遠刈田温泉 旬菜湯宿 旅舘大忠
宮城蔵王の遠刈田温泉にある旅館「大忠」は総部屋数9室の小規模旅館ですが、「旬菜湯宿」の名を冠するだけあって、食事にひとかたならぬこだわりを持ち、四季折々の旬の食材を楽しめる「おいしい温泉宿」です。
料理だけでなく日本酒も季節に合わせてラインナップが変わり、宮城県や山形県のお酒を中心に、今しか飲めない「旬のお酒」を取りそろえている旅館大忠さん。なんとあの、幻のお酒「十四代」も常備しているという万全ぶり。しかも2種類です!
ブログでご紹介するのは初めてですが、実は冬と夏に季節を変えて、既に2回宿泊しています。満を持して、レポートしてみたいと思います。
- 遠刈田温泉 旬菜湯宿 旅舘大忠
白石蔵王駅からバスで蔵王山頂に向かい、その後遠刈田温泉街へ
遠刈田温泉の大忠さんに初めて宿泊したのは今から2年半ほど前、2015年の12月でした。そのときも彼と2人での旅行で、大忠さんのおいしい食事とお酒を堪能しました。
2015年に泊まったときにいただいたお食事についても後でご紹介しますが、実は、彼は旅の宿を選ぶ際に「食事がおいしくて貸切風呂がある宿がいい」というリクエストをする人です。(宿を選ぶのは私ですが)なので大忠さん以外も、これまで泊まった宿はおいしい宿ばかり。
たとえば、1日5組限定の奥飛騨の料理旅館「饗家」さん。
飛騨牛のぶ厚い炭火焼きは、とろけるおいしさでした。。。
2017年に泊まった宿で一番食事がおいしかった宿、湯田川温泉の九兵衛旅館さん。
私はこちらの宿、最高に気に入って後で1人でも泊まりに行ってしまいました。
そして、先日紹介させていただいた、那須大丸温泉の大丸温泉旅館さん。
どの宿もすばらしくおいしい宿だったのですが、彼はどこに泊まっても
「でも、蔵王のあの宿がやっぱり一番おいしかったね」
と言うのです!ぐぬぬ……なんか負けた気分なのはどうして!(大忠さんも私が探した宿なんですけどね。。。)
まあ、とは言えそんなに気に入っているなら季節を変えてもう1回行ってみましょうよ、前回は冬だったしね。ということで7月中旬の週末、行ってきました。
まずは朝7時過ぎに東京駅を出るやまびこに乗って白石蔵王駅で下車し、蔵王山の刈田岳山頂行きのバスに乗ってお釜を見学。
しかし、下界は晴れていたものの山頂付近は濃い霧に包まれており、ちらっと見学しただけですぐにバスに戻ることに……。
晴れていれば、バスを降りて徒歩5分で、こんな素晴らしい絶景に巡り会えたはずだったのですけどね。
↑こちらは、私が以前1人で来たときに撮影した写真です。
このときは、山形側から縦走して刈田岳まで来ました。6月初旬でしたのでまだ雪が残っていますね。
今回も、天気が良ければ熊野岳の山頂まで往復しようかなと思っていたのですが、真っ白なのでやめて、バスで遠刈田温泉街に向かいます。
ソーセージレストランのベルツで、ビールを飲みつつちょっとだらだらし、チェックイン可能な15時になったので、大忠さんへ!
「遠刈田温泉」のバス停からすぐのところにあります。2階建ての建物で、全9室の宿です。
のれんをくぐってエントランスに向かうと、日帰り入浴についての案内が出ていました。
旅館大忠では11時~20時まで、大人800円で日帰り入浴が可能です。
ただ、近隣の日帰り入浴施設で、330円でかけ流しのお湯を楽しめるため、大忠さんの浴室が日帰り入浴客で混み合う、ということはめったにないのではないかと思います
2度泊まりましたが、日帰りのお客さんと浴室で顔を合わせたことはありません。考えると日帰り利用も穴場で良いかもしれませんね。
ちなみに、最初に泊まった2015年の12月は、仙台から松島を回って牡蠣三昧してから遠刈田温泉に来たので、チェックインできたのは16時半過ぎ。
日が短い季節でしたので、あたりはすっかり暗くなっていました。
館内に足を踏み入れると、中は一面畳敷きです。
スリッパを履く必要がないのは楽でいいものですね。
フロント前の椅子に座って宿帳を書き、女性のみサービスとなっている色浴衣を選ばせてもらいます。
本日宿泊するお部屋は、2階の「山百合」です。
あれ?外からは2階建ての建物に見えたけれど、一部3階もあるのですね。
エレベーターはない宿ですので、2階のお部屋のほうがお風呂や食事に行く際に楽ではあります。
ドアにステンドグラスのような飾りがついていてかわいいな。では、部屋の中へ。
【部屋】★★★★★ マッサージチェアとコーヒーメーカー有り。書庫の漫画がかなり充実!
