温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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ひとり温泉旅のプランニング 公共交通機関利用で山と温泉が好きな私の旅行プランの立て方

「どこかに行きたい」と思ってから旅に出るまで、何を考え何をしているのか

ひとり温泉旅が趣味になってから15年以上、登山を始めてから丸12年経ちました。

こういうブログをやっていることもあって旅の機会は多いほうだと思いますが、公共交通機関利用かつ土日休みの会社員ですし、旅慣れているとは言っても「行き先を決めないあてのない旅」をしているわけではもちろんありません。

「ある程度」の計画は立ててから出かけているのですが「地方ではバスの本数も少ないのに予定立てづらくないの?」とか「どうやって行き先を決めているの?」と聞かれることがあります。

「計画を立てるのが億劫で、旅に出たいと思ってもなかなか実現できない」という話も聞くので、何かの参考になればと思い、公共交通機関を使った私なりの旅のプランニングについてまとめてみることにしました。

ちなみに私の場合、出発前に綿密に計画を練ったり、旅のしおりを作ったりということは何もしません。
「温泉宿」が好きなので、宿泊する温泉宿選びにはけっこう時間をかけていますが、他はてきとうです。
現地で大慌てせずにすむよう移動手段についてはある程度調べてから出発しますが、電車やバスにそんなに詳しいわけでもないです。長いこと公共交通機関で旅をしているので、ある程度の知見はあるような気もしますが……。

旅で何を重視するかは人によってかなり違うと思います。
私の計画の立て方が参考になるかはわかりませんが「こんな人もいるんだな」ぐらいの気持ちでお読みいただければと思います。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。 一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

旅の目的地は「自分なりのテーマ」があると格段に決めやすくなる

私の場合、旅の「目的地」は基本的には「山」か「温泉宿」です。
歩きたい山も入りたい温泉もない場所を目的地として旅に出ることはほとんどないです。なので、有名観光地や大都市でも行ったことのない場所、通過しただけの場所がたくさんあります。

たとえば「京都」なんかは、修学旅行と出張で足を運んだことはありますが、自分で計画して旅行で行ったことは1度もありません。京都にも登れそうな低山はあるので、冬にでも登ってみてもいいかなと考えたこともあるのですが、いわゆる温泉宿はないし、ホテルも高いのでね……。外国人観光客がいないうちに行っておけばよかったな。

だから京都の写真って、出張帰りに撮ったこんなのしかないです。

以前、著書を出したときに「海外や国内の有名観光地の情報はぜんぜんない」とレビューされたことがあるのですが、行かないんだからしょうがないですよね・笑
限りあるお金と時間ですから、自分が特に興味がある部分に集中させたほうがいいと、私は思っています。

目的地の候補が多すぎて「あっちにも行きたいけどこっちもいいな」という状態だと、具体的なプランニングがしにくいように思うのです。私の場合は「山」と「温泉」ですけど「ホテル」「建築物」「城」「美術館」「電車」「食」「酒」など、自分なりのテーマを持っておいて目的地を決めると、旅のプランが立てやすくなるように思います。

「泊まりたい温泉宿」に空室があったから旅にでる

毎年1回「今年泊まりたい温泉宿」を各都道府県から1軒ずつ選ぶ、という記事を公開しています。

この記事は本当に自分のために書いていて「この週末にどこかに行きたいな」というときは、まずこの記事でピックアップしている宿の中から「1泊だから関東甲信越あたりでどこか空いてないかな……」という風に探しています。

このリストでは各都道府県から1軒ずつ宿を紹介していますが、1県あたり1軒まで絞る過程で膨大な宿情報を見ています。なので公開はしていませんが「記事では紹介しなかったけどいつか泊まりたい宿リスト」も存在します。

こんな感じで。ここからも空室を探します。

また「以前泊まって、また絶対泊まりたい」と思っている宿もあるので、そういう宿に空室があれば、その宿が目的地になることもあります。たとえば、このブログの中で「再訪したい度」を★5つの満点にしている宿がそうです。

以前、再訪したい度満点の宿の中から特に好きな10軒を選んだ記事も書いていますが、この記事でピックアップした宿なら、空室を見つけたらいつでも泊まりに行きたい気持ちですね……。

実は、昨年10月以降は1人で泊まれる温泉宿が減少傾向(全国旅行支援や外国人観光客で急激に需要が高まったものの宿は人手不足のため)にあります。記事でピックアップした10軒の宿にはすべて1人で泊まっていますが、現在は1人で泊まれなかったり、1人では泊まりにくくなってしまった宿もあるという現状です。

しかしそういう宿も、オフシーズンだったりで空室が多いタイミングにひょっこりと1人泊のプランが出ていることがあるので、そういうときはすぐさま予約して、その宿に泊まることを目的に旅を計画します。

先日こちらのツイートをしたときに泊まっていた宿も「絶対再訪したい10軒」のうちの1軒、群馬県谷川温泉の水上山荘でした。

このときは日曜日に水上山荘の予約が取れたので月曜午前を休みにし、土曜日は新潟の温泉に行って徐々に南下してくるという旅のプランに。そしてチェックアウト後すぐに東京に戻って月曜午後は仕事しておりました……。

限りある休暇とお金を有効に使うべく、いろいろと試行錯誤しています。

「登りたい山」を中心に、温泉と下山後の一杯を計画する

登山を始めて12年経ち、登山を始めたころに「絶対登りたい!」と思っていた山には、とりあえず1度は登ったかな、というところです。

日本百名山にも、もともと完登は目指していないのですが、88座登頂しました。

この記事を書いたとき86座だったけど、その後2座しか増えてないです。

日本百名山は登りたい人が多いので、登山口までの交通機関や山小屋、登山道などが整備されていて、女1人で公共交通機関で登るのにちょうどいい山が多いのです。もちろん名山も多いので登って楽しい山も多いですし。
残っているのは南アルプス深部に2座と平ヶ岳と北海道……など、行きにくいところがほとんどですが、無理して行かなくてもいいかなあという気持ちです。

