温泉ブログ 山と温泉のきろく

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私の好きな温泉宿10選 絶対再訪したい!極上湯の宿を10軒選びました

「再訪したい度5点満点」をつけた宿の中でも特に好きな10軒

先日、はてなブログ10周年特別お題キャンペーンに参加して「好きな温泉地10選」という記事を公開しました。

「好きな○○10選」というお題から書いた記事でしたが、私は「温泉地」よりも「温泉宿」に思い入れがあるタイプなので、最初は「好きな温泉宿10選」で書こう!と思っていたのです。ところが、好きな宿が多すぎてなかなか10軒に絞ることができないまま時間が過ぎてしまい「温泉地を10箇所選ぶほうが楽じゃないか!」と気づいたので、温泉地10選の記事を書き上げて公開しました。

お題キャンペーンは終わってしまいましたが、悩み抜いた末に「温泉宿10選」もピックアップできたので、せっかくだから公開しよう!と思い、この記事を書いています。

単純に「好きな宿」ということで考えると、20軒ぐらいから減らすことができず難儀しましたが、この記事では「ブログ(山と温泉のきろく)に宿泊レポートを掲載している宿」の中から10軒を選んで紹介することにしました。

宿泊レポートを書く際、最後にまとめとして「再訪したい度」を採点し、5点満点を付けた宿を「絶対再訪したい宿」として1つのカテゴリを作っています。本日時点で「絶対再訪したい宿」は53軒ありますが、その中から10軒を選びました。

好きな宿10軒分の魅力を1記事で紹介すると文字数が大変なことになってしまうので、気になったら宿泊レポートを読めば詳しいところまでわかる宿から10軒選ぼう!ということで落ち着いた次第です。

また、今回はご紹介できなかった、ブログでは紹介していない大好きな宿については発売中の著書でもご紹介していますので、興味を持たれた方はお手に取っていただけますと幸いです。

選んだ10軒はすべて2度以上泊まっている「再訪したい度」満点の宿

2020年以降は、緊急事態宣言が発令されているタイミングでは、たとえ過去の旅についてであっても登山や旅行に関する記事は更新しないようにしていました。今後また、緊急事態宣言が出ることがあっても、そこまで頑なにやらなくてもいいんじゃないか?とも考えているのですが……。

そういった事情もあって「すごくいい宿だったけど宿泊レポートを掲載していない宿」も、実はけっこうあります。今回、過去の宿泊レポートをリストアップしていて「あの宿もあの宿も宿泊記書いてなかったんだな……」と驚きました。

この記事でご紹介する10軒以外にも、全国にすばらしい温泉宿があることは間違いありません。でも、この10軒は間違いなく、私の大好きな宿ばかり。選んだ10軒すべての宿にリピートして、2度以上宿泊しています。

今回、宿泊料金については「○円以内で泊まれる宿」というような制限を設けず、単純に「好き!」という気持ちだけで選んだのですが、その結果、10軒中4軒が2食付き2万円以下で泊まれる宿になりました。(具体的には2,7,8,10軒目の宿)

比較的リーズナブルに泊まれる宿は、高級旅館に比べると、食事や設備の面で劣ってしまうこともあります。「それでも大好き!」と私が思っている宿を選びましたが、中には、泊まる人を選ぶ宿も混じっています。
そこは私の好み、個性ということでご理解いただけたらと思うのですが「この宿はこういう人にはおすすめできない」というポイントについてはそれぞれ紹介していますので、参考にしていただけたらと思います。ちなみにお湯はどの宿もすべてすばらしいです!

また、宿泊レポートを書いていなかったために今回選外となった宿でも、1年ごとのまとめの記事ではご紹介していたりしますので、よろしければこちらもご覧ください。とりあえず直近の2020年分を。

山形県:湯田川温泉 九兵衛旅館

1軒目にご紹介するのは、私の地元、山形県鶴岡市の奥座敷とも言われる「湯田川温泉」の九兵衛旅館です。

料理旅館と言っていいほど食に強いこだわりを持つ宿で、1泊2食付きで2万5千円ぐらいから。お安い宿ではありませんが、間違いなく、お値段以上の満足感を提供してくれます。また、土曜日でも1人で泊まれますが、予約はかなり混み合っていますので早めの予約がおすすめです。

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温泉街のメインストリートからやや奥まったところにある宿で、共同浴場の「田の湯」が目の前にあります。

湯田川温泉は通っていた高校から車で10分ぐらいのところにある温泉地なんですが、地元なのに、庄内に住んでいた頃は1度も行ったことがありませんでした。家族は湯野浜温泉派だったんですよね……。

それから、すごくどうでもいい情報ですが、高校のときの担任の先生が湯田川温泉に1軒だけある寺の息子さんでした。きっと今頃住職になっているんだろうな。湯田川温泉街を歩いていると、うっかり担任に出会ってしまったらどうしようと、少しドキドキします。あまり出来のいい生徒ではなかったもので。

宿泊レポートには、2017年の3月と12月に2度泊まったと記録していますが、その後も1度泊まっており、これまで3度宿泊しています。

鱈白子・湯田川孟宗・岩牡蠣など庄内の味覚を地酒と共に味わえる美食の宿

九兵衛旅館で1人で宿泊可能な部屋は、8畳と10畳の和室と、12畳のかけ流しの部屋風呂付きの和室です。

私はいつも、最もリーズナブルに泊まれる8畳の和室ですが、広さも十分ですし、冷蔵庫や湯沸かしポット、空気清浄機に加湿器にBlu-rayプレイヤーまであってかなり快適なお部屋です。

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もちろんエアコンも完備しているのですが、冷房が苦手な方のためにか扇風機もありました。部屋着も浴衣と作務衣から選べたりと、快適な時間を過ごすための選択肢が多いです。

