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必須装備は5つだけ!登山を始めるならこれだけは揃えておきたい&あると便利な登山グッズまとめ

春から登山を始めたい人向けに登山の必須装備をまとめた

2011年の4月に登山を始めてから11年が経ちます。

登山の経験者として「これから登山を始めたいんだけど、何を揃えたらいい?」と質問される機会も増えたので、春から登山を始めたい人向けの山の基本装備についての記事を書いてみることにしました。

「登山の基本装備」についてはこれまでも書いたことがあるのですが、経験を経て考えが変わった部分もありますし、商品もどんどん新しいものが出てきます。2022年版の「登山を始めるならこれだけは揃えておきたいもの」「登山を続けるならあると便利&楽しいおすすめ山道具」をまとめてみたいと思いました。

また、私自身が登山を始めたころのエピソードや、装備についての考えなどは発売中の著書にも詳しく書いています。興味を持たれた方はお手に取っていただけますと幸いです。

11年登って「この山ならここまでの装備はいらないな」と判断つくようになってきた

私は、一緒に歩く仲間もおらず1人で登山を始めたこともあって「頼れるのは自分と装備だけだ!」という思いが強く、登山を始めた当初からわりとしっかり装備を揃えていました。

物を買ったことでテンションが上がるタイプなので「これを使うために山に行きたい!」という思いが登山のモチベーションにつながりましたし、始めたばかりのころに装備をしっかり揃えたことは、けして無駄ではなかったと思っています。

しかし、世の中には私と同じタイプの人ばかりではないので「始める前にあれもこれもそれも必要」と並べ立ててしまうと

「総額いくらかかるの……ちょっと無理かも」

と言われてしまい、登山を始めるところまでたどり着けない人も少なくなかったのです。

また私自身、高尾山などの軽めの山や観光地的な山であれば、そこまでしっかりとした装備ではなく、省略できるものは省略した軽装備で登ることもあります。

この記事では「登山を始めたばかりの人が最初に登るような軽めの山」なら、ここまで揃えておけば不快な思いをすることはあっても装備不足が原因で死ぬことはないんじゃない?という観点で「必須装備5点」を選んでご紹介することにしました。

たまに「最初の登山で男体山に登った」というような猛者に出会うこともあるので「軽めの山」とはこの記事で「4月~5月に登る山」としてご紹介している山だとお考えください。

ちなみに今読み返したら、5月の「鍋割山」はまあまあきついので、除外したほうがいいですね……。

発売中の著書では「最初は地元の小学三年生が遠足で登る山が良い」とご紹介しています。たとえば私の地元鶴岡では「羽黒山」です。

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お住まいの地域の小学生が遠足で登る山を、調べてみると良いかと思います。

登山をするならこれだけは揃えておきたい!5つの必須装備

私の考える、登山のミニマム装備5点です。
季節は「4月以降」で想定しており、往復3時間程度で登れて、登山者が多いメジャーな山を想定しています。

「最初はとりあえずこのレベルのものでOK」いうものをご紹介していますが、登山を続けてステップアップするのであれば、恐らく基本装備もグレードの高いものが欲しくなると思います。また、かつての私のように「後で買い換えるぐらいなら最初からちゃんとしたものを購入したい!」方もいると思いますので、現行商品でおすすめはこのあたりだよ、とか、私自身の愛用品はこれだよ、といったことについてもご紹介していきたいと思います。

「レインウェア」は必ず上下揃えたい:5000円~

登山の三種の神器は「ザック・トレッキングシューズ・レインウェア」だと言われていますが、中でも優先度が高いのは「レインウェア」です。

レインウェアさえあれば、雨が防げるだけでなく防寒着にもなりますし、万が一のときにもレインウェア上下を着込めばいいのでサバイバルシート(遭難時などにくるまって体温低下を防ぐ薄手の保温シート)の代わりにもなります。なのでこのリストからはサバイバルシートは除外しています。

素材はゴアテックスなどの防水透湿素材であればベストですが、とりあえず短時間の日帰り登山であれば雨さえ防げればいいので、素材はこだわらなくてもいいです。

ただし「ジャケット」だけでなく必ず「パンツ」も!携行しましょう!
標高1000メートルに満たない「低山」の部類の山でも「地上では晴れていたのに山の上は雨」ということはけっこうあります。日帰り登山とは言え、下半身がびしょびしょになると悲惨です。

