀蕎麦。
蕎麦の上に乗っているのはネギではなく、タラの芽を刻んだものだそうです。
季節感があってよいですね。
最後に、ご飯とお味噌汁と野沢菜。
デザートに豆乳プリンをいただいて、ごちそうさまでした!
デザートまできちんと手がかかっていて、すばらしかったです。
2015年1月に宿泊した際の夕食
次に、前回、2015年の1月に宿泊した際の夕食を、すべての料理の写真は撮っていないのですが、紹介したいと思います。
お品書きはこちら。
このときの食前酒は 「朝鮮五味子(チョウセンゴミシ)」
漢方薬に使われたりする、赤い実だそうです。
お刺身はやはりこんにゃく。
ワカサギの南蛮漬け、焼き長芋と季節野菜のお浸し、大根の香草焼き。
このときは2人で泊まったので、鍋料理は2人分が1つの鍋に入ってきました。
岩魚鍋。岩魚鍋って初めて食べた気がします。岩魚の出汁が出たスープがとてもおいしくて、汁も飲み干した記憶があります。(主に山仲間L氏が)
鯉の餡かけ。
甘めの餡がかかっているので、ややクセのある鯉もおいしくいただけます。
天ぷらは冬なので「セロリ」「レンコン」「サツマイモ」「長芋」
こちらも2人前が一盛りになっていました。長芋の天ぷらがおいしかった!
煮物は白菜のけんちん煮。
上品な味付け。手がかかっているのがわかる味。
なんと、酢の物が寿司でした。
こちらも2人前。鮭と鯉の紅白寿司。
デザートは苺のババロアでした。
実は、初めて宿泊した2013年の3月は「一泊1万5千円以上するわりには食事がいまいち……」と思った記憶があったのですが、2015年に泊まった際には「前回より食事がすごく良くなった!」と思ったのです。そして今回も2015年のときと同様に、おいしい食事でした。
ただ、量的にはやや控えめというか、若い男性なんかだと足りないかもしれません。
夜食に暖炉で炙った五平餅をいただける
高峰温泉では、夜8時ごろになるとフロントの暖炉の前のスペースで夜食が振る舞われます。
五平餅です!
五平餅は、潰したご飯を串焼きにして、味噌をつけていただく、中部地方の郷土料理です。
こんな感じで、 串焼きのご飯が皿に並んでいます。
先に餅を軽く焼いてから、山椒味噌を少しつけて、もう一度暖炉で焼いてからいただく、とのこと。
暖炉の炎は、常に一定の強さで燃えているので、わりと炙りやすかったです。
おいしくいただきました。
実を言うと、今回、部屋に戻ったら夜食の時間を待たずにすぐ寝てしまい「惜しいことをした……」と思っていたのですが、早朝5時ぐらいに暖炉に行ってみたらまだ置いてありました。
夜通し置いてあるんですね。ありがたいことです。。。
2017年5月に宿泊した際の朝食
朝食も、夕食と同じ食堂でいただきます。
基本は朝8時からということだったのですが「7時30分からでもご用意できます」ということだったので、7時30分でお願いしました。
8時からの方が多いみたいで、食堂は閑散としていました。
朝食は、卵焼き、鮭の味噌漬け焼き、ひじき、お浸し、野沢菜、梅干しなど、基本的なおかずが並びます。
あとはカボチャの煮浸しと焼き海苔、ご飯とお味噌汁。
シンプルな朝食ですが、野菜たっぷりで味付けが濃すぎず、おいしくいただきました。
旅館の朝食って塩辛いものが並ぶことが多いので「こんなに食べるつもりじゃなかったのに……」というぐらいご飯を食べてしまって後悔することがたまにありますw
高峰温泉の朝食は適量のご飯をおいしくいただける、すばらしい朝食でした。
2015年1月に宿泊した際の朝食
前回宿泊した際の朝食はこんな感じでした。
根菜の煮物、ほうれん草のお浸し、卵焼き、きんぴら、高野豆腐の煮物、焼き海苔、ご飯とお味噌汁。
このときは2人だったので、別の大きなお皿に野沢菜と梅干しもあったと思います。
品数は変わらないのですが、鮭の味噌漬け焼きがついている分、今回のほうが満足感がありました。
木まぐれ喫茶で軽食もいただける
高峰温泉の1階には「木まぐれ喫茶」という軽食コーナーがあります。
朝7時から夜9時30分まで営業しており、軽食コーナーのみの利用も可能です。木まぐれ……って「気まぐれ」とかけているんですよね、きっと。
メニューはこんな感じです。
お酒も、上の食堂でいただけるのとだいたい同じものがいただけます。
あとはお焼きやおはぎ、鯉どんぶり。
軽食コーナーにもいろいろ、果実酒が置いてありました。
ソーダ割りでいただける他「お好み3点セット1296円」なんていうのもありました。
私も、翌日黒斑山登山の後、バスを待つ間に立ち寄ったのですが、またオラホビールを飲んでしまいました。
オラホビールの生はなかなか飲めないので……おいしかったです!
