温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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サンライズ出雲に乗って島根県の温泉へ!温泉と酒食だけをひたすら楽しんだ一人旅のきろく

寝台特急「サンライズ」に、一度は乗ってみたくて計画した2泊4日の温泉旅

2022年現在、定期運行している唯一の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」。

実は寝台特急というものにこれまで1度も乗ったことがなく、いつかは乗ってみたいと思い続けていました。

寝台特急サンライズは、東京駅を21時50分に出発し、途中岡山駅で連結を切り離して、高松行きの「サンライズ瀬戸」と、出雲市行きの「サンライズ出雲」に分かれます。

今回は「サンライズ出雲」に乗って島根県に向かい、2ヶ所の温泉地に泊まる旅を計画しました。宿泊した宿については既にレポートを公開していますが、旅の始まりから終わりまでをひとつながりの旅行記として書いてみたいと思います。

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一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

金曜日の夜、仕事後に東京駅へ。21時50分発のサンライズ出雲に乗車

梅雨の真っ最中の6月の金曜日。
仕事を定時で終え、自宅でシャワーを浴びてから、旅の荷物を詰めたリュックを背負って東京駅へ向かいました。

サンライズ号は車内にシャワーの設備もあり、車内にある自動販売機でシャワーカード(330円)を買うと利用できます。ただしお湯が出る時間は6分間で、頭を洗ったりは厳しそうなのでお風呂は家で入っていくことにしました。

e5489で予約していた切符を東海道新幹線の指定席券売機で受け取り

「サンライズ出雲・瀬戸」の切符は、乗車日の1ヶ月前の午前10時から「みどりの窓口」もしくは「JRおでかけネット」で予約可能です。

サンライズ瀬戸・出雲 予約:JRおでかけネット

みどりの窓口に行ったほうが、席の位置などを指定できて良いそうですが、予約開始日の10時ちょうどにみどりの窓口に出向くのも、勤め人にはなかなか難しいことです。

私は、予約開始日の10時5分頃に、移動中の電車の中でスマホから予約をしたのですが、定員1名の寝台個室はほぼ満席となっており、ギリギリ取れたのが「シングル 喫煙」でした。もちろん禁煙個室を希望していたのですが……無念です。

予約した切符は、乗車までに「東海道新幹線の指定席券売機」で発券する必要があります。

乗車日当日、20時30分ごろ東京駅に着き、まずは切符を発券して改札内に入って駅弁やお酒を小一時間物色してから乗車ホームへ向かいます。

特急踊り子号などと同じ9番線から、21時50分に発車予定です。

21時25分、サンライズ号が入線。みんな写真を撮ってました。人気だなあ。

連結している「サンライズ瀬戸」の終点は高松駅なんですが、金・土・休前日と夏休みなどの多客期は琴平駅まで延長運転しているんだそうです。

Wikipediaを見たら、2009年8月までは、多客期に松山駅まで延長運転していたこともあったそうです。いいなあ、松山に行けるんだったらこちらも乗ってみたかったですね。

2009年、13年前か。
その頃なら、松山まで行けたとしても、安いし夜行バスのほうがいいやと思ってしまったよねえ。実際松山に夜行バスで行ったこともあるし。

サンライズに乗ってみたい気持ちはずっと前からあったものの、なかなか踏み出せなかったのは「個室寝台を取るとまあまあの料金になってしまうこと」が大きかったのです。

東京ー出雲市間を寝台個室の「シングル」利用で乗車した場合
「運賃:12,210円」+「特急料金:3,300円」+「寝台料金:7,700円」
で、合計23,210円となります。

出雲は新幹線利用だと便の良くない場所ですが、日程があらかじめ決まっているなら早めに飛行機を予約したほうが安いことが多く、また、夜行バス利用なら寝心地は悪くても早朝に現地に着くことができて、しかも安い。
それに比べるとサンライズは、特に週末はものすごい人気で予約がなかなか取れないのに値段は高い、となると、なかなか予約に踏み切れませんでした。

しかし、コロナ禍以降「個室」であることのアドバンテージが、以前よりずっと強まったように思います。

完全に個室で、真っ平らになって寝ているうちに現地に着けるなら、夜行バスや飛行機より高くついたとしてもアリなのでは?と。

こちらが岡山駅で切り離される連結部分です。

今回、ギリギリ予約できたのが1階の個室だったのですが……なるほど、1階個室は外からこんな風に見えるんですね。入ったらカーテン閉めないとちょっと恥ずかしいな。

2階建て車両の1階部分にある個室です。

廊下は狭いです。
各部屋には自分で暗証番号を決めて鍵をかけることができます。

サンライズには「ノビノビ座席」という個室ではない席もあるのですが、隣にどんな人が来るかわからないですし、寝ている間の荷物の管理にも不安がありますよね。鍵のかかる個室はありがたいものです。