なので今は「以前も登っている山で好きな山に繰り返し登る」のと「こんな山があるんだな。お、公共交通機関でも行けそうだな」という山を見つけて、そこを目的地にプランを立てています。以前も登っている山にまた登るときは、季節を変えて登ることも多いですね。

たとえば、紅葉の美しさで有名な雨飾山には、初回は紅葉時期に登ったんですが、無茶苦茶混んでいまして……ずっと人の背中を見ながら歩いている状態。

楽しかったけど……次は空いている時期に行こう!と思って夏に行ったら空いていて、高山植物もいっぱいだった!というように、季節や天候が変わるとぜんぜん違う楽しみが味わえるのですよね。

登る山までの距離や登山ルートの長さによって「前泊+日帰り登山」「日帰り登山+後泊」「山中で1泊+日帰り温泉」など、行程にはいくつかのパターンがありますが「山に登った後は温泉に浸かって1杯飲みたい」というのが私の旅の基本行程です。

「登りたい山」を決めた後は「前泊後泊の宿」や「山中で泊まる山小屋」を予約します。最近はテント泊の場合も、テント場の予約が必要なことがあるので注意です。

日帰り登山や、ちょっとした山歩きと組み合わせて利用しやす温泉宿については、以下の記事にまとめています。

それから下山後に温泉宿に泊まるプラン以外では、下山後に立ち寄る温泉や、下山後の1杯をどこでいただくかも「ざっくりと」決めておきます。

公共交通機関利用なので、下山後という限られた時間で行けるエリアは限られているのですが、登山口の周辺に何もなければ、バスから電車に乗り換える駅(松本駅、上諏訪駅、長野駅、青森駅など)や、あるいは普通列車から新幹線や特急に乗り換える駅(郡山駅、高崎駅、熱海駅、小田原駅など)で何かしら目星をつけておくことも多いです。

乗り換えるわけじゃないけれど、あえて途中下車して温泉や食事、お酒を楽しむこともありますね。八ヶ岳からの帰りに茅野駅からあずさで乗り換え無しで帰れるのですけど、あえて甲府で途中下車したりとか。

先日もそんな感じで、甲府で途中下車して甲州ワインとイタリアンを楽しんできました。

甲府は、温泉地というイメージは薄いと思いますが、駅から徒歩圏内に温泉銭湯や日帰り入浴できる温泉銭湯があります。土日で1泊旅行した帰りの日曜の夜に寄ってもお店の選択肢が多いし、甲府始発の特急かいじ号はあずさほど混んでいないのも良い。昔から大好きな街です。

温泉宿の選び方について、もう少しくわしく

「泊まりたい温泉宿」のリストを作っている、と書きましたが、じゃあそのリストをどうやって作っているのか、について。

書籍や雑誌をチェックし、1人で泊まれる宿かをWebで確認

温泉をテーマにした書籍はそんなに多くないので、電子化された温泉に関連する書籍は目についたものすべてを購入して読んでいます。

雑誌やムックについては数も多いのですべてをチェックしているわけではありませんが、「温泉宿」をテーマにしている雑誌についてはKindle Unlimitedで読めるようになったときにチェックするようにしています。

気になった宿については1人で予約可能かをWeb上で確認して、リストに加えます。
最近は「ひとり温泉旅」をおすすめする雑誌やムックも増えてきてうれしいのですが、掲載されている宿をチェックしてみると実は、1人では予約できない宿がかなり混じっていることもあります。
ちょっと調べればすぐわかることなのに不思議なんですが「過去に一人旅以外の別テーマで掲載した宿の情報を、まとめ直して掲載している」とかなんでしょうかね……。

最近読んだ中ではCREAのひとり温泉特集号をまとめたムック本は「本当に1人で泊まれる宿率」が高くて良かったです。

実は私も編集協力しているのですが「さまざまな職業の温泉好きが推薦した、一人で泊まれる温泉宿を紹介する」という作りなので、忖度なく良い宿が集まっているのかなと思いました。
CREAという大人の女性向け雑誌の別冊なので高めの宿も多いですけど「1泊5万以上する宿ばかり!」なんてことはないし、リーズナブルな宿もラインナップされています。

Kindle Unlimitedでも読めるので、利用されてる方はぜひどうぞ。

SNSで気になる宿情報が流れてきたら、サイトやブログでチェックする

SNSはTwitterInstagramをやっていますが、自分が投稿したいときに見るぐらいで、そんなに頻繁にチェックしているわけではありません。
ただ、温泉好きな方達をフォローしてはいるので、SNSを開いたタイミングで気になる宿を見かけたら、宿の名前で検索をかけて

(1)まずはWebから1人で予約できるかをチェック
(2)それから公式サイトや過去に泊まられた方のブログ、予約サイトのレビューをチェック

します。それで良さそうだったら「泊まりたい宿リスト」入りします。普通ですね……。

自分自身ブログをやっていますが、誰かのブログを常にチェックしているということもなくて、ブログは「気になる宿が出てきたときに検索して読むもの」という位置づけです。

暇さえあればじゃらんを見ている、もっと暇なときは楽天トラベルも見る

本と雑誌、SNSにブログと来ましたが、実は私が1番よく見ているのはじゃらんです。

じゃらんで「宿泊する日付未定」「宿泊人数:1名」「温泉宿」で検索して、ヒットした宿の情報をひたすら見てレビューを読み、気になった宿については公式サイトや過去に泊まられた方のブログ、それから楽天トラベルのレビューをチェックします。

じゃらんでは「源泉かけ流し」の宿を絞り込むこともできるのですが、宿の自己申告なのであんまり当てになりません。そのあたりの情報を補うために、過去に泊まった方のブログなどを探します。

「楽天トラベル」にしか登録されていない宿もあるので、同じように楽天トラベルでも検索できれば良いのですが……。楽天トラベルでは「宿泊する日付未定」で「宿泊人数」などの詳細条件を設定して検索できず、人数を入れたら必ず日付も指定しなければならないのです。これ、楽天だけの謎仕様なので変わってほしいんですけど無理なのかなー。

なので楽天トラベルでは「温泉宿」で検索して、プラン詳細から1人で泊まれる宿かどうかをチェックします。かなり面倒で、相当時間があるときしかできませんが。ほろ酔いで文章を書くのはだるいけど眠いわけでもない……みたいなときにやってます。

