温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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8月に富士山に登るまでにこの山を登りたい!春から登山を始めた人が富士山の前に登っておくといい山についてまとめた

「富士山の前にどの山に登ればいい?」と会社の人に聞かれるので

私が登山を趣味にしていることは会社でも周りの人たちに知られているようなのですが、そのせいか春から夏の時期によく「富士山の前にどの山に登ればいいの?」と聞かれることがあるのです。

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いきなり富士山に登るんじゃなく、その前にちゃんと準備をしていこうとはすばらしい心がけではないですか!と思い、喜々としていろいろな山を提案してしまう私なのですが、そうすると「あ、そんなにたくさん登らなきゃいけないんだ……」と引かれてしまうこともしばしばで・笑

まあ、富士山は体力さえあれば特にテクニックは必要ない山ですので、たとえばフルマラソンを走るために普段からトレーニングしているような人であれば必要はないかもしれませんけど、普段あまり運動をしない人なら8月まで月に1回ぐらいは登山しておいたほうがいいんでないの……? などと、老婆心ながら思ってしまったりして。

そんなわけでこの記事では、8月に富士登山をするためにこの春から登山を始めた人が、4月から7月までの間に月に1度か2度登山をするとしてどの山を登るのがいいか、私なりの提案を書いてみたいと思います。

どんな観点から登るべき山をチョイスしたか

夏が近づくと登山用品店でも必ず「富士登山特集」を始めますから「富士山に登りたくて登山を始める」という人はかなり多いんだろうなあ、と思います。

私自身はまったくそのケースには当てはまらなくて、登山を始めて5年目で、ようやく富士山に登りました。

高尾山から登り始めて、日帰り登山、山小屋泊、雪山登山、テント泊……とステップアップしていき、富士山よりも技術や体力が必要な山にもたくさん登って、標高で言えば富士山が日本一なわけですが、標高2位から10位までの山にはすべて登った後最後に富士山でした。こんなケースもそれはそれで珍しいような気がします。

そのあたりの経緯はこちらの記事に書きました。混んでる山がねー、本当に苦手なもので。そのくせ普通に土日休みの会社員ですしね。なかなか機会がなかったのでした。

詳しくは上記の記事をご参照いただきたいですが、空いているときに登ることができれば、富士山もなかなか楽しい山で。
とは言え「楽しい」と思えたのも、それまでにさんざんいろいろな山に登って、富士山を登るのに耐えうる基礎体力を持っていたからだろうとは思ったのですよね。

そんなわけで、4月に登山を始めた人が富士山に登るまでに登っておいたほうがいい山については下記の観点から選びました。

ポイント1:長時間登り続ける体力をつける

富士山の標高は3776メートル。最も標高が高い登山口である富士宮口(標高2380メートル)から登ったとしてもその標高差は1400メートル近くあります。高尾山口駅から高尾山の山頂の標高差が400メートルほどですから、その3.5倍ですね。

また、標準コースタイムも最短ルートで5時間30分ほどかかり、高尾山の標準コースタイム1時間30分のやはり3.5倍程度はかかります。もちろん、この標準コースタイムは「登山にある程度慣れている人」の標準ですので、あてにしないほうが良いです。

登山を始めたばかりのときは「高尾山に登るのもしんどい」「高尾山でも筋肉痛になった」という方も多いと思います。富士山は、高尾山と違って標高が高い分、山頂が近づくと空気も薄くなりしんどさも増します。

そんなわけで、何度か繰り返し登山をして歩き続けられる時間と距離を伸ばし、少なくとも高尾山は楽に登れるようになってから富士山に挑んだほうが良いと思うのです。

ポイント2:富士山に登るまでのモチベーションを保てる

登り続ける体力をつけるためには、現在の自分の体力で楽に登れる山よりは少しきつい山に登らなければなりません。

ただきついだけの登山をトレーニング的に続けるのでは、富士山に登るという目標があったとしても「やっぱり登山は自分に向いてないや」などと心がくじけてしまう可能性もあります。なので登り続けるモチベーションを保つために、できれば目標である「富士山がよく見える」山がいいのではないかな、と思います。

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近くに富士山が見えるとテンション上がりますよね。

また、ルート上に素敵な茶店や山小屋があって「ここでしか食べれない」ものが食べれたり、下山後にいい温泉に入れたりすることも、登山自体の楽しみとは少し違うかもしれませんが、モチベーションを保つのに有効だと思います。

ポイント3:富士登山後も登り続けられるよう山の楽しさを知ることができる

2つ目のポイントと似ていますが「富士山を登る」という目標に到達した後、登山をやめてしまうのはもったいないと思うのです。

せっかく装備も揃えたのですし「もっといろいろな山に登ってみたい!」と自然と思えるような「楽しい山」を選びました。

以上の観点から選んだ山を、月毎に紹介したいと思います。

富士山の前に登っておくといい山を月毎に紹介します

現時点で既に4月下旬ですので4月はもう間に合わないかもしれませんが……「4月に登るといい山」だけは「スニーカーでもなんとか登れる山」を選んでいます。

なのでまだトレッキングシューズを買ってないよ!という方も、時間さえあればすぐに登りに行けます!晴れたら今すぐ山へGO!