こちらが予約していた「シングル」のお部屋。

テーブルがあり、使い捨てのコップが置いてありました。描け布団が1枚と、枕と、ビジネスホテルによくあるストライプの寝間着。

足元にはスリッパとゴミ袋。

ハンガーが1つあり、寒い季節に上着を掛けられるのもいいですね。

また、敷き布団のサイドにちょっとだけ隙間があり、荷物を置くことができます。
サンライズには「ソロ」という、シングルよりも1100円安く乗れる個室もあるのですが、ソロには「テーブル」と、敷き布団の橫の隙間のスペースがないのだそう。

今回「喫煙のシングル」しか取れなかったんですけど、もし「禁煙のソロ」のが空いていたらそっちを選んだと思います。しかし、ソロのお部屋でテーブルがないと、お酒を飲んだりお弁当を食べたりするのはちょっと不便ですね。

煙草の匂いは乗車前から警戒していて、評判の良かったこちらの消臭剤を買って、小さなスプレーに詰め替えて持ち込みました。

レビューの高評価どおり、入室時に気になった煙草の臭いは、これでかなり軽減されました。ファブリーズだと無香性でもファブリーズ自体の香りが気になってしまうんですけど、こちらは大丈夫。禁煙じゃない宿でたまに煙草臭が気になってしまうことがあるし、普段の旅でも持ち歩こうかな。

カーテンを閉めてしまう前に窓から外を眺めます。目線が完全にホームと同じ高さだ。

同じホームの反対側の車線には通勤電車が入ってくるので、日常と非日常が入り交じっている感じがなんだかちょっといいな。

カーテンを閉めて、遅めの夕食と晩酌の準備を始めます。

車内ではビールと日本酒と穴子寿司

21時50分、定刻通りに出発し、列車はビル街の中を走り抜けて行きます。

次の停車駅は横浜駅。
しかし、それまでの間におそらく検札が来るでしょう……。お酒を飲んでいるところにノックされると、びっくりしてコップを倒したりしてしまいそうなので、検札が来るまでしばし我慢。

10分ほどで検札が来ました。お酒を前にして待つ時間は長く感じられましたね……。

「特急券・B寝台券」は久々に見る長いタイプの切符。ちなみに、下車した出雲市駅は自動改札なんですが、この長い切符は自動改札機を通らないので「乗車券だけ入れてください」と言われて寝台券は手元に残りました。
そのときは「記念に取っておこうかな」なんて思ったのに、気がついたらどこかに行ってしまいましたね……。

そしてようやくの晩酌タイム。

いつもは「駅弁屋祭」で駅弁を買うのですが、金曜日の20時30分という時間にはもうめぼしい弁当がなく、駅ナカにあるグランスタの惣菜売り場で買った肉系の惣菜とサラダのセット。そして、この惣菜セットに何となく合うかな?と考えて、はせがわ酒店で買った平和クラフトのサワーエール。

このサワーエールが当たりでした。平和クラフト、日本酒の「紀土」などを醸造している和歌山県の平和酒造のクラフトビールブランドだそうですが、和歌山県の南高梅を使用していて、ほんのり梅の風味が感じられる酸味のあるビールです。そしてこのほのかな酸味が肉に合う。

酒造の公式サイトに平和クラフトの紹介がないのですが、こちらの記事を読んだら他の種類も試してみたくなりました。柚子ピールの入ったホワイトエール、飲んでみたい。

そして日本酒。惣菜セットだけだと前菜ぽいかなと思い、朝食用を兼ねて買ったあなご鮨。賞味期限が翌日の昼までと長かったのです。

グランスタのはせがわ酒店は、電車内で飲むことを想定してか、1合の小瓶の日本酒もかなり揃っています。その中から山形正宗の純米吟醸、1合瓶を。

穴子鮨は鰻のようにかば焼きにされていて、濃い目の味付けですが辛口の日本酒に合います。

山形正宗を飲みながら穴子鮨をつまみ、あとは飲みながらiPadminiで動画を見ていました。YouTubeとかはあまり見ない人なんですが、あらかじめダウンロードしていたドラマの配信を視聴。

読書だと、集中して見ないといけないので目が疲れそうだなと思い。

1時間ぐらいそうしていたら眠くなったので、歯を磨いて寝間着に着替えておやすみなさい。

土曜日、出雲から温泉津温泉へ向かい「のがわや旅館」に宿泊

6時過ぎに間もなく岡山駅に到着する、というアナウンスで目が覚め、停車したところでホームを見ると……。

足早にホームを駆け抜けていく人たちが見えました。連結の切り離し作業を見に行くのでしょう。
ちょっと気になったけれど、そこまで興味はないのでカーテンを閉めてまた寝ます。
岡山の後、サンライズ出雲は倉敷や米子などに順次停車し、その度にアナウンスが入るのですが、ずっと寝ていました。朝は眠いのです……。

