温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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新穂高温泉 ホテル穂高 宿泊記 飛騨牛サーロイン会席が絶品!北アルプス登山の前後泊に最適な宿に一人泊

新穂高ロープウェイ新穂高温泉駅に隣接する、湯も極上の温泉宿

岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷にある新穂高温泉は、西穂高岳や笠ヶ岳、双六岳などの登山口に近く、登山の前後泊にも便利な温泉地です。

20軒ほどのホテル・旅館が点在する中で、恐らく登山者にとって最も便のいい場所にある宿が、新穂高ロープウェイ新穂高温泉駅の目の前にある「ホテル穂高」です。

登山シーズンにはやや1人で泊まりにくくなるものの、コンスタントに1人泊のプランを提供されているありがたい宿でもあります。

浴室も快適で「単純温泉」と「硫黄泉」の2種類の源泉がかけ流されていており、飛騨牛をメイン料理とした食事もなかなかおいしいです。

2021年の9月と2023年の3月に登山と絡めて宿泊し、地の利を活かして余裕ある行程で登ることができましたので、ご紹介したいと思います。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。 一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

松本からバスで平湯温泉に向かい、新穂高ロープウェイ行きバスに乗り換える

首都圏から奥飛騨温泉郷に公共交通機関で向かうには、中央線快速あずさ号で松本駅に出た後、松本バスターミナルから平湯温泉行きのバスに乗るのが便利です。

3月中旬の土曜日、松本市内にも季節はずれの雪が降ったこの日、平湯温泉行きのバスはほぼ満員でした。

このバス、コロナ禍前の夏山登山シーズンでもそこまで混んだことなかったんですけどね……隣の席に人が座ったの初めてじゃないかしら……。

松本から平湯温泉に向かうバスの時刻表はこちらです。

平湯温泉で8割ぐらいの人が下車しますが平湯は終点ではなく、高山濃飛バスセンターまで運行します。乗鞍高原や上高地に向かうアルピコ交通のバスは始発が新島々駅になりますが、平湯温泉行きのバスは松本バスターミナルが始発なので乗り換えが少なくてちょっと楽です。

1時間40分ほどの乗車で、平湯温泉バスターミナルに着きました。平湯温泉バスターミナルからは雪がついた乗鞍岳が見えます。

ちなみにですが……こちらの写真はすべて宿泊翌日に撮影したもの。
行きはずっと雪が降っていたので、乗鞍岳は厚い雲に覆われていました。

平湯温泉から新穂高ロープウェイに向かうバスの時刻表はこちらです。

こちらのバスも高山濃飛バスセンターが終点・始発で、平湯温泉は経由地です。なので雪の日や多客期は遅れが発生することもあります。この日も10分ほど遅延して平湯温泉を出発し、45分ほどの乗車で終点新穂高ロープウェイに着きました。

この写真も翌日朝に撮影したものです。

松本からトータルで2時間30分ほどバスに乗りますのでなかなかの長丁場ですが、宿泊するホテル穂高はバス停の目の前です。

ちなみに、到着日の景色はこんな感じ↓でした。

降りしきる雪の中、足早にホテルに入ります。

出迎えてくれたホテルの方の話では

「昨日まではこのあたりにはまったく雪がなくて、すっかり春のようだったんですが、1日でこれだけ積もりました」

とのこと。

なるほど……普段ならほぼ雪がなくなっている時期だけど急に大雪が降ったから、車で行くつもりで予約していたけれど、バスに変更した方もいたのかもしれないですね。だからバスが混んでいたのかもしれません。もしかしたらね。