予約サイトのレビューが少ない宿についてはGoogleのレビューも読みますが、日帰り入浴のお客さんや外国人の方のレビューも多いし、極端なレビューが多いように思います。宿泊した人しか書けない予約サイトのレビューのほうが、現時点では信頼度が高いですね。
予約サイトにも極端なレビューはありますけど、あまり理不尽な投稿には宿の方も反論してたりするので、なんとなく想像つきますので。

結局泊まってみないとわからないことも多い

こんな感じでけっこう時間をかけて「泊まりたい宿」を選んでいるのですが、結局泊まってみないとわからないことも多いなと思います。

お湯について言えば、じゃらんにも公式サイトにも「かけ流し」と書いてあるのに現地に着いたら循環消毒ありでした!ということはけっこうあります。「有料の貸切風呂だけが源泉かけ流しで、あとは循環」だったりとかですね……。

かと思えば「循環しているけどそんなに悪くないな」というお湯もあったり。
毒沢鉱泉の神の湯とか、冷鉱泉なので加温循環しているけれど、悪くないですよね。

隣にある冷たい源泉浴槽があってこそ、ではあるけれども……。

なので気になる宿には、1人で2食付きで泊まれるならとりあえず泊まってみよう!と思っているのですが、最近は見る目も養われたのか「失敗した!」と思うことはあまりなくなりました。
ですが「ここはまた来たいとは思えないなー」という宿もたまにはあるので、泊まったけどブログなどでご紹介してない宿というのも、実はちょいちょいあります。

温泉宿はできる限り空いているタイミング、オフシーズンにまずは予約したい

「いつか泊まりたい温泉宿」リストに載っているたくさんの宿に、どのタイミングでどの宿に予約するのか。
これは、季節によって「この時期はこういう宿を予約しよう」という基準がいくつか自分の中にあって、そのタイミングで予約しています。

スキー場のある温泉地にはリフトが動いていない時期に泊まる

「土日休みの会社員で、1人で温泉宿に泊まる」ので、ハイシーズンにはそもそも1人泊のプランが出ていないことも多いもの。

ハイシーズンがかなりはっきりしているのは、蔵王や越後湯沢、白馬などのスキー場のある温泉地。それから伊豆などの海水浴場が目の前にある温泉地でしょうか。スキーや海水浴をしないのであれば、あえてその時期を選んで泊まる意味はありません。

たとえば、白馬八方温泉に食事が朝夕共に非常においしくて、内湯のみですがつるつる感のあるかけ流しのお湯に浸かれる「まるいし」という大好きな宿があります。こちらの宿、基本的には1人で泊まれるのは平日のみです。

ところがオフシーズンで予約が少ないタイミングだと、たまに土曜日に1人泊のプランが出ていたりするんですよね。狙い目は11月下旬~12月上旬、5月のGW後でしょうか。スキーシーズンと登山シーズンの境目で、ちょうど白馬に人が少なくなるタイミングです。この頃に「直前予約で泊まれないかな」と、よくチェックしています。

と言いつつ、白馬はやっぱり冬もすばらしいので、ハイシーズンの冬にも泊まりに行ってはいるのですが!

初めて泊まるときがめちゃくちゃ混んでいるタイミングだと、宿や温泉地の印象も変わってきてしまうので、まずは空いていそうなタイミングで泊まってみて、気に入ったらハイシーズンにも覚悟して泊まりに来てみる……みたいな感じです。

スキーもスノボもしないけど白馬はとても好きな場所です。

桜や紅葉は追いかけない

先日「雪見露天風呂を楽しめる温泉宿まとめ」の記事でも書きましたが、私は基本的に景観を求めて旅をしないタイプです。今のところは。

雪見露天・花見露天・紅葉露天などに憧れる方は多いと思います。ただ、みんな見たいけど見れる時期が限られているので(雪見露天はそうでもないですが)桜や紅葉がきれいな宿はその時期かなり混むんですよね。土日休みの会社員、それも一人旅にはハードルが高いのです。あとは、2023年の桜前線のように、例年と時期がずれることもあると思うので「桜を(紅葉を、雪景色を)見ようと思って予約したのになあ」とがっかりするのが嫌で。

平日出かけられる身分になったらそういう旅もできるかもしれませんが、今は景観を求めて旅しなくてもいいかなーと思っています。

紅葉は比較的長い期間楽しめるので「狙っていったわけではないけど紅葉がきれいな露天風呂と巡り会えた!」ことはあります。

桜は本当にあっという間なのでまったく狙っていないのですが……。

「桜にはまだ早い時期だろう」と思って予約していた宿で、例年よりずっと早く咲いたそうで満開の桜を楽しめたり……ということはありました。

そういった、偶然の出会いぐらいで十分かなと今は思っています。
景観で有名な宿は、景観が期待できない季節は空いていたりするので、逆にそういう時期を狙って泊まりにいきますね。

山菜やウニなど、その季節しか味わえない食材を求めて泊まる

桜の季節に少し遅れてやってくる、山菜の季節。
山菜が大好きなので、この時期は山あいの宿に泊まります。幸い「山菜を求めて泊まりに来る」人は少数派なのか、山菜料理がおいしい宿が山菜の季節にすごく混む、という話はあまり聞いたことはありません。(山菜の宿、とか銘打っているところならまた違うかもしれませんが……)これ幸いと、4月~5月は山の宿に泊まる計画を立てます。

山に近い宿でも案外山菜料理が出ないこともありますが……山形県の月山山麓の肘折温泉の宿は、だいたいどの宿に泊まっても山菜がたくさん出てきます。

旅館勇蔵さんは山菜好きには天国のような宿で、山菜の季節以外でも、水煮にするなどして保存した山菜の料理がたくさん並ぶのですが、春に泊まればもちろん、採れたての山菜をいただくことができます。