建物は整えられた庭を囲むような形状になっていて、1階のロビー前にはテラスもあり、庭を眺めながら朝食後にコーヒーをいただけるのもうれしいサービス。

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大浴場は2つあり、時間帯で男湯と女湯が交代になります。

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大浴場の「川の湯」は内湯のみですが、浴室に面した大きな水槽があり、ゆらゆらと泳ぐ金魚を湯に浸かりながら眺めることができます。

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もう1つの大浴場「山の湯」には露天風呂がついており、内湯と露天の浴槽はガラスを挟んで対称な形で設置されています。内湯から眺めるとまるで鏡を見ているような錯覚を覚えるのがおもしろいです。

大浴場の他に、空いていればいつでも貸切で利用可能な「貸切風呂」も。

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いずれの浴室でも、湯田川温泉の熱めの源泉をかけ流しで楽しむことができます。

お楽しみの食事は、個室の食事処でいただきます。

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お刺身は、旬の新鮮な魚を出していただけるのはもちろんのこと、毎回盛り付け方も凝っていて楽しいです。

ドリンクメニューは、特に地酒がかなりの充実ぶり。

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庄内地方にある18の酒蔵のお酒をすべて揃えており、季節限定の地酒が20種類近く注文可能です。1合からの注文になるため、1人だとあまりたくさん種類を頼めないのが残念ですが……。

九兵衛旅館の食事プランは、季節毎に異なる「基本プラン」のほか、「鮟鱇」「寒鱈」「孟宗」「岩牡蠣」「ズワイガニ」などにフィーチャーした「特別プラン」があります。

残念ながら1人泊の場合「特別プラン」は予約することができないのですが「季節限定の追加オプションメニュー」はオーダー可能なので、基本プランに追加する形で鱈白子や湯田川孟宗などの旬の食材を味わうことも可能です。

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直近で泊まったときは夏だったので、鱈白子(冬)や湯田川孟宗(春)はありませんでしたが、庄内名物の「だだちゃ豆」を注文しました。だだちゃ豆も大変おいしいのですが、次は冬に行こう……。

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また、〆の食事メニューも白いご飯ではなく、ちらし寿司だったり、いつもちょっと凝ったご飯ものなところが大好きです。このときは「焼き鯛茶漬け」でした。

翌朝、同じ個室でいただく朝食も、適当なおかずが一品もなくてすばらしいです。

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冷たく冷やされた小松菜の野菜ジュースで一気に目が覚めます。

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旅館の朝食にサラダがつくことは多いですけど「一応つけました」という感じ、でおいしいサラダなことはあまりないと思うんですよね。基本は和食ですし……。

でも、九兵衛旅館の自家製黒ごまドレッシングをかけた野菜サラダはみずみずしくて、野菜の種類もしっかり吟味されているのがわかります。

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イカの刺身、大ぶりな焼き鮭、卵焼き。全部おいしい。

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最後に、朝食なのにデザートが2品も出ました。塩キャラメルアイスとババロア。

何度泊まっても「前回のほうが良かったなあ」と思うことがなく、毎回高いクオリティの食事を提供してくださるので、季節を変えて何度でも行きたい!と思ってしまう宿です。

九兵衛旅館は「姉妹旅館の貸切風呂にも入れる」ところが大好き!

九兵衛旅館さんには徒歩2分のご近所に「珠玉や(たまや)」さんという姉妹館の宿があります。こちらの宿は大浴場がなく、3室ある貸切風呂を空いているときに貸切で利用するタイプの宿なのですが、九兵衛旅館に泊まると珠玉やさんのお風呂に入りにいくことができます。(夕食前などの混雑時間帯を除く)

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珠玉やさんの最上階にある展望風呂は眺望がよく、晴れていれば目の前に鳥海山の美しい姿を眺めることができるのがうれしい!

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ちなみに、珠玉やさんに泊まっても九兵衛旅館の3つの浴室(山の湯・川の湯・貸切風呂)に入ることができるので、どちらの宿に泊まっても計6つの浴室を楽しめます。

湯田川温泉のすばらしい源泉を滞在中存分に楽しめることが、九兵衛旅館の大好きなところです。

宮城県:青根温泉 湯元不忘閣

2軒目にご紹介するのは、蔵王連峰の東側に位置する青根温泉の湯元不忘閣です。

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青根温泉は、旅館数軒と日帰り温泉施設が1軒のみの温泉地ですが、江戸時代から仙台藩伊達氏の御殿湯が置かれたことで知られています。

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湯元不忘閣には「伊達藩藩主専用」の湯治場「青根御殿」が今も残されており、その縁でかつてJR東日本のCM「行くぜ!東北」のロケ地にもなりました。

1人で宿泊できるのは基本的には平日のみの宿ですが、まれに、宿泊予約が少ないタイミングで土曜日に1人泊のプランが出ていることもありますので、たびたびチェックしてこれまでに3度宿泊しています。

2食付き2万円以下で泊まれますが、ものすごく満足度が高い宿です。

雰囲気抜群の湯屋と極上湯、個室でいただく食事。長い階段すら愛しく感じる

湯元不忘閣は「西別館」と「不忘庵」から成り、1人で泊まる場合は「不忘庵」となります。(2名以上の場合は、公式サイトから西別館を予約可能。じゃらんなどで予約できるのは不忘庵のみ)
館内は有形文化財指定されている箇所もあり、建物自体は古く、エレベーターもありません。

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不忘庵のお部屋にたどり着くまでは、かなり長い階段を登らなければならないので、この点について「あり得ない!」と思う方にはおすすめできない宿です。ですが、温泉も食事も、2万円以下で泊まれる宿としては最高レベルのすばらしさなので、私は「むしろ、この階段を登る必要があるからこそ少し安くしてくれているのかも……」と最近は思っています。そのぐらい大好きな宿です。

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不忘庵は、建物は古いですがお部屋の中はきちんと手を入れられており、トイレはウォッシュレット付き、エアコンや空気清浄機、冷蔵庫などの設備も整っています。室内でWi-Fiがつながらないのだけは少し残念ですが、スマホの電波は普通につながるので、あてにしていなければそんなに不便ではありません。