スタッフの方はお部屋まで案内してくださると、夕食の時間を相談して決めて、出ていってしまいます。
宿泊したお部屋はベッドのある部屋なので、スタッフはチェックアウトまでもう、お部屋に入ってくることはありません。これはこれで気楽で良いですよね。
お部屋は8畳の和室と、奥に洗面所とトイレ、ベッドルームが付いています。
広縁も畳敷きです。
マッサージチェアとタオルウォーマーが置いてありました。
しかもちゃんと、テレビを見れる方向に置いてあります。風呂上がりに部屋で、テレビを見ながらマッサージチェアって最高ですね~。
広縁の隅にはコーヒーメーカーと湯沸かし機能付きのポット。空の冷蔵庫にはサービスの水のペットボトルが。
引き出しを開けると、コーヒー用のペーパーフィルターにカップとコーヒー豆。
お茶もほうじ茶と煎茶がありました。
コーヒーが充実しているのは、コーヒー好きとしては本当にうれしいですね~。
部屋で絶対コーヒー飲みたいので、マイカップとドリップパックも常に持ってきているのですが、今回は必要なかったですね。
しかし、そう言えばコーヒーもお茶も充実しているのですけど、お茶菓子的なものはなかったのはちょっとだけ気になりました。
食にこだわりの宿だと、茶菓子についてもなんとなく期待してしまう自分がいるのですが、そこだけは少々残念かな。
ただ、後でご紹介しますがウェルカムドリンクは別にいただけるのですけどね。
部屋の奥にベッドが2つ並んだベッドルームがあり、その手前の右手が洗面所、左手がトイレというちょっと不思議な作りです。
洗面所のアメニティは歯ブラシと櫛とカミソリぐらいですが、後でご紹介する大浴場も貸切風呂もアメニティ超豊富でしたので、そちらで利用したほうが良いということで。
トイレはウォッシュレット付きで清潔。
ベッドルームはシンプルですが、枕は高さを調節できるちょっと凝った作りの物だし、コンセントがベッドのそばに2つあるのも良いですね!
クローゼットの中には浴衣、羽織、ドライヤー。
そしてカゴバッグの中にタオルとバスタオルが入っています。
そして部屋の隅にひっそりと置いてあった「おかみの愛情」箱。
何かと思ったら、胃薬や絆創膏などの常備薬と裁縫道具!たしかに、案外必要になること多いですよね。。。ありがたいことです。
お部屋にあった館内案内図と説明書き。
館内施設の営業時間がまとめて書いてあり、ありがたいですね。
また、旅館大忠は館内でFreeWi-Fiが利用できます。室内でも速度は十分に出ており、快適なネット環境でした。
館内施設に関しては、写真付きのインフォメーションページも用意されていました。
スタッフの案内は最小限でしたけど、こんなにしっかりまとまった冊子が置いてあるなら、必要ないですね。
ショップやバー、リラクゼーションエステなどが館内に常設されており「書庫」と呼ばれる図書コーナーもあります。
体温計や枕、ヘアアイロンや目覚まし時計、オセロやUNOなどの貸し出しもありとのこと。
2年半ぶりの宿泊ですが、あらためて「至れり尽くせりで何日でも滞在できそうな宿だなあ」と感じました。
2015年に宿泊した部屋はこちら
2年半前に宿泊したお部屋はこちら。七竈(ナナカマド)というお部屋だったと思います。
今回宿泊したお部屋よりはやや狭めで、和室のメインルームにベッドが置いてある感じのお部屋でしたね。
とは言え、こちらのお部屋でも十分快適な広さだったと思います。
15時~17時まではフロント横のバーでウェルカムドリンクをいただける
旅館大忠には、フロントの横にバースペースがあり、15時から17時までの好きなタイミングで、ウェルカムドリンクをいただくことができます。
室内にメニューも置いてあったのですが、ウィスキーのメニューがかなり豊富なようですね。
蔵王のおいしい水で、水割りを飲もうみたいなコンセプトなのかなと。
というわけで、一風呂浴びてから行ってみました。
奥に見えるのれんが、夕食と朝食をいただく食事処の入り口です。バーはフロントの横、食事処の手前にあります。
ウェルカムドリンクのメニューが出ていました。
ウェルカムドリンクでいただける飲み物は
・生ビール(カールスバーグ)
・スパークリングワイン(アンジュエールブリュット)
・ワインサワー(赤玉パンチ)
・ウーロン茶
の4種類です。
カウンターには誰もいなかったので、呼び鈴を鳴らしてオーダーします。
私はスパークリングワイン、彼は生ビールをオーダー。スパークリングワイン、なみなみ注いでもらえてうれしい♪