MIZUNOなら、上下ゴアテックス素材で揃えても2万円以下

登山経験者の方には「ゴアテックス素材なんて当たり前だし古い」と思われる方もいるかもしれませんが、他の防水透湿素材に比べて歴史が長く品質に安心感がありますし、さまざまなメーカーから出ているため中には安価なものもあります。まだまだメリットは多い素材です。

デザインにあまりこだわりがなく「とにかく安価なゴアテックス素材のレインウェア」を選ぶならMIZUNOがおすすめです。

ジャケットもパンツも1万円以下で購入可能で、パンツのサイズが豊富なのもうれしい。「ゼビオ」などでも販売があり、手に入りやすいのも良いなと。
以前は、安価なレインウェアと言えばモンベルの「ストームクルーザージャケット&パンツ」をおすすめしていたのですが、あちらはジャケットが2万ちょい、パンツが1万5千円ぐらいなので、ミズノはそれよりもだいぶお安いです。

MIZUNOのレインウェアは登山専用というわけではないので、機能的にはモンベルのほうが良いとは思いますが、コスパを考えると良い商品だと思います。

私自身の愛用品はノースフェイスのクライムライトジャケット&パンツです

ちなみに、私自身の愛用品はもうずっと「ザノースフェイスのクライムライトジャケット&ジップパンツ」です。

素材の薄さと頑丈さのバランスが「これより薄い素材だと不安になるけど、これより厚いと暑いし重い」という絶妙なラインをキープしているのがすばらしいし、カラーリングも絶妙で、レディースはちょっとくすんだ色がラインナップされているのも良いです。

ジャケットもパンツも形がきれいでおしゃれなので、レインウェアを着てもテンションが下がらないのがいいなと。やや小さめの造りなので、できれば店頭で試着するか、無理なら普段の洋服のサイズより1サイズ上を買うのがいいと思います。

「LEDヘッドランプ」は予備電池も必ず持って:1000円~

数ある山道具の中でも「絶対に省略してはいけない」と思うのはヘッドランプです。
リュックやシューズなどを家にあるもので間に合わせたとしても「ヘッドランプ」だけは家にある懐中電灯では代用品になりません。

初心者向けの山、何度も登っている慣れた山であっても、道を間違えて下山が遅くなってしまうことはあり得ます。そんなときに「両手を空けたうえで進行方向を照らすことができる」ヘッドランプを持っているかいないかで、事の重大さがまるで変わってくるのです。

災害時の停電の際なども役に立つと思いますので、持っていて損はないアイテムです。

とにかく頭につけば何でもいいが、登山ブランドならペツルが一押し

Amazonで「ヘッドランプ」で検索すれば、1000円~2000円ぐらいでもLEDのヘッドランプがたくさん出ていますので、とりあえずはそれでも大丈夫だと思います。

ただし「いざ使おうと思ったら点かない!」という事態を防ぐために、出発前の点灯チェックと、予備電池は必ず持ちましょう。最近は乾電池ではなくUSB充電のみの商品も多いので、その場合はモバイルバッテリーの充電&携行も忘れないように。

登山ブランドの物で選ぶなら、個人的には「ペツル」の商品が一押しです。

「ティキナ」というモデルなら2500円前後で買えますので、1500円ぐらいでノーブランド品を買って後で買い換えるよりはこちらのほうがおすすめかなと……。

上位モデルと比べると光量はやや物足りなくはあるのですが、日帰り登山のお守りとして持つのであれば十分明るいですし、構造がシンプルで故障しにくいのが良いです。実は、私自身が登山を始めたときに購入したヘッドランプがこの「ティキナ」でして、少なくとも11年以上販売されているロングセラー商品です。

ペツルの「アクティックコア」を愛用中「ノクティライト」も便利

現在愛用しているヘッドランプは、ペツルの「アクティックコア」です。3年半ぐらい使っていますが、故障もなく機能的にも不満ありません。

光量も450ルーメンと十分に明るいので、テント泊登山で夜明け前にテントを撤収する際も問題なく。また「専用充電池」と「単4乾電池」を併用できるのも便利で気に入っています。

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普段はこのように充電池を使用していますが、予備電池として単4電池も持ち歩いています。また、出先でもモバイルバッテリーとマイクロUSBケーブルがあれば充電も可能です。

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ちなみに……ここからは完全に「あると便利」というレベルの商品ですが「ノクティライト」という「ヘッドランプを入れてランタンのように使える、しかもそれ自体がヘッドランプのケースになる」というすばらしい商品がありまして。