館内には貸切で利用できる浴室が2箇所と、時間帯で男女が交代する浴室が4箇所あり、滞在中に6箇所の浴室を利用することができます。

中でもすばらしいのは、空いているときに貸切で利用できる「蔵湯」です。

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広く、雰囲気抜群、お湯も最高の浴室を一人きりで利用できるのがすばらしいです!
空いているときにいつでも入れる方式なので、お客が少ない平日を狙えばさらにのんびり浸かれます。

時間帯で男女が交代となる浴室では、伊達家の御殿湯だった当時の石風呂の素材を生かしたまま立て直した「大湯」が一番のお気に入りです。

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湯元不忘閣では、朝食後に時間帯に伊達家の保養施設だった「青根御殿」の見学会が行われるのですが、朝食後の時間帯はこちらの大湯が女湯になっているんですよね。
ほとんどの人が青根御殿に行ってしまい、その間は大湯を独り占めできることが多いので、毎回見学には行かず、大湯で湯浴みを楽しんでいる私です……。

食事は個室食事処でいただきます。以前は座卓だったのですが、一番最近泊まったときは畳の上にテーブルと椅子になっていました。

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「伯楽星」や「あたごのまつ」といったお酒を造っている、大崎市の新澤醸造店とコラボした青根温泉限定酒「思手成(おもてな)し酒」は、ほんのりとりんごのような香りがして、料理の味を邪魔しないおいしいお酒です。

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季節毎に料理のメニューががらりと変わるのもうれしいです。

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こちらは夏に泊まったときのメニュー。つきだしの「オクラ長芋豆腐」や、お椀の「牡丹鱧」は、見た目も涼しげで美しいです。

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山の中の宿ですが、お刺身もいつもおいしいし、仙台牛の鍋も、すき焼きよりもあっさりといただけるのがうれしい。

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同じ個室食事処でいただく朝食は、優しいお味の献立が多いのがいいですね。

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ポン酢であっさりといただける湯豆腐、がんもの含め煮も濃い味ではなく、出汁の味でいただきました。

湯元不忘閣は「湯上がり処でコーヒーや地酒を飲みつつくつろげる」のが大好き!

湯元不忘閣では、6つある浴室のうち4つの浴室が集まっている場所の近くに「湯上がり処」があり、滞在中、コーヒーや地酒を好きにいただくことができます。(ちなみにここではWi-Fiが利用可能です)

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赤と紺の座布団が置かれた雰囲気ある湯上がり処で、飲み物をいただきながらぼんやりと庭を眺める時間がとても好きです。隣には無料で利用できるマッサージチェアが置いてあるスペースもあり、風呂上がりに一杯飲んで、マッサージチェアに横たわる時間はまさに至福のときです。

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日によって異なりますが、あんドーナツなどのお菓子や、みそおでんなどのおつまみが用意されていることもあります。

お湯も浴室の雰囲気もすばらしく、食事もおいしく、くつろぎのひとときを提供してくれる湯元不忘閣が大好きです。

群馬県:谷川温泉 檜の宿 水上山荘

3軒目にご紹介する群馬県の谷川温泉にある「水上山荘」は、全18室のうち9室に源泉かけ流しの半露天風呂が付いている宿です。

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私は、基本的にはひとり旅がほとんどで旅の機会も多いので、割高になりがちな温泉浴室付きの部屋に泊まることはあまりありません。

ですが、こちらの水上山荘には最初に泊まったのが会社の同僚と3人での旅だったので「せっかくだから広い部屋に……」と半露天風呂付きの部屋を予約したところ、これがとてもとてもすばらしいお部屋とお風呂だったんですよね。

そのときの印象が強く残っていたので、土曜日は1人で泊まれない宿なんですが、平日にお休みを取ってその後2度、1人で泊まっています。半露天風呂付きの部屋に。そのぐらい、大好きな宿です。

こたつのある部屋、毎日湯を入れ替える浴室、食事も朝夕共にすばらしい

1人でも宿泊可能な半露天風呂付きの部屋は、10畳の和室に、四畳半の広縁が付いたお部屋です。

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広縁には絨毯がしかれており、ソファとこたつがあります。

座卓のほかにソファとこたつがあるのがとても快適で、特に気に入っているポイントですね。

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部屋付きの「露天風呂」とホームページなどには書いてありますが、大きな窓がついた「半露天風呂」です。

冬の間は雪もかなり降る寒いところですし、源泉の温度もそう高温ではないので、入浴しないときは窓が閉められる作りになっているところもすばらしいと思います。体を洗うときとか、露天風呂だけだと寒いですからね……。

窓からは、晴れていれば谷川岳の姿を眺めることができるはずなんですが、これまで3回泊まりましたが、毎回曇りか雨で、1度も谷川岳の姿を露天風呂から眺めたことはありません……。

水上山荘では、大浴場も部屋付きの風呂も、加水・加温・循環ろ過・消毒すべて無しの、パーフェクトな源泉かけ流しです。源泉は飲泉も可能です。

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また、水上山荘のすばらしいところに、すべての浴槽を毎日お湯を抜いて浴室を清掃し、新しいお湯を入れ替えていることがあります。お湯を完全に入れ替えるのは数日に1回~週に1回という宿が実はとても多いので……特に、水上山荘は大浴場の規模が大きく、大きな浴槽が露天に2つ、内湯にも2つあるので、源泉が豊富と言ってもお湯がたまるまでけっこう時間がかかるはずです。それを毎日やっているってすばらしいことだなと思います。チェックイン直後に大浴場に行くと、まだお湯がたまりきっていないことも多いのですが、ちゃんと今日もお湯を入れ替えてくれたんだなあとわかって、逆にありがたい気持ちになります。

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食事は、個室か、あるいは各席を衝立で区切った会場でいただきますので、他のお客さんの視線が気になることもありません。

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地ビールや地酒などお酒のメニューも豊富で、料理は前菜から見た目にも美しく、味も良く、お酒が進むものばかり!