ちなみに、夏に泊まったときはこんな感じでした。

宿の背景には笠ヶ岳など北アルプスの美しい山々が並んでいます。山が好きな人ならこれだけで幸せな気分になれる、すばらしいロケーションの宿ですね。

中に入るとラウンジがあり、13時30分~16時までフリーでコーヒーがいただけるようになっています。チェックインの順番が来るまでここで待つように案内されました。

全国旅行支援の対象期間中ということもあってチェックインに時間がかかるようで、10分ぐらいラウンジで待ちました。

ラウンジの隅では本物の暖炉が赤く燃えていました。
エントランスが開く度に外気が入ってくるので、どうしても気温が低くなりがちな場所なのですが、薪が燃えているのを見ると視覚的に暖かい気分になりますね。

フロントの前には雛飾りが飾られていました。

チェックイン手続きの後、フロント前に並んでいる色浴衣と帯を1セット選んで部屋に向かいます。

フロントの横にはお土産屋さんもありました。

ご当地レトルトカレーや地酒など品揃えはなかなか豊富な売店です。

新穂高ロープウェイの建物内にもお土産屋さんはありますが、地酒についてはホテル穂高の売店のほうが品揃えが良いように思いました。お土産にちょうどいい地酒の1合瓶の種類もかなり揃っていましたね。

【部屋】★★★★ 和室も洋室も清潔感があり快適に過ごせる

2023年4月現在、ホテル穂高で1人で予約できるのは「ダブルルーム」「ツインルーム」「デラックスツインルーム」の3種類の洋室のみです。

2021年9月に初めて宿泊した際は、最もリーズナブルに泊まれる「ダブルルーム」に宿泊したのですが、2023年3月は1人で「和室」に宿泊しました。なぜかこの日は、和室しか空室がなかったのです……。しかもこのときは、2食付きで予約したかったのに「夕食のみ」のプランしか予約できず、いろいろ不思議でしたが、タイミングによっては和室が予約できることもある!ということで、ダブルルームと和室をそれぞれご紹介します。

2021年9月に宿泊した、最もリーズナブルな洋室のダブルルーム

2021年に初めて宿泊したのは、ホテル穂高で最もリーズナブルに宿泊できるダブルルーム。

廊下にはベージュブラウンのカーペットが敷かれ、落ち着いた雰囲気です。

客室内は濃いグリーンとブラウンで統一されていました。

クローゼットの中にはスリッパと浴衣の上に着る羽織。そして扇風機が。
空調の調節が各部屋ではできないようで……特に夏は「部屋が暑かった」という口コミがついていることもあるようです。そのために扇風機が置いてあるのだろうと思います。

標高1000メートルほどの高所にある宿なので真夏でもそこまで暑くはないとは思いますが、暑がりな方は真夏の宿泊は避けたほうが良いかもしれないですね。

ユニットバス付き。

トイレはウォッシュレット付きですし、新しく清潔です。

ベッドの向かい側にテレビや鏡、冷蔵庫にポット、お茶セット、グラスなどがまとめて設置してあります。

ドライヤーも有り。

 

お茶セットと一緒に「飛騨えごまクッキー」が置いてありました。

フロント前でお借りした色浴衣と帯、そしてバスタオル、タオルのセット。

窓際にはリクライニングチェアとコーヒーテーブルも。

1人で泊まるには十分すぎる広さですが、2人だと少し窮屈かもしれません。
7月~9月の登山シーズンの週末は、登山客で混雑するためダブルルームも土曜日は1人で予約できなくなってしまうのですけどね……。

ただ、週間天気予報を見て登山するには厳しそうだなとなると、宿もキャンセルされて直前で空室が出ることもあります。それで案外直前に、週末に1人で予約できたりするのでチェックしてみると良いと思います。

2023年3月に宿泊した、通常は1人で予約できない和室

2023年の3月には和室に宿泊しました。

3階の、エレベーターホールのすぐ橫にある部屋でした。

中に入ると正面にユニットバス、右側に和室があります。

ユニットバスの中はダブルルームと同じでした。洋室では部屋の中にドライヤーがありましたが、和室にはユニットバスに置いてあるという微妙な違いが。

8畳の和室に広縁付き。

畳も新しくてきれい。

テレビの下に金庫有り。

和室だと、夕食のタイミングでスタッフの方が布団敷きに入るので、金庫は必要ですね。

広縁には椅子とテーブルのセット。湯わかしポットと冷水ポット、お茶セット、冷蔵庫。

反対側に姿見もありました。

今回も色浴衣をお借りしました。そして足袋ソックス付きですが、2021年には付いていなかったような……?(写真撮り忘れかもしれませんが)足袋ソックスがあるのはうれしいですね。

