那須湯本温泉 鹿の湯源泉かけ流しの宿 旅館 清水屋
那須湯本温泉は、那須岳の山腹にある歴史ある温泉地で、開湯は630年と、飛鳥時代に遡ります。
那須湯本には「鹿が温泉で傷を癒やしているところを発見された」という開湯伝説が残っており、現在でもその源泉を用いた「鹿の湯」という共同浴場があります。ただし、大人気の共同湯ですので、いつ行っても混んでいるのですが……。
今回日帰り入浴にお邪魔した旅館 清水屋さんは、その歴史ある「鹿の湯」源泉を、日帰り入浴でも気軽に楽しめる宿です。
今回、貸切状態でたっぷりと楽しむことができましたので、レポートしたいと思います。
三斗小屋温泉に宿泊し、茶臼岳に登頂した後、バスで那須湯本温泉へ
4月の中旬、三斗小屋温泉煙草屋旅館が冬期休業期間を終えて営業を開始した週末に私は、煙草屋旅館さんに宿泊して、茶臼岳をハイクして下山しました。
登山ルートはきついものではなく、普段山歩きをされている方ならそれほどしんどいものではないと思います。しかし、きついルートでなくても歩いた後は汗をかくもの。。。
温泉に泊まりに行ってまた汗をかいて下山してくるというのもなんだか不思議な感じもしますが、下山したらやっぱりお風呂に入りたい。
というわけで、下山後に那須ロープウェイ山麓駅バス停から、那須塩原駅行きのバスに乗り込んだ私は、20分ほどの乗車の後、那須湯本でバスを降りました。
ちなみに、前日に2日間有効のフリーパスを買っているので、途中下車しても料金は変わりません。
フリーパスはバスの車内でも購入可能です。
バスを降りたらまず、那須高原観光案内所へ。
今日はしばらくこの周辺をぶらぶらするつもりでしたので、お風呂グッズや財布、カメラなどを小さなバッグに入れ、登山用のザックは観光案内所の中にあるコインロッカーに預けていこうと思いまして。
このときの持ち物は、こちらの記事↑にて紹介しています。
山の中で担いでいるときは大して重く感じないのですけど、下山後にザックを背負っているとあんまり周囲をぶらぶらする気になれないんですよね。なので、コインロッカーがあれば速効で預けてしまう私です。
観光案内所で、那須塩原駅行きのバスの時刻表をメモ代わりに写真に収めて。
1時間に1本程度は必ず運行しているのがありがたいですね。
そして、観光案内所で「那須高原湯めぐりマップ」をいただきました。
那須湯本で日帰り入浴できる温泉で、一番有名なのは共同浴場の「鹿の湯」ですが、いつ行っても混んでいるうえに「石けん&シャンプー使用不可」ですので、下山後の温泉にはあまり適していないかなーと思い。
このとき、時間はまだ11時前でしたので、旅館には連泊のお客さん以外いないはずです。こんなときは、旅館で日帰り入浴するのが吉ですね!
というわけで湯めぐりマップに掲載されている、バス停から最も近い旅館「中藤屋」に向かって歩き出しました。
しかし、中藤屋旅館の前まで歩いてから気がつきました。
中藤屋旅館の日帰り入浴可能時間は11時~20時です。しかし、このときまだ11時前。。。
1番乗りを目指して少し早めに入るのもいいけれど……どうしよう?
よく見ると、中藤屋旅館さんのほんの2軒先にもわりと小ぎれいそうな旅館があり「お気軽に入浴 露天風呂有」という看板が出ているのです。
それが、旅館清水屋さんでした。
那須温泉旅館協同組合のホームページを見ると、この旅館清水屋さんも中藤屋旅館さんと同様に鹿の湯源泉を使用しており、しかも中藤屋さんにはない「露天風呂」もあるとのこと!
そして日帰り入浴の営業時間は10時30分から19時までと、既に始まっています。よし決めた!まずは清水屋さんだわ!
というわけで、その日の日帰り入浴の営業を開始したばかりの清水屋さんにお邪魔することにしました。
旅館清水屋の日帰り入浴の営業時間&入浴料金
旅館清水屋さんの日帰り入浴の営業時間は10時30分~19時まで。
入浴料金は1000円で、タオル類をレンタルする場合は別途200円かかります。
玄関で靴を脱いでスリッパをお借りし、フロントで声をかけて宿の方に入浴料金を支払います。
このとき「脱衣所に鍵付きのロッカーなどないので、貴重品お預かりしましょうか?」と声をかけていただいたので、お言葉に甘えてお財布を預かっていただきました。ありがたいお心遣いですね。
浴室は、1つ階段を下った地階にありました。
手前が男湯、奥が女湯。
浴室前のスペースには、卓球台とビリヤード台がありました。
ネットが張られているということは、卓球台は現役で使われているのでしょうね。
【風呂】★★★★ かなり熱いが新鮮な鹿の湯源泉を貸切状態で楽しめた!