同じ肘折温泉の丸屋さんは、肘折の中ではでは高級路線の宿なので「こういう宿では山菜なんかあまり出さないかなあ」と思っていたのですが……。

昨年GWに泊まったところ、しっかり山菜料理が並んでうれしかったです。もちろん、お部屋も快適でお湯もすばらしい宿です。

それから、お気に入りは新潟県の妙高山麓の温泉地。

ホテル花文では、たっぷりの山菜料理のほか、打ち立ての蕎麦をいただけるのも魅力です。

燕温泉の近くだけれど泉質はまったく異なる関温泉の朝日屋旅館にもGWに泊まりました。こちらも山菜いっぱい!6月ごろまで何かしら山菜の料理が出るそうです。

山沿いの温泉ですが、糸魚川で獲れた魚介がいただけるのもうれしい。

また山菜の季節に泊まりたい宿です。

山菜以外では、季節が限定される食材と言えばウニでしょうか。
実は私、そこまでウニが好きではなくて、寿司屋でもセットメニューに入っていたら食べるけど、お好みで注文ってしたことがなかったのです。しかし、昨年利尻島でいただいたウニは、これまで持っていたウニのイメージがまったく変わってしまうおいしさでした。

ウニに興味がなかったので「利尻島のウニの解禁日」やいつまで食べられるかなんてこともまったく知らずに9月初旬に泊まったのですが、ギリギリ間に合ってバフンウニとムラサキウニ、両方いただくことができました。

そうしたら
「私が今まで食べてきたウニはいったいなんだったのか?」
と思うほどのおいしさでして、利尻島、島の規模もちょうどいい大きさで、ヒグマもいないしエキノコックスの心配もないということですっかり気に入ってしまいました。次回もウニが食べれる時期に計画したいと思っています。

梅雨から夏にかけては内湯がいい、ぬる湯の宿に泊まる

温泉旅館に泊まる……と言えば「露天風呂に入りたい」と思う方も多いかもしれませんが、梅雨から夏にかけては、露天風呂が売り「ではない」宿に泊まるほうがおすすめです。

梅雨の時期は雨のことが多いので、屋根がない開放感たっぷりの露天風呂は楽しめない可能性が高いし、夏は、アブをはじめとした虫が多く発生するからです。

じゃあ、夏はどこの温泉に行けばいいかと言うと「内湯が広くていい感じの宿」と「ぬる湯の宿」です。

その両方を満たす、新潟県の栃尾又温泉や、貝掛温泉なんて最高ではないかと思います。

貝掛温泉は特に人気で、夏は予約しにくいこともありますが……ぬる湯や冷鉱泉を楽しめる宿はこちらの記事↓にまとめています。

こちらの記事にはまだ追加していませんが、先日泊まった岡山県の奥津温泉 池田屋河鹿園の内湯では、38度ほどのぬる湯の源泉がドバドバとかけ流されており、湯口付近にいるとものすごい泡付きでした。

夏に泊まると幸せになれそうな宿でした。

2泊できるなら1泊はリーズナブルな宿にする

土日休みの会社員なので、1泊2日の旅が1番多いのですが、たまに休みをくっつけて、2泊3日の旅を楽しむこともあります。

そんなときの宿選びには少しこだわりがあって、2泊のうちどちらか1泊はややお高めの宿に泊まり、どちらか1泊はリーズナブルな宿に泊まるようにしています。

最近印象深かった2泊3日の旅は、伊東に2泊した旅。

1泊目は温泉付きゲストハウスの倭荘に宿泊し、舟盛りの刺身定食を満喫。

2泊目は同じ伊東の温泉付きプチホテル「マストランプ」に宿泊して、伊勢海老のブイヤベースをはじめとした絶品イタリアンを満喫しました。

私の旅は、天気がよい日に山を歩く以外は温泉宿に泊まってダラダラしたり、特に刊行もせずそのへんをぶらぶら歩いているばかり。食事も朝夕共に宿で食べるし、これと言って何をしているわけでもない旅ばかりしているのですが……。
タイプの異なる宿に泊まるだけで、旅の色彩が豊かになるような気がするから不思議です。

「土曜日2食付きで1万円以内で1人で泊まれる」かなりリーズナブルな温泉宿についても、こちらの記事↑にまとめています。

公共交通機関の予約・利用で気をつけていること

公共交通機関利用なので、旅行の前に交通機関を予約することがほとんどですが、交通機関の予約・利用時に気をつけていることをざっくりまとめておきます。

飛行機は貯めたマイルを使うか、セールを利用する

飛行機は、常日頃の買い物をANAカードで決済してせっせとマイルを貯めています。
だいたいは貯めたマイルで予約するのですが、運航便が少なかったり、特典航空券で予約しにくい路線もあるので、航空会社のセールもチェックしています。

飛行機は、少し先の日程で予約することがほとんどなので「セールや特典航空券でちょうどいい日程で飛行機が予約できた」ことがきっかけで、旅の行き先が決まることもよくあります。

新幹線や特急の予約は、普段の週末なら1週間前に予約する

GWやお盆、年末年始などの繁忙期以外は、だいたい旅の1週間前ぐらいに交通機関を予約することが多いです。

2020年~2021年は当日の朝に予約するのでも十分でしたが、最近はさすがに、3日前ぐらいになると週末は満席になる新幹線や特急もあるので、1週間前には予約していますね。

ただしあずさ1号・3号・5号に乗るときはもっと早く予約する

新宿から松本に向かう「特急あずさ」は東京在住の公共交通機関利用のハイカーにとって最も馴染み深い列車ではないかと思いますが、特に夏から秋にかけて、あずさの1号、3号、5号に乗るときは、1週間以上前から予約しておいたほうが確実です。

新宿駅発の始発電車の1号、千葉駅始発の3号、松本を越えて南小谷駅まで向かう5号は、登山シーズンは団体客が乗ることもあり、予約が早めに埋まりがちなのです。

1・3・5号は新宿駅を7時~8時に出る電車なので、登山者以外はあまり関係ないかもしれませんが……甲府・松本方面にお出かけの際はご注意ください。

ちなみに、甲府までで良いのなら、少し時間はかかるけど甲府終点の「特急かいじ」のほうが空いてます。

基本的にはチケットレス特急券利用だが、在来線の乗り継ぎ時に注意する

乗車直前まで予約変更が可能ということもあり、JR東日本の「新幹線eチケット」「えきねっとチケットレスサービス」や、JR東海の「エクスプレス予約」をいつも利用しています。小田急や東武など私鉄の特急に乗る際も、チケットレスの特急券を利用します。