袋の中にはタオルの他に、歯ブラシ、ヘアブラシ、パウチに入ったシャンプーとコンディショナーが。
大浴場には別途シャンプー類が設置してありますが、部屋のユニットバスにはなかったので、これは部屋風呂を使うとき用、ということなのかもしれません。

お茶菓子も2年前とは少し変わっていました。
布団敷きの必要がないので洋室は気楽ですが、やはり和室のほうがより、リラックスできるような気はしますね。

ちなみに客室内はWi-Fiの速度も十分なスピードで、PC作業も快適にできました。

【風呂】★★★★☆ 硫黄泉と単純泉の2つの源泉が広い浴槽にかけ流されている

部屋で一休みしたらお風呂に向かいます。
浴室は地下1階に、男女別の大浴場と、有料の貸切風呂があります。貸切風呂は、公式サイトに「当日予約のみ・有料」と紹介されてはいるものの、料金の記載もなく、チェックイン時に案内されることもなかったので利用していません。

お子様連れのご家族などには案内されるのかもしれないですね。案内があれば入ってみたかったですが、1室しかないから1人客にはわざわざ説明しないんだろうなと。

エレベーターで地下1階に向かうと、まずはマッサージチェアなどがある湯上がりの休憩所があり、その奥に大浴場があります。

この休憩所の奥にある半透明のドアが、貸切風呂の入口のようですね。

自動販売機も設置してあります。

ソフトドリンクは「ダイドー」で、アルコールは「ポッカサッポロ」という若干マイナーなラインナップ。アルコールの右下にある「スコールホワイトサワー」、初めて見たけどちょっと気になるな……。

休憩所の奥に大浴場があり、左が女湯の「笠の湯」で、右が男湯の「槍の湯」です。

男女の交代は無し。ネーミングがいかにも「山の宿」らしくていいですね!

ホテル穂高で日帰り入浴は可能か?

実は、もう6~7年前のことですが、笠ヶ岳に登山した後にホテル穂高で日帰り入浴をし、レポートも公開しています。

このときも、公式サイト上には日帰り入浴の案内がなく、他の方のブログなどで「13時から15時までの2時間なら日帰り入浴できるらしい」と知り、ホテルに電話して営業していることを確認してから伺いました。

現在も、公式サイト上に日帰り入浴の案内はありません。
しかしどうやら今も「13時~15時」までの間は営業しており、入浴料金は1000円のようです。

徒歩圏内に日帰り入浴施設の中崎山荘もあるのですが、もし13時から15時という短い時間帯でもホテル穂高の温泉に入りたい!と思われましたら、営業しているかを電話で確認した上で伺っても良いかもしれませんね。

青空に真っ白な雪山が浮かぶ、雪見露天風呂を楽しんだ

女湯の「笠の湯」へ。

脱衣所はロッカーではなく脱衣カゴが並んでいるタイプですが、隅のほうに鍵付きのロッカーもあって無料で利用できます。

日帰り入浴で利用した際は、こちらのロッカーに貴重品を入れました。

脱衣所の奥のほうには洗面台とパウダーコーナーが。

ポーラの化粧水・乳液・クレンジングと、個別包装の綿棒、シャワーキャップ、ヘアゴムなどが置いてありました。ヘアブラシのアメニティは、部屋にはあったけれど脱衣所にはなかったので、必要なら部屋から持参しましょう。