脱衣所へ。
フロントでお声がけいただいたとおり、鍵付きのロッカーなどはなく、脱衣カゴが並んでいるシンプルな作りです。
洗面台には箱ティッシュとハンドソープ、ドライヤー。
ドライヤーはPanasonicのイオニティ。
それとシャワーキャップが置いてありました。私は使いませんが。
なんと、壁に「この温泉は酸性泉です。石けんの使用はご遠慮下さい」との文字が!マジですか!!!
あらー、シャンプーや石けんが使えると思って鹿の湯に行かずに旅館を探したのに、こちらも使えないの?でしょうか?
脱衣所には、温泉分析表が貼ってありました。「鹿の湯・行人の湯混合泉」です。
泉温は57.2度、ph2.6の酸性硫黄温泉。
では、いざ浴室内へ!
おお……これは素敵。
窓が大きくて明るい内湯です。窓を開放すれば半露天のようになりそうですね。
「熱めの浴槽」と「ぬるめの浴槽」を作るためでしょう。浴槽が2段になっています。
下段のほうは、湯口からお湯が運ばれてくるうちに少し冷めるというわけですね。
さて、体を洗って……と思ったら、洗面器と風呂椅子はあるけれど、洗い場はない。
もしや、鳴子温泉の東多賀の湯みたいな感じで、体を洗うのも源泉を使うのかしら。だとしたらたしかに、石けんを使ってもあまり泡立たないかもしれないですね。
と思ったら、浴室の隅にシャワーブースがありました。良かった……。
立ったまま使うタイプのシャワーで、温度調節機能などはないようでしたが、普通にお湯が出るシャワーでした。
シャンプー&コンディショナーとボディシャンプーもありますので、使って良いということでしょう!石けん使用不可は、きっとシャワーが取りつけられる前のことなんでしょうね。
シャワーで体と頭を洗ってさっぱりしたところで、お待ちかねの2段の浴槽へ。
象の鼻のように長細いといをつたって、下段の浴槽にちょろちょろと源泉が流れ落ちています。それと、上段の浴槽からもお湯は落ちてくるようですね。
湯口は温泉成分で真っ白。
上段の浴槽には、湯口からドバドバと源泉が……ああ、本当はこっち側の浴槽のほうがお湯は新鮮で良さそうだなあ。
しかし、上段は確実に熱いと思われるのでまずは下段へ……。
そっと身を沈めると……おおおお!熱い!
42~43度ぐらいでしょうか。ぬる湯好きな私が浸かることのできる限界の熱さかもしれません。
しかし、やはり名湯!すばらしくいいお湯!
酸性泉ですが、成分が濃いからかとろみを感じさせるような浴感があります。
熱くて足の指が赤くなっていますね・笑
上段の浴槽は、私にはちょっと熱すぎたので残念ながら浸かれずでした。手をつけてあきらめた。。。
この日は4月にしては気温もかなり高かったので仕方ないですね。冬なら良いのかもしれないです。
次に露天風呂へ。
内湯から直接出られます。
中庭のようなところに、こぢんまりとした露天風呂がありました。
広さは2畳ほどでしょうか。青みがかったお湯が美しいです……。
湯口からは新鮮な源泉が絶え間なく追加されています。
露天風呂のお湯も内湯同様熱めで長湯はできませんでしたが、温泉ハイクで疲れた体が一気にリフレッシュされたように感じました。
ぬる湯好きの私ですが、熱めのお湯に短時間浸かるのもたまには良いですね。
【再訪したい度】★★★★ かなり熱めのお湯なので寒い時期に再訪してみたい
初めてお邪魔した宿でしたが、浴室や脱衣所のほか、館内も整然としていて清潔でしたし、良さそうな旅館だなと思いました。フロントで財布を預かっていただけたり、その際に宿の方がすぐに出てきてくれたのもうれしかったですね。家族経営の小規模な旅館ですと、日帰り入浴したいけど呼んでも誰も出てきてくれない、ということもけっこうありますので。
シャワーやドライヤーなどの浴室・脱衣所の設備もきちんとしていましたし、お邪魔したのは日曜の昼間という時間帯でしたが、小一時間ほどの滞在中、私のほかに日帰り入浴のお客さんが誰も来ず、独占状態で楽しめたのもよかったです。
じゃらんや楽天のクチコミを読むと、食事もおいしい宿のようですので「冬に1人で泊まりに来るのもいいかな」と思ったのですが、残念ながら1人泊のプランの設定は素泊まりのみでした。2人以上であれば、週末の2食付きで14000円ぐらいで泊まれるようですね。
もし、1人で食事付きのプランで泊まれるなら寒い季節に再訪してみたいなと思いました。
さて、私にしては長湯せずに短時間であがってしまったので、思ったより時間が余りました……。
というわけで、珍しくもう1宿、日帰り入浴してきたいと思います。