つるおか食文化市場FOODEVER
鶴岡駅前のマリカ東館1階に、2017年7月1日に「つるおか食文化市場FOODEVER」がオープンしました。
庄内産の食材を購入できる「つるおか駅前マルシェ」や、鶴岡の食を味わえるフードコートの「鶴岡バル」が入っており、あの「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフである奥田政行氏がプロデュースする店が複数、軒を連ねているのがウリのようです。
今回、その奥田シェフプロデュースのお店に立ち寄って、ランチとお茶をしてきましたので、レポートしてみたいと思います。
あのマリカ東館が復活を遂げるとは!それだけでもかなり感慨深い
マリカ東館は私が子供のころに、隣接していたジャスコ鶴岡店の専門店街としてオープンしました。
ジャスコはスーパーですが、マリカにはアパレルのお店やファンシーショップ、書店やCDショップも入っていたので、高校時代は帰り道によく、マリカに立ち寄ったものです。1階に入っていた時計屋さんで、高校を卒業するときアニエスベーの腕時計をおじいちゃんに買ってもらった思い出。。。
そんな思い出深いマリカ東館ですが、2001年に郊外の三川町にジャスコの大型店ができた後は客足が遠のき、2007年には閉店して空き家になってしまいました。建物は鶴岡市の管理になったそうなのですが、10年間、駅前に廃墟のようなビルがどーんとあるのは、あまり見栄えのいいものではなかったですね……。
しかしそんなマリカが復活!いったいどんな風になったのでしょうか?
駅前のロータリーの向こう側に見えるのがマリカです。
年季の入った建物なので外観はピカピカとはいきませんが「FOODEVER」の大きな看板が掲げてありますね。
今回はフードコートでランチをいただきに、入ってみたいと思います。
フードコート「鶴岡バル」へ
フードコート「鶴岡バル」には5つの飲食店が入っています。フードコートですので、さまざまなお店で好きなものをちょっとずつ注文するという使い方も可能です。
5つのお店について順に紹介していきたいと思います。
DONBURI ~庄内浜直送の魚を丼でいただける店~
営業時間 平日 11:00~14:00(L.O) 土日祝 11:00~14:00(L.O)
フードコートの向かって右端にあるお店です。
奥に見える日本酒バー彩鶴さんと同じ系列のお店ですね。
メニューはこちら。
店頭で食券を購入する方式です。
鶴岡市内の相場と比べると、けっこういいお値段するなと思うのですが、以前週末に母と一緒に来たときはこちらの海鮮丼、かなり売り切れが出ていて、人気なんだなあと思った覚えが。
日本酒バー彩鶴~庄内18酒蔵の日本酒を楽しめる~
平日 17:00~22:00(L.O) 土日祝 11:00~22:00(L.O) ※フードメニュー 21:00 (L.O)
フードコートの右奥に見える、お酒の瓶がたくさん並んでいるお店。
本当は、ここに行きたかった……。でも、お店の人がどこかに出払っていたのか、店の前で様子をうかがっていたんですけど、いつまで待っても現れなかったんですよね……。
年末とは言え、曜日としては土曜日だったのですけども……。
黒板のメニューも出ていたのですが。
庄内地方にある18の酒蔵の日本酒が楽しめる、とのことで。
魅力的な日本酒の数々。。。
地酒の飲み比べセットや、前菜の盛り合わせ、お刺身や旬魚の煮付けもいただける……最高ですよね。
月山ワインも飲めるんですね。
「ホッケの一夜干し」などの居酒屋メニューのほか「牛タンのコンフィ」まである!!