ドライヤーはモッズヘアのもの。

浴室の入口前には温泉分析書が掲示してありました。
ホテル穂高の敷地内からは、泉質の異なる2種類の源泉が湧出しているそうです。

こちら↑は、毎分260L湧出する泉温75.3度の単純硫黄泉。高温なので加水あり。

こちら↑は、毎分300L湧出する、泉温61.5度の単純泉です。どちらの源泉も、かなり湯量豊富ですね。

では、浴室へ。

窓が多くて明るい内湯は、中央に大きな浴槽が1つあり、左手に洗い場、右手に露天風呂につながるガラス戸があります。

シャワー付きの洗い場は8つぐらいありました。

ポーラの「シャワーブレイク」シリーズのシャンプー&コンディショナー、ボディシャンプー、フェイス&ハンドソープ。それと、温泉旅館によくある炭の洗顔料などが設置してありました。

体を洗って、まずは内湯へ。

大きな窓の向こうに、真っ白な雪山が見えるのがうれしい……。

内湯には2つある源泉のうちの「単純硫黄泉」がドバドバとかけ流されています。

ゆっくりと温まってから、露天風呂に向かいます。

3月中旬だというのに雪見露天風呂を楽しめた

露天風呂は、中央に通路があって奥に1人用の陶器のお風呂が2つ。左と右にそれぞれ浴槽があります。

左側の浴槽には単純泉が、右側には硫黄泉がかけ流されています。

2種類のお湯を一気に楽しめるのがうれしいですね。

まずは右側の硫黄泉へ。
やや熱めで、ほんのり卵臭のするお湯。湯口の近くでは特に、温泉らしい香りが強く漂います。

ホテル穂高の露天風呂は、ビニールシートでけっこうしっかり目隠しがしてあるので、外は見えないと思っていたのですが……なんと、塀の上に真っ白に雪が積もった山と、青空が見えます!

お湯も気持ちいいし、景色もいいし、天気もいいし、すばらしいですね。

真ん中奥にある円形の陶器のお風呂にも入ってみます。

こちらも、左には単純泉、右には単純硫黄泉がかけ流されています。

浴槽が小さく、お湯の入れ替わりが早いからかお湯の新鮮さはこちらが1番強く感じられました。

そして左側の単純泉へ。

やや熱めのお湯に浸かり、思いがけず雪見露天風呂を楽しむことができました。

【食事】★★★★☆ たっぷりの飛騨牛をメインに奥飛騨の山の幸を味わえる

食事は、朝夕共に1階フロント前にある食事処でいただきます。

夕食の開始時間は、季節や混雑具合によっても変わるのかもしれませんあ、18時スタートか、19時15分スタートの2択でした。

食事処は広く、すべて4人掛けのテーブルで、1人でも広々と使わせてもらいました。

最初に泊まったときはフロアの入口近くの席でしたが、2度目の宿泊ではやや奥のほうにある窓際の席でした。

一人だとこのへんの席になる、とかは特にないようでしたね。

ホテル穂高のドリンクメニューは、季節によって変わる利き酒セットがうれしい

ホテル穂高のドリンクメニューについてご紹介します。
2021年と2023年で少し変わったところもありましたが、こちらは2023年に泊まったときのドリンクメニューです。

ビールはアサヒスーパードライの生ビールのほかに「季節の生ビール」あり。瓶ビールには地ビールの「飛騨高山麦酒ペールエール」もありました。

地酒は、1合からいただけるお酒が6種類と、別紙に季節メニューの「プレミアム日本酒」もあります。

グラスワインも「白、赤、スパークリングロゼ」と3種類あり、1人でもけっこう楽しめますね。

「冬季限定」のメニューとして、プレミアム日本酒の「ひだほまれ」純米吟醸とアサヒの熟撰が。

季節のおすすめ日本酒も3種類あり「こぼれ酒」「1合徳利」「利き酒セット」でオーダーできます。

その他に「飛騨の十二蔵利き酒」も。これもちょっと気になりますね……。

ホテル穂高の別注料理メニュー

季節限定料理についても簡単にご紹介します。
全国旅行支援を利用して宿泊する場合は、クーポン券を館内の飲食でも利用可能ですから、別注料理を頼んで豪華な食事を楽しむのもいいですね。