米子駅停車が9時3分なんですよね。もうちょっと早ければ下車して伯耆大山登山に使えるのになあと思ったりしつつ。終点下車なので乗り過ごす心配がないのでゆっくり寝れます。

「間もなく終点出雲市駅」のアナウンスに身支度を始めると、列車は川を渡っていました。

斐伊川(ひのかわ)という川だそうです。しかし、梅雨のはずなのに良い天気になりましたね。

9時58分。定刻通りに出雲市駅に到着です。ああよく寝た。夜中に何度か目を覚ましましたけど、夜行バスを下りたときのような体のダルさはなく、すっきり爽快です!

現地に着くのが10時というのもちょうど良くていいですね。朝5時とか7時とかで着いてしまうと、当然眠いし、空いている店も少なくて時間を潰す場所に困ることが多いので。

コロナ禍前、早朝到着の夜行バスを利用したときは、ターミナル駅なら24時間営業のマクドナルドや牛丼屋、ファミレスなどに入り、そこまで大きな駅でなければコンビニのイートインコーナーで朝食を食べたりしていました。

しかし、24時間営業のファミレスも今やほぼ消滅し、コンビニのイートインもコロナ禍以降止めてしまったところが多いので、早朝着だと本当に困ってしまいそうです。しかし10時到着なら、営業しているお店も多いでしょう。とりあえず、出雲市駅周辺でコーヒーを飲みに行くことにします。

JR出雲市駅から徒歩5分、Cafe naka蔵でフレンチトーストモーニング

お昼過ぎに出雲市駅から電車で移動予定なので、2時間ほど時間があります。

コーヒーを飲んでゆったり過ごせるカフェでもあれば……と思い、ちょっと調べてモーニングをやっている、駅から徒歩5分のカフェに行ってみることにしました。

カフェに向かう途中、なんだか気になる建物の前を通り過ぎます。

「出雲ブルワリー」なるクラフトビールの醸造所と、その直営ビアスタンドのようです。

日曜と月曜が定休日で、営業時間は「火~木:14時~18時、金:14時~21時30分、土:17時~21時30分」とのこと。ちょっと営業時間的に、旅行客が行くにはハードルが高そうですが。

目当てのカフェは、出雲ブルーイングを通り過ぎた次の角を右に曲がった少し先にあります。

「Cafe naka蔵(カフェ ナカクラ)」という、文字通り蔵の中にあるお店です。

蔵っぽい建物が見えてきました。

私のすぐ前に2名の女性客がいたのですが、店内に入ると「予約をしていた○○です」と名前を告げていて「え……朝10時30分から予約が要るの?」と驚きました。後からよく調べたら、モーニングが人気のお店で、休日は予約しないと入れないことも多いんだそうです。

予約なしで入れるか不安になったものに、幸いカウンターには空席があり、すぐに案内していただけました。

テーブル席はほぼ空席がなく、たしかに人気のお店のようです。

こちらメニューです。と手渡されたのがこちら。

サラダ・ドリンク付きで1000円前後とはまあまあいいお値段よね……と思いつつ、フレンチトーストとホットコーヒーを注文したところ……なんだかすごいボリュームのプレートが来ました。

メニュー写真ではカットされている野菜の部分がめちゃくちゃ多い・笑
紫キャベツや蓮根、さつまいも、新じゃが、ラディッシュなど色とりどりの野菜が使われていて、これにコーヒーで1100円なら安いような気もします。

少し後に来たコーヒーは深煎りでフレンチトーストによく合うおいしいコーヒーでした。

ただ、仕切りのないプレート上にサラダとフレンチトーストが一緒に載せられているのでやや食べにくさはありましたが。

あまりよく調べないで来たのに、予約必須と言われている人気のお店にスッと入れてラッキー!だったのですが、あまりにも人気なので長居しづらく、食べ終えたらすぐ店を出ることに。

お店を出た時点で電車の時間までまだ1時間以上あったので、駅併設の食堂のようなお店でコーヒーを飲みつつ、ブログを書いて過ごします。

出雲から山陰本線で温泉津温泉へ

出雲市駅を12時18分に出る山陰本線に乗り、本日宿泊する温泉津温泉に向かいます。

電車は一両編成で、そこそこ混んでいました。土曜日ということで観光客らしき人もちらほら。

山陰本線は海沿いを走る区間も多く、時折車窓から海を眺めることができます。

1時間少々の乗車で、電車は13時36分に温泉津駅に到着。

温泉津駅で下りたのは私を含め3人でした。
温泉津温泉は、石見銀山と一緒に世界文化遺産にも指定されている観光地のはずなのですが、土曜日の昼に駅に下りる人がこの人数というのはちょっと、心配になったり。