木まぐれ喫茶の窓の外には鳥のえさが置いてあり、野鳥がえさをついばんでいるのを眺めつつ、まったりとビールをいただきました。
高峰温泉は、バスの始発停留所でもあるので、バスを待つ時間を過ごせるスペースがあるのはすばらしいですね。
21時半まで営業しているのですが、夜は各テーブルにキャンドルが灯され、素敵な雰囲気でした。
ちなみに、今回の宿泊では夕食後にすぐ寝てしまったので、この写真を撮影したのは2015年の1月です。。。
登山中の荷物預かり&登山後の入浴も可能です
以前1月と3月に宿泊した際は、チェックイン前に登山をして、下山後に宿泊したのですが、今回は天候の都合上、チェックアウト後に登山をする予定でした。なのでチェックアウト時にお願いして登山に必要のない荷物を預かっていただきました。
しかも、高峰温泉から黒斑山の登山口は、徒歩だと20~30分かかるのですが、登山口まで朝9時に送っていただけるとのこと!
当然歩いていくつもりだったので、時間に余裕が出てかなりありがたかったです。戻ってきた後にゆっくりとお風呂に入る時間ができました。
ちなみに、高峰温泉は貴重品ロッカーは脱衣所にはなく、木まぐれ喫茶の手前あたりにありますので、お財布などはお風呂に向かう前にあらかじめ預けていったほうが良いですね。
ロッカーはダイヤル式で無料ですので。
ちなみに、通常の日帰り入浴だと、小浴室の「ランプの湯」しか入れないのですが、宿泊者が登山後に立ち寄る際は、どの浴室を使ってもOKとのこと!ありがたく、広いほうの2階の内湯を使わせてもらいました。
それと、帰りのバスが着いたときに、宿の方がバスの中まで荷物を運んでくれて、なんか感動しました。ありがとうございました!
【再訪したい度】★★★★☆ 登山の前後泊で利用するには最高の宿だと思う
食事もおいしいし、部屋もきれいだし、温泉もすばらしい。サービスも良い。
料金は2人泊なら1人15000円、税込みで16200円です。山の宿としてはやや高めですが、設備やサービスを考えたら納得感があると思います。3回泊まっていますが、1回目より2回目のほうが良い印象だったところもすばらしいなと。
滞在中に、部屋にあった冊子か何かで読んだのですが、高峰温泉は3人(5人だったかも)から同じ苦情や要望があったら改善する、という風に取り組んでいるんだそうです。たしかに1人2人だと「単なるワガママなお客さん」という可能性がありますが、同じ要望が3つあったら、それは取り入れたほうが良い意見なのかもしれませんね。
ただ私、高峰温泉がこだわっている「創生水があるから大丈夫!石けん使わないで」というポイントにだけは、何度来ても馴染めないのですが、これについてはこれまで、3人以上から要望はなかったんでしょうかね。。。
いっそ、創生水が!とか言わないで「山の宿だから自然保護のために石けん使うな」だけにしてくれたらすっきりするような気がするのですが、創生水でググってもいい話がぜんぜん出てこないので、なんかうさんくさく思えてしまうんですよね。。。
それ以外はクオリティの高い宿だと思うので、本当は彼氏とかキャバ嬢とか連れていきたいんですけど、シャンプー使えないって言ったら絶対嫌がられるから、山仲間としか行けないのでした。
でもまあ、シャンプー使えなくてもこんなに繁盛している宿なのだから、これ以上お客を増やす必要はそもそもないのかもしれませんね。