個人的に気になったのは「飛騨牛ローストビーフ握り 3貫1000円」でした。

あとは「飛騨牛どて煮 500円」も、軽くつまんでお酒を飲むのにいいなあと。

飛騨牛の追加料理も、ハンバーグ、サイコロステーキ、サーロインステーキなどいろいろあります。

岩魚の料理もいろいろあって……「飛騨サーモン、岩魚、飛騨牛ローストビーフ」の握りを1貫ずついただける「飛騨丸ごと握り」もかなり気になりました。

2023年3月宿泊時の夕食は、スタンダードな「穂高会席」で

2023年3月に宿泊した際は、スタンダードな「ホテル穂高会席」をいただきました。

席に案内いただくと、先付け、前菜、お造りと、飛騨牛陶板焼きのお肉が並んでいました。

肉のサシが美しいですね……。

お酒はやっぱり……季節限定日本酒の利き酒セットで。

「しぼりたて純米生原酒」「純米吟醸 花酵母造り」「番外品 蔵元の隠し酒」の3種です。

いただきます!

先付けのえごま豆腐、ほんのり甘みがあって辛口の日本酒に合いますね。

前菜は左上から時計回りに「子持ち鮎甘露煮」「汲み上げ湯葉刻みわさび」「叩き長芋明太」「あん肝」「鴨治部煮」「鰤蕪寿司」

海のものもちらほらあるけれど、すべて日本酒に合う料理でうれしい。

お刺身は「奥飛騨サーモン」「鰹」「奥飛騨刺身湯葉」「奥飛騨山椒入り手作り蒟蒻」の4種盛り。

魚も新鮮だし、山椒入りのこんにゃくは食感も味も楽しい。

焼き物の「紅鱒の塩焼き」は、焼きたてでもってきていただきました。

このあたりで、最初の利き酒セットがなくなったので……

冬季限定の「ひだほまれ 純米大吟醸」を1合いただきました。
華やかな香りがして甘みのある、好みのタイプのお酒でした。

蒸し物の「飛騨地鶏の茶碗蒸し」と、煮物の「飛騨豚の角煮」も、後から熱々で持ってきていただきました。

茶碗蒸し、蓋を開けた時点ではわかりませんが、中には甘く煮た椎茸や白玉などが入っていて具沢山。地鶏の出汁がしっかりきいています。角煮も脂っこくなくて、もっとたくさん食べたい!と思ってしまうおいしさでした。

台の物は「飛騨牛肩ロースともも肉の陶板焼き」です。

陶板で焼いて「飛騨山椒塩」「生姜醤油」「山葵」をつけていただきます。
これに、さらに脂の乗った「サーロイン」がつく「飛騨牛3種食べ比べ」というプランもありますが、基本の会席でも量もたっぷりあり、十分すぎるほど楽しめました。

最後に飛騨産コシヒカリとお味噌汁、漬けものをいただいて、デザートは「自家製チーズテリーヌとパンナコッタ」です。

デザートがけっこう豪華なのと、最後にコーヒーがいただけるのがうれしいですね。
食事処の隅の方に、コーヒーや紅茶を自由にいただけるコーナーがあり、好きなタイミングでいただくことができます。

朝食では食後のコーヒーコーナーがある宿も多いですが、和食ベースの会席を出す宿ではそれほど多くないので、しっかりデザート食べたい&食後にコーヒー飲みたい派の私としては、大変満足度の高い夕食でした!ごちそうさまでした。