これほどメニューが豊富なのはおそらく、隣にフードコートとは別に店舗を構えられているつるおか旬暦 彩鶴さんと、厨房が共通なんでしょうね。もしかしてこの日、BARのほうにスタッフがぜんぜんいなかったのは、そちらのお店が忙しかったのでしょうかね。。。
22時ラストオーダー、23時閉店というのもうれしいですね。鶴岡駅前にはあまり、飲めるところがないので。
しかし、誰もいないのでは仕方がない。別の店舗にも目を向けてみることに。
フードコートの向かって右側は「彩鶴」さんの系列店舗ですが、左側にも3つのお店が入っています。
結心 ~鶴岡名産の麦切りがいただける~
昼 11:00~15:30 (L.O) 夜 17:00~19:30 (L.O)
鶴岡と言えば麦切りですよね。
「結心」と書いて「ゆいしん」と読むこちらのお店。
蕎麦と麦切り、旬食材の天ぷらと手作りの「ごま豆腐」を提供しているというこちらのお店。
「麦切り」も「あんかけのごま豆腐」も、庄内では当たり前に食べられているけれど、他の地域にはまったく存在しない食べ物なんですよね……。
ある意味この「結心」が、5店舗の中で最も、庄内の名物を食べられるお店なのかもしれません。海鮮丼とかまあ、どこでも食べれると言えば食べれますからね。
「麦切りって何?」と思われた方は、こちらの記事をお読みいただければと。
山形と言えば蕎麦やラーメンのイメージが強いですが、庄内ならではの麺類と言えば麦切り。
身びいきもあるかもしれませんが、掛け値無しにおいしいと思いますよ。
そしてフードコートの左奥にも2つの店舗が。
il Fri sio (イル・フリージオ)~ご存じ奥田シェフ監修のお店
昼 11:30~15:00 夜 17:30~21:30 (L.O)
青を基調とした「魚バル」の看板があるこちらが、アルケッチャーノの奥田政行シェフ監修のお店「イル・フリージオ」です。
奥田シェフのお店の名前はダジャレ?空耳風とでも言いますか、多くは庄内弁をイタリア語っぽくもじっていますよね。
たとえば「ヤマガタ サンダンデロ」というお店は、庄内弁の「山形産だんでろ?(=山形産なんでしょう?)」をもじったもの。
イル・フリージオは「振り塩いる?」というところでしょうか。店名のとおり塩がコンセプトで「庄内産の魚介類を塩と油でいただく」ことを謳っています。
店頭に出ていたランチメニューが書かれたホワイトボード。
なんだか、カラフルではあるけれど、厨房用のメモ書きか?と思うようなホワイトボードですね・笑
ちなみにこの日は既に、限定10食の「こぼれ寿司ランチ」は売り切れ。
いただけるのは「イタリアン寿司ランチ」のみとのこと。
ドリンクメニューは基本的なものが揃っています。
ランチはここで購入し、飲み物は他のお店で購入したり、あるいはその逆も可能です。
肉バル YAKU禄 ~お肉屋さんの肉料理店
昼 11:00~ 14:30 (L.O) 夜 17:00~21:30 (L.O)
フードコートの左奥にあるお肉のお店です。
ランチメニューは、ハンバーグやステーキ、カレー、ガパオライスなど。
肉料理にあるさっぱりしたお酒も提供しています。
コロナなどの軽めのボトルビールや、知多ハイボールがあるのは素敵ですね。
ランチ専用のお買い得なドリンクメニューもありました。
さて、何を注文しましょうか。。。
イル・フリージオでイタリアンスシランチ!
待っても待っても日本酒バー彩鶴が無人のままだったので、イル・フリージオでランチをいただくことにしました。
ビールもイル・フリージオでプレミアムモルツを購入。500円です。
飲み物と一緒にランチも注文したところ「レシートをあちらで見せていただくと、納豆汁のサービスがありますよ」と教えていただき。
11時から限定50杯。食事や買い物をしたレシートを見せると納豆汁がいただけるんだそうです。
というわけで、さっそくいただいてきました。
使い捨てのプラスチック容器にたっぷり!盛っていただきました。ねぎもたっぷり。
納豆汁は庄内地方の郷土料理ですが、実は大好物というほどでもないので上京してから自分で作ったことはありませんでした。ちゃんと納豆から作ろうと思うとわりと手間がかかるので……。でも、久々にいただくと濃厚でおいしいですね。
しかし、庄内地方の郷土料理って「納豆汁」「どんがら汁」「孟宗汁」「芋煮汁」など、やたら汁物が多いですね。やはり寒い地域だからなんでしょうか。
この中では私は、孟宗汁が一番好きで、それだけは筍の季節に自分でもたまに作ります。なかなか、郷土の味を出すのは難しいのですが。
納豆汁をいただきつつ、ビールを飲んでいたらイタリアン寿司ランチが来ました。
お寿司2貫とメインディッシュとサラダや前菜の盛り合わせプレート、スープです。お値段は1280円。
まずはスープ。
これは、滑らかな口当たりでとてもおいしい!
