山の休憩所かゑる
冬~春の間に、毎年のように鴨沢登山口から雲取山に登る私ですが、2017年の春に登る際、鴨沢バス停で、去年までと明らかに異なるポイントがありました。
鴨沢バス停でバスから降りた登山者に「帰りに寄っていってください」とお店の名刺を配っている方がいたのです。
なんだかかわいい名刺だわ。
バス利用で登山するときに、バス停での待ち時間を過ごせる場所が近くにあるって本当にありがたいことです。よし、帰りに寄ってみよう。
というわけで、下山後に立ち寄ってみましたので、レポートしてみたいと思います。
これまで鴨沢バス停には、午前中の早めの時間に下山すると居場所がなかった
鴨沢登山口は、三峰神社と並んで、公共交通機関利用のハイカーが雲取山に登山する際に利用することの多い登山口だと思います。
雲取山の登山ルートについては、こちらの記事に詳しく書きました。
冬の間は、三峰ルートからは登山者が少なくなるので余計に、鴨沢バス停から登山する人の割合が増えます。
しかし、鴨沢バス停前にはこれまでは「木漏れ日。」という食事処が1軒あるのみでした。
1軒あるだけでも十分ありがたいことではあるのですが「木漏れ日。」の営業時間は11時から18時30分。山の朝は早いので、朝9時台に鴨沢登山口に下山してしまうこともけっこうあったんですよね。そうすると、バスが来るまで時間を潰せる場所はありませんでした。それと「木漏れ日。」は月曜定休なので、月曜に休みを取って日月で登山した際なども利用できなかったんですよね。
しかし今回、バス停にこんな貼り紙がしてあったのです。
食事のメニューは少なそうですが、コーヒーとおしるこにこだわっているお店のよう。
「食事するほどお腹が減っているわけではない」ときにも立ち寄りやすいし、何より営業時間が「7時~18時」で火曜日が定休とはありがたい。。。
というわけで、今回はかゑるでコーヒーをいただくために、少し時間に余裕を持って下山しました。
山の休憩所かゑるへのアクセスと外観
山の休憩所かゑるは、鴨沢登山口から徒歩1分、丹波方面に歩いたところにあります。
ご自宅の1階の土間と和室をお店としているんだそう。
大きな赤い、布の看板が目印です。
お店の目の前には、泥の付いた靴を洗えるシャワーもありました。素敵。
靴を洗ったらかわいらしくデコレーションされた玄関から中へ入ります。
ご主人が「お疲れさま」と出迎えてくれました。
山の休憩所かゑるのメニュー
中でいただけるメニューはこちら。
看板メニューは「おしるこ 500円」と「コーヒー 400円」だそうです。
「おしることコーヒーのセット」だと、100円安くなり800円になります。
コーヒーの種類は「タンザニア」の1種類のみですが、自家焙煎のコーヒーショップから仕入れている豆で、注文が入ってから豆を挽いて淹れてくださるこだわりのコーヒーです。
また、おしるこのあんこも自家製だそう。
「大人のコーヒー牛乳」もとても気になったのだけど、残念ながら牛乳が飲めない私。。。
時間があれば、自家製ピクルスをいただいて、ビールやワインというのもいいですね!
おしるこ・コーヒーセット800円をいただく
今回、私が注文したのはもちろん、看板メニュー2品のセットです。
「少し時間がかかるけど大丈夫?何時のバスに乗る予定?」
と、注文時に声をかけてくださいました。
どうやら、コーヒーだけでなくおしるこの餅もオーダーが入ってから焼く方式のようです。楽しみ!
10分ぐらい待って、コーヒーとお汁粉が運ばれてきました。運んでくださったのはご主人の奥さん。ご夫婦2人で営んでいるお店だそうです。
お汁粉のお椀のふたを開けると、たっぷりの粒あんと、焼きたての、おいしそうな焦げ目がついたお餅が3個も入っています!
「お汁粉とコーヒーって合うのかな……」とちょっと思ったんですが、心配無用でした。案外合うものですね。
お汁粉も甘さ控えめなので、量多いかな?と思いましたがペロッといけるおいしさでした。
ごちそうさまでした!