2021年9月宿泊時の夕食は人気ナンバーワンの「サーロインフランベ会席」を

ホテル穂高に初めて宿泊した2021年9月には、人気ナンバーワンだという「サーロインフランベ会席」をいただきました。

先付け、前菜、お造りがテーブルに並んでいるのは同じですが、サーロインフランベ会席ではお肉は後から運ばれてきます。

このときもやっぱり、季節の地酒メニューから選ぶことにしました。

「飛騨の涼風」「氷神」「天涼」の3種類の利き酒セットをオーダーします。

夏のお酒ということで、名前がずいぶん涼しげですね。味わいもさっぱり、きりっとしたお酒たちでした。

先付けも夏らしく「枝豆豆腐」です。

前菜は上から時計回りに「青梅煮」「トマトゼリー」「モッツァレラチーズと鼈甲」「薩摩芋檸檬煮」「天子檸檬煮」
トマトゼリーと青梅が夏らしく、味も色合いも爽やかでした。

お刺身は「大岩魚」「飛騨産刺身湯葉」「飛騨山椒入り手作りこんにゃく」です。

大岩魚はかなり脂がのっていて、川魚の臭みもなくおいしかった……。

焼き物は「奥飛騨サーモンのビシャ玉焼き」なる、聞き慣れない&見たことのない料理です。

が……意外と言っては失礼ですが、こちら大変おいしかったです!
「びしゃ玉」とは「半熟の炒り卵」という意味のようで、焼いたサーモンの上にふわふわ、とろとろの炒り卵ソースがかかっているというもの。サーモンなので骨を取る必要もなく食べやすいし、食感もおもしろくて大変気に入りました。

このあたりで利き酒セットがなくなり……次に日本酒を頼むかどうか迷うところですが。

この後「サーロインフランベ」という洋風?の料理が来るので生ビールの「熟撰」にしました。

サーロインフランベとは、A5ランクのサーロインを陶板で熱した後、アルコール度数の高いお酒を振ってフランベするという料理です。

フランベとは……このように火をつけて、アルコール分を燃やして香りづけする調理法ですね。

振りかけるお酒も「奥飛騨ウォッカと五一ブランデー」をブレンドしたものだそうで、かなりこだわっているようです。

食べてみると、ほのかに甘い香りがして、そしてシンプルにおいしいお肉でした。
通常の穂高会席では「飛騨牛」としか書かれていませんでしたが、サーロインフランベ会席では「A5等級飛騨牛サーロイン陶板焼き」と書かれているので、肉自体のグレードが高いのでしょう。脂がしっかりのっているけれどしつこくない、大変おいしいお肉でした。そしてここはビールを頼んでおいて良かったです!

蒸し物は「金目鯛の大和蒸し 抹茶麺」

強肴は「手作り里芋饅頭 菊花松茸餡かけ」です。9月なので秋らしいメニューも入っていますね。

最後に酢の物をいただいて、締めのご飯は……蒸籠が出てきたのでちょっとびっくり。

蒸籠を開けると、葉に包まれたきのこご飯が出てきました。これは恐らく……奥飛騨の郷土料理「朴葉味噌」にも使われる「朴葉」でしょうね。

ご飯に朴葉の良い香りがうつって、味もおいしく、お腹いっぱいなのについ、たくさんいただいてしまいました。

最後はパンナコッタと自家製シフォンケーキ。パンナコッタのソースはドラゴンフルーツを使っていて、なかなか凝っています。

最後にやっぱりコーヒーをいただいて、このときはお部屋でゆっくりいただきました。

ホテル穂高の夕食プランは、基本の「穂高会席」→「サーロインフランベ会席」→「飛騨牛3部位食べ比べ」という順でグレードアップ&値段が高くなっていきます。

1人泊の場合だいたい3000円ぐらいずつ高くなるのですが、単純にメインメニューがグレードアップするだけでなく、その他の料理の品数も増えたり、ご飯ものが凝っていたりと変化がありました。

土曜日に1人泊だと基本の穂高プランしか選べないことが多いのですが、個人的にはグレードアッププランのほうが少し高くても気に入ったので、選択肢が多くなるとうれしいですね。

2021年9月宿泊時の朝食は朴葉味噌と豆腐ステーキ!