電車を使う人がいないのか、そもそも温泉津温泉が静かな温泉地なのか。
駅から温泉津温泉街までは10分ほどなので、歩いていきました。

海がとてもきれいで、暑いけれどこのときばかりは「晴れて良かった!」と思いました。今回まったく登山を絡めない旅の計画だったので、あまりにもいい天気だと
「やっぱり皆生温泉に泊まって大山に登る計画のほうが良かったか?」
などと、考えてしまうんですよね……。

でも、海の近くは天気がいいほうがいいですね。うん。(自分に言い聞かせている)

温泉津温泉街は、瓦屋根の建物が立ち並ぶ、雰囲気ある温泉街です。

1階がコインランドリーになっているこちらの建物は、自炊設備を併設したドミトリーだそう。温泉津温泉には昔ながらの旅館のほか、古民家をリノベーションしたゲストハウスが複数あります。おそらく、コロナ禍前は外国人観光客の利用が多かったのではないでしょうか。

温泉街を歩く人も少なく、ほとんど誰ともすれ違うことなく、温泉街の中心にある外湯の「薬師湯」まで来ました。

薬師湯に立ち寄り、震湯カフェ 内蔵丞で風呂上がりのアイスコーヒー

温泉津温泉街には「薬師湯」と「元湯」という外湯があります。

2つの外湯はほんの30メートルほどしか離れていませんが、元湯のほうが古くからある源泉で、薬師湯は明治5年の浜田地震がきっかけで湧出した、新しい源泉なのだそうです。地震で湧き出た温泉のため、薬師湯は「震湯」と呼ばれることもあるそうです。新しい源泉ということで「新湯」という意味もあるのかもしれないですね。

薬師湯のほうが湧出量が多いため、温泉津温泉の旅館では薬師湯の源泉を引いていることが多く、本日宿泊する宿も薬師湯源泉です。

それならば異なる源泉の元湯に入っておいたほうがいいのかもしれませんが……「元湯はめちゃくちゃ熱い!」という評判を聞いて熱湯が苦手な私はひるんでしまい、薬師湯に入ることにしました。元湯は、いつか寒い時期に来たら入ろう……。

温泉街は閑散としていましたが、薬師湯はかなり人気で、感染症対策のために浴室の利用人数を制限しているため、待ち時間が発生することもあるようでした。私は受付後すぐに入れたのですが、そこでちょうど人数ギリギリだったらしく、その後に入った人は「少しお待ちいただく」と言われていましたね。

温泉津温泉薬師湯 公式サイトより

浴室は中央に浴槽が1つあるシンプルな作りですが、独特の雰囲気がありました。
広くはありませんが人数制限のおかげで混雑を感じることもなく。お湯は42度ほどで熱めではありますが、熱い湯が苦手な私でもギリギリ浸かれる温度です。浴槽の周りには源泉の湧出物が大量にこびりついており、建物の裏から自噴しているというだけあって新鮮さが感じられるすばらしいお湯でした。

お風呂から上がると「ぜひ、上の階に行かれて休憩なさってください」と言われて2階へ。

2階には貸切風呂があるのですが、休憩できるスペースがあり、椅子とテーブルが並べてありました。

さらに上の階に行ってみると……最上階にコーヒーマシンが置いてあり、館内では無料でいただけるとのこと。

ここでサンダルに履き替えて屋上に出ることもできます。

屋上に出てみると、温泉津温泉街の特徴である瓦屋根の建物を一望できる、なかなかの眺めです。しかし、ここでのんびりするにも淹れたてのコーヒーを飲むにも今日は暑すぎます……日差しで溶けそう。

写真だけ撮って早々に立ち去ってしまいましたが、春や秋なら風呂上がりのコーヒーが気持ちよくいただけそうですね。

踊り場にもちょっとしたディスプレイがされており、古い建物ですが清掃もしっかり。古さを活かして見栄えを良くしているのがすばらしいなと。

これでお湯もいいのですから、人気があるわけですよね。
入浴料金は共同の浴室が500円で、貸切湯が1人800円。別館にあるという広めの貸切湯は1人1200円だそう。貸切湯の予約もかなり詰まっているようでしたが、私も次回は利用してみたくなりました。