ヘッドランプはこれに入れて持ち歩いています。キャンプのときにノクティライトに入れた状態で点灯すると、こんな感じで。

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ヘッドランプの明かりは基本的に1方向に集中するんですが、ノクティライトに入れると全方向に広がってくれるんですよね。雰囲気よく便利なので最高に気に入っているアイテムです。

「登山靴」でなくてもいいから防水機能付きのシューズを用意:8000円~

実は、これから登山を始めようという人に、最もよく聞かれる質問が

「登山靴は絶対に買わなければならないのか?」

なのです。

実は、過去に書いてきた「登山の基本装備」についての記事では

登山靴はミッドカット以上で滑りにくいビブラムソールゴアテックス素材の防水力が高い、登山靴ブランドが作っている商品を必ず試着して選ぶこと!

と書いてきました。

その気持ちは今も変わらないのですが、初めて高尾山に登ろうという人にそれを用意しろというのは酷かな……とも思います。私自身、最初に高尾山に登ったときはスニーカーでしたし。ただ、その「スニーカー登山」がけっこうきつくて、後で登山靴を購入して履いて登ったらすごく楽になった!という経験から「登山靴はあったほうがいいよ」とお勧めしてきたんですよね。

本項では「まあ最初ならこのぐらいの靴でもいいんじゃないの」というものをご紹介しようと思います。たぶん、登山を続けるなら買い換え・買い足しをすることになるとは思いますけども……。

値段・デザイン・履き心地が気に入ればローカットでも悪くはない

私自身の、大人になってから初めての登山は「デートで高尾山のビアマウントに行くつもりが登山になってしまった!」というものでした。このエピソードは著書にかなり詳しく書いているのでご興味ある方はどうぞ。

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もちろん登山靴など履いておらず、かろうじてスニーカーという出で立ちだったのですが、上りは沢のある道を歩く6号路を使ったため、スニーカーに沢の水がしみてしまい、後半は靴下が濡れてかなり不快でした。

気温の低い季節に高山に登るのであれば、靴下が濡れたことで凍傷になることもありますから濡れは避けなければなりませんが、低山の日帰り登山ですので、ただ不快なだけです。ただ、本当に不快なので……何はなくとも防水機能がついた靴を履いていたほうが良い!と思うのです。雨が降らなくても初心者向けの山でも、沢やぬかるみで足が濡れてしまう登山道はけっこうありますから。

登山靴選びのポイントとして私がいつもあげるのは

(1)ミッドカット(足首の保護・小石などが入りにくい)
(2)ビブラムソール(滑りにくい)
(3)ゴアテックス素材(防水)
(4)もともと登山靴メーカーだったメーカー製(作りが丁寧で安心感)

の4点ですが、とりあえず(3)だけ!もう、ゴアテックスじゃなくメーカーの独自素材でも何でもいいので「防水」を謳っている靴を買ったら良いと思います。

トレッキングシューズを買うかどうかで多くの人が迷われるのが「高価な靴なのに、もし登山を続けなかったらデザイン的に他の場所では履きづらい」ことが大きいようです。であれば、ニューバランスやMIZUNOでゴアテックスを使っているウォーキングシューズがありますので、ああいうのでもまあ、いいんじゃないかと。

MIZUNOなら8千円ぐらいで買えますね。

あとは、ゴアテックス素材でもビブラムソールでもないですけど、KEENのハイキングシューズ「ピレニーズ」なんかは、デザインがかわいくて登山以外でも履けそうなので、こういうのでもいいと思います。

低山ハイクだと、ピレニーズを履いて歩いている方に遭遇することも多いです。

それから、個人的に1番お勧めなのは「ローカット」のトレッキングシューズです。値段もミッドカットより安いですし、デザインも「スポーティなスニーカー」という雰囲気のものもありますから、普段にも履けます。私も高尾山に行くときはこれ履いてます。

メレルの「モアブ」というモデル(現在はモデルチェンジしてモアブ2になりましたが)をかなり長いこと愛用していて、登山しない旅のときもいつも履いていました。

現在は、マムートのローカットトレッキングシューズ「Ducan Low GTX」を愛用しています。

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ちょっとした山なら普通に歩けますし、街でも履いています。

続けることを考えるならやはりゴアテックス素材でミッドカットがおすすめ

とは言え、ある程度標高高い山に行くならミッドカットのトレッキングシューズがおすすめなことは変わりありません。

ミッドカット以上の登山靴は、足の形に合うか合わないがかなりシビアになってくるので、私に合うからみんなにおすすめ!とは言えないのですが、10年以上愛用しているのがLOWAの「タホー」というモデルです。

