茶房たかさきは、別府駅から徒歩10分少々のところにある、温泉付きの喫茶店です。
別府八湯温泉道と九州温泉道の両方の対象施設となっており、駅からもそれなりに近いので、別府で湯巡りをするなら早めの段階でこちらにたどり着く方が多いんじゃないかと思います。
ところが、実は私、別府に来たのは今回が6回目なんですが、茶房たかさきに来たのは今回が初めてでした。
行ってみて「もっと早く行けばよかった!」と思いましたよ……いろんな意味で。
営業時間は10時から17時まで。火曜日が定休日です。
そんな、茶房たかさきについてレポートしてみたいと思います。
別府八湯の中では浜脇温泉に属する「茶房たかさき」は住宅街の中にある
大和田鮨でお寿司と昼酒を楽しみ、ティールームコージーコーナーで食後のお茶をいただいて少し酔いをさましたところで時間は午後1時ぐらい。
宿泊する宿に向かう前に向かう前に、どこかもう一湯ぐらいお邪魔したいところだなあと思い、向かった先がたかさきの湯でした。
別府駅からは徒歩13分ほど。
大和田鮨やコージーコーナーのある繁華街からは10分ほど歩きます。
10分歩いただけで、驚くほどに景色が変わりました。
山がきれいですね。。。
ついさっきまで、成人映画館やスナックが立ち並ぶ通りにいたというのに。
道ばたにはコスモスが咲いていましたよ。
線路の下をくぐり抜けまして。
しばらく、住宅街の中をずんずん歩いていきます。
住宅街の中に「KEYCOFFEE」の看板が見えたら、茶房たかさきです。
突き当たりに見える建物がそうなんですが、普通のご自宅っぽいですよね。
近づいてみた。
縁側から入るような感じで、中に入ります。
やはり、ご自宅のリビング&ダイニングという雰囲気。
いかにもお話し好きそうなおじさん(オーナーの高崎さんです)が出てきて
「おひさしぶりですね」
と言われました。いや、初めてなんですが。。。
ちなみに中に入るときは靴を脱いで、ご家庭用という感じのスリッパをお借りしました。
茶房たかさきでは、何か一品注文すると温泉に入れる
「うちでは、何か注文していただくとお風呂に入れるんですよ。まず先に注文されますか?」と言われ(一応、そのシステムは調べて知ってはいたのですが)メニューを拝見。
こだわりのメニューというわけではないけれど、食事も飲み物も一通りそろっている感じ。
コーヒーがおいしいという話を聞いていたのでブレンドコーヒーと、「ケーキもおいしいですよ」とおすすめされたので、結局ケーキも注文しました。
ケーキは「マロンケーキ」の一品のみだそうですが、自信の逸品らしい。
手前の大テーブルに掛けて、コーヒーとケーキを待ちます。
うむ、友人宅にお呼ばれしているような雰囲気だ。
来ました!
コーヒーは、最近流行りの個性の強い豆ではなく、昔ながらの喫茶店の味。丁寧に淹れていただいたコーヒー、というお味。
マロンケーキも、中のクリームにも砕いた栗が入っていて、クリームもたっぷり、スポンジはふわふわ系で、こちらも昔ながらの喫茶店のケーキという感じで、おいしかったです。
お店に入ったときは、奥のテーブルに先客が1組いたのですが、まもなく帰ってしまったので、そこからはお客が私1人になり、コーヒーを飲みながらおしゃべりタイムにw
ちなみに、コージーコーナーのオーナーさんもお話し好きな方でしたが、茶房たかさきのオーナーさんも、話し出したら止まらない感じの、お話し好きな方でした。
地元のお客さんも多いけど、関東などの遠方からも毎日のようにお客さんが来てくれること。
みんな温泉についての情報を仕入れたかったり、温泉について話したいと思っているから、そういう人が集まる場所にしたいと思っていること。
温泉巡りをしていくつものお湯に浸かっていると疲れてしまうから、休めるようにお茶を飲めるお店にした、など、いろいろお話ししてくれました。
もちろん、別府の温泉のおすすめ情報や、お得な情報も教えてくれます。
こんな券をいただいたり。
別府湯布院の観光開発をされた油屋熊八さんが描かれている紙幣……?