こちらはおつまみで出していただいた「カレー味のあられ」。
ちょっと懐かしい感じの駄菓子ですが、このへんはちょっと、料理旅館らしからぬチョイスな感じもしますね・笑
ビールには合いそうですけど、彼も「これから夕食なのにこれでお腹を膨らませたくない」と言って手を付けずでした。他のお客さんも食べてない人が多かったですし「蔵王のチーズひとかけら」とかだったらめちゃめちゃうれしいんだけどなー。
でも、スパークリングワインはおいしかったですよ。
ちなみに、飲み物についての補足ですが、館内には浴室のあるあたりの廊下に自動販売機があります。
缶ビールも金麦とプレミアムモルツがありました。
ソフトドリンクは市価で提供されており、良心的ですね。
書庫は長編コミックが大充実!揃えた人とは趣味が合いそう・笑
旅館大忠には「書庫」と呼ばれる図書コーナーがあります。
一応、椅子も置いてはありますが、こちらで読むというよりは借りて部屋で読む感じですね。
向かって右側の書棚は一面、一般書籍。
そして、向かって左側の棚は一面が漫画です!それも長編漫画の名作が多いですね。
↓クリックで拡大します。
島耕作シリーズ、浦沢直樹、医龍、クロサギ、バガボンド、神の雫、将太の寿司、花とみつばち、沈黙の艦隊……。
かなり青年誌に偏ったラインナップではありますが、名作揃いで好きな漫画、前から読んでみたいと思っていた漫画が多数蔵書されていて好感が持てました。
この漫画を買いそろえた方とは、話が合いそうです・笑
【風呂】★★★★ 宿泊者専用の貸切風呂もあり、褐色の源泉をかけ流しで存分に楽しめる
旅館大忠には、男女別の大浴場が2つと、貸切風呂が2つあります。
大浴場は、夕食の時間帯に男女ののれんが交換され、深夜の時間帯も入ることができます。
2つある貸切風呂は、夜は10時まで、翌朝は7時からという利用時間の制限はありますが、宿泊者は空いていれば好きなときに利用できる仕組みです。
旅館大忠は、チェックアウト時刻が11時で、浴室はいずれも朝10時まで利用できます。朝食を食べた後も少しのんびりお風呂に入る時間があるのはありがたいですね。
まずは露天風呂付きの「庭園風呂」大浴場へ
まずは夕食前に、女湯となっているほうの浴室へ!
こちらの浴室には露天風呂がついており「庭園風呂」と呼ばれているようです。
脱衣所はそんなに広くはありませんが、清潔に整えられています。
アメニティ類は、POLAのものを中心に、種類豊富に揃っていました。
化粧水・乳液・クレンジング・コットン・綿棒……女性向けの基礎化粧品に関しては何も持ってこなくても良さそうです。
こちらの浴室に置いてあったドライヤーは、Panasonicのもの。
Panasonicのドライヤーは、ナノイーならものすごくうれしいし、そうでなくても風量と熱量のバランスが良いので他社のものより私は好きです。
温泉分析表も掲示してありました。
ph7.0の中性で、ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉です。こちらが「婦人浴室」という扱いなんですね。
源泉利用状況は「源泉が高温のため加水のみあり」で、あとは加温・循環・消毒などなしのかけ流しです。
あれ、でもこちらには「源泉100%幸せ!」「約70℃の温泉に、1滴の水も加えることなくお楽しみいただいております」とある。
どっちなんでしょう……。
でも、循環せずに楽しめるのはたしかに、小さな宿の特権ではありますね。
浴室へ。
手前側の広い浴槽が、タイル張りの内湯。
奥のガラスで囲われている部分には檜造りの小さな浴槽があり、こちらが露天風呂です。
洗い場は4つあり、DHCのシャンプー&コンディショナーとボディシャンプー、クレンジングやフェイス用のソープもしっかり置いてあります。
体を洗ってからまずは内湯へ。
薄茶の濁りがあり、41度ぐらいのやや熱めの適温です。
夏なので窓は開け放たれており、外から入ってくる風が気持ちいいですね。
窓から入ってくる光がお湯の表面に反射してきれい。
湯口からは源泉がちょろちょろと、勢いはあまり強くないものの絶え間なく湯船に流れ落ちてきます。
温泉成分の結晶がすごいですね。
湯口から出るお湯は触ってみるとかなり熱く、おそらく加水はしていなそうです。
加水しているとしたら、最初にお湯をためるときだけか、あるいはまったく加水せずに源泉の投入量で温度を調節しているのではないかなと思いました。
露天風呂にも行ってみます。
3人ぐらい入ると窮屈に感じてしまいそうな露天風呂ですが、幸い誰もきません!