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↑これは、購入したものにワックス加工をしており、靴紐も交換しているので商品写真とはかなり雰囲気が異なりますが。

日本人用の木型を使っているそうで、足に合う方も多いと思いますので、本格的な登山靴を購入する際は候補に入れていただけるとうれしいです。

ちなみに、私の周りにはSCARPAを履いてる人が多くて最初候補にしてたんですが、店の人にも指摘されるぐらい私の足には合いませんでした……。デザインが気に入っても買えないことがあるのはせつないですが、足に合う靴はだんだんかわいく見えてくるから不思議ですね。

「登山地図アプリ」を使うならモバイルバッテリーも携行したい:600円~

私が登山を始めた2011年当時は「山に行くなら地図とコンパスが必需品!」と言われていたのですが、この10年ほどですっかり様相が変わりました。「スマートフォンの地図アプリ」が恐ろしいほど進化したのです。

紙の地図とコンパスがあっても、初めての登山では使い方がわからない人が多いでしょう。それよりも、登る予定の山の地図をあらかじめダウンロードしておき、登山口で1度起動してみて現在地を確かめてから歩き始めると良いと思います。

初心者のうちはスマホの地図だけでも十分ですが、登山を続けていくのであれば、地図がよめてコンパスを使えたほうがいいのは間違いありません。たとえば雪山に行ったりするとスマホの電池が恐ろしいほどのスピードで減っていくので、地図とコンパスはもちろん有用です。

それから、スマホの地図しか持っていない場合、充電が切れたら地図もなくしてしまうことになりますから、モバイルバッテリーも必ず持っていったほうが良いですね。

メジャーな山に行くなら「山と高原地図」が最も見やすく情報量多い

地図アプリもいくつか出ていますが、初めて登山をするならとりあえず「山と高原地図」をインストールしておけば間違いないと思います。

必要な地図を1つずつ購入するタイプと、サブスクリプション方式で月額の利用料を支払って、すべての地図が使い放題になるタイプがあります。

山と高原地図

山と高原地図

  • Shobunsha Publications, Inc.
  • ナビゲーション
  • 無料

↓こちらの「山と高原地図ホーダイ」が月額課金タイプです。

山と高原地図ホーダイ

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  • Shobunsha Publications, Inc.
  • ナビゲーション
  • 無料

「山と高原地図」をおすすめするのは、地図に慣れていない人でも見やすいことや、登山道や茶店、トイレなどの情報も載っていて参考になるし、ガイド的な要素があって見ていて楽しいこと。

それから「山と高原地図」に載っている山は「多くの人が登っているメジャーな山」が中心なので、初心者のうちは「山と高原地図に載っていない山は歩かない」ようにしておいたほうが安全だと思うのです。そういう意味でも基準にしやすいのでおすすめです。

「ウェア」はとりあえず綿パンツとヒートテックさえ”避ければ”OK:0円~

「ウェア」は必須装備かと言われると微妙ではあるのですが「これだけは避けたほうがいい」という服があり、しかも初めて登山する人が意外と選びがちな服なので「それだけは選ばないでね!」ということで必須装備としました。

選んではいけないのは

・ジーンズに代表される綿素材のパンツ

・ヒートテック

です。

綿素材のパンツは、濡れると絶望的に乾かないですし、ジーンズなどの厚手の素材であれば少しでも濡れるとゴワつきます。冷たくてゴワゴワして動きにくくなりかなり最悪なので、特にボトムスで綿素材は避けたほうがいいです。

ヒートテックは、まだ寒さの残る季節のインナーに着る方が多いと思うのですが、登山中にヒートテックを着ていると暑くなりすぎて汗をかいてしまい、しかもその汗が乾かず冷えてしまうので避けたほうが良いと思います。

綿素材のTシャツなども選ばないほうがいいと言えばそうですが……ジーンズ、ヒートテックに比べると不快度はましかなと。

あとは登っていくうちに他の登山者のウェアを見て「ああいう服いいなー」と思ったりするでしょうから、そうしたら追々揃えていけば良いかと思います。とりあえずは家にあるジャージとかでも別に大丈夫です。

普段まったく運動などせず、とにかく何かを買わなければ山に行けそうにない……と思うなら、ユニクロで、ヒートテックではないスポーツウェア系の服を買うといいんじゃないかと。