2021年9月には朝食付きのプランで予約しました。朝食は7時・7時30分・8時から開始時刻を選ぶことができます。

前日に夕食をいただいたのと同じ席に、朝食がセットされていました。

奥飛騨といえばやっぱり!朴葉味噌ですね。

甘みのある味噌にネギをまぜて、朴葉の上で焼いて少し焦がしていただきます。
ご飯をいくらでも食べれてしまう、危険な料理ですね……。

陶板焼きに乗っていたのは豆腐ステーキ。湯豆腐はよくあるけれどステーキはちょっと珍しいですね。でもこちらもおいしかったです。

あとは野菜サラダと、温泉卵やきんぴらごぼう、焼き魚に煮物、お浸しなど、朝食の定番のおかずが並びます。

おかずもすべて手作りされているのがわかるお味で、おいしかったです。でもやっぱり、朴葉味噌ですね……。

最後にヨーグルトとお茶をいただき、朝もコーヒーコーナーがあるので、紙コップにコーヒーをいただいて、部屋でゆっくり飲みました。

登山の前泊・後泊に最適な宿ですが、登山しない方が泊まっても十分満足できる宿だと思います。

チェックアウト後は西穂丸山までゆる雪山登山を楽しんだ

2023年3月は、チェックイン日に大雪が降り、翌日は快晴という、雪山登山をするのにこれ以上すばらしい日はないでしょう!というコンディションでした。

チェックアウト後はもちろん、目の前にある新穂高ロープウェイを使って標高2156メートルに西穂高口駅に向かい、西穂丸山まで雪山ハイクを楽しむことにしました。

朝のうちは周辺の木々についた雪もまだ溶けていなくて、霧氷が美しかったですね。

しらかば平駅「アルプスのパン屋さん」で朝食を

実は、このときはなぜか「2食付きのプラン」が予約できず「夕食付き、朝食なし」のプランで予約したので、行動開始前に朝食を食べる必要がありました。

場所は行く前から決めていて、第一ロープウェイから第二ロープウェイに乗り換える「しらかば平駅」に併設されている「アルプスのパン屋さん」でパンをイートインしようと。

西穂高口駅のレストランはわりといつも混んでいるんですが、しらかば平駅は通過する人が多いからか、ここは空いているんですよね。そしてパンもおいしい。場所柄、お値段は高めですが……。

