東京からのアクセスもよく温泉も楽しめる!登山初心者に自信を持っておすすめできる山
金時山は、神奈川県の箱根にある標高1212メートルの山で、箱根山カルデラを囲む箱根外輪山の中で最も標高が高い山です。
標高が高いだけでなく「金太郎伝説」で有名で、登山口には金太郎を祀った「金時神社」があったり、山頂からは富士山が間近に見えたりと見所も多く、週末は多くの登山者で賑わいます。*1
標高は1212メートルと高尾山(標高599メートル)の倍以上ありますが、登山口が標高650メートルと高いところにあるため、体力的な「きつさ」としては高尾山+αというところでしょうか。
新宿駅から登山口の目の前まで高速バスで来れたりと交通の便も良いため、登山を始めたばかりの方に「高尾山の次はどこに登ったらいいの?」と聞かれると、候補の一つとして必ず名前をあげる山です。
そんな金時山に2019年の1月にも登ってきましたので、レポートしたいと思います。また、これから何回かに分けて、金時山を下山した後に立ち寄りたい日帰り入浴可能な箱根の温泉や、飲食店についてレポートする予定です。
早朝に新宿から高速バスに乗り、登山口の目の前のバス停で下車
2019年の1月の週末、午前6時15分ごろに新宿駅に着いた私は、高速バスターミナルのバスタ新宿へ。
6時35分発の小田急箱根バスの始発便に乗車するためです。
箱根行きの高速バスは、午前8時台に新宿を出るバスあたりからかなり混み始め、どの便も満席状態となるのですけど、始発バスはたいていガラガラなので悠々と2席使って寝ているうちに箱根に着くことができます。
8時40分に「金時登山口」バス停で下車して、驚きました。
あったはずのローソンがありません。
2年前、2017年の1月に来たときはちゃんと営業していたのですが……。
あらー、どうしましょう。このローソンで朝食と行動食を購入して、イートインで食べてから出発しようと思っていたので、今日は何も食べ物を持っていないんですが。
慌ててGoogleマップを調べてみると、良かった、徒歩3分のところにセブンイレブンがありました。登山口とトイレとコンビニの場所がわかりやすく整理された、ちょうどいい地図が貼ってあったので撮らせていただいた。
「金時登山口」バス停前のローソンは閉店してしまいましたが、ローソンの向かいに公衆トイレがあるため、買い物の必要がなければここでトイレを借りて出発することも可能です。
買い物は「金時神社」方向に3分歩いたセブンイレブンで可能です。
ちなみにこのセブンイレブンに最も近いバス停は「太郎平」です。次回からは太郎平でバスを降りることにしましょうかね。
セブンイレブンで朝食を食べ、金時神社から登山スタート!
セブンイレブンにもイートインコーナーがあったので、缶コーヒーとサンドイッチ、おにぎりを購入して朝食としていただきます。
行動食用にも菓子パンを買い、トイレを借りて出発します。
今日のザックはカリマーのリッジ30・リミテッドエディッションモデルのブラック。
2018年に出た限定色なんですが、紺と黒があり、ステッチも同色なのでとてもシックで、旅行に持っていくにも良い感じ。最近気に入って使っています。
「2018年に買ってよかったもの」の記事でも紹介しています。
では、リッジ30を背負って歩き始めましょうか。
現在地からまずは「金時神社」に向かって、2時間弱の道のりを歩いて山頂へ。
下りは途中から行きとは異なる道を歩き、矢倉沢峠を経由して最初にバスを降りた「金時登山口」に下山する予定です。
↑こちらの写真の地図だと、山頂までのコースタイムが「登り1時間15分」「下り1時間」とけっこう短めで書いてあるのですが、「山と高原地図」に記載のコースタイムは上りも下りも上記地図より30分ほど長めの時間が書いてあります。
登山を始めて間もない方なら「上り2時間、下り1時間半」はかかると思って出発したほうが安全でしょう。
金時神社の境内に向かって、舗装路を歩いていきます。
駐車場の奥に公衆トイレがあり、この先は一般車は入っていけない登山道となります。
進んでいくと社務所があり、金太郎にちなんだお守りなどを販売しているようでした。
こちらが金時神社。
お参りしてから登る方も多いです。
私は、ザックにしまった財布をお賽銭のために出すのが面倒なので、そのまま歩き続けます。
金時神社まではなだらかな林道という雰囲気ですが、神社を過ぎると道も登山道っぽくなってきました。
「金時手毬石」「金時宿り石」を通過し、矢倉沢峠ルートとの合流ポイントへ
金時神社から少し登っていくと、苔むした大きな岩が登山道沿いにあり、何やら祀ってあります。
この岩は「金時手毬石」と呼ばれており、金太郎が手毬にして遊んだと言い伝えられているそうです。