私も持っているんですが「アクティブジョガーパンツ」なんかは、素材も登山用のウェアに近いし、動きやすくて良い感じでした。

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色違いで持ってます。

私の愛用品は「アルパインライトパンツ」と「メリノウールのトップス」

ウェアはかなり好みが出るところで、明確な「正解」があるわけでもないので、究極的には「汗をかいても濡れによる冷えを感じにくい」ものなら何でも良いんだと思います。アウトドアショップに行って「速乾性素材」と書いてあるものの中から、デザインが気に入って動きやすいものを選べば良いかと。

なので、ここで挙げるのもあくまで私の好みですが、トップスは「メリノウール」のものが好きです。メリノウール素材はチクチクするから苦手!と言われることもあるのですが……メリノウール専門のメーカーの商品はチクチクしないです。(私は)

メリノウール専門メーカーとは、こちらの「スマートウール」とか。

あるいは「アイスブレーカー」などの商品です。

ボトムスは、ノースフェイスの「アルパインライトパンツ」がとにかく好きで、ずっと愛用しています。
厚手なので真夏以外の使用になりますが、シルエットがとてもきれいで、下山後に街で履いていても違和感ないですし、しなやかな素材なのに撥水性が高いところも良いです。

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気温が低くてオーバーパンツが必要なときでなければ、雪山もアルパインライトパンツだけで歩いています。

あると快適に楽しく登山を続けられる!おすすめ登山装備10点

必須装備が「レインウェア上下」「ヘッドランプ」「防水の靴」「登山地図アプリ」「ジーンズとヒートテック以外の動きやすい服」に絞られたので、かなり敷居が低くなったのではないでしょうか?参考価格を書いてみましたが、ウェアを家にあるもので間に合わせられれば2万円ぐらいで揃えられますね。

ここからは、「これだけは揃えておきたい」装備で既に何度か山を歩いてみて

「登山が楽しくなってきたし続けられそう!もっと快適に楽しく登山を続けるために何か必要なものある?」

と思った方に読んでいただけたらと思います。

「登山用ザック」はきちんと選べば登山を続ける原動力になる

一般的に「登山の三種の神器」と呼ばれるアイテムは「レインウェア・登山靴・ザック」の3つです。

必須装備5つの中にザックを入れなかったのは「とりあえず登山用のザックじゃなく、家にある適当なリュックでも登れないことはないから」です。必須装備は「小学3年生が遠足で登るようなメジャーな低山」を登るときの装備を想定していますが、遠足の小学生は登山用のザックなんて持っていないことが多いでしょうしね。

でも、登山を続けるなら登山用ザックはもちろん、あったほうがいいです。

「ポケットが多くて高機能」「丈夫で岩にこすったりしても傷が付きにくい」「背負い心地がよく長時間あるいても体に負担が小さい」など理由はさまざまありますが、個人的に重要だと思うのは「テンションが上がるから」です。

私自身、最初はそこまで本気で登山しようとは思っていなかったのが、うっかり登山用ザックを購入したことで「せっかく買ったんだし……」と頻繁に山に行くようになったところがあります。この辺りのエピソードは著書にも書きました。

1個目は「登山用ザックメーカー」製のものを選ぶのがやはりおすすめ

「山に行きたい!」という気持ちを高めてくれるアイテムだと思うので、究極的に言えば「気に入ったものならなんでもいい」のですが、そこまで気に入ったものがあるわけじゃないし、失敗したくない……と思うなら、1個目を選ぶ基準は

・登山用ザックメーカー製(グレゴリー、ドイター、オスプレー、カリマーなど)
・ザック自体の重量が1kg以上あること(フレームレスザックではないこと)

かなと思います。

登山用ザックメーカー製にこだわるのは、背負い心地や強度など重要な部分で「これはちょっとないわー」という商品が少ないからです。
また1kg以下の軽量ザックも、背負い心地や強度を犠牲にして軽くしていることが多く、初心者向けではないので最初は避けたほうがいいと思います。

容量は「30L前後」とよく言われていて、それで間違いないとは思いますが、店頭で30Lのザックを見て「でかっ!こんなん背負うの?」と思った方は、もっと小さいやつにしてもまあ良いかと。

日帰り登山から山小屋泊登山まで、汎用性が高いから30Lが薦められることが多いのですが、どうせ登山にハマった人は30Lの後、もっと大きいザックや小さいザックも買い足すのです……。なるべく買い足さずに1個で間に合わせたいなら30Lぐらいがいいよ、というだけの話なので。

最初に買うザックのおすすめを1つだけあげろと言われたら

ここまで書いてもあまりピンと来ない、いっそどのザックを買えばいいか教えてくれ!という方のために、私が思う究極の「最初の登山用ザック」をあげるとしたら、それは「カリマーのリッジ30」です。