盛り合わせのプレート。
野菜は新鮮なんですが「塩と油」というコンセプトだから?味付けが何か薄いような……。
ジャガイモのグリルと前菜のキッシュはおいしいです。
メインの魚のグリルはちょっと微妙だなあ。何の魚なのかの説明もなかったし。やはり、味付けがちょっと単調だなと。
そして、こちらが、イル・フリージオ一押しの地魚オイル寿司2貫。
例によって、何の魚なのかの説明がなかったので、詳細な魚のお名前が不明なのですが・笑
お魚自体は新鮮で、オリーブの風味がしっかり残っているオイルと塩での味付けも珍しく、おもしろい味わいでした。
でも、めちゃくちゃうまい!また食べたい!!というものではないかなあと。。。
あらかじめ仕事がしてあって、お醤油を付けずに食べれるお寿司、大好きなんですけど、普通に、江戸前のお寿司のほうがおいしいかなと思いました。
うーん、奥田シェフのお店ということで期待しすぎた!ということも特になかったんですけどね・笑
「プロデュースしているお店」は、本人が作る料理とはぜんぜん違うんだろうなあ……。いつか、奥田シェフの料理を食べてみたいものです。
farinamore dolceでケーキとコーヒーをいただく
さて、イル・フリージオでのランチがわりと軽めだったので「これはケーキもいけるな」と思い、フードコートの反対側にあるショップに向かいます。
ジェラートやケーキのショーケースと、パンを販売しているこちらのショップは「farinamore dolce(フェリナモーレ ドルチェ)」と言い、やはり奥田政行シェフのプロデュースのお店です。
ドルチェを販売している奥には、ピザやパスタをいただけるレストラン「farinamore (フェリナモーレ)」も控えています。
イル・ケッチャーノが移転してfarinamore(フェリナモーレ)になった
奥田政行シェフがオーナーシェフを勤めるお店「アルケッチャーノ」の側には「イルケッチャーノ」という姉妹店がありました。
アルケッチャーノはなかなか予約を取れないお店ですし、提供しているのもイタリアンのコース料理だったりしますが、イルケッチャーノは、ピザやパスタを予約なしでも楽しめ、ドルチェを購入することもできて、気軽に奥田シェフの味を体験できるお店でした。
そのイルケッチャーノがマリカ東館FOODEVERに移転し、名前を変えて「フェリナモーレ」となったのです。
ドルチェはテイクアウトのほか、フェリナモーレで食事をした後にいただくこともできますが、ドルチェだけを飲み物と一緒にいただくことも可能です。
ただしその場合は、レストランでのイートインではなく、FOODEVERの共有スペースでの飲食になるようです。
ドリンクのメニューはこちらです。
コーヒーのレギュラーサイズが270円なら、ドトールのコーヒーのMサイズと同じ値段だからわりと良心的だな、と思いました。
ショーケースの中からケーキを選んで、飲み物と一緒に注文します。
ケーキのお値段は300円~400円台で、リーズナブルです。
飲み物とケーキが揃ったら、フェリナモーレドルチェの目の前にある、共有スペースへ。
ここ……かなり快適なスペースでした。
広々してるし、椅子も座り心地いいし、そこまで混んでもいないし、そして何よりもWi-Fiが使える!
もし、今私が鶴岡の高校に通っていたら、きっと毎日ここにいたと思います。
でも、大人になるとねー。狭い街だから「あの人毎日マリカの1階にいるよね」みたいな感じで、噂になってしまうのよね。。。
さて、コーヒーとケーキです。
イタリアンの代表的なドルチェということでズコットを選びました。
紙皿とプラスチックのフォークなのがちょっともの悲しいですが・笑
しかし、味はかなり!おいしかったです!!
前日にフルーツタルトで有名な青森屋さんにも行きましたが、たしかにあちらのフルーツはすばらしくおいしかったですけど「スイーツ」として見たときはフェリナモーレドルチェのほうが完成度が高いですね。
こんなおいしいケーキを気軽に、リーズナブルにいただけるって幸せなことだわ。。。
コーヒーも値段以上にはおいしかったですよ。つまり、ドトールよりはぜんぜんおいしいです・笑
ごちそうさまでした!
【再訪したい度】★★★★☆ フェリナモーレと彩鶴にはまた行きたい
「鶴岡バル」については、ランチをいただいた「イル・フリージオ」はやや期待はずれでしたね。そこまで期待していたわけではなかったのですけど・笑
普通にあまり、おいしくなかったです。やはり、奥田シェフの店とは言え、プロデュースだけだといまいちなのかなあ、と思ってしまいました。
本当は「日本酒バー彩鶴」に行きたかったのですが、こちらはメニューも豊富で魅力的でしたし、次回こそ行きたいです。
フードコートの隣にある、レストランの「彩鶴」に以前母とランチに行ったのですけど、かなりおいしかったんですよね。
店舗の並び的に、日本酒バーとレストランは厨房一緒なんじゃないかなー?と思ったので、きっと日本酒バーのおつまみもおいしいのではないか、と思います。
あと、これはフードコート「鶴岡バル」全体について思ったことですが、それぞれのお店の営業時間や、ラストオーダーの時間がバラバラだったのがちょっと気になりました。
夜の閉店時間が異なるぐらいは仕方ないかなと思うのですけど、ランチのラストオーダーぐらいは揃えてもいいのでは?と。14時とかの中途半端な時間で来てしまったとき「今の時間にオーダーできるのはあの店しかない」という状況だと、がっかりしてしまうなあと。。。
フードコート形式にするなら、本当は中休みがあるのもちょっと微妙だなと思うのですけど、通し営業するほどお客さんがいないなら仕方ないとは思うので、ランチの時間帯は揃えてもいいんじゃないかなと思いました。
また、鶴岡バル内のイル・フリージオは残念でしたが、もう一店の奥田シェフのお店「フェリナモーレ・ドルチェ」のドルチェはおいしかったです!
「イル・フリージオ」はプロデュースだけのお店だけど、「フェリナモーレ」
は「アルケッチャーノ」の姉妹店ですからね。そのあたりはちょっと、事情が違うのかもしれません。
ドルチェがこんなにおいしかったのだからきっと、パスタやピザもおいしいのでは?という期待感が膨らみました。次回はレストランの「フェリナモーレ」も利用してみたいな、と思っています。