手毬石の横を通り抜けてさらに進んでいると、いったん登山道と車道が交わるポイントがあります。
車道を横切ってさらに登山道を登っていくと「金時神社奥の院入り口」との案内表示がありました。
この少し先に「金時宿り石」なるスポットがあります。こちら↓
「金太郎と母の山姥が夜露をしのいだと言われている大岩」だそうで「宿」だから「宿り石」なんですね。寒さのせいで縦に真っ二つに割れてしまったのだそうです。
今回ブログを書くために「宿り石」について初めて調べたのですが、それまで何となく「怪力と言われている金太郎の力で真っ二つに割った岩」なんだろうと思っていました。ひどい思い込みですね・笑
金時宿り石を過ぎたあたりから登山道は傾斜を増し、ジグザグの坂道を登っていきます。
20~30分ほど登ると、ふいに視界がひらけて青空が見えました。
閉店してしまったローソン前「金時登山口」から歩き始める、矢倉沢峠を経由するルートとの合流地点です。
ここからはさらに傾斜が急になりますが、山頂まではあと30~40分ほどの道のりです。
箱根の街を眼下に眺めつつ、雪のない登山道を登って山頂へ
合流地点を越えてしばらく登っていき、振り返ると箱根の街並みを眺めることができます。
正面にある箱根山が、白い噴煙をあげているのも見えますね。
私は、ほぼ毎年のように金時山に登りに来るのですが、いつもの1月~2月なら合流地点から山頂までは登山道のあちこちに雪が残っていることがほとんどでした。
しかし今回は、登っても登ってもまったく雪がありません。少し拍子抜けしてしまったぐらいです。
このあたりの岩の上にも、いつもの年であれば……。
↑こんな風に雪が積もって日陰は凍り付いており、上りは良くても下りは滑りやすいので、チェーンスパイクは必携なのですが、今年は出番がありませんでした。
少し登ったら芦ノ湖も見えてきましたね!
箱根駅伝ファンなので、芦ノ湖が見えると興奮します。
金時登山口および金時神社から金時山に至る登山ルート上に、危険箇所はほぼないのですが、1箇所だけ、大きな岩に手をかけて登らなければならないところがあります。
ただ、ちゃんとロープがかかっていますので、初心者の方でも特にこわいことはないと思います。私も登山を始めたころは今以上にビビリでしたが、ここは特にこわくなかったので。
岩を登ってから少し歩くと……着きました!山頂です。
右手に見える青っぽい建物が、山頂にある2軒の茶屋のうちの一軒「金太郎茶屋」です。
山頂には木でできた椅子とテーブルもいくつか並んでおり、バーナーでお湯を湧かしてランチを楽しんでいる人たちもいました。
山頂では富士山を間近に眺め、金時茶屋でなめこ汁をいただく
山頂から眺める富士山もすっきりと雲一つなく晴れていて美しい!
山頂から眺める富士山が本当に美しいことも、金時山の魅力の一つだと思います。
しかし、2019年はやはり雪が少なかったですね。
↓こちらが、2年前の2017年の1月、ほぼ同時期に金時山に登った際に眺めた富士山ですが……。
雪の白さが今年よりも濃いし、積もっている範囲も広いように思います。
2019年は八ヶ岳あたりでもかなり雪が少なく、2月下旬までスノーシューもできないほどの積雪状況だったようですが、その後3月に入ってからかなり積もったんですよね。富士山は2月以降はどうだったんでしょうか。
山頂には、金時山がなぜ「金時山」と呼ばれるようになったかの由来と、金時山の別名である「猪鼻山」の由来について書かれた碑がありました。
2019年は「いのしし年」なので、干支である猪に縁のある山として、金時山が紹介されていることもありますね。
山頂碑のそばには「金時娘の茶屋」である「金時茶屋」が立っています。
今回はこちらの金時茶屋で、名物のなめこ汁をいただきたいと思います。
金時茶屋のメニュー
「金時娘」で有名な金時茶屋ですが、今回は金時娘は不在でした。
店内は撮影禁止なので、メモしてきたメニューを紹介しますと……。
・大粒なめこ入りきのこの味噌汁:500円
・みそ田楽(1皿4本):500円
・煮込みおでん:600円
・金時そば:700円
・金時うどん:700円
・カレーうどん(中辛):600円
・金時じるこ:700円
・本こうじ入り甘酒:300円
・カップヌードル:300円
・ホットコーヒー:400円
・ホットココア:300円
・お茶:200円
・ところ天:300円
でした。
ただし、上から紙を貼って値段を修正してある箇所も何箇所かありましたので、今後も値段が変わることもあると思います。
注文したのはもちろん「大粒なめこ入りきのこの味噌汁」500円です。
お金を払って食券をもらい、なめこ汁が出てくるのを待ちます。
きました!