何を隠そう、私自身が11年前に最初に買ったザックが、リッジ30より1周り大きい「リッジ40」というモデルだったのです。

デザインがわりと普通のリュックっぽくシンプルで、機能的にも過不足なく使いやすいザックだったので、さんざん使ってボロボロになった後、1サイズ下のリッジ30を新たに買い足しました。

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今も日帰り登山を中心に使っています。
マイナーチェンジありつつ20年以上続いているロングセラー商品ですので、これを買って大失敗!ということは考えにくく、最初のザックにおすすめのモデルです。

ちなみに、購入される際は「背面長」に気をつけて!
まったく同じデザインに見えても「背面長」のサイズが異なるモデルがあります。リッジ30の場合「small」「medium」「large」の3サイズがあるので、できれば店舗で背負ってみることをおすすめします。

「トレッキングポール」はレバーロックで長さ調節できるタイプがおすすめ

本当は、トレッキングポールなどに頼らず歩けたらそれが1番良いのですが、急な下り坂が続く道などではあったほうが安定して歩けるので便利です。

普段は使わずに歩いていても、途中で足を捻ったり膝が痛くなってしまったり、道が荒れていて歩きにくかったり……というような事態が発生することもあります。トレッキングポールを持っていれば対応しやすいので、私も、ある程度高い山や初めての山に登るときは、必ず携行するようにしています。

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選ぶ際の機能的なポイントとしては、長さ調節を「レバーロック」と呼ばれる、ワンタッチで固定できる方式を採用していることでしょうか。

最近はレバーロックを採用しているモデルのほうが多いと思うのですが、一昔前は「ねじ式」と呼ばれる、くるくる回して固定するタイプも多く出回っていました。ねじ式のほうが軽量で安価なことが多いのですが、レバーロックのほうが手早くしっかり固定できるので個人的には好きです。

現在の愛用品はシナノのフォールダーTWIST115

登山を始めてから何本かのトレッキングポールを使ってきたのですが、現在愛用しているのはシナノの「フォールダーTWIST115」というモデルです。

過去に使ってきたトレッキングポールについてや、TWIST115の気に入っているポイントなどはこちらの記事にまとめています。

シナノのトレッキングポールは、先端をカバーするゴムが脱落しないようにストッパーが付いているところが特に好きです。

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ただ、こちらの商品、現在公式のオンラインショップにも在庫がなく……もしかして販売終了してしまっている可能性もあります。

現行商品でシナノには他にこれと近い商品がないので、先端ゴムのストッパーはなくなってしまいますが、すぐに手に入れるとしたら最近評判の良い「グリップウェル」のモデルなんかが良いのかなと思いました。

「サポートタイツ」は膝など間接への負担が減る

トレッキングポールと同様に、なければないで良いけれど、あれば関節などへの負担を減らせるアイテムとして「サポートタイツ」があります。

登山用タイツには大きく2つの種類があり、血行をよくして疲れにくくする「コンプレッションタイツ」と、筋肉や関節の動きをサポートする「サポートタイツ」に分かれます。私が特に効果を感じているのは「サポートタイツ」のほうです。

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実を言うと、私の周りには「あまりサポートタイツの効果は感じない、なくてもいいんじゃないか」という人も何人かいるのですが、私自身は履かないと長時間ハイクのとき関節の疲労感が大きい気がするので、ゆる山ハイク以外では大抵履いています。夏山でもハーフパンツの下にサポートタイツを履いています。見た目はちょっと暑そうですけどね……。

お気に入りはワコールのCW-X、スタビライクスモデル

サポートタイツも、さまざまなメーカーから複数のモデルが出ているので、どれを買えばいいか迷うところですが……私自身はずっと、ワコールのCW-Xのスタビライクスモデルを愛用しています。

ワコールの公式サイトを見ると「トレッキング・マラソン・ゴルフなど長時間負荷がかかるスポーツにおすすめ」とされていたからです。

実は「スタビライクスモデルはちょっと高いなー」と思って、一つ下の「エキスパートモデル(ジョギング・ウォーキング向け)」を使っていたこともあるのですが、サポート力に物足りなさを感じてスタビライクスモデルに戻りました。