注意しておきたいのは「チケットレスで新幹線や特急に乗って降りた後、在来線に乗るとき」です。特に乗り継ぎ時間が短いときは要注意ですね。

チケットレスサービスは、交通系ICのみで特急・新幹線に乗車できるサービスです。
新幹線や特急の停車駅は交通系ICカードに対応していることがほとんどですが、乗り換えてそのまま在来線に乗り、降りた駅がSuicaに対応していない!ということがよくあり、こうなるとなかなか面倒なことになるのです。

そこそこ規模の大きいJRの駅で、駅員さんが精算してくれるならそれでOKですが、無人駅だったりで精算できないことも多いです。そうなると精算が翌日以降になったりと大変面倒くさいのです。

これを回避するためには、目的地の駅でSuicaを利用できるかをまず調べます。利用できるなら問題なし。できなければ

(1)チケットレスによる乗車券の割引があるサービスでなければ、特急券のみWeb予約にしてあらかじめ目的地まで紙の乗車券を買っておく

(2)チケットレスサービスで乗車した特急・新幹線を降車後、交通系ICでいったん改札を出る。目的地まで紙の切符を買って入り直す。

のどちらかで、下車後の「IC精算できない!」を回避しています。もっといいやり方があるのかもしれませんが……私はこの方法しか知りません。

新幹線イーチケットは「乗車券+特急券がセット販売」なので、新幹線イーチケットを利用する場合は(2)の「いったんICで改札外に出て切符を買って入り直す」になりますね。

しかし……そんなときに「乗り換え時間が10分以内と短め」だったりすると要注意です。「新幹線改札→券売機→在来線改札」の動線が悪かったり、券売機が1台しかなくてめっちゃ並んでたりすることもあるからです。

新青森駅から青森駅・弘前駅に行くときがまさにそんな感じで、いつも「新青森駅で切符買うのだるいなー」と思っていたのですが、なんと2023年5月27日から、青森駅・弘前駅がSuica対応になるとのこと!

これで、青森駅で慌てて切符を買う必要がなくなるのでうれしいです。

駅からタクシー利用が決まっているなら予約しておく

実は、宿の送迎車は1人で泊まるときはお願いできないことがけっこうあるのです。私の体感ですが「駅から送迎あり(条件付き)」としている宿の3軒に1軒は「送迎は2名から」です。

そういうとき、もちろんバスで行けるならバスを利用しますが、バスがなかったり、本数が少なくてかなり不便な場合「10分~20分ぐらいならタクシーで行ってもいいか」ということになります。

しかし、新幹線停車駅だけは別ですけど、在来線の駅では、観光地であっても駅前に必ずタクシーが待っているとは限りません。

上越線の水上駅、以前は電車の到着に合わせて2~3台はタクシーが待っていてくれたと思うのですが、2019年に関越交通の水上営業所がなくなって以来、1台いればラッキー、1台もいないこともある……という具合になってしまいました。駅から電話して呼んでもけっこう時間がかかります。

乗る電車が決まっていて、タクシーに乗ることも決まっているなら、予約しておくに越したことはないです。特に、登山口や山奥の温泉宿に行きたいときにそこそこ長い距離を乗る場合、たまたま駅前にいたタクシーはそのあたりの道に詳しくない人だった……ということもあり得ますので。登山口に行くのにタクシーを使う際は、必ず予約しておいたほうが良いです。

バス会社の公式サイトにアップされてる時刻表が更新されてないのが1番つらい

駅からバスで温泉宿などに向かう際、かつては時刻表をネットで検索してもあんまり出てきませんでした。現地に行ってみないと最新の時刻表がわからない路線があったりと何かと不便で、鉄道は携帯電話で検索できる乗り換え案内が20年前から機能していたのと比べると、路線バスを使った旅は、10年ぐらい前までは難易度が高かったと思います。

しかし最近は、どこのバス会社でも時刻表をホームページにアップしてくれているし、Googleマップに対応しているバス路線も増えました。かなり便利になったとは思うのですが、やはり電車に比べて事業者が多く、時刻表の改正も頻繁なことで「こんなはずじゃなかったのに!」と思うことも電車に比べると多いです。

先日「マジかー」と思ったのは、長崎県の小浜温泉に行ったとき。

開業して間もない西九州新幹線に乗って諫早駅で下車し、バスで小浜温泉に向かうつもりだったのですが……駅前のバスロータリーで時刻表を確認すると……あれ?14時台にあるはずのバスが、ない。

バス会社のホームページを確認しても、時刻表が改正されたとは書かれておらず、最新の時刻表には14時台発のバスがちゃんと載っているのですが……。
仕方なく駅前のコーヒーショップで小一時間待って、15時35分発のバスに乗りました

そして、1ヶ月ぐらい経ってから「あれは結局何だったんだろう?私が時刻表を勘違いしていたのかな」と思い、再度ホームページで時刻表を確認してみると……。

なんと乗車日のほんの2日前に時刻表が改訂されていたのです。ホームページの更新が間に合っていなかったんですね。

このときは「15時半にはチェックインできると思っていたのに16時時半になっちゃった!残念!」ぐらいなのでまあ仕方ないかー、という感じでしたが、もし「これが2時間先の目的地に向かう最後のバス」だったりしたら……恐ろしくて考えたくもないですね。

かと言ってこの「時刻表改訂されていたけどホームページ更新されてなかった!」を回避する方法も「出発前にバス会社に電話で確認する」ぐらいしか思い浮かびません……。

せめてもの対策として「本数の少ない路線バス」に乗るときは、時刻表が変わっていても多少ならリカバリーできるように、時間に余裕を持って早めに現地に着くようにしています。

登山で早朝出発のとき、ターミナル駅近辺で前泊することも

以前は夜行バスを利用した旅もわりとよく計画していましたが、コロナ禍を経て「4列シートで見知らぬ人が隣に座る夜行バスにはあまり乗りたくないなあ」という気持ちになってしまいました。

温泉旅なら始発の新幹線で行けば十分ですが、登山の場合特に「できる限り早い時間に現地に着きたい」という事情があります。始発の新幹線・特急で出発したのでは余裕を持って登山できなかったりするのです。

そこで最近は「最終の新幹線・特急で現地近くのターミナル駅まで向かい、ビジホで前泊して翌日の始発で山に向かう」ということをときどきやっています。

昨年は、郡山駅で前泊して翌日早朝に猪苗代駅に向かい、磐梯山に登りました。松本に前泊して早朝上高地に向かう……とかもこれからの季節はありですね。

お金は余計にかかってしまうけれど、やはり夜行バスよりも良く寝れるし、たまにはこういうのも悪くないなと思っています。

宿と交通機関は予約した!その後出発するまでは?