一瞬「あれ?私なめこうどんを注文したんだっけ?」と思って焦りましたが、うどんのように見えた白い長いものもなめこでした・笑
味噌汁はあっさりとした味わいで熱く、登山時の水分と塩分補給にちょうどよかったです。
お隣の金太郎茶屋に入ったこともあります
今回は金時茶屋でなめこ汁をいただきましたが、手前にあった「金太郎茶屋」にも入ったことがあります。
こちらのお店のほうが普通に食堂っぽい感じです。金時茶屋はだいぶ古いので。
メニューはこんな感じ。
かぶっているメニューも多いのですが「金時茶屋にはおしるこはなかったな」と思い、おしるこを注文することにしました。
あたたかいお汁粉は、やはり登山中のおやつにぴったり。おいしかったです。
金時山山頂には有料の公衆トイレも有り
金時山の山頂には1回100円の利用料金が必要ですが、まだ新しい公衆トイレも設置されています。
なめこ汁をいただいた後は、山頂から周辺の景色を最後に見渡して……。
この日は気温も高めで暖かかったので、みんな思い思いに山頂の時間を楽しんでいました。
箱根外輪山の美しい山並みを目に焼き付けたところで、温泉とおいしいランチを目指して下山したいと思います!
矢倉沢峠を経由して下山する
もと来た道をゆっくりと下っていきます。
登ってきたときは、山頂直下の坂はけっこう急だなと感じていたのですが、下山時は案外なだらかに感じたりするから不思議なものです・笑
下りは金時神社に下りず、矢倉沢峠を経由します。
合流地点から矢倉沢峠方向の道を選んでさらに下っていくと、山の上を縫うように1本の登山道が伸びているのが見えます。
矢倉沢峠から下山せずに、箱根外輪山の明神ヶ岳、明星ヶ岳に向かう縦走路です。
私も以前縦走し、レポートを書いています↓
金時山に比べると人も少なく、静かな山歩きが楽しめるルートです。
矢倉沢峠に着きました。
峠にあるうぐいす茶屋は本日は(なのか、今シーズンはずっとなのかわかりませんが)休業していました。
以前来たときは、冬でも週末は営業していたんですけどね。
矢倉沢峠から金時山の方向を振り返ると、やや茶色っぽくはなっていますが、天然の芝生に包まれた山と、青空のコントラストが美しいです。
実は私は、冬にしか金時山に来たことがないのですが、緑が生い茂る季節もきっときれいでしょうね。
こちらが明神ヶ岳に向かう縦走路と下山路の分岐です。
今回はもう下山して温泉に向かいますので「仙石原」に向かいます。
矢倉沢峠からは比較的なだらかな登山道を10分少々歩くと、車道に出ます。
あとは林道に沿って歩いていくだけです。
山頂から1時間少々で、閉店したローソン前に着きました!お疲れさまでした。
向かいにある公衆トイレを借りることにします。
公衆トイレの前には、親切にも水道と、靴を洗うブラシまで置いてあるという至れり尽くせりぶりです。
もちろんお借りして靴の泥を落とし、スパッツをはずして身支度を整えます。
登ってきた山を最後に振り返って眺めてみます。
こんな絶好の天気の日に登れて、本当に楽しかったです。
さてこの後は、仙石原から少し歩いて日帰り入浴ができる旅館で、お風呂をお借りしたいと思います!
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今回は旅館の日帰り入浴を利用しましたが、金時山下山後は、以前ご紹介した日帰り温泉「ての湯」に立ち寄ることも可能です。
箱根湯本駅行きのバスに乗って「木賀温泉入り口」バス停で下車します。
仙石原周辺のお湯は硫黄泉なのですが「ての湯」はナトリウムー塩化物温泉でほぼ中性のお肌に優しい泉質なので、硫黄泉が苦手な方にはおすすめです。
あまり混んでいませんし、館内の食事処も充実しているので、あちこち出歩かずに一箇所で済ませたい方にも良いかと思います。
*1:と言っても高尾山に比べたら10分の1以下の混み具合だと思う。