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山の宿とは言え海の魚も並びますが、大変おいしいのでまったく気になりません。お椀はグリーンピースのすり流し。和風ポタージュで見た目にも涼しげで味も良いです。

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その場で炊き上げる舞茸ご飯は具がたっぷり!
「上州もち豚と地野菜のデミグラスシチュー」など、洋風の料理が時折挟まるのもおもしろく、すべての料理がおいしかったです!

朝食も、できたての手作りのお豆腐がトロトロで出汁の味も良く……。

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その場で焼き上げるソーセージと目玉焼きは、目玉焼きの卵の黄身が濃くて驚きました。

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これほど贅沢な目玉焼きソーセージ丼があるだろうか……と、感激しながらいただきました。

水上山荘は「すべての浴槽から谷川岳を座って眺められる」こだわりが素敵!

水上山荘の部屋付きの浴室から、晴れていれば谷川岳が眺められることは先にもご紹介しました。それ自体はよくあることだと思うのですが、こちらの宿のおもしろいところは「座って谷川岳を眺めやすいように、浴槽内に背もたれ付きの椅子がある」ということです。

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こんな感じで。石でできた椅子ですが、背もたれにしても痛くないように、石は表面が滑らかに加工されています。
この椅子は水上山荘のこだわりだそうで、大浴場の内湯・露天風呂も、谷川岳を眺められる場所に必ず椅子が作られています。

残念ながら、私がこれまで泊まったときはあまり天気がよくなく(このあたりは晴天率が低いところなんですよ……)谷川岳をクリアに眺められたことは1度もないのですが……。

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とは言え、貸切露天風呂で椅子に座ってスマホで本を読めるのも快適で楽しいです。お湯もやや温めなので長湯できますしね。

リーズナブルな宿ではありませんが、お湯も部屋も食事もサービスも良く、この宿に関しては誰にでもおすすめできる非の打ち所がない宿だと思います。

栃木県:奥那須温泉郷 大丸温泉旅館

4軒目にご紹介するのは、栃木県の奥那須温泉郷にある大丸温泉旅館です。
那須岳の登山口となる「那須ロープウェイ」の少し手前にある宿で、那須ロープウェイ行きのバスが通年運行しているため、山の中の宿ではありますが交通の便は比較的良い場所にあります。

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1人で泊まれるのは基本的には平日のみですが、予約が少ないタイミングなどでたまに、土曜日の1人泊のプランが出ているときもあります。

宿泊レポートの中では、2014年と2017年に友人や彼氏と一緒に泊まったときのことを書いていますが、その後に1人でも1度泊まっていまして、計3回宿泊しています。ちなみに3回泊まっていてなぜか3回とも5月の宿泊なんですけど、どうしてなんだろう……。

非の打ち所がないバランスのいい宿なので誰にでもおすすめできるし、一人でも楽しめる、大好きな宿です。

意外と気軽に楽しめる混浴風呂、快適な部屋とおいしい食事

大丸温泉旅館にはさまざまなタイプの部屋がありますが、1人で泊まれるのは和室にダブルベッドの置かれたこちらのお部屋。

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窓際に置かれた椅子も座り心地の良いもので、ワーケーションも可能なようにデスクとチェアの用意があるのも素敵。もちろんWi-Fiも利用可能です。

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また、お部屋にはユニットバスがついているのですが、なんとこちらの浴室にも温泉が供給されています。豊富な源泉を持つ宿だからこそできることですね……。

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大浴場も夜通し利用可能ではありますが、深夜など億劫になってしまうこともありますので、部屋でも温泉に浸かれるのはありがたいことです。

もちろん、大浴場でもすばらしいお湯が楽しめますし、露天風呂は開放感があり、自然の中で湯浴みを楽しめます。

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女湯にも2つの露天風呂があり、これだけでもまったく不満などなく楽しめます。

大丸温泉の素敵なところは、女湯の露天風呂よりもさらに広い混浴露天風呂があり、男性も女性も湯浴み着必須となっているため、意外と気軽に混浴を楽しめるのです。

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男性はズボンタイプ、女性はワンピースタイプの湯浴み着です。以前はバスタオル巻きだったのですが、湯浴み着のほうがずり落ちてきたりする心配がないのでより安心ですね。湯浴み着はクリーニングされたものが脱衣所にたくさん置いてあり、毎回新しいものを使えるのが本当にすばらしいです。

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露天風呂ばかりがクローズアップされがちですが、源泉は飲泉も可能で、メタケイ産豊富で美肌効果の高いすばらしいお湯です。また、宿泊客のみが利用可能な広い貸切風呂があるのもうれしいですね。

個室の食事処でいただく料理も、毎回期待を裏切りません。

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ドリンクのオーダーがタッチパネル式になり、気軽に注文できるのでついお酒が進んでしまいます。
お刺身は鮪とヤシオマスと鯛。天ぷらは旬の山菜とメヒカリをゆず塩で。

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奇をてらったものではないけれど、基本に忠実でおいしい料理の数々。
とちぎ和牛の温泉しゃぶしゃぶは、肉のサシの入り方が適度でちょうど良い感じ。

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白いだしは豆乳ではなく、白味噌ベースのオリジナルの味付けです。野菜もおいしくいただける味。

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朝食も同じ個室食事処で。

朝からボリュームたっぷり。具沢山のお味噌汁がうれしかったです。

大丸温泉旅館は「利き酒セットが何種類もあって先付けがおいしい」のが大好き!