泊まる宿と現地までの交通機関を予約し、路線バスなどもチェックして「よし、とりあえず15時までに宿に着けるな」という目処が経ったあとは……?
だいたい出発の前日まで、あとは何もしません。

旅の前日まで何も調べていないことが多いです

土曜日出発の旅なら、木曜日の夜ぐらいにふんわりと「土曜日泊まる宿って、送迎の予約いるんだっけ……?」などと考え始めます。

「送迎の予約は前日まで」という宿もけっこう多いので、その場合、遅くとも前日の夕方までには宿に電話をしておかなければなりません。ごくたまにですが「送迎予約は宿泊の3日前まで」という宿もあって、前日に気がついて青くなったりすることもあります。

金曜・土曜に外食するときは、席を予約しておきます

あとは、週末に夕食を外で食べる可能性があるなら、席の予約をします。
「温泉宿に2食付きで泊まる」ことがほとんどなので、あまり機会は多くないのですが、湯治宿に素泊まりしたり、温泉付きのビジホに泊まるときは外食することもあります。

平日なら大抵大丈夫ですけど、金曜や土曜にふらっと食事に出ようとすると、なかなか入れないことが多いんですよね。
1度、熊本だったかな……居酒屋でちょっと飲めればいいやと思って予約しないでいたら何軒も続けてお断りされたことがあって。それ以来週末だけは、あらかじめ予約するようにしています。

甲府の、駅からちょっと離れたところにある温泉付きビジホに泊まったときは、甲府市内にあるお気に入りのフレンチビストロを予約しました。

それから、別府鉄輪にある湯治宿に朝食付きで泊まったとき。

温泉の蒸気で蒸した食材で作る薬膳料理のレストランを予約しました。こちらも前日に調べて予約したのですが、前日までの予約のみで営業しているお店だったので、前日に見つけてギリギリで予約できて良かったです。

出発までに予定を立てておくのは「宿までの送迎含め目的地までの交通」と「週末の外食の予約」のみです。
特に「行き当たりばったりのほうが楽しいよ!」と思っているわけではなく、本当は前もって予定を決めて早めに予約したほうがいいと思うのですが(前日予約では取れない店もたくさんありますし)……気がつくとなんか、旅行前日になっているんですよね。

でもまあ、そのぐらいでもなんとかなるし、楽しんでいます。

「旅だからと言っていつもと違うことをしない」のが私なりのこだわり

さて、旅行当日です。
登山のときも登山でないときも大抵、朝早い新幹線や特急を予約しています。早朝のほうが空いているので。

ただし……本当はもっと遅い出発でも間に合うけれど早めの電車を予約していた場合、起きた瞬間にあまりにも眠いと布団の中からえきねっとで新幹線や特急の予約変更をして、二度寝することもあります……。

行きの交通機関ではとにかく寝る

行きの飛行機・新幹線・電車・バスの中ではとにかく寝ます。
マスクをして、ニットのキャスケットを深く被って寝ると、寝顔が見られないし日焼けもしないし、窓などによりかかっても頭に振動が伝わりにくくてすごく便利です。

到着時刻によって、ランチを食べるかあるいは喫茶店・カフェへ

当日泊まる宿に向かう途中や、宿の周辺に良さそうなお店があればそこで、ランチをいただいたり、コーヒーとケーキをいただいたりします。

温泉宿に泊まる場合、夕食が18時ごろからと早めスタートのことが多く、量も普段の食事よりは多いです。なので宿泊当日のランチは早め、軽めに済ませておきます。

移動時間が長かったりで、お昼どきにまだ現地に着いていないときは、新幹線の中で駅弁やサンドイッチを食べるなどして早めに昼食は済ませてしまいます。

最近ずっとお気に入りの駅弁「とろ~り煮穴子めし」
東京駅で買える、広島の駅弁です。

それで現地について小腹が空いてしまったら喫茶店やカフェに入る、みたいな感じですね。

このあたりのことは以前「温泉旅の食事考」という記事にも書きました。

温泉宿で2食食べたうえでランチもがっつり!だと胃が疲れるので、時間帯や量を調整している、というようなお話です。

はしご湯はあまり得意でなく、日帰り入浴は1日に1~2軒

温泉好きな方には、1日に何軒もの温泉宿や入浴施設を巡る、いわゆる「湯めぐり」を楽しみにしている方も多いかと思います。

鳴子温泉や黒川温泉など「湯めぐりチケット」「湯めぐり手形」を販売して、積極的に湯めぐりを推進している温泉地もあります。お得に回れるし、すぐ隣の宿でも泉質がぜんぜん違うお湯が湧いていたりしておもしろいし、私も鳴子と黒川に行ったときは湯めぐりを楽しんだりします。

しかし、普段の温泉旅では、立ち寄りで入浴するのはせいぜい1日1軒か2軒で、何軒もの温泉施設をはしごするのはあまり得意ではありません。

宿では浴衣なので脱ぎ着も楽ですが、日帰り入浴だと着てきた服を何度も脱いだり着たりするのが面倒で……。あとは、公共交通機関利用なのでそもそも湯めぐりがしにくいというのもあります。

それでも、以前は「温泉が好きで旅をしているんだから、できるだけたくさんの宿や温泉施設を回りたい!」と思っていて、できる限りがんばっていました。たとえば野沢温泉に行ったりしたら、やっぱり外湯にたくさん入りたいと思って……それで、熱い湯に浸かりすぎてくたびれていました・笑