チェックイン可能となる15時までまだ少し時間があったので、何か冷たいものが飲みたくて、隣にある「震湯カフェ内蔵丞(くらのじょう)」に入ることにしました。

実はこちらのカフェ「元・薬師湯」だった建物をカフェとして活用しているのだそうです。

現在の薬師湯もそこそこ年季の入った建物ですが、こちらに比べたらぜんぜん新しいですね。

お店の前に掲示してあったメニューがこちら。

なんだか凝ったスイーツが揃っていますね。雑穀や糀など、美容を意識した女性向けのメニューも多いようです。

本日のおすすめメニュー。華麗なるシフォンケーキ……。気になるけれど、宿の夕食が入らなくなるから重いものは食べれないな……。

館内は床から天井から調度品から、ヨーロッパ風?のアンティークなスタイルで統一されており、女子が喜んで写真を撮りまくりそうな雰囲気。

重厚な雰囲気の天井とまん丸な照明。

しかし、入店した際は奥のほうの席が満席だったようで「こちらの席でもよろしいでしょうか……?」と遠慮がちに聞かれ、入口近くの2人掛けの席に案内されました。
こちらの席は、奥の席とは雰囲気が異なります。

なんだかこちら側はテーブルも椅子も雰囲気がバラバラで、急に田舎の喫茶店っぽい感じに……なぜなのか。

ホームページを確認すると「建物の向かって左側がカフェ、右側がギャラリー」と書かれており、こちら側はもともとギャラリースペースだった場所のようです。
カフェスペースと比べると席も狭めで座り心地が悪く(入口の目の前ですしね)すぐ近くの席ではお店の関係者らしき人たちが10数名ほどで集まって談笑されており、いろんな意味で居心地が悪いです……。

すぐに出そうな冷たい物でも飲んで宿に向かおう!と思い、アイスコーヒーをオーダー。

マドラースプーンもなんだか凝ったデザインだし、アイスコーヒーは「氷もコーヒーなので薄まらずゆっくり楽しんでいただけます」とのことで、こだわりが、すごいことが、感じられる。
しかし、このコーヒーが、とても苦いのです。そして氷もコーヒーなので一向に味が薄くならず、ずっと苦い。ミルクを入れても苦い・笑

なんだか、私とは相性の悪い店のようだわ……と、半分ぐらい飲んでお会計することに。アイスコーヒーを飲んでいる間に奥の席にいたお客さんはどんどん帰っていき、会計時にはカフェスペースもかなり空いていました。本当に、タイミングが悪かったようです……。居心地良い席に座っていたら、印象も違ったかもしれないのですが。

宿に向かう途中にカフェがあるのを見つけました。金・土曜日の夜はスナック、土日の昼にカフェ営業をしている新しいお店のようです。

外に出ていたメニューを見ると……カフェ営業中も地ビールの提供があるじゃないですか……こっちに入れば良かった!

何となくわかっていたことではありますが、私、インスタ映えを求める女子が大好きそうなお店とは、相性が良くないみたいです……。

のがわや旅館にチェックイン、そして温泉津ビール

アイスコーヒーを飲んでいる間に15時を回ったので、本日のお宿「のがわや旅館」にチェックイン。

大正期に建築された建物が基になっているとのことですが、しっかりと修繕を重ねられているようで、外観も内装もとてもきれいなお宿でした。Wi-Fiも完備でお部屋もとても快適。

コロナ禍以降、すべての浴室を貸切で利用することになったそうで、広々とした浴室を1人で使えてありがたい限りです。

源泉浴槽は小さめですが、薬師湯から引いた源泉をかけ流しで提供しています。コンパクトな浴槽なので、すべて貸切利用になって良かったのかもしれません。

お風呂上がりには、チェックイン前に通りかかったお店のメニューで気になった「温泉津ビール」を注文して、夕食前にお部屋でいただくことに。

「ゆのつみかん」を使用したビールだそうで、ほんのりと柑橘系の香りがして苦みは少なめ。お風呂上がりの水分が抜けた体にちょうどいい、軽めのビールでした。

夕食は部屋食です。
会員しか購入できないという限定酒「亀五郎」をグラスでいただきつつ、山陰の魚介をめいっぱい楽しむことができました。

のがわや旅館についての詳細は、こちらの宿泊レポートに詳しく書いています。

日曜日、温泉津から出雲市を経由して玉造温泉「湯元玉井館」へ宿泊

朝5時30分に起床し、6時から予約していた「石風呂」へ。
温泉宿に泊まると、特に苦痛なく早起きできるのはなぜなんでしょうね。

朝は気温も低めなので、ぴりっと熱い源泉を気持ちよく楽しめました。

朝食は食事処でいただきます。

温泉津の名物だという「海苔汁」をはじめ、朝から海の幸が盛りだくさんに並びます。

烏賊素麺も!甘みがあり、肉厚なイカのお刺身に、朝から日本酒が飲みたくなりました。

のがわや旅館をチェックアウト後、出雲でプリンを食べつつ執筆

9時30分ごろにのがわや旅館をチェックアウト。宿の車で駅まで送っていただきました。今日もいい天気です。

9時57分温泉津発の山陰本線に1時間少々乗り、11時8分に出雲市駅に戻ってきました。
この日は玉造温泉に宿泊予定で、チェックインが16時からの宿なので14時50分の電車に乗ればよく、4時間近く空き時間があります。