もちろん、C3fitやモンベルなど他社からもサポートタイツは発売されていますので、店舗で試着して好みのものを選ぶと良いかと思います。

「レインスパッツ」があれば靴に水が入りにくく、靴下や裾が汚れにくくなる

「レインスパッツ」とか「ゲイター」と呼ばれるアイテムです。

防水の登山靴は、水位の低い沢の中を歩いても水は染みてきませんが、上から降ってくる雨には案外弱かったりします。なので「雨の日に登山靴を上からカバーするアイテム」なんですが……。

これをつけていると、靴下やロングパンツの裾が汚れにくいので、雨の日の翌日でぬかるみがありそうだなーというときは、雨が降っていなくても付けていたりします。

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水たまりの中を歩いて泥がはねても、汚れるのはスパッツだけなので、下山したら外せばおしまい。とても便利なのです。

愛用していたColombiaのゲイターがなくなり、次に買うものを模索中

そんなわけで、スパッツの使用頻度が高い私は、何枚もレインスパッツを持っているのですが、すべて「Colombia」の旧製品です。

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デザインがかわいくて、靴の下に通すベルトがない(なくても問題なく靴に固定できる)ところが最高に気に入っていたのですが……。

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冬山登山でも使っていました……。
本当は、冬山では(アイゼンがちょっと引っかかったりしても大丈夫な)ごついスパッツを使うのですが、チェーンスパイクで歩ける程度の雪山ではこれで通していました。本当に便利だったのです。

それなのに廃番になってしまい……同じタイプの製品はコロンビアからもどこからも出ていません。今使っているものがボロボロになってしまったらどうしよう!と、今から震えています。Colombiaさん、またあのレインスパッツ、出してくれないかしら……。

ちなみに、私のように「靴の下に通すベルトいらん」という余計なこだわりがなければ、オンヨネのレインスパッツなんか、シンプルでお値段も安めでいいと思います。

あとはヘリテイジのショートスパッツも、ゴアテックスなので多少値が張りますが、シンプルでいいなと思います。

「サコッシュ」はマスクやアルコールスプレーなどを持ち歩くにもあると便利

サコッシュとは「斜めがけにする薄型でマチのないコンパクトなショルダーバッグ」のことを指します。

以前から愛用していましたがコロナ禍を経ていっそう「あると便利なアイテム」になりました。

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マスクケースやアルコールスプレー、ウェットティッシュなどを登山中に使う機会が増えたからです。
歩行中はマスクは外している方が多いと思いますが、途中の山小屋でトイレを借りるときなど、マスクをしなくては中に入れませんから。サコッシュにマスク用のポーチやケースを入れておくと、サッと取り出せて便利です。

おすすめは肩紐が細すぎず長さが調節できるもの

登山ブランド以外も含め、さまざまなブランドから発売されていますが、選ぶ際のポイントとしては

・肩紐の長さが調節できること
・肩紐が細い紐ではなく平べったいベルトになっていること

に、私は気をつけています。
ベルトが紐上の細いやつだと、何かに引っかけてちぎれそうでこわいので。

あとは、デザインや素材、ポケットの多さなどの好みで選ぶと良いかと思いますが、現在出ている商品では、カリマーのトレックキャリーサコッシュなんかが見た目もかわいいし、わりと安価で良いなと思います。

「座布団」があると快適に休憩できる

1人で登山するときにレジャーシートまで持っていくことはないと思うのですが、寒い季節や雨の翌日、岩の上などに直接座るとお尻が冷たいな……ということがあります。そんなとき、折りたたみタイプの座布団があると非常に便利です。

自宅内で撮影した写真で恐縮ですが、私も使っています。

折りたたむとこんな風にコンパクトになり、ザックのサイドポケットにも収納できます。

広げると裏表で素材が異なり、片面は布、片面はアルミの断熱素材になっています。
アルミのほうを地面に付くように敷いています。

折りたたみタイプの、汚れても惜しくない安価なものを

こちらのユニフレームのモデルもそうですが、1000円以下で買えるものもたくさんあります。汚れが落ちやすいよう凹凸が少ないもので、本当に汚れたら捨ててもいいよう安価なものを選ぶと良いと思います。

折りたたんだときにザックのサイドポケットに入るサイズだと、取り出し安くてさらに良いですね。

「バーナーとクッカー」は登山初心者のあこがれ装備

登山を始めたばかりの頃、山頂でラーメンを作っている人たちに、ものすごく憧れました。

それまで特に野外炊飯が好きだったわけではないし、特にラーメン好きでもありません。でも、山頂でお湯を湧かしてラーメンのいい匂いをさせているの、すごくうらやましかったんですよね。