ちなみに、すべて私が登ったことのある山から選んでいますので、特に低山に関しては山梨・長野・神奈川の山が多くなっていますがご了承ください。

4月 とりあえず山に慣れ、2時間30分続けて歩けるようになる

「東京に住んでいる人は電車移動なので意外と歩いている」と言われたりしますけど、そうは言っても普段の生活の中で2時間以上歩き続けるということはほとんどないのではないでしょうか。

Googleマップで調べてみたのですが、山手線沿いに徒歩で移動していったとすると、恵比寿駅から池袋駅まで歩いてようやく2時間を超えます。

平地を2時間歩くのでもきついのですから、いきなり山を4時間歩いたりしたら、しんどくて嫌になってしまうと思うのです。「平地だときついだけど山だとなぜか歩ける」という話も聞いたりしますが、それにしてもいきなりはまずいよねと……。

なのでまずは「標準コースタイムが2時間30分程度」の山を登るのが良いと思います。

「高尾山」と「奥高尾縦走路」は茶店巡りも楽しい

やっぱり、何を置いてもまずは高尾山ですよ!
東京にお住まいなら「高尾山ぐらい登ったことあるよ」という方も多いのではないかと思うのですが、ケーブルカーやリフトを利用して登った方も、また多いと思うのですよね。

ケーブルカーやリフトを使って手軽に楽しめるのも高尾山のいいところではありますが、富士山に登る前にはぜひ、登山口から歩いて登りたいところ。

ルートについてはこちらの記事↑に詳しく書いていますが、しっかり登山をするならば「上り:6号路、下り:稲荷山コース」がおすすめです。

茶店が多く、道草グルメを楽しめるのも高尾山のいいところです。高尾山には既に何度も登って物足りない!という場合は、奥高尾縦走路に足を伸ばしてみるのもいいと思います。

2019年も5月31日までスタンプハイクを実施中ですので、スタンプを集めがてら縦走してみるのもいいですね。(ただし、縦走すると2時間30分以上かかってしまいますので体力と相談のうえ)

「金時山」では富士山を間近で眺められ、温泉も楽しめる

先日レポートを公開したばかりの箱根の名山金時山も、東京から交通の便が良く、高尾山と同程度のコースタイムで楽しめる山です。

コースも良く整備されていて危険箇所もほぼないので、雪のない季節ならなんとか、スニーカーでも登れるかな?と。ただし、雨が降った翌日はかなりぬかるむので、スニーカーなら前日が雨だったときは避けたほうがいいかなと思います。

山頂からの富士山の眺めは天下一品ですし、山頂の茶屋でいただけるなめこ汁や、下山後の温泉など楽しみが多いのも良いですね。

5月 登山靴を履いて4時間続けて歩けるようになる

「夏に富士山に登る」という明確な目標があるのでなければ「とりあえず登山靴はまだ買わないで、簡単な低山をいくつか登ってみよう」というのもありかもしれません。しかし、夏に富士山に登るという明確な目標があるのなら、登山靴はなるべく早い段階で購入して、その靴を履いて長時間歩くことに慣れておいたほうがいいと思います。

登山靴をはじめとした山の基本装備アイテムに関しては↑こちらの記事でご紹介しています。

私自身、店で念入りに試し履きをしてから買ったにもかかわらず、下りでどうしてもつま先が痛くなってしまうのでお蔵入りになってしまった靴もあります。お蔵入りとまでいかなくても、紐の結び方の練習やインソールの交換などが必要になることもありますので、5月には登山靴を購入して、たくさん歩く練習をするのが良いかなと。

4月の目標は「2時間30分歩き続ける」でしたが、5月の目標は「4時間歩き続ける」ぐらいで設定するのがいいと思います。

「丹沢大山」は表参道から登るコースがきついのでおすすめ

まず、最初にご紹介したいのは神奈川県の丹沢山塊にある「大山」です。

「大山阿夫利神社」という有名な神社がある山ですので、登山をしない人でも、ケーブルカーを利用して初詣に行ったことがあるかもしれないですね。

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私も正月に(と言っても4日とかですけど)初詣がてら登ったことがあります。

大山を登るルートはいくつもあるのですが、中でも富士登山のトレーニングとしておすすめなのは「大山ケーブルカー」が出ている登山口から、ケーブルカーを利用しないで往復する「表参道ルート」がいいと思います。

上り2時間少々、下り1時間40分ほどの道のりです。合計4時間弱のコースタイムは、今回の条件にぴったりではないかと。

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はじめは、いかにも観光地という風情の土産物屋街から歩き始めます。

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階段の道もそこそこありますが、ちゃんと登山道らしい登山道も歩けます。
途中で神社にお参りもできますし、道もしっかり整備されていますので表参道ルートを歩いている限りは、地図が読めなくても道に迷うようなことはないでしょう。

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富士山も、かなり大きく美しく見えますね。

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山頂にも神社がありますので、安全登山と富士登山の完登について祈願してくるのもいいですね。

山頂からの眺めも、海に近い丹沢らしくて美しいです。

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高尾山しか登っていない状態で大山に来ると、けっこうきついかもしれないですね。でも、もし、思ったより時間がかかってしまって暗くなる前に下山できるか不安になったとしたら途中からケーブルカーを利用して下山できるのも良いところだと思います。(そうならないように、早起きして行きたいところですが)

「筑波山」もケーブルカー・ロープウェイを使わないと登りごたえがある

次にご紹介したいのは「筑波山」です。標高877メートルの低山ながら日本百名山にも選ばれている茨城県の山です。

高尾山同様に、遠足などで行かれたことがある方も多いかもしれませんが、その際はおそらく「ケーブルカー」もしくは「ロープウェイ」を利用しての登山だったのではないでしょうか。ケーブルカーやロープウェイを利用して気軽に登れてしまうことも筑波山の大きな魅力だと思いますが、富士登山のトレーニングとして登るのであればもちろん、登山口から山頂まで自分の足で登ってみるのが良いと思います。

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いきなり、けっこう登りごたえのある山になりますので。
つくば駅からバスに乗り「筑波山神社入り口」で下車した後、ケーブルカーを使わずに「男体山」の