行こうと思えば出雲大社にも行けますし、玉造温泉に早めに行くとか、松江あたりに行くとか、選択肢はいろいろあるのですが……観光に興味がないもので、出雲市駅から徒歩圏内で居心地が良さそうなカフェを探すことにしました。

温泉津まで行ったのだし、それこそ石見銀山もあったはずなんですけど、完全にスルーして出雲に戻って来ちゃいましたもんね……。

実を言うと、出雲大社の近くにある「島根ワイナリー」なる施設に行くことも、少し考えていたんです。

以前1度行ったことがあるのですが、醸造所を見学できて10種類ほどのワインを無料で試飲できたり、しまね和牛とワインを楽しめるレストランがあったり、とても楽しいところで、すごく気に入りまして。

なのでお腹に余裕があれば島根ワイナリーに……と思っていたのですが、出雲市駅に着いた時点であんまりお腹が空いていなかったので、ここで飲み食いしたら宿の夕食が入らなくなるなあと思い、今回はやめました。

今日も食事がおいしい宿に泊まるので、お腹を空かせておかなくては……ということで、コーヒーメインで長居できそうなカフェを探して、向かうことにします。

出雲市駅から徒歩7分の場所にある「オトナキチコーヒー」。

1階はカフェ、2階には1時間220円で利用できるコワーキングスペースを備えているとのこと。ちょっと片付けておきたい原稿があったので、ちょうど良いなと。

ソフトクリームやスイーツメニューもあるようです。コーヒーと、ちょっとした甘いものぐらいはいただいてもいいな。

とりあえず1階のカフェに入って注文します。

固めプリンとコーヒーのセット、990円。
プリンは低温で2時間じっくり炊き上げたものだそうで、固めで味も濃く、コーヒーに合います。コーヒーも数種類の豆から好みのものを選べるのがうれしい。

窓際の席でしばらくPC作業をしつつコーヒーを飲み、カフェが混んできたら2階を利用させてもらおうと思っていましたが、そこまで混み合わず。結局コーヒーをおかわりして、ずっとカフェで執筆しておりました。

居心地の良いカフェで、開店してから日は浅いようですが、長く営業を続けてほしいお店だなと思いました。次回出雲に来たらまた立ち寄りたいです。

玉造温泉駅から歩いて温泉街へ移動、長谷川博己さんゆかりの宿を探す

14時50分に出雲市駅を出る山陰本線米子行きに乗り、15時30分に玉造温泉駅で下車しました。

玉造温泉駅から温泉街までは歩くと30分近くかかるので、宿の送迎車やバス、タクシーなどを利用される方が多いと思います。

ですが本日宿泊する宿は送迎サービスを行っておらず、チェックインできる時間までちょうど30分あります。天気もいいので歩いていくことにしました。

天気が良すぎて、ものすごく暑かったですが……まだ6月とは思えないですね……。
川沿いの道を20分ほど歩くと、温泉街に入っていきます。

玉造温泉は昨今「縁結び」と「美肌」という女子向けのキーワードを強く打ち出しているようで、女性向けの写真撮影スポットが橋の上にしつらえてありました。
しかしこの「オカリナのお化け」みたいな白いオブジェはいったい、何のモチーフなんでしょうか……。

「玉造」という地名は勾玉に由来するものだと聞きましたが、勾玉モチーフのオブジェがあちこちにあって驚いたり。
あまり観光地的な温泉に足を運ばないのですべてが珍しく、ちょっと場違いなところに来てしまったような気持ちもしつつ歩を進め、いよいよ、宿泊する宿が近づいてきました。

ところで、私は俳優の長谷川博己さんのファンなのですが、少し前にNHKのファミリーヒストリーで、長谷川さんの父方のご先祖がかつて玉造温泉で「湯之助」という役職に就かれていたことが紹介されていました。長谷川さんのお父さんは玉造温泉の歴史ある旅館のご子息で、この地で生まれ育ったんだそうです。

ファンとしてせめてその宿だけは見て帰らなければ……と思っていたのですが、探さなくてもすぐわかりました。本日宿泊予定の宿の真向かいにあったこちらの宿です。

「保性館」という宿で、現在は経営は別の会社が行っているそうですが、番組内でこの宿の外観が映ったときに長谷川さんが「ああ、ぜんぜん変わっていない、懐かしい」と呟かれていました。

その他にも「長楽園」と「長生閣」という宿も、長谷川さんの親戚筋が経営されていた旅館である、と紹介されていたのですが。

左が長楽園で右が長生閣。いずれも大型の旅館です。

今回私が宿泊する宿は「長楽園」と「長生閣」の間に挟まれ、そして「保性館」の真向かいにある、湯元玉井館という全6室の小さなお宿。

玉造温泉は大きな旅館・ホテルが多いのですが、一人旅では小さな宿のほうが落ち着いて過ごせることが多いですから。

こちらがその湯元玉井館。宿の佇まいが先にご紹介した3軒とぜんぜん違いますね・笑

16時になりましたので、チェックインしたいと思います。

湯元玉井館にチェックイン!一番搾りの生ビール飲み放題に感激!