ああ……いいお湯だ……。
露天風呂のほうは、内湯よりもさらに源泉投入量をしぼってあるようで、泉温は40度弱という感じ。長湯しやすい温度です。
内湯は「ちょろちょろ」という感じでしたが、露天風呂は「ぽたぽた」と雫が何箇所からか落ちてきている感じ。やはり湯口のお湯はかなり熱いです。
お湯の新鮮さという意味では内湯のほうが勝りますが、露天風呂は露天風呂で入りやすくていいですね。のんびりと長湯を楽しみました。
夕食後に女湯になる「檜風呂」へ
夕食後に女湯になる大浴場は「檜風呂」と呼ばれている、内湯のみの浴室です。私は、夜は飲んで寝てしまったので翌日の朝に入りました。
男女の交換前にこちらのお湯に入った彼が「かなりお湯が熱かった」と言っていたので、ちょっとドキドキしつつ……。
脱衣所は、庭園風呂よりもこちらのほうがやや広々としており、マッサージチェアも置いてありました。
アメニティ類も同じものが置いてありましたが、ドライヤーは、こちらはPanasonicではなくてテスコムのもの。
まあ、そんなに気にする人はいなそうですけど私はどちらかと言えば、Panasonicのほうが好きです・笑
では、浴室へ。
ステンドグラスのようなガラスが窓に貼られた、雰囲気のある浴室です。
すのこが敷いてある部分の下にもお湯が流れており、寝転んで蒸気浴も楽しめるんだそう。
洗い場は4つ。
高窓がステンドグラスなので、水に光りが当たるととてもきれいです。
お湯も、思ったほどは熱くなく、こちらも41度ぐらいでしょうか。
朝で、気温も低めだったので温度が下がったのかもしれないですね。
いいお湯です。
こちらも、湯口から出るお湯はかなり熱く……「源泉100%の幸せ」と書いてありました。
かけ流されたお湯が、浴槽の隅から溢れていきます。
「料理がウリの旅館」とは言え、大浴場2つは、浴室の雰囲気もお湯もどちらも悪くなかったです!
部屋数が少ない宿ということもあり、休前日の宿泊にもかかわらず、大浴場を独り占めできる時間が長かったのも良かったですね。
空いていれば時間内いつでも利用可能な貸切風呂が2つ
大浴場が空いているのは、2つの貸切風呂の存在も大きいですね。
チェックイン~22時までと、翌朝7時から10時まで、空いている好きな時間に利用できます。
貸切風呂は2つとも内湯ですが、窓を大きく開けて半露天気分で楽しめます。
アメニティ類も、大浴場とまったく同じものがしっかり揃っています。
まずは一つ目の浴室、円形の陶器風呂の浴室をご紹介しますね。
やや小ぶりな浴槽ですが、2人ならまあ、入れます。
こちらのお湯もかけ流しです。源泉が熱く、浴槽が小さいこともあって、上のほうがすぐに熱々になってしまうので、ときどきかき混ぜながら入る感じ。
陶器風呂は雰囲気はありますが、腰掛ける段差などがないのは少し残念ですね。お湯が熱いのであまり長湯はできません。
でも、貸切風呂がぬるめで長湯可能だと、あまり多くの人が楽しめなくなってしまう可能性もあるので、まあ、このぐらいがいいのかもしれません。
次にもう一つの貸切風呂へ。
アメニティ類は同様に揃っています。
こちらの浴槽は、岩を組み合わせて作られています。
長方形で陶器風呂のほうよりやや広め。
そのせいか、お湯も少しだけぬるめでのんびり入れました。私はこちらの浴室のほうが好きかな。
2つの貸切風呂は隣合っているのですが、両方の浴室とも大きな窓がついており、大抵開け放たれているので、一人で入っていると隣の浴室の声がよく聞こえました・笑
私も、最初彼と入ったときは自分たちが喋っているので気がつかなかったのですけど、後から一人で入りにいったら「あ!こんなに隣の声が聞こえるんだ!」と驚いたり。
まあ、そんなの聞かれても別に気にならないよという方は良いと思うのですけど、気をつけよう、と思いました・笑
レモン水と麦茶が貸切浴室の前に置いてある
旅館大忠は、脱衣所がそんなに広くないからか、脱衣所内にはウォーターサーバーなどは置いていないのですけど、そのかわり、貸切浴室の前にレモン水と麦茶が置いてあります。
貸切浴室は大浴場よりも奥にあるので、大浴場だけ入りに来ると気がつかないかもしれません。
入浴前入浴後には麦茶とレモン水で水分補給をどうぞ。
【食事】★★★★★ 工夫が凝らされたコース料理&おばんざいバイキング&ドリンク飲み放題!