でも、あるとき

「温泉が好きだからって、スタンプラリーみたいに何軒も巡らなきゃいけないってわけじゃないよね」

と思い「本当に気になったところを1軒か2軒だけにしよう」と思ったら、行程的にも体力的にもすごく楽になったのです。

もちろん、たくさんの温泉宿を回れる足と体力があるならたくさんの温泉を巡るのも楽しいだろうなと思います。

でも、1日に1軒か2軒でも、十分楽しいし、このぐらいが自分には合っているなあと。

日帰りで入ったお湯がすばらしいと「次は泊まりで来てもっとゆっくり入ろう!」と思えますし。

栃木県日光市の中禅寺湖畔にある「中禅寺金谷ホテル」にも、最初は日帰り入浴でお邪魔しました。

お湯もすばらしく、浴室もきれいで使いやすく、スタッフの方の対応も良くて、次は泊まりで来ようと思って宿泊したところ、食事もすばらしかったです……。

今ではすっかりお気に入りのホテルです。

できれば荷物を預けて、たくさん歩くのが好き

登山を絡めた旅のときは行程のどこかで山を歩きますが、登山をしない旅のときも、天気が悪くなければ歩くのが好きです。

と言っても、目的地を定めずにあてもなく歩くわけではありません。どうも、それはそれであまり得意ではないみたいで。

たとえば「泊まった旅館から駅」あるいは「日帰り入浴したい温泉から駅」までなど。行きはバスかタクシーで行くけれど、帰りは歩いて戻ってくる、というようなことをよくやります。

以前行った場所では、熊本県の人吉市にある「華まき温泉」というぬる湯がすばらしい温泉施設に行った帰りに、最寄りのバス停まで歩いた道が楽しくて、印象に残っています。

道ばたに咲く彼岸花が美しくて。

9月中旬でしたが暑くも寒くもなく、心地良い風が吹いていて、そして自分以外誰も道を歩いていない。

温泉からバス停までの30分弱の道のりでしたが、ああ、こういう時間を過ごしたくて私は旅をしているんだなあと思ったりしました。

山じゃなくても、歩くのは楽しいです。
たくさん歩いたほうがお腹も空いて、その後食べるご飯もおいしいですしね。

ただ、長く歩くことがわかっているときは、駅のコインロッカーや観光案内所、泊まる(泊まった)宿などに荷物を預けておくとより快適ですね。私はいつもリュックなので、預けなくても歩けないことはないけれど、預ける手段があるならできる限り預けます。
そのために、メイン利用の大きめリュックを預けた後に背負う、コンパクトに折りたためるサブザックも大抵持ち歩いています。

観光はしない。駅ビル、ショッピングモール、スーパー、書店、デパートが好き

いわゆる観光にはまったく興味がなくて「ここにいったらとりあえずここには行くでしょう!」という鉄板の場所も、一人旅のときはほぼスルーしています。(同行者がいる旅で相手が行きたいと言えば立ち寄ることもある……ぐらい)

その代わり、と言ってはなんですが、国内旅行中に駅ビルやショッピングモール、デパートなどの商業施設をぶらぶらするのが大好きです。

少し前に、松本駅からバスで20分ほど、歩くと1時間弱の場所にある美ヶ原温泉の宿に泊まった翌日のこと。

着いた日は、なるべく早い時間にチェックインしたいということもあってバスを利用しましたが、翌日のチェックイン後は歩いて松本駅まで行くことにしました。徒歩だと50分ほど。

それで、駅に向かう途中にイオンスタイルに寄りまして。

お酒売り場をうろうろして「見たことない地酒があるー」と喜んだり「おしゃれキャットマリーのグッズ、今もこんなに売ってるのか!」と驚いたり、モール内に入っているカフェでお茶を飲んだりして満喫しました。

イオンスタイルからちょっと足をのばせば松本城もあるのですが、立ち寄らず。

観光客の多い「中町通り」を通って帰りましたが、お土産もあまり買わないので特に店には寄らずに駅に戻ってきました。だいたいいつもこんな感じです。

スーパーとか書店に寄るのも好きで、どちらも品揃えに地域差があっておもしろいし、特に買い物するわけではないんですけど、少なくとも観光地に行くよりはずっとワクワクするんですよね……本当に、なぜなのか。

私の生まれ育った街は娯楽が少なく、子供時代の休日の楽しみは親に連れられて行くジャスコ(まだイオンじゃなかった)やダイエーなどの大型スーパー。ピアノのレッスンの帰りに立ち寄るマリーン5清水屋などで。

そして、本なら望めば買い与えてくれる家だったので書店がとても好きでした。

高校時代は鶴岡市内の書店「八文字屋」「ダイエーに入ってた書店」「マリカに入ってた書店」「ブックバーン」を、自転車ではしごして帰ったものです……。

著書にも書きましたが、私の温泉好きは子供の頃の体験(祖父の湯治先に休日に遊びに行ったのが楽しかった思い出として残っている)の影響がけっこうあると思っているので、旅先で商業施設や本屋に行くのが好きなのも同じ理由なのかもしれません。

もしかして子供時代に、美術館やお城見学なんかに連れていかれていたなら、旅先でも美術館巡りとか城巡りとか楽しめる大人になったのかもしれませんね。
でも、自分なりの楽しみを追求すればいいのだと思います。

歩き疲れたら喫茶店やカフェに入る、ミスドでもいい

天気が良くて時間があるとどんどん歩いてしまうので、そのうち、疲れます。

疲れたなあと思ったら喫茶店を探します。Googleマップのおかげで旅先での喫茶店やカフェ探しが本当に楽になりましたね!一人旅を始めたときはガラケーしかなかったから、いい感じの店を現地で検索して向かうなんて難しかったはずなんですけど、当時はどうやって旅をしていたんでしょうか……もう思い出せない。

それで、いい感じの喫茶店やカフェが見つかったら「次にこの街に来たらまたここに来よう」と思います。あちこちの街に好きな喫茶店やカフェが増えていくのも楽しいし、旅の醍醐味のように感じています。