「湯路は循環しても湯は循環するなかれ」ですとw
裏側を見ると、こちらの券でいくつかの共同湯に無料で入れるみたいですね。
このへんだったらどこがいいよ、とか、いろいろ教えてくれました。(全部忘れたけどw)
あと私、九州温泉道のスタンプカードを持っていたんですが、茶房たかさきも加盟施設なのでスタンプを押させてもらおうとしたら
「九州温泉道をやっているなら別府八十八湯も絶対やったほうがいいですよ!」
と強く勧められ、別府6回目にして今更、別府八十八湯のスパポートを作る羽目になってしまいました。もうけっこう、いろいろ回ったのに……だったら最初から作っておけばよかったよ!w
九州温泉道と別府八湯温泉道て?
どちらも、いわゆるスタンプラリーサービスでして。
スタンプ帳を購入して加盟温泉施設に入るときにスタンプを押してもらい、集めたスタンプの数で称号が貰えたり、商品が貰えたりするという、よくあるあれです。
私がもともとスタンプ帳を持っていた「九州温泉道」はこれ。
こちらは、元々はJR九州が始めた企画でして、2年ほど前に運営は変わりましたが、多くの加盟施設はJR九州時代のものを引き継いでいます。
加盟施設は九州全域から選ばれており、元がJR九州の企画だったこともあって「公共交通機関で行きやすい施設」が多く選ばれていました。以前のパンフレットには「電車に乗って温泉に行こう」ってはっきり書いてあったんですよ。
中にはバスを乗り継いでいくようなところもありましたけど、公式サイトの施設紹介のところで、公共交通機関利用での行き方が詳しく解説されているのでそれを参考にできますし。いくつか加盟施設を巡ってみてたしかにいいお湯のところが多かったので、どこに行くか迷ったら、九州温泉道の加盟施設が近くにないか探す、という風に参考にしていたんです。
スタンプを八十八集めることは特に目指していなかったのですが、せっかく行ったのだから記念に、と思い、スタンプも押させてもらっていました。
で、別府八十八湯はこれの「別府のみ」バージョン。
高崎さんがおっしゃるには、そもそも別府八湯温泉道のほうが先に企画をはじめて、九州温泉道はJR九州がそれをまねする形で始まったのだ、とのこと。
でも、別府八十八湯のほうが回るにもお金がかからないし、うちみたいに九州温泉道と被ってる施設も多いから一緒にやってみてもいいんじゃない?どう?と。
それで、断るのも面倒なのでスタンプ帳(スパポートと言うそうな)を購入してしまいました。
は!買ったときは知らなかったけど、↑のページを見た限りだと、実はスパポートを買える場所ってけっこう限られてるのでしょうか?ここに書いてあるとおりなら、茶房たかさきを含めて9箇所しかないじゃん。。。
九州温泉道のスタンプはどこの施設も同じデザインなんですが、別府八湯温泉道のスタンプは、施設ごとにデザインが凝ってておもしろいなと思いました。
あと、こちらも買わさ……もとい、買いました。
年に1回発行されている、別府八湯の情報冊子です。
フリーペーパーではなく500円で販売しているのですが、割引券や無料券もたくさんついているから、湯巡りすれば簡単に元が取れるよ、と言われ。
中を見せてもらったら、元が取れるかどうかは別としても、温泉の情報だけではなく、加盟温泉施設の近所にある飲食店なども紹介していてなかなかおもしろそうだったので、購入することにしました。
茶房たかさきの一角には、別府八湯関連のグッズや書籍が集められていました。
段位認定されるといただける、タオルなんかもありましたね。
さて、だいぶお話も楽しんだところで、いよいよお風呂に入らせてもらいますよ!