大丸温泉旅館は、食事もお部屋もお風呂もすべてが高水準で「誰におすすめしても間違いない宿」だと思っているのですが、中でも特に気に入っているポイントは「利き酒セットの種類が豊富」かつ「先付けがいろいろあっておいしい」ところです。

きっと、お酒が好きな方がメニューを組まれているんだろうなあと思います。

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利き酒セットは、お猪口になみなみと注がれた3種類のお酒が提供されますが、これが3セットあるのです。つまり、利き酒セットを3回頼めば9種類のお酒が楽しめるということで、1人泊だとなかなかいろんな種類のお酒をいただくことは難しいので、これがとてもありがたいです。

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こちらは5月に伺った際の先付け。
蛍烏賊や春キャベツ、筍など、旬の食材を使った先付けがいつも4~5種類並び、先付けだけでかなり飲めてしまいます。

山の宿なのに蛍烏賊や鮪が出てくることに違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、おいしいので私は特に気になりません。季節の食材を揃えてくださっているし、何よりもおいしいので。
次は別の季節に泊まって楽しみたいなといつも思っています。

神奈川県:奥湯河原温泉 旅館加満田

5軒目にご紹介するのは、神奈川県奥湯河原温泉の「旅館加満田」です。

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「奥湯河原」と呼ばれるエリアは湯河原駅からバスで15分ほどのところにありますが、湯河原駅は海からすぐ近くにあるというのに、奥湯河原はすぐ裏側に山があり、庭で山菜が採れたり、猿が山から下りてきたりもするという、山の中の温泉地らしい情緒が楽しめる場所です。

それでいて、食事は海の幸も楽しめるのですから、海の良さも山の楽しさも味わえるお得な温泉地と言えるでしょう。もうこれだけで大好き。

そんな奥湯河原にある旅館加満田は、お湯も良く、食事もおいしく、建物も風情あるという、何拍子も揃った宿です。宿泊レポートでは5月に泊まり、庭で採れたという山菜を味わってきましたが、とても気に入ったのでその後冬にも泊まりに行っています。

お安い宿ではありませんが、土曜日でも1人泊を受け入れてくれ、東京からの交通費も安く済むため、何度でも行きたくなってしまう大好きな宿です。

サービスも湯も食事も非の打ち所がない正統派の旅館

旅館加満田は、小林秀雄をはじめとした多くの作家に愛された宿ですが、日本酒の「黄桜」のCMで有名な河童の絵を描いた漫画家の清水崑さんも常客だったそうで、館内には随所に河童の絵が飾られています。

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宿の玄関の前には河童の石像が。「加満田」にちなんで「かぱた」くんというお名前だそうです。

1人で宿泊できるお部屋は別館の和室です。

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日当たりが良く、広縁からは手入れされた庭が眺められ、室内も新しい建物ではありませんが、手入れされた清潔なお部屋です。

浴室は、時間帯で交代となる大浴場2つと、空いているときにいつでも貸切で利用可能な貸切露天風呂が2つです。

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大浴場はアメニティもしっかり揃っていてとても快適。貸切露天風呂は、1人で浸かるには十分過ぎるほど広く、どの浴室も湯量豊富で大量の源泉が常時かけ流されています。湯河原らしい熱めでさっぱりとした泉質ですが、新鮮さが感じられ、よくあたたまりました。

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食事は2食ともお部屋に運んでいただきます。
先付け・前菜の種類が多く、いきなり熱燗が進んでしまいました。
数の子の松前漬け、焼きカラスミ、子持ち鮎の粕漬け、かますのお寿司など。

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ナマコ酢もありました。
お刺身は「鰤、ヤガラ、石鯛、ホタテ貝」の4種盛り。

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前回、5月に宿泊した際は春限定の「山菜料理プラン」だったんですが、今回は冬限定の「選べる鍋料理プラン」をチョイス。
「蟹」「すっぽん」「あんこう」の3種類の鍋から1つ選べるのですが「すっぽん鍋」を選びました。蟹とあんこうは食べたことがあるんですが……すっぽん鍋だけは1度も食べたことがなかったんですよね。

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どんな味わいなのかまったく想像がつかなかったのですが、丁寧に処理されているのか臭みなどはまったくなく、むしろあっさりとした味わいでとても食べやすかったことに驚きました。最後は雑炊にしていただきました。

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朝食もお部屋に運んでいただき、正統派の旅館の朝食をゆっくりと楽しむことができました。

旅館加満田は「部屋付きの檜風呂が実はとても良い」ところも大好き!

旅館加満田は、実はすべての部屋の浴室にも温泉が給湯されています。

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しかも、部屋のお風呂もユニットバスではなく、檜風呂で、きちんと清掃もされています。このお風呂が、私はとても気に入っているんですよね。

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大浴場や貸切露天風呂にも夜通し浸かることができるのですが、寒い冬の夜なんかは特に、浴室まで移動するのがちょっと億劫になってしまうこともあります。
部屋のお風呂なら本当にいつでも入れますし、浴槽への源泉投入量を自分で調節して、かけ流しのまま好きな温度で入れるのがいいんですよねー。

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部屋風呂に浸かってさっぱりしたら、広縁でビール!を延々とリピートしてしまう……そんな旅館加満田が大好きです。

山梨県:石和温泉郷 旅館深雪温泉

6軒目にご紹介するのは、山梨県石和温泉郷にある旅館深雪温泉です。
ひとり旅を始めた10年以上前に頻繁に泊まっていた宿で、その当時の思い出を著書でもご紹介しています

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土曜日は1人で泊まれない宿なんですが、新宿駅から特急で1時間半で着く場所なので、当時は「月曜日午前休を取って日曜に深雪温泉に宿泊し、月曜の午後から出社する」というような日程で頻繁に泊まっていました。記録によれば、これまで11回宿泊しています。

最近は他に泊まりたい宿が増えたこともあり、以前ほどは泊まっていませんが、今も大好きな宿の一つです。

毎分1415Lの圧倒的な湯量、料理やお酒もがんばっているのが感じられる

深雪温泉の客室は、大部分は3階にあるのですが、エレベーターがないので階段を上ることになります。

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浴室は1階にあるので、階段の上り下りがどうしても多くなること、階段はじめ共用部は建物の古さが感じられるところが、若干人を選ぶところはあると思います。私はまったく許容範囲内ですが、古い建物が苦手な方は選ばないほうが良いかもしれません。