湯元玉井館は、宿の庭から湧出する自家源泉持っている宿です。

浴室はすべて自家源泉のかけ流しで、夜通しの入浴が可能です。
貸切利用というわけではありませんが、滞在中3度入浴したにも関わらず、浴室で別のお客さんと鉢合わせることがまったくありませんでした。

また、個人的にかなりうれしかったのが、ロビーにビールサーバーが置いてあり、チェックインから18時までの間、一番搾りの生ビールが飲み放題という、素敵なサービスがあったことです。

ステンレスのタンブラーに自分で注いで、自室で風呂上がりのビールを存分に楽しむことができました。

また、夕食時にいただくドリンクメニューには、松江地ビールの「ビアへるん」が4種類ラインナップされていたのも、ビール好きにはたまらないポイントでした。

和牛の陶板焼きと地ビール、合わないはずがありません。

また、夕食の時間から22時までの間は、アイスクリームが2種類食べ放題というサービスも!

夕食は部屋食でのんびりといただけたし、建物が古く音が響きやすいことからお子様お断りの宿なので、静かにゆったりと過ごすことができました。

湯元玉井館についてはこちらの記事でレポートしておりますので、宿泊を検討されている方は参考になさってください。

月曜日、午前中から酒を飲みつつ移動し、鳥取砂丘コナン空港から帰京

朝食は食事処でいただきました。まぐろの山かけや焼き鮭など、ご飯をおいしくいただけるおかずが並びます。

そして、朝食の開始時刻に合わせて羽釜で炊きあげられたご飯。
一粒一粒ご飯が立っていて、おかずなしでご飯だけ食べてもおいしいから素敵です。

食後は少し部屋で休んだ後、最後にもう一風呂浴びてからチェックアウトしました。

チェックアウト後、玉造温泉バス停そばの酒屋で角打ちを楽しむ

チェックアウト後はバスで玉造温泉駅に向かうつもりでしたが、バスの時間まで小一時間あったので温泉街をぶらぶら。

玉湯川の中に「勾玉島」があって、その中心に青めのうの原石があるとのこと……?

勾玉島とは、あれのことでしょうか。たしかに勾玉の形を、してはいる。

女子ウケを狙った?仕掛けを横目で眺めつつバス停まで来ると、バス停の向こうにちょっと気になるお店を見つけてしまいました。

バスの停車スペースの奥にある一軒屋。

どうやら酒屋さんのようですが「酒屋で立呑みしませんか?」との貼り紙があり……。

もしかして、角打ちできる酒屋さんでしょうか?これは入ってみたい……。

店内には島根県の地酒がずらり。季節限定の珍しいお酒もいろいろと揃っています。
冷蔵庫の中には地ビールや要冷蔵のお酒が冷えていました。

そして、お店の一角には立派なカウンターが!!
有料試飲のメニューには「期間限定酒」も揃っています。

「45ml200円、90ml400円、1合800円」と、有料試飲からチョイ呑みから、気に入ってお酒があればしっかり飲むこともできるようです。

「ミノキムチ」や「山椒じゃこ海苔」など、ちょっとしたおつまみの提供、コーヒーや甘酒まで飲めます。

バス停の前になんていい店があるんですか……もっと早く来れば良かったよ。

まだ午前中なんですが……これは飲むしかない!
で、とりあえずおすすめメニューにあった「月山 特別純米 無濾過生原酒」を40mlいただきました。

マスカットやメロンのような爽やかな果実の風味があり、初夏に飲むのにちょうどいいお酒。とても好みでした。ああ、昨日もチェックイン前にもっと早く玉造温泉に来て、ここに寄れば良かった!

