温泉ブログ 山と温泉のきろく

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山形県 湯田川温泉の共同浴場 正面の湯 入浴記 地元民の憩いの場に少しだけお邪魔した

湯田川温泉 正面の湯

鶴岡市の奥座敷と呼ばれる湯田川温泉には「正面の湯」「田の湯」という2つの共同浴場があります。

その中でも「湯田川温泉の代表的な共同湯」と言われる「正面の湯」に、今回お邪魔して一風呂浴びてきました。

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管理人などは常駐しておらず、常に鍵がかかっている共同浴場ですので、下調べ無しに行くと「どうやって入るの?」となってしまうかと思いますので、料金の支払い方、入り方などをまとめつつ、レポートしてみたいと思います。

 湯田川温泉の共同湯は、旅館の宿泊者は無料で入れる

一言に「共同湯」と言っても実はいくつかのタイプに分かれるもので、たとえば鳴子温泉の代表的な共同湯である「滝の湯」は、営業時間中は常に、管理人の方が番台にいる、言わば「店舗型」の共同湯です。

鳴子温泉の宿に入ると無料で入浴券が貰えることも多いこちらの共同浴場ですが、管理人の方がいますのでもちろん、その場で現金で支払って入ることも可能です。このタイプの共同浴場が、おそらく数で言えば一番多いのではないかと思います。

別府の街中にある共同温泉の「やよいの湯」は、入浴料金をチャリンと入れるとドアの鍵が開くという「自動開錠型」の共同湯でした。

いつでも気軽に入れて便利は便利ですが、完全に無人というのは防犯上、ちょっと心配なところもありますね。こちらの温泉は24時間営業なので深夜も入浴できるのですが、女湯に1人で深夜に入りに行くのはちょっとこわいな……と思いました。

このほかに、管理人も常駐はしていないけれど地元の方たちが共同で管理されていて、旅行客が入る場合は料金箱に寸志を入れて入る、というような共同湯もありますね。「寸志型」とでも言えばよいかしら。。。
このタイプの共同湯は入浴料金も特に定められていないことが多く「いくらぐらいお金を入れればいいんだろう?」と迷うこともありますね。

湯田川温泉の共同湯は上記のどれとも異なり、下記のようなルールです。

・地元の方たちで管理されている。
・地元の方は鍵を持っているので、自分で鍵を開けて入る
・湯田川温泉の宿に宿泊していれば、旅館の鍵で開けてもらって無料で入れる
・宿泊を伴わない外来入浴の場合は、近隣の商店で入浴料を払って鍵を開けてもらう

という感じ。
古くからある温泉街では、これに近いルールの共同浴場もけっこうありますね。
以前宿泊した群馬県の湯宿温泉の共同浴場も、地元住民は鍵を持っていて、旅館の宿泊は宿から鍵を借りて入浴する、というものでした。

しかし、実は私は「いわゆる共同浴場」があまり得意ではないのです。
理由は↓こちらの記事にくわしく書きました。

お湯が熱かったり混んでいたり……という理由もありますが、一番大きな理由は、地元の方たちに「どこから来たの?」「家族は?」などと根掘り葉掘り聞かれたり、ご自身の家族の愚痴を訥々と語られたりというようなコミュニケーションがしんどいから、という理由です。

まあ、そもそも共同浴場は「地元の方たちのコミュニケーションの場」でもあるわけで。そこにお邪魔しておいてコミュニケーションは嫌なんじゃ!とか言うのもどうなのよ……と思い、最近はあんまり共同浴場には行かないようにしていました。

しかし、今回ひさびさに湯田川温泉で共同浴場にお邪魔することにしたのは

「鶴岡の人はおそらく、見知らぬ旅行者に対してやたらに絡んできたりしないのではないか?」

と思ったからです。なぜなら私もこのへんの出身だからさ!基本人見知りですよね、みなさん。どちらかと言えば酒田のほうがやや、人なつこいイメージ。
鶴岡はねー、うん、必要以上に話しかけてきたりしないよ絶対。

なんとなくそういうイメージがあったので、実際どうなんだろうという好奇心で行ってみることにした次第です。
まあ、話しかけられたら話しかけられたで「実は○○の出身なんですけど、今は東京に住んでいて……」とか、話せなくもないですしね!あと、私の高校時代の担任の先生、湯田川の人だし!うん、できる!世間話もできるよ!!