また、対応してくださるスタッフの方は「地元のおばちゃん」という雰囲気の方が多いので、いわゆる「接客業らしさ」はあまり求めないほうが良いかなという宿です。

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宿泊する室内は清潔で快適。経年劣化に対してもきちんと手を入れられているお部屋で、不自由なく過ごせます。

浴室は大浴場が2つあり、時間帯で男女が交換となります。

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大浴場の一つ「柿の湯」は、内湯も露天風呂も広々としており、浴槽には常時大量の厳選が滝のような音を立てて投入されています。

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もう1箇所の大浴場「ももの湯」は、「柿の湯」よりはやや狭いですが、半端ない量の源泉がかけ流されているのは同じです、

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食事は、夕食はゆったりと部屋食で。
テレビなど眺めながらいただきます。

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お酒の種類が泊まる度に充実してきていて、特に日本酒の種類が増えてきているのがうれしい限り。
飲み比べセットは、1種類の量が多すぎて飲みきれませんでした・笑
日本酒のほかには「樽詰め生ワイン甲州スパークリング」が600円で用意されており、かなり気になりました。

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料理も、初めて泊まった10数年前と比べると、進化しているように感じます。
盛り付けとか演出的な部分が洗練されてきているなあという感じ。

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「お刺身3種盛り(鮪・鯛・アオリイカ)」や「甲州牛の陶板焼き」など、鉄板のメニューも大変おいしいです。

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この日は春だったので、天ぷらは「ふきのとうとワカサギ」、〆のご飯は「タケノコご飯」と季節感あふれるメニューでした。

朝食は、食事処でいただきます。

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深雪温泉の朝食の素敵なところは「せんだい屋」という納豆専門店の納豆が複数種類置いてあり、いくつでも食べてOKというところ。

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私は「わかめ納豆」がお気に入りです。また、ご飯は「白米」と「雑穀米」から選ぶことができ、もちろん両方おかわり自由です。とろろが出るので、雑穀米にとろろをかけていただけるのがうれしいですね。

旅館深雪温泉は「異なる温度の源泉を混ぜて適温にしている」ところが大好き!

旅館深雪温泉のすばらしいところは、36度と50度という異なる温度の源泉を浴槽内で混合することによって、入浴に適した温度にしているところです。

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内湯でも。

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露天風呂(柿の湯のみ)でも、熱い湯とぬるい湯の湯口があります。

浴槽に投入する前に源泉を混ぜ合わせてしまうのではなく、熱い湯口とぬるい湯口が両方にあることで、広い浴槽内に「やや熱めの場所」と「ややぬるめの場所」ができるんですよね。その日の気分や体調に合わせて、お気に入りの場所を見つけて長湯するのがとても好きです。

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よく泊まっていた15年前に比べると、食事などが良くなったぶんか、宿泊料金はやや高くなってしまったのですが……それでも、自宅からあまり交通費も時間もかからずこれるので、2年に1度ぐらいは泊まりに来たいと思っている、大好きな宿です。

長野県:小瀬温泉ホテル

7軒目にご紹介するのは、長野県の軽井沢駅からバスで20分ほどの場所にある「小瀬温泉ホテル」です。

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平日であればいつでも、12月~GW前までの寒い季節なら土曜日でも、1人で2食付きで泊まれます。料金も、最もリーズナブルなお部屋なら2食付き1万5千円以下で泊まれてしまう、とてもありがたい宿だと思います。

あまり人に知られたくないほど好きな宿で、これまで5回泊まっています。

こたつのある部屋、湯量豊富な浴室、お箸で食べられるフレンチ

歴史ある宿で建物も新しくはありませんが、薪ストーブのあるロビーなんかはそれが良いほうに作用してアンティークな雰囲気を醸し出しています。

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ただし、リーズナブルに泊まれるお宿ですので、建物のすべてにクラシックホテル然とした趣があるわけではなく、共用部などに古さを感じさせる部分もあります。
旅行サイトの口コミなどを見ると、建物の古さで点を下げられていることがけっこうあるのですが、そのあたりをあまり気にしない方なら楽しめる宿だと思います。

ちなみに私は、清潔であればまったく気にならないタイプです。
こちらの宿、冬はお部屋にこたつがあるのがうれしい!

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しかも、部屋のお風呂はユニットバスなんですけど、温泉が供給されているんですよ。

ただ私は、こちらの宿でお部屋のお風呂に温泉をためて入ったことはまだありません。
というのも、滞在中夜通し入浴可能な男女別の内湯を、とても気に入っているからです。

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左右対称な形も美しく、大きな窓があって明るいので、誰もいないと窓を開けて入ってしまいます。

さらに、小瀬温泉ホテルには2つの貸切露天風呂がありまして、入りたいときにフロントに確認して、空いていれば鍵を借りて無料で入ることができます。

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私は、冬に泊まることが多いので落葉した木々しか眺めたことがないのですが、紅葉や新緑の季節ならさぞかし眺めも良いことだろうなと思います。
冬は冬で、とても気持ちいいですけどね。

食事は「お箸で食べられるフレンチ」とのことで、和洋折衷のコース料理です。

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日本酒にもビールにもワインにも合う料理なので、私は地酒か、ハートランドの小瓶を注文することが多いです。

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メインの肉料理はスパイスが効いていて、大人の味わいでした。

朝食は、卵料理とサラダ、大ぶりな焼き鮭というラインナップ。

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卵料理が、以前はオムレツが出たことがあってテンションが上がったんですけど、最近は卵焼きかスクランブルエッグなのが少し残念。

朝食はややありきたり感はありますが、夕食はオリジナリティもあって、どちらも大変おいしいです。2食付きの料金設定を考えると、食事もかなりがんばっている宿だと思います。

小瀬温泉ホテルは「毎日お湯を入れ替えている大浴場に13時チェックインで浸かれる」のがいい!