旅館大忠では、食事は夕食朝食共に1階の食事処でいただきます。
食事処は完全な個室ではありませんが、隣の席との間は半透明な間仕切りでしっかり遮られており、ある程度プライベートな空間が保たれていました。
朝食も夕食も同じ席でいただきます。まずは、2018年7月に宿泊した際の夕食から、ご紹介しますね。
2018年7月の大忠の夕食:〆のご飯は鮎飯
6時スタートか6時半スタートということでしたので、6時半スタートでお願いし、時間になったところで食事処に向かいます。
本日のお品書き。
前菜だけで12種類もある!期待!!
ちなみに、予約の際にメインの焼き物と食事を選択しているのですが、ちゃんと私たちが選んだものだけ、メニューに載っていました。
こちらが、ドリンクメニューです。
↑クリックで拡大します。
大忠さんは食事と一緒にいただく飲み物が、お酒も含めてフリードリンクの宿なのです。ただし、十四代を含むプレミアム日本酒だけは適用外なのですが……。
ビール、スパークリングワイン、白ワイン、赤ワイン、ウィスキー、カシスのカクテル、日本酒5種類、焼酎、サワー、ソフトドリンクが飲み放題です。
右のページには、どの料理とどのお酒を合わせるのがおすすめかが書いてありました。
飲み放題の日本酒5種類も、普段東京にいてはなかなか飲むことのない銘柄で、かつ、季節限定などの「今しか飲めない」ものが多いので、日本酒好き・かつたくさん飲める方にとってはたまらないだろうな、と。
しかし、実はこの「夕食時ドリンク飲み放題」は2018年の7月末をもって終了してしまい、8月からは普通に一杯ずつオーダーする方式に変更されたようです。
たくさん飲む方にとっては残念なことだろうと思いますが、そのぶん宿泊料金が3000円ほど下がったようなので、あまり飲めない方にとっては飲み放題ではないほうが良いかもしれません。3000円って、まあまあ飲む方じゃないといかないですよね。
さて、お待ちかねの料理を紹介していきますよ!
前菜12種。
最上段左から「蛸マリネ」「生湯葉刺身」「蔵王山麓紅鱒のお造り」
2段目「しめじとおかひじき ずんだ和え」「旬の蔵王野菜のキッシュ」「夏野菜と蔵王山ブランド豚JapanX変り焼き」「厚揚げ田楽 金山寺味噌」
3段目「紅茶鴨オレンジ添え」「生ハムアボカド」
4段目「黒胡麻豆腐」「南瓜カステラ」「スモークサーモンクリームチーズ巻き」
日本酒にも白ワインにもビールにも合いそうな料理だな……ということで。
やはり私は1杯目から日本酒にしました!
「黄金澤 夏呼の夢 山廃純米うすにごり」いただきます!
にごり酒大好き!
「夏呼の夢」と書いて「なつこのゆめ」と呼ぶのだそうです。
さわやかで軽く、ほんのり酸味と甘みを感じさせる飲みやすいお酒です。たしかに夏らしい。。。
前菜、どれもおいしかったですが特に、この左の、夏野菜が載っている豚肉がおいしかった~。豚の味も野菜の味も濃厚なのです。
しかし、豚の品種名「JapanX」とは、某バンドを思い起こさせますね・笑 生産者の方がファンだったのかしら。。。
日本酒のグラスは60cc程度の小さなものなので、前菜を食べ終わる前になくなりました!いろいろ試せるので小さいグラスのほうがうれしいですね。
次に選んだのは「一白水成 良心 特別純米酒」秋田のお酒です。
大忠さんの日本酒は、ほとんどが東北地方のお酒ですね。
こちらもさっぱりとしていて軽く、夏らしいお酒です。
さて、前菜がなくなったところで、次の料理を待たずに大忠自慢のおばんざいバイキングに向かいます。
蔵王の食材を使った「田舎のおばあちゃんが作ってくれた懐かしい味」を楽しめる、おばんざいバイキングがあるのですよ。
こんな感じで、コース料理の合間に、好きなタイミングで食べられるだけ取ってきて、いただきます。
漬けものや、ぜんまいなど山菜を使った料理が多いのがうれしかったですね。
もろきゅうは、朝どりのきゅうりを仙台味噌で。これだけでかなり飲める。。。
玉こんにゃくって山形の名物かと思っていたけれど、蔵王名物でもあるのですね……。
こちらが、我々が取ってきたおばんざい。
手前から「ぜんまいの煮付け」「カブ漬け」「肉じゃが」「蕗の田舎煮」「茄子の浅漬け」「玉こんにゃく」
「ぜんまい」と「蕗」は、田舎にいた頃からの好物なのでうれしい!!茄子の浅漬けも大きくて新鮮な味がしました。
こちらは左から「玉こんにゃく(おかわり)」「筑前煮」「肉じゃが(おかわり)」「キャベツの浅漬け」です。
ここの肉じゃがおいしいんですよー!バター風味で。
でも、心なしか前回来たときより肉の量が少ないような……?後で前回宿泊時の写真も見てみましょう・笑
さて、ここまで飲み放題のお酒を飲んできましたが、実は私たち今回「十四代一杯付きプラン」で予約していました。
プラス500円で、一人一杯十四代を飲めるという素敵なプランです。お得ですよね~。
大忠さんのメニューには、飲み放題ではないものの、常に十四代が2種類あるのですが、お値段は「本丸秘伝玉返し」が1000円、「中取り純米吟醸」が2000円。
セットでついてくるのは1000円のほうですが、彼氏はどうも、もう1種類のほうも飲みたかったもよう。。。まあ、普段飲みたくてもあんまり飲めないですからねー。
というわけで、結局2000円のほうも普通に注文してしまいました!