湯田川温泉 正面の湯の営業時間

正面の湯の営業時間は「午前8時~9時」と「午前11時~午後7時」です。
9時から11時までの間は清掃時間のようでした。

宿泊者は旅館の人にお願いして、共同湯の鍵を開けてもらう

宿泊客は無料で入浴可能ですので、旅館の方にお願いして、鍵を開けてもらいます。
「旅館で鍵を借りる」のではなく「正面の湯まで一緒に来てもらって、開錠してもらう」という方式です。(旅館によって異なる可能性はあり)
旅館でも、一軒に鍵は1本しか持っていないんだそうで、この方式でやれるのも、小さな温泉街ならではですね。

なので、浴室や脱衣所に忘れ物をしてしまったりすると、少々面倒なことになりますので、帰りは特に気をつけたほうがいいでしょう。

外来で入浴する場合は、近所の「船見商店」で入湯料を払う

外来入浴の際は、営業時間内に近所にある「船見商店」で入湯料を支払って、鍵を開けてもらいます。

船見商店は、正面の湯から徒歩1分の近さにあり、午前7時から午後10時(冬期は8時)まで営業しているようです。入湯料は200円でした。

正面の湯の加水・加温・循環なしの良泉を楽しむ!

泊まっていた九兵衛旅館さんのフロントの方に案内していただき、正面の湯へ。

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瓦屋根の建物です。

建物の外壁には「全国でも屈指の『天然かけ流し』温泉です」との掲示が。

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山形県内の他の温泉地と比べて、湯田川温泉は宿も共同浴場も「浴槽面積に対する温泉供給量」が多いとのこと。特に「共同湯」についてはその傾向が顕著であると。
たっぷりかけ流しているよ!というわけですね。

このとき、時間は16時ごろでした。

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朝と夕食前の時間帯は混み合うのではないか?と思い、自分なりに時間を選んでみました。

右手に男湯、左手に女湯。

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なるほど、鍵を持っている地元住民も、無料で入れるわけではないのか。

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予め購入した入浴回数券か、現金200円を投入口に入れて、鍵を開けて入浴する方式のようです。
そう考えると、地元民と同じ値段で外来入浴させてもらえるのだから、良心的ですね!

脱衣所。

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脱衣棚が並んでいるだけで、アメニティやドライヤー、洗面所などはありません。

いざ、浴室へ!ほんのりと温泉のいい匂い!
お湯と水の出るカランが壁面にいくつかあります。顔も体も宿のお風呂で洗ったばかりなので、かけ湯して浴槽へ。

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なるほど……九兵衛旅館のお湯もいいお湯でしたが、正面の湯のお湯はさらに輪をかけてすばらしいお湯です。これが本来の湯田川温泉の湯力か!という感じ。

浴槽はそれほど大きくないのに、湯口からはかなりの量の新しい源泉が絶えず流れ込んできているんですね。さらに、旅館のお風呂は加温していましたが、正面の湯の浴槽のお湯は加温も無し。
なのでやや温めではありますが、きちんと温まる温度はキープされています。お湯の温度が低くならないのは、源泉投入量が多いからと、もしかしたら共同浴場のほうが源泉地に近いのかもしれませんね。

透明な源泉ですが、時折グレーっぽい湯の花が浮かんでいるのが見えます。これも宿のお湯では見られなかった特徴です。やっぱり、湧き出たままの源泉を惜しげもなくかけ流しているところは違うわ。。。

たまたまうまい具合に、浴室に入った瞬間は私しかいなかったのですが、その後地元の方たちがどんどん入ってきて、浴室は一気に賑やかに!
みなさん地元の話題で盛り上がっていましたけど、やはり!私は特に話しかけられることもなく、混んできたのでそーっと上がって、正面の湯をあとにしました。

【再訪したい度】★★★★☆ もう少し空いていれば最高だけれど、お湯は本当にすばらしい!

まず、気になっていた「いかにも旅行客な私は、地元の人に絡まれてしまうのか」という問題に関しては、予想どおり、まったく絡まれずに湯浴みを終えることができました!わーい!!(まあ、滞在時間が短かったということもあると思うのですが……)

そして、お湯は本当にすばらしかったです。やはり、やや温めであっても加温していないお湯ってすばらしいですね。。。

ただ、なるべく空いている時間を狙ったつもりではありましたけど、やはり、かなり混んでいましたね。正直なところ、長湯できるような雰囲気ではなかったです。案外朝のほうが空いてたりするのかしら。鳴子の滝の湯さんとか、営業開始直後は空いてたしなあ。

また、今回は行きませんでしたが、実は湯田川温泉には、宿泊していた九兵衛旅館さんのすぐ目の前にもう一軒「田の湯」という小さな共同湯があります。

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次回はこちらに寄ってみるのもいいかなと思いました。正面の湯のほうが有名だから、こっちは時間によっては空いていたりしないだろうか……と。
いつかまた、立ち寄ってみたいと思います。