小瀬温泉ホテルのすばらしいところは、なんと言ってもかけ流しの内湯です。

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この浴槽、10時で宿泊客がチェックアウトした後に毎日お湯を入れ替えて掃除し、新しいお湯を張っているんです。ちなみにシャワーのお湯もすべて源泉です。

しかも、チェックインが13時からできるんです!アーリーチェックインプランとかではなく、普通の宿泊プランで。

1時ちょうどにチェックインすると「もしかしたら大浴場のお湯がまだ貯まりきっていないかもしれません」と言われたりするんですが、1番風呂に入れて逆にうれしいです。

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毎回、できる限り早くチェックインしてずっと内湯に浸かっています。熱めで黒っぽい湯の花が浮かぶ、とろみを感じさせるようなすばらしいお湯に、また浸かりにいきたいです。

岐阜県:奥飛騨温泉郷 新平湯温泉 藤屋

8軒目にご紹介する宿は、岐阜県は奥飛騨温泉郷の新平湯温泉藤屋です。

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このブログでも何度もご紹介しているおなじみの宿ですが、好きな温泉地10選の記事の中でも選んでいる「奥飛騨温泉郷」の中で1番好きな宿なので、紹介しないわけにはいきません。

こちらの宿、2食付き1万7千円弱で1人で土曜日でも!オールシーズン泊まれるとてもありがたい宿でもあります。

「奥飛騨百姓座敷の宿」というのがキャッチコピーの宿ですし、高級旅館でもありません。家族経営の小規模旅館ですので、建物は古いですし、いわゆる接客業らしい接客ではありません。そのあたりが気になる方にはおすすめできませんが、とにかくお湯が良くて食事がおいしければ!という方(それは私……)にとっては、本当にすばらしい宿だと思います。

温度の異なる2本の源泉と貸切風呂、異様においしい食事

藤屋さんのお部屋はシンプルな和室ですが、テレビ・エアコン・空の冷蔵庫など必要な設備はしっかり整っています。

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洗面台とウォッシュレット付きのトイレもあるので、快適に過ごせます。

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浴室は男女別の大浴場と、空いていればいつでも利用できる貸切風呂が2つ。

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大浴場には露天風呂もついています。

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貸切風呂は外にありますが、フロントに鍵が置いてあれば空いているということなので、鍵を借りて内側から鍵をかけるという仕組みです。

食事は、囲炉裏のある食事処でいただきます。

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奥飛騨の地酒を飲みつつ、山菜の小鉢をつまみます。

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天ぷらは後から熱々のものを持ってきていただけるし、鍋料理を「熊」「鴨」「地鶏」「猪」から選べるのも楽しいです。鍋の味付けも、熊は甘め濃いめの味付け、地鶏はあっさり塩味など、肉に合わせて変えてくださるのがうれしい。

朝食も同じ囲炉裏端の食事処でいただきます。

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なんと言っても奥飛騨名物朴葉味噌、それに温泉卵や焼き鮭なども並び、朝からご飯をたくさんいただいてしまいます。

新平湯温泉藤屋は「あつ湯ぬる湯の交互浴と飛騨牛朴葉ステーキ」が大好き!

藤屋さんの好きなところは1つに絞りきれなかったのですが、まず、高温の源泉と、人肌のぬる湯の2本の源泉があり、大浴場の内湯ではそれぞれ異なる浴槽に2つの源泉が注がれています。

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ここで、熱い湯とぬる湯の間を行ったり来たりして交互浴を楽しむのが本当に好きで、気がつくと2時間ぐらい過ぎていたりします。

それから食事です!

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飛騨牛朴葉ステーキが、量もたっぷりな上に脂の乗り方もすばらしくて、まさに「とろけるような味わい」なんです。

実は、料理メニューはわりと定番化されていて、季節によって大きく変わるというわけではありません。連泊で料理を変える対応も難しかったと思います。
でも、そのお決まりの料理メニューが本当においしいので、年に1度ぐらい、定期的におとずれたくなる大好きな宿です。

大分県:別府明礬温泉 岡本屋旅館

9軒目にご紹介する宿は、大分県の別府温泉郷の明礬地区にある温泉宿、岡本屋旅館です。

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平日のみ1人泊可能な宿……だったんですが、今調べてみたら、現在は旅行サイト経由でも公式サイト経由でも、1人泊のプランは出ておらず悲しい……。

大好きな宿なので、できればまた1人で泊まれるようになって欲しいんですが、以前は平日の1人泊で2食付きで2万ちょっとで泊まれました。

2015年に泊まってすごく印象が良かったので2019年に再訪し、これまで2度泊まっています。

お湯・食事・サービスのいずれもレベル高く文句のつけようがない宿

この地で140年以上旅館を営んでいるという歴史ある宿です。
建物は木造で古さはあるものの、きちんと手を入れられていてとても清潔かつ快適です。

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広縁から別府明礬橋と別府湾を眺められるのもいいですね。
木造なので音は響きます。そのあたり神経質な方は注意が必要かもしれません。

チェックインから夜10時まではフリードリンクコーナーを利用でき、コーヒーや紅茶、ハーブティなどがいただけます。

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温泉は男女別の大浴場で、時間帯による交換はありません。というのも、男湯の露天風呂はお部屋から見えてしまうことがあるからのようです。

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内湯には浴槽が2つあり、お湯の入れ替わりが早いからか、濁りのない透明な青湯が楽しめます。冬には浴槽に「ざぼん」が浮かんでいるのも楽しいですね。

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男湯のほうが広いとは聞くものの、女湯の露天風呂もかなり広く、開放感たっぷり!
「青磁色」とも「ミルキーブルー」とも言われる青い濁り湯。別府・由布院エリアでは青湯を楽しめる宿が何軒かありますが、岡本屋旅館さんのお湯の青さはかなりはっきりとした青色だと思います。

食事は食事処でいただきますが、1人泊の場合はカウンター席があるので、テーブル席よりも視線は気になりにくいと思います。

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大分の地酒の利き酒セットをオーダーしました。
この日は「地魚姿造り」のついたコースで申し込んでいたのですが、関アジがまるごと一匹入った豪華な盛り合わせです。