別料金の日本酒は100ccぐらい入ると思われる、やや大きめのグラスになみなみと注いでいただき、大変おいしくいただきました!
さて、次に出てくるのは大忠の名物料理「きのこと竹の子の包み揚げ」です。
きのこと竹の子とひき肉に甘辛い味付けをし、半熟卵と一緒に春巻きの皮に包んで揚げたもの。
手で持ってがぶりと噛みつきます。
半熟卵がとろりとあふれ出てきて、濃厚な具の味付けと絡み合って最高においしいです。
次はメイン料理。
実は、メイン料理は4つの中から予約時に選択しています。
*和牛最高級A5ランクの仙台牛のステーキ
*仙台名物・牛タン『芯』 とろける煮込みステーキ
*三陸産 岩牡蠣の三種味比べ
*たらば蟹の特製オイスターバター焼き
選択肢は上記の4つです……が、私たちは2人ともA5ランク仙台牛のステーキを選択してしまいました。
前回来たとき、ステーキがおいしかったんですよ……。
今回のお肉はこちら。
部位は、サシが細かく入った希少部位の「イチボ」と、赤身肉の「ランプ」です。
凹凸のある鉄板で焼いていきます。焼き目が美しい。。。
赤身のランプは肉の味がしっかりと味わえ、イチボは柔らかく、濃厚な脂の旨みが最高においしかったです!
焼き物の次はご飯もの。こちらも予約時に「鮎飯」と「白石温麺」から鮎飯を選択していました。(メイン料理は一人ずつ選べますが、ご飯ものはグループ毎に1つ選びます)
土鍋にどーんと鮎が!そしてその上には茗荷や紫蘇などの香味野菜がたっぷり……。
ちなみに土鍋を開けた瞬間、香味野菜と鮎の混じりあった、なんとも言えない爽やかでいい香りがしました。
大きな骨は最初から抜いてあったそうなのですが、頭と、食べにくいヒレはここで、スタッフの方がハサミを使って上手に取り除いてくれます。
そして全体をご飯に混ぜ込んでから、いただきます!
鮎の出汁で炊いたご飯に茗荷や紫蘇……おいしくないわけがないですよね。
1人2杯以上の量があったのですが、全部いただきましたよ。
最後にデザートとコーヒーを。
デザートは「ウフアラネージュ」なる泡雪のような白いお菓子とカシスシャーベット。
デザートまでまったく手抜き無しですばらしいですね。。。
ものすごくお腹いっぱいになって立ち上がろうとすると「お部屋でお夜食にどうぞ」と手渡されました。
メロンとパイナップル、ピンクグレープフルーツです。
おにぎりとかだったらもう無理……と思ったけど、これなら、いけるかな……?
と思いましたが、結局、いただいたのは翌朝でした。でも、うれしいお心遣いですね。
2015年12月の大忠の夕食:名物のせり鍋が絶品!