山の休憩所かゑるの店内
「山の休憩所かゑる」は、築61年の古民家を改築した、本当の意味での古民家カフェです。
店内と、店内の売店で売っている商品についてご紹介したいと思います。
公式サイトによると、お店は「4畳半ほどの土間と8畳の和室」で営業しているとのことですが、この日はお客さんが私しかいなかったからか、土間のみでの営業でした。
おそらく、左手に見えるガラス戸を開けると和室なんだと思います。
和室の様子は公式サイトで写真が見れます。くつろげそうな雰囲気の部屋ですね。
壁に掲示してある丹波山村の手ぬぐいにはなぜか、オオカミが描かれています。
調べてみると、丹波山村には狼伝承が残っているんだそうです。
↑こちらの記事に詳しいです。なんと「山の休憩所かゑる」に珈琲豆を卸しているお店のブログでした。
付録の星野道夫さんのカレンダーにそそられて購入した山と渓谷2017年12月号がさっき届きました。ぱら~っと見てみたら、狼信仰の記事には地域おこし協力隊山担当さん、連載には七ツ石小屋さんが出てました🎈知り合いが載ってて嬉しいです😄店内でお読みいただけます! pic.twitter.com/hlyRgNUygw
— 山の休憩所かゑる (@yama_kaeru) 2017年11月20日
山と渓谷の2017年12月号にも掲載されているらしいです。ご主人がツイートされてました。
「山の休憩所かゑる」の店内には、店主のこだわりらしい、古い山道具がたくさん飾られています。
ちゃんと現役で使えるものなんだとか。。。
壁には、楽しげなポラロイド写真が飾られていました。
グッズは、山バッジやキーホルダーが置かれています。
バッジ700円とややお高めですが、素材は「銅・真鍮・アルミ」の3種類から選べ、金工作家の方が一点ずつ手作りしたものだそうで、こう言っては何ですが、普通に山小屋で売っているバッジと比べるとめちゃめちゃかわいかったです。公式サイトにも大きな写真があります。
グッズ以外には、カップラーメンやアルファ米、飲み物などの販売もありました。
食事のメニューはないので、しょっぱいものを食べたいときはラーメンを買うことになるのかなと。
ひとしきりグッズなどを撮影してふと気がつくと、あれ……?
グッズの棚に「私も売り物よ」みたいな顔でたたずんでいるあれは、置物ではないですよね?
山の休憩所かゑるの猫たち
店主のご夫婦で飼っているという猫が、顔を出してくれたのでした。
よいしょっと。
窓辺に移動しますよと。
どうも、この位置が定位置らしいですw
いつもここで背伸びをして、ずっと外を眺めているんだとか。
お外に出たいニャア……。
……ってところ?しかし、背伸びすると胴がながーく見えますねw
外を眺めるのに飽きると、日向の椅子の上でゴロゴロしてました。
猫のいる古民家カフェ……いいな……くつろげるなー。
あったかくて眠そう。。。
じっと見てたら「何見てるのよ」みたいな顔でこっちを見た後
「まあいっか」みたいな感じで、またゴロゴロし始めました。
あら……気がつくと……増えてる!w
なんでも、ご夫婦がこの家に引っ越して地域猫を飼うことにしたらば、いきなりその猫が子猫を産んだので一気に増えてしまったんだそうですw
というわけで、3匹目も来た!!
ちなみに、最初の1匹だけはフェイントで入ってきちゃったのですが、あとの2匹は店主さんが「猫嫌いじゃない?」と聞いてくれまして、私が「大好きです」と答えたので、扉を開けて放してくれた、というところです。
なので、猫嫌いなお客さんが来たら、猫たちはたぶんお住まいのほうに留めておくんじゃないでしょうか……たぶん。
【再訪したい度】★★★★☆ くつろげる素敵なお店。フードメニューの進化を楽しみにしています♪
「お店の内装・外装」「オリジナルグッズ」「メニュー」「ホームページ」「名刺」など、どれを取ってもこだわりが感じられる素敵なお店だなと思いました。奥多摩や奥秩父ってあんまり、こういうお店ないですよね。八ヶ岳あたりにありそうな感じ。
フードメニューが少なめなのが少々残念ではありますが、ご夫婦だけでやられてるお店ですし、限界もあるんだろうなと思います。それとたぶん、自分たちの納得のいくこだわりメニューじゃないと出したくないのかもなあ、とも。
既に販売は終わってしまったようですが、夏の間は「アイゼン」という季節限定メニューも提供されていたようです。アイゼンって何かというと「アイスぜんざい」の略だそうでw 冷たいお汁粉にアイスクリームを浮かべたもののようでした。
ご主人はとてもお話好きな方のようで、雲取山のお話や登山についてのお話、自分たちがこの地に引っ越してきたときの話などを徒然にお話してくださり、小一時間ほどの滞在でしたが、スマホを開く暇もないぐらいで、楽しかったですw
そしてこのご主人、どこかでお会いしたことがあるような……と思ったら、なんとあの安達太良山のくろがね小屋で長く働いていた方なんだそうです。
くろがね小屋、何度も泊まっているお気に入りの温泉付き山小屋なので、絶対顔合わせてますね……。そう、何か喋り方や声に聞き覚えがある感じがしたんですよね。
雲取山の麓に素敵なお店が1つ増えて、本当にありがたいことです。またぜひ、お伺いしたいと思っています。