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温泉の蒸気で野菜とお肉を蒸し上げた、名物料理の「地獄蒸し」もさっぱりといただけておいしかったです。

朝食も同じ食事処で。

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朝も地獄蒸しの蒸籠がつきました。

それから、大分名物の「りゅうきゅう(はまちやぶりのお刺身と薬味を、醤油とすりごまのたれで和えたもの)」が登場し、朝からお酒が飲みたくなったり。

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汁物も大分名物の「だご汁」が。
小麦粉を練って作った「だご」は、もちもちしていて食感もよく、体が温まりました。

自慢の源泉を使って蒸した料理や、大分の郷土料理などここでしか食べられない料理が満載で、朝夕共に満足度の高い食事だったと思います。

岡本屋旅館は「ミルキーブルーのお湯と地獄蒸しプリン」が大好き!

岡本屋旅館の大好きなところはやはり、この青いお湯です!

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日によって色や濁り方、温度なども微妙に異なるので「次はどんな感じだろう。また入りに行きたい!」という気持ちが自然と盛り上がってしまいます。
浴感もさらっとしていて、入った後は肌がすべすべになるところがお気に入りです。

また、夕食のデザートには、温泉で蒸した「地獄蒸しプリン」が出るのも大好きなポイント。

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このプリンが濃厚で本当においしくて、近所にある売店で購入・イートインできるので、岡本屋さんに泊まらないときでも必ず立ち寄って食べてしまいます。

できればまた1人でも泊まれるようになってほしい……と願っている大好きな宿です。

鹿児島県:霧島温泉郷 霧島湯之谷山荘

10軒目、最後にご紹介する鹿児島県の霧島温泉郷にある霧島湯之谷山荘は、10軒の中で1番、好みが分かれる宿かもしれません。

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建物は古いですし、1人で泊まれるのはその中でも「湯治棟」なので、部屋にトイレや洗面所もついていません。

実は、前回ここに泊まった翌日に、近くの妙見温泉の宿で日帰り入浴をしたのですが、そこで居合わせた地元の女性3人組に「昨日は湯之谷山荘に泊まっていた」と言ったら「あんなところにわざわざ?」と言われてしまったり……でも、本当に本当にお湯がいいんですよ!

きれいな宿が好きな方にはとてもおすすめできませんが、素泊まりなら5800円、2食付きでも12000円ぐらいで1人で泊まれます。
近所に外食できるところがないので、私はこれまで食事付きで3度泊まっています。

今チェックしたら、1人で食事付きで泊まれる日程がとても少ないようなので、できたらもっと泊まりやすくなるといいな……と思いつつ、ご紹介したいと思います。

とにかくお湯と浴室がすばらしい、部屋と食事も私は許容できる

1人で泊まれる部屋は、湯治棟の6畳の和室。

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古いですがきれいに掃除されていますし、テレビも冷蔵庫も浴衣もタオルも歯ブラシもあるので個人的には快適な部屋だと思います。

食事付きのプランだと、食事の間にお布団も敷いてもらえますしね。

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コンパクトだけど居心地のいいお部屋です。

湯治棟なので、すぐ近くに共同の炊事場もあります。

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調理器具や食器もそこそこ揃っているので、自炊湯治も可能だと思いますが、私は自炊は買い出しが面倒なので、食事付きで泊まりたいんですよね。
電子レンジもあるので、お弁当やおかずを買ってきて温めることも可能ではありますが。

浴室は、男女別の内湯と、予約制で貸切で利用できる露天風呂があります。

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この内湯が本当に大好きで……。
以前は、シャワーの出が悪かったり、ドライヤーの風量が弱かったりということもありましたが、2020年の2月に泊まったときは改善されていました。ちゃんと手を入れてくれているのがうれしい。

貸切露天風呂は、2人入ればいっぱいになってしまうこぢんまりとした浴槽ですが、内湯とは少し趣が異なり、青みがかった濁り湯が楽しめます。

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食事処でいただく食事も、この値段でこれならぜんぜんありだと。

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鶏刺しは新鮮だし、鍋もおいしかったです。デザートまでしっかりあるし。

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朝食も、まあ普通ですけれとも。

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でも、普通においしいからぜんぜんいいですよ。

湯之谷山荘は「この内湯を作った人天才なんじゃないかしら」と思うほどに内湯がいい

もう、何度でも言いますがこの内湯が本当にすばらしいんです。

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浴槽が3つあって、一番大きな浴槽が42度ぐらいの硫黄泉、一番小さい正方形の浴槽が36度ぐらいのぬる湯の炭酸泉、そして真ん中にある浴槽は硫黄泉と炭酸泉が混ざって、長湯にちょうどいい38度ぐらいの温度になっています。

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真ん中の浴槽で、熱い湯とぬる湯が自然と混ざりあうようになっているんです。

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熱い湯に浸かって温まったあと、ぬる湯に入ってシャキッとして、交互浴を楽しんだり。炭酸泉のぬる湯はすごい泡付きなので、泡を楽しむのも良いし。
あるいは、真ん中の浴槽でひたすら長湯したり。
気分と体調に合わせて3つの浴槽を行ったり来たりしていると、気がつくと何時間も過ぎているのです……。

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お部屋や食事は極上とは言いがたいですし、日中は日帰り入浴も受け入れている宿なので「他に泊まって湯之谷山荘には日帰りで来ればいい」と言われたりもするんですが……。

私はとにかくこの風呂が大好きで、夜中に誰もいないときに寝る時間を惜しんで浸かりたいので、泊まりたいんですよね。

万人におすすめできる宿ではないのですが、私がとにかく大好きな宿、ということで、最後にご紹介させていただきました。

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最後に湯之谷山荘に泊まったのはコロナ禍直前で、宿からバス停に向かう途中の道すがらに、桜島がくっきりと美しく見えました。

きっとまた、泊まりに行きたいです。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。