前回、2015年の12月に宿泊した際の夕食についてもかんたんにご紹介したいと思います。
このときも、ドリンクは飲み放題でした。
日本酒の種類は4種類と、2018年より1種類少なめ。当然ながら種類はすべて異なります。
日本酒は1種類少ないけれど、ワインは赤白2種ずつで、2018年のときより多かったんですね。
あと、カクテルの種類もカシス以外もあって少し多め。
やっぱり、この宿に来たら日本酒を飲みたい!というお客さんが多かったんでしょうかね。
このときは、最初の一杯はビールをいただきました。
前菜は7種類。
冬瓜やキンカン、柿、里芋など、秋冬らしい食材が使われています。
おばんざいのメニューは、わりと2018年と似通っていますね。
ただ、やっぱりこのときは圧倒的に、肉じゃがに肉がたっぷり入っています・笑
今回はほとんど肉が見当たらなかったんですよね……この、牛肉たっぷりな肉じゃがが食べ放題なところもすごいなと思っていたんですが、さすがに、コストかかりすぎたかしら。
ほかに、高野豆腐の煮物や、れんこんのきんぴらなど。
漬けものも、変わらぬおいしさでしたね。
日本酒も、料理に合わせながら、このときは4種類全部いただいたと思います。
前菜の種類が少なめ(と言っても7種類ですが……)だった代わりか、「サラダ」として「朝どり野菜とほたて貝のサラダ仕立て」が提供されました。
名物の「きのこと竹の子の包み揚げ」も、もちろん健在です。
どんどんお酒をお替わりします。
このときは、途中でお口直しとして「赤ワインと柚子のシャーベット」がありました。
デザートも本格的だし、ここの料理長はけっこうフレンチが好きな人なのかしら、などと思ったり。
次はメインの焼き物だ!ということで、日本酒からスパークリングワインにチェンジ。
飲み放題のスパークリングワインは、ウェルカムドリンクでいただいたのと同じ種類のものですが、辛口で料理に合いやすい味でした。
2015年は冬だったので、料理は以下の4つからの選択でした。
*和牛最高級A5ランクの仙台牛サーロイン
*吉次の炙り焼き
*仙台名物・牛タン『芯』 とろける煮込みステーキ
*三陸産 岩牡蠣の三種味比べ
チーズフォンデュもかなり気になったのですが、このとき選んだのはやはり牡蠣!
洋風と和風、異なる味付けの焼き牡蠣。どれも濃厚でおいしく、おかわりしたかった……。
そしてやはり、 仙台牛ステーキです!
このときは、サーロインでしたね。
両面をサッと炙っただけで十分おいしい!!
そして結局このときも、十四代が飲みたくなって注文していました。*1
さらに、肉じゃがおかわり。やはり肉多い……。
冬の大忠は、最後に「セリ鍋」が出ます。
「朝取りのセリと鴨肉の鍋」ということで、実はそこまで期待していなかったのですが……。
これが、めちゃめちゃおいしかった!
こういう、なんということなさそうな料理がおいしいって、本当にすばらしいなと。料理長の実力を感じました・笑
鴨肉ももちろんおいしいのですが、出汁がしみたセリが、香りも食感もすばらしくて「セリ」という野菜に対する印象が変わりました。というか本当にこのセリは、私が知っているセリと同じ野菜だったのでしょうか……?今でも疑問です。
そしてセリ鍋がおいしかったので、十四代をもう1種類頼んでしまうという……。
〆は、鍋の出汁で雑炊を作っていただきました。
デザートは「ショコラマルキーズ バニラアイス添え」
濃厚なガトーショコラという感じ。旅館のデザートとは思えないハイクオリティ。。。
最後に、やはり夜食のフルーツを手渡されて終了です!
思い出すと、冬もおいしかったですねえ。
2018年7月の大忠の朝食:朝から生うにに感動!
翌朝は8時から朝食です。8時か8時30分の選択制だったのですが、食後に少しゆっくりお風呂に入りたいので、早いほうの時間帯でお願いしました。
昨日と同じ席に着きます。
夕食にもおばんざいバイキングがありましたが、朝食にもバイキングがあります!
朝食は、決まっている料理よりもバイキングがメインという感じかもしれません。
ご飯は「炊き込みご飯」「十穀米」「ひとめぼれ」の3種類。
朝カレーもあります。賄いで出していたカレーが好評で、朝食に出しているとのこと。
こちらは、いわゆるカレーというよりも、カレー味の具だくさんスープという感じでした。透明感のあるスープなので、いわゆるスープカレーよりもさらにスープっぽい感じ。
昨夜とはまったく異なるおかずの数々。
温泉卵に切り干し大根。
ひじき、トロロ、納豆、しらすおろし、野菜サラダなど、定番のお品が並びます。
飲み物もセルフで飲み放題なんですが……なんと、スパークリングワインも朝から飲み放題です!
スパークリングワインのほかに、野菜ジュースや牛乳、フルーツ酢、アイスコーヒーなど。
こちらのお皿は、席に運んでいただいたもの。
焼き魚が2種類と卵焼き、たたきごぼうなどが美しく盛り付けられています。
味付けが濃くないのでご飯を食べ過ぎないのが良かったです。
お椀は、名前は忘れてしまいましたが、このあたりの郷土料理だというとろみのある具だくさんのお吸い物でした。
とろみのあるお吸い物、体が温まるし胃にも優しくてとてもいい……。
野菜サラダのサラダも新鮮だし、添えられていた2種類のドレッシングも自家製でした。
梅干しは昔ながらの酸味の強いもの。目が覚めます。
これで終わりかと思いきや、おばんざいやご飯をよそってきて、食べ始めたところで運ばれてきたのが……
生ウニです!!!!