特に「あんこクロワッサン」が絶品です!このとき食べた「ミートパイ」もおいしかったですね。

朝食後は第2ロープウェイでさらに標高をあげ、西穂高口駅に着きます。

西穂高口展望台で絶景を楽しんでから登山開始

西穂高口駅の屋上には展望台があるので、登山開始前にまず立ち寄って、笠ヶ岳や西穂高岳、槍ヶ岳などの北アルプスの山々を目に焼きつけます。

私、雪のある時期にここに来たのは2度目ですが……前回は真っ白だったので感慨深いです。冬の西穂高口駅のマスコット「にしほくん」も心なしかうれしそう。

西穂もくっきり!大きい!うれしい!
これからもっと近寄る予定なんですけど、近づくころには雲がかかっていたりするので……晴れているときにまずは眺めておくのです。

槍も見えます。

展望台の正面には笠ヶ岳。こちらも美しいですね……きついけど、また登りたいなあ。

絶景を楽しんだ後に、身支度を整えて登山開始。

最初から12本爪アイゼンにしました。日曜日で、先行している登山者も多かったので、新雪ですが登山道はある程度踏み固められていてホッとしました。

1時間30分ほど樹林帯を登って西穂山荘に着くと、そこからは一気に視界が開けます。

最初はちょっと急登なので苦しいですが、少し登るとあとは20分ぐらい、緩やかな道です。

山荘に着く頃には西穂高岳にはやはり、雲がかかっていましたが、時折雲が晴れて、山頂につながる美しい稜線を眺めることができました。

標高2452メートルの西穂丸山。今日はここまでです。

がっつり雪がある道は、無雪期よりもむしろ歩きやすいので、帰りも気持ちよく歩けました。

まだお昼ごろですが、あっという間に雲がかかってきましたね。夏山のようです。

帰りもロープウェイを乗り継いで新穂高温泉駅へ。

平湯温泉行きのバスに乗って帰ります!お疲れさまでした。

2023年は新穂高ロープウェイに運休期間があるので注意

実は、2023年は5月8日から8月19日まで、新穂高ロープウェイの第2ロープウェイはメンテナンス工事のため運休します。第1ロープウェイで鍋平高原までは行くことができますが、期間中は西穂高口駅までロープウェイで行くことができません。

新穂高ロープウェイに乗ることを旅の計画に入れる場合は、この期間は避けたほうが良いです。ただ、もともと温泉と飛騨牛が目当てで、ロープウェイは晴れるかどうかもわからないし別にどっちでも……という場合は、この期間中は宿泊料金が安くなり、宿泊客も減る可能性が高いので狙い目ではあります。

新穂高ロープウェイは、以前「登らずに絶景を見て温泉まで楽しめる山岳リゾート15選」という記事でもご紹介している絶景スポットです。

西穂高岳登山で利用する人も多いですが、展望台からの絶景を楽しむことが目的の観光客も多いです。登山せずにホテル穂高に泊まって新穂高ロープウェイに登る旅もかなり楽しいと思います。

【再訪したい度】★★★★☆ 登山前にはもちろん便利で、お湯・食事・サービスいずれも良質な宿

新穂高ロープウェイの目の前にあって、黙っていても登山客が泊まってくれる宿ではありますが、登山しない人が温泉目当てに泊まっても「いい宿だった」と思ってもらえる宿です。

サービスもしっかりしていますし、食事もおいしく、温泉は夜通し入れてお湯もいい。浴室の設備も新しくきれいです。

新穂高温泉はじめ、奥飛騨にはすばらしい宿がたくさんあるので、宿泊先に迷う方も多いと思いますが……個人的には「公共交通機関利用で、新穂高ロープウェイを使って晴れたら登山しようと思っている人」には、ホテル穂高一択で間違いないと思います。

前泊なら朝一番の出発も楽勝ですし、後泊なら下山後即チェックイン可能です。
また、もし当日の天気がいまいちで登れなかったり、途中で引き返したりしても、ホテル穂高なら泊まって、お湯と飛騨牛を味わうだけでも十分楽しいので。

登れなかったとしても「奥飛騨はいいところだな、また来よう」と思える旅になると思います。

【1人旅に優しい度】65点:土曜日に1人で予約できるプランが少ないのだけが少し残念

泊まりやすさ 10/20
夏山シーズン以外は土曜日も1人で予約できる。
7~9月は平日のみ1人泊可能だが、直前に空室があると土曜日に1人で泊まれることもある。山の宿にはよくある感じ。

食事場所の配慮 10/20
食事処での食事となる。1人客を端のほうに案内する、というようなことは特にしていなそうだが、テーブル同士の間隔がかなり広いのでそんなに他の席が気になることはない。

プランの選択肢 10/20 
平日は1人でもプランの選択肢が広いのだが、休前日など混雑が予想されるタイミングだと、かなり前に予約した場合でも「基本の会席プラン」しか予約できないことが多い。
2023年に土曜日に予約したら、なぜか2食付きのプランが予約できなかった……。

ドリンクオーダー  15/20
グラスワイン3種、1合でオーダーできる日本酒も6~7種類、利き酒セットもあり、1人でもそれなりにいろいろと楽しめる。

フリーWi-Fi完備 20/20
Wi-Fi利用可能。速度も十分出ていた。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。