茶房たかさきの温泉はぴりっと熱く新鮮!この日は大量の柚子が浮いていた
温泉は喫茶室とは別棟にあり、喫茶室の左手前にある建物でした。
ちなみに、右奥に見える建物では、イベントを開催したりしているそうです。また別の棟では、奥様がお花屋さんを開業しているとのこと。
「男湯」「女湯」などの括りは何もなく「入るときは貸切にして使っていいから、中から鍵をかけてね」と言われました。
と言うことは、今回タイミング良く誰も入っていなかったからいいけれど、先客がいて待たされる可能性もあるってことですね。
ここに来るときは、バスの時間を気にながら、とかだとかなり焦る羽目になるかもしれないから、時間に余裕を持ってきたほうが良さそうです。
では、一歩中へ。
おお……洗濯機。
「公共浴用利用許可済票」なんてものがあるんですね。
洗濯機の周りには、さまざまな種類の洗剤が置いてあり、「家庭のお風呂」という感じ。
別府は、普通のおうちでも温泉をひいていることが多いと言うから(コージーコーナーのオーナーさん宅もそうなんですって)ここも、元々は普通に、家族だけのお風呂だったんでしょうね。。。
脱衣所と浴室の間に洗面台もあったけど、いろいろ物が置いてあってちょっと使いづらい状態w
ドライヤーなどは特にないです。
浴槽は、岩風呂なんですね。おや、何かが浮いています。
というか、脱衣所に入った瞬間からもう、ものすごく爽やかな香りがしていたのですけれども。
柚子です!それもけっこう大量の。
奥に見える小さな浴槽と、手前の大きめ浴槽に、なんとなく、分かれている感じ。
新しいお湯は大きめの浴槽にしか追加されていないので、大きめ浴槽が熱め、小さめ浴槽がぬるめです。
湯口はこんな感じ。
「ゆっくり入っていいからねー」と入る前に言われていたので、お言葉に甘えて、貸切でかなりのんびりしてしまいました。
ぬるめのお湯と熱めのお湯を行ったりきたりして。
ぬるめが40度弱で、熱めが42度ぐらい。どちらも極端に熱かったりぬるかったりするわけでもなく、適温でした。
あとは、柚子とたわむれたりして。
柚子が入っているので温泉本来の香りがしにくかったのですが、お湯は新鮮そのもの!鼻を近づけると温泉らしいにおいも、もちろんありましたよ。
壁に描かれているのはどこの山なんだろう。。。
由布岳でしょうかね。
ちなみに、ここにたどり着く人はそんなものは期待してないとは思いますが、シャワーとかシャンプーとかドライヤーなどはないので、ゆっくり洗髪をしよう、などとは思わずに来たほうがいいですね。
ひとしきり湯浴みを楽しんで、オーナーに挨拶して帰りました。
【再訪したい度】★★★★☆ 貸切利用できるのはありがたい!けど、混み合ったときや、恋人でない男と女で来た場合はどうするんだろ。
貸切状態で柚子入りの温泉を楽しめて、大満足でした。なんと「柚子は今日から入れ始めたんだよ」とのこと。
しかし、この貸切風呂方式だと、もしも先客が2組以上いたりしたら、めっちゃ待つことになってしまうのではないでしょうか。今回は先客もおらず、私の後に入りたいと言って来たお客もいなかったので、問題なかったのですが。
実は、入浴中にご近所のお客さんがお茶を飲みに来たみたいで、その方たちは別にお風呂目的ではなかったようなのですけど、オーナーと談笑している声が浴室内に聞こえてきたので「もし、私の後に入りたいお客が待っているのだとしたら、あまり長湯しては迷惑ではないか」などと考えてちょっと焦ってしまいましたよ。結果的には焦る必要はなかったんですけどね。。。
それと、同性同士のグループやカップル、ご夫婦なら一緒に入ればいいけど、男女の友人同士で来た場合はどうしたらいいんだろ……などと、しょうもないことを考えてしまいました。
余計なことを考えなかったら、とてもいいお湯で、素敵な喫茶店だと思います。ただ、たくさん話しかけてくださるので人見知りだとちょっとつらいかも。私も最初ちょっとだけ「どうしよう」って思ったからw