本当はもっと楽しみたかったのですがバスの時間が迫っており、気になったお酒を買っていこうかと思ったけれども要冷蔵……配送の手配をする時間はない。

ということで、気になった地ビールの缶を2缶購入して、後ろ髪ひかれつつバスに乗ります。

「地酒と器のひとしずく」というお店でした。ここにはきっとまた来る……。

6分ほどの乗車で、玉造温泉駅へ。

電車が来るまで少し時間があったので、駅前のベンチに座って、さっき買った松江地ビールのビアへるん「檸檬ヴァイツェン」をいただきました。

月曜日の昼から駅で缶ビールを飲むという行為が、なんだか背徳的な感じで楽しかったです。

電車を乗り継ぎ鳥取砂丘コナン空港へ、品切れ続出のすなば珈琲で生ビール

玉造温泉駅から山陰本線で米子駅に向かい、さらに鳥取駅行きの特急に乗り換えて「鳥取大学前駅」で下車します。

鳥取大学前駅は、文字通り鳥取大学が近くにある駅ですが、鳥取空港の最寄り駅でもあり、あんまり歩く人はいないと思いますが、徒歩20分ほどで空港にアクセスすることができます。

駅前には一応、タクシーも停まっていました。

玉造温泉から最も近い空港は「出雲空港」か、鳥取県の「米子空港」なのですが、出雲空港はANA便の運行がないため、ANAマイルを使いたい私は米子空港の選択になります。

しかし、米子空港発の羽田行きは午後出発の便が少なく、この日ちょっと早めに東京に戻りたい事情のあった私は鳥取空港を15時15分に出発する便に乗ることにしていたのです。

空港まで歩いていきました。そんなに遠くはなかったです。

鳥取空港の愛称は「鳥取砂丘コナン空港」ですので、エントランスではコナンと工藤新一が出迎えてくれます。

館内ではコナンのグッズを販売していたり、撮影スポットがあったりして、コナンファンであれば楽しめるようですが、あいにく私は金田一派なので、特に確認はしていません。

ただ、空港にいる間ずっと、コナンのメインテーマ曲が繰り返し流れているので、どこかでこれから事件が起こるんだろうかとちょっと落ち着かない気持ちになりました・笑
コナンのアニメとかほとんど見たことないはずなのに、メインテーマはしっかり刷り込まれているからすごいなと思ったり。

空港に早めに着いたので、すなば珈琲に立ち寄ることにしました。
このとき時間は14時前でしたが、東京に戻ると夕方で、その後21時ごろまで用事が入っていたのでちょっと軽食を入れておこうと思ったのです。

すなば珈琲は、鳥取県にスタバがなかったころ「鳥取県にはスタバはないけど日本一の砂場がある」と知事が発言したことからできたという喫茶店チェーンです。

2018年に鳥取に来た際も立ち寄ってブログを書いています。鳥取空港内のすなば珈琲は、このときとは場所が変わっていましたね。

お店の前に掲示してあるメニューを見ると、品切れが少々目立つものの「まぐろ漬け丼」と「境港サーモン丼」の2種類の丼があるようなので、これに日本酒でも少しいただこうかな。

案内いただいた席は滑走路が目の前に見える窓際の席です。

店内は広く、入店時はかなり空いていましたが、東京着便の出発時刻が近づくにつれ、徐々に席が埋まっていきました。

オーダーはタブレットから行うのですが、海鮮丼から「境港サーモン丼」を注文しようとすると既に売り切れ。
では「まぐろ漬け丼」と「マグロに合う酒」ではどう?と思ったら日本酒が売り切れ。

さてどうしよう……。

とりあえず生ビールをグラスでいただきました。サッポロ黒ラベルは大手ビールメーカーの生ビールの中では1番好きかもしれない。

滑走路に飛行機がいると、絵になるのですけれどね。

そして「カニのホットサンド」を注文。

マヨネーズソースで和えたカニの身たっぷりのカニサラダを挟んだホットサンドです。フライドポテトも細めカリカリでビールに合うしおいしい。

最後にすなば珈琲自慢の、サイフォンで淹れたコーヒーもいただいて、ごちそうさまでした。

手荷物検査場を通り、飛行機に登場するまでずっと、コナンのメインテーマが流れていました。……徹底していて良いと思うわ。

1時間ちょっとのフライトで羽田空港に到着。ロビーに向かう途中、鬼滅の刃のコラボ飛行機が見えました。

どこに向かう便なのだろう?と思って調べてみると、運航便の固定期間は4月で終わり、現在は運航先は定まっておらず、さまざまな空港に運航しているのだとか。

たまたま乗った飛行機や、空港で到着を待っていた飛行機が鬼滅の刃コラボだったらびっくりするよなあ、と思いながら2泊4日の旅を終えました。(コナン同様、鬼滅の刃も原作・アニメの類は見てはいないです)

鳥取県にはちょくちょく足を運んでいるのですけど、登山と絡めにくいので最近足が遠のいていた島根県。
行ってみると魅力的な温泉地がやはり多く、鳥取県もすぐそこなので、次回は伯耆大山登山とセットで島根の温泉に行くというのもありじゃないか、と考えています。

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