その後テント泊を始めたこともあり、クッカーはいくつも買いましたし、バーナーも1度買い換えました。

バーナーは、最初に買ったものも悪くはなかったのですが、現在使っているSOTOのウィンドマスターというモデルが、低温や風にも強いのでとても気に入っています。

別売りのゴトクを使わないとクッカーが安定しないことだけが難なので、ゴトクがセットになっているものを購入すると良いかと思います。(本当は、最初からメーカーでセットにしてほしいけど……)

こちらの商品は、ゴトクとガス缶がセットになっています。

クッカーはどんな料理をするかを考えて選ぶと良い

クッカーは「外で料理をどのぐらいちゃんとやるつもりか」で、どういうクッカーが最適かが変わってきますので「自分はどのぐらい料理しそうか」を考えてから購入すると良いと思います。

お湯を湧かしてお茶を淹れたりカップラーメンを作るだけなら、大きめのカップが1個あればそれで済みますし、そのあたりを考えてからアウトドアショップに実物を見に行くと、良い買い物ができるはずです。

私自身がそうなのですが「ソロ登山が多い」「凝った料理はしないがそこそこ料理する」方におすすめするとしたら、ユニフレームの「山クッカー角形3」だなと思います。四角形のフライパンとクッカー大小の3点セットです。

このセットの良いところは

・クッカー大に袋麺が入る
・四角形なのでお湯を湧かして水筒に移すときこぼれにくい
・フライパンが意外に焦げつきにくく便利

という点です。
フライパンは特に便利で、

たとえば大クッカーでパスタを茹でて、フライパンでソースと和えてそのまま食べる、みたいなこともやりやすくて良いですね。

お値段7900円で安くはないので「そんなに料理しないし」という方はもっとシンプルなクッカーで良いと思いますが、ソロで、ちょっと料理してみようかなーという方にはおすすめの一品です。

「マグカップ」とティーパック・ドリップパックがあれば幸せになれる

山で調理をする際「食器」は特に持ち歩かず、クッカーで調理したものをそのまま食べてしまうことが多いのですが、マグカップだけは別で、あったほうが幸せになれるアイテムだなと思います。

シェラカップ(バーナーで加熱できるカップ)でそのまま飲んでいたこともあるんですけど、マグカップがあるとなんというか……豊かな気分になるんですよ。

コーヒーや紅茶にはそこまでこだわりなく、ドリップパックやティーパックで淹れているんですが、マグカップで飲むだけで、おいしく感じます。何ならスティックタイプのカフェオレやココアでもいいぐらいです。

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カップは、長いこと↑こちらの写真に写っている、スノーピークの「チタンダブルマグ」を使っていたのですが、実は最近買い換えました。

見た目はそっくりなんですが、スノーピークの「ステンレス真空マグ300」です。

チタンダブルマグのほうがほんの少しだけ軽いんですが、ステンレスのほうが強度がありそう&食洗機で洗っても平気そう、という理由で買い換えました。保温性も高くて気に入っています。
別売りのシリコンリッドも購入し、こちらも保温&埃よけにいい感じです。

「登山用ソックス」はできれば本気の登山靴を買う前に購入したい

登山時には「汗の濡れや匂いがこもりにくい」「登山靴のフィット感を高める」という理由で、登山用の厚手のソックスを使うと良い、とされています。

高山や雪山に行くのでなければそこまで必須アイテムではないですが、あればあったほうが絶対に快適です。注意しておいたほうがいいのは、靴下の厚さによって登山靴の履き心地が変わってくることがあるのです。

そのため「購入するなら本気の登山靴を買う前に」靴下を購入し、登山靴のフィッティングの際に、自分の靴下を持っていくと良いと思います。

登山用のソックスは、メリノウールのものと化繊のものがありますが、個人的にはメリノウールのものが好みです。

「ネックゲイター」は防寒だけでなくすれ違うときのマスク代わりに

首回りの防寒具としてもともと馴染みのあった「ネックゲイター」ですが、最近防寒目的以外で付ける人が増えました。

登山中は、息苦しいのでマスクを外す人が多いのですが、登山道ですれ違うときだけネックゲイターを鼻の上まで引き上げて、マスクの代わりに使う、というものです。

使っている方を見つけてたしかに便利だな、と思い、私も最近導入しています。

こちらのカリマーのネックゲイターは、あまりフィット感が強くなく程よい緩みがあるので、首に巻いてもマスク代わりにしても苦しくなくて気に入っています。

思い出したら何か追加するかもしれませんが、とりあえずこんな感じです!

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