青森駅近くのウィーン菓子シュトラウスとか。

ザッハトルテがすばらしくおいしいだけでなく、店内の雰囲気も素敵です。
既に何回も足を運んでいる店ですが、隣の席で結婚相手を家族に紹介するための会合が開かれていて、思わず聞き耳を立ててしまったこともありましたね……。

小諸の「ティーサロン寿徳」も大のお気に入りのお店です。

お店のおじさんが優しくてね……コンセント使わなくて大丈夫?ブランケットもあるからね、とか聞いてくれるし。

クリームトーストと小倉クリームトーストとどちらにするか迷っていたら
「旅行で来てるんだろうし、もう来ないだろうから半分ずつ出してあげるよ」
と言われ、うれしくて、もう来ないだろうと言われたのにその後3回ぐらい行ってます。

でも、いい感じの店がなかったらスーパーにテナントとして入ってるミスドでも何でもいいんですよ。先日も猪苗代駅前でミスドに行きましたし、伯耆大山に登りに米子に行ったときもいつもミスドに行きますね……。

東京にいるときはあんまりミスドに行かないので逆に新鮮だし、地元の人の中にまじってボケッとしたりブログを書いたりして。

昔からずっとこのへんに住んでる人みたいな体で過ごすのも楽しいのです。

チェックアウト日はランチは食べず、15時ごろから駅近くで飲める店を探す

特に事情がなければチェックアウト時間ギリギリまで宿にいたい人なので、宿を出るのは10時か11時。

朝食は8時ぐらいには済ませているけれど、旅館の朝食はボリュームたっぷりなので昼になってもあんまりお腹は空きません。なので旅館に泊まった翌日は、喫茶店でちょっと甘いものをつまむぐらいでランチは食べません。

そして帰路につく直前の15時ごろから、かなり早めの夕食&一杯飲める店を探します。
このときにお店を探す場所は「温泉地や山の近く」ではなく、帰りの新幹線や特急、空港行きのバスに乗る駅の周辺です。新幹線などに乗る時間ギリギリまで飲んで、ほろ酔いでいい気持ちで帰るという計画です。

15時からとか、そんな時間に飲める店があるのか……?と思われるかもしれませんが、郡山駅の「もりっしゅ」や盛岡駅の「うんめのす」のように、駅構内のお店や駅ビルの中のお店は通し営業をしていることが多いので、狙い目ですね。

「もりっしゅ」は、福島の地酒や郷土料理のほか、地ビールも飲めるのがうれしい。

「うんめのす」は、東北の地酒を中心に、日本酒の種類がとにかく豊富で季節限定の貴重なお酒が目白押しです。つまみもおいしい。

それから、ややお値段高めの「ご当地回転寿司」も通し営業していることが多いですね。地元の人にも観光客にも人気の店ですが、15~16時という中途半端な時間帯なら、大抵は並ばずに入れます。

八戸市の八食センター内にある「八食市場寿司」は、寿司ネタの鮮度もネタの質もすばらしいし、青森の地酒もかなり豊富に揃っています。
八食市場寿司に行きたいがために、八戸周辺の温泉宿を予約してしまうほど、大好きなお店です。

青森や盛岡だと帰りに時間がかかるので、できれば15時ぐらいから飲み始めたいところですが、郡山とか高崎とか甲府とか仙台、熱海なんかだとさくっと帰れるので、17時から夜の営業を始めるお店に開店と同時に入る、みたいなこともやりますね。

酒造メーカー直営のレストランが好きでよく行く

それから私は、どうも「酒造メーカー直営の居酒屋やレストラン」が大好きなようで、気がつくとそんなお店ばかり行ってました。

などなど。
日本酒をメインで造っている酒造メーカーの居酒屋や、クラフトビールメーカー直営ビアレストラン、ブリューパブなどに、気がつけばやたらと足を運んでいました。

実は「醸造所見学」は観光に興味がないのと同じ感じであまり興味が湧かないのですけどね。外では飲むけど、自宅で晩酌はほぼしないので、直売店に行ってもお酒もあまり買わないですし。

でも、直営のレストランや居酒屋では、そのメーカーのお酒がいろいろ楽しめるし鮮度もよく、お安く飲めるところも多いし、地物食材を使った料理がおいしいお店がほとんどで、ハズレが少ない気がして。なんか好き。

酒造メーカー直営のレストランだと、駅から交通がやや不便な場所でもわざわざ足を運んでしまうので、たぶん、よほど好きなんだと思います。

きっと、これからもそういうお店を探しつつ旅をしていくのでしょう。

ほろ酔いで寝ながら帰ってきて、着く頃にはちょっと元気になってる

飲み終わったところで帰るというか、新幹線の時間が来るまで飲むというか。
あんまりフラフラしたりお酒くさいのはどうかと思うので、あくまでほろ酔いにとどめてはいる、つもりです。

そして帰りの新幹線でも、窓際の席でマスクと帽子を着けてひたすら寝ています。

都内に着くころには夕方から夜になっていますが、ずっと寝ていたからか移動疲れもあまりなく、ほろ酔いからさめてなんとなく元気になっていることが多いです。(超きつい登山の後とかでなければね……)

そして自宅に着いて荷物を片付けたらコーヒーを淹れてノートPCを開き、またブログを書き始めます。

そうして日常に戻っていくのです。

改めて振り返ってみると本当に「温泉」と「登山」以外は普段の生活と大して変わらないことばかりしている旅なのですが、ある意味これが私なりのこだわりなのかなとも思うのです。

「旅行に来たんだから!」と、普段なら行かないような場所に行ったり、食べないようなものを食べたり、お酒を飲み過ぎたりすると疲れてしまうので。

旅先でもなるべく普段どおりに過ごしたいと思い、そういう風にしています。

「そんな旅どこが楽しいの」と思う方もいるかもしれませんが、人には理解されないようなことであっても自分さえよければそれでいいのさ、というのが、一人旅をはじめ一人行動の醍醐味だと思うので。

また年齢を重ねたり、状況が変化したりすることで、旅の楽しみ方が変わることもあると思いますが、これからも、好きなように楽しんでいきたいです。

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