石巻産の生ウニで、夏の間だけの提供だそう……こんなサプライズがあるなんて、知らなかったよ……(と思ったら、公式サイトにちゃんと「6~8月の朝食で提供」と書いてありました・笑)
ああ……なんという豪華な朝食でしょう。
「昨晩食べ過ぎて、あんまり食欲ないかも」なんて思っていたことも忘れて、いただきます!
ウニが来たから朝から飲んじゃう!
でも、浴を言えば日本酒のほうがよりうれしかったかもしれません。
「朝シャン」にかけてスパークリングワインを出しているそうなので、日本酒にならないのは仕方ないんだとは思うのですが、自分で注文すればいいのかしら。
ウニがくるなんて夢にも思わず、一杯目のご飯は炊き込みご飯にしてしまったので、次はひとめぼれを取ってきまして。
ウニ丼にしていただきます!なんて神々しい。。。石巻産のウニだそうです。
ミョウバンに浸かっていない新鮮なウニで、甘みが強く濃厚そのもの。控えめに言っても最高でした!浴を言えば日本酒が飲みたい!
カレーととろろ食べたいから、十穀米もいただきます。
トロロご飯と、温玉カレーにしました。
カレーの具は、根菜と油揚げがメインで、和風のお味。
最後に、コナコーヒーとデザートをいただきます。朝食のデザートもさわやかでおいしい。
夕食後のコーヒーは普通のコーヒーでしたけど、朝食のコーヒーは甘い香りのするコナコーヒーなんですね。
サプライズもありつつ、朝から最高に満足しました。
2015年12月の大忠の朝食:季節によってかメニューがガラリと異なっている
2015年12月宿泊時の朝食も簡単にご紹介しますね。
このときはイカの塩辛?酒盗?が朝からついており、やはり「日本酒飲みたいー!」と思ったものです。
湯豆腐もあり。
やっぱりこれは、日本酒ですよね。。。
アジの開きも。
お吸い物とカレーは定番のようです。
そしてやっぱり、十穀米でとろろご飯食べました。
デザートと一緒に紅茶をいただきます。
しかし、2015年の時点では、2018年の「ウニ」のようなサプライズは、朝食にはなかった気がします。。。
2015年の朝食も十分においしかったのですけど、どんどん進化しているということなのでしょうね。すごい。
食事処の前にはショップがあるので、朝食後に覗いてみました。
いわゆる「お土産!」という感じのものは少なく、宿のおすすめの食器やルームフレグランスなどが並んでいたのが印象的でしたね。
【再訪したい度】★★★★★ 2年半ぶりの宿泊だったが、1人泊可能なら毎年泊まりに行きたいぐらい
2度目の宿泊となると「前回ほどの衝撃はないかな?」となんとなく思っていたのですが、ぜんぜんそんなことはありませんでした。朝食のウニは、ものすごい衝撃でしたね。。。
夕食時のドリンク飲み放題が7月で終了ということで、現在は、ドリンクについてはこのレポートとは異なる提供になっていると思います。
でも、そのぶん宿泊価格が3000円ぐらい下がっていたので、お酒をあまり飲めない方にとってはそのほうが良いかもしれませんね。
ちなみに、夕食時に記念撮影があり「チェックアウトまでに現像してお渡ししますね!何枚必要ですか?」って聞かれたけれど、チェックアウトのときに貰えなかったのは気のせいではない、はず・笑
まあ、すっぴんで酔っぱらってる写真はそんなに欲しいものでもないので、もし現像して渡し忘れたのなら破棄してほしいなーと思ってはいます。。。
写真は貰えなかったけれど、お土産はいただきました。
クロワッサンとチョコデニッシュ。宿で焼いたものだそうです。帰りの新幹線でいただきましたが、生地がしっとりしていておいしく「これがホテルじゃなく、温泉旅館で焼いたパンなのか……」と驚きました。朝食に、洋食メニューがあっても名物になるんじゃないでしょうかね。。。
レポートには「茶菓子がほしい」とか細かいことも書いていますが、そんな細かいことはどうでもいいやと思えてしまう、おいしい食事でした。とは言え、旅行中にパンを貰っても食べきれないこともあるので、お土産はなくてもいいから、お部屋に焼き菓子とかあったら最高の最高……と思っていることは正直に書いておきます・笑
これで冬と夏に来たので、次回はぜひ、秋に来てみたいですね~。
秋は、夕食のご飯が酒はらこ飯になるのですよ。
惜しむらくは、1人で泊まれたら最高なんですけど、大忠さんは1人泊の受付はないのですよね。
まあ、こういうオーベルジュ的な宿は親しい人と来るのが正道なんでしょうな。それはわからなくもないです。
季節を変えて、また必ず行きたいなあと思います。
*1:だから2度目は、十四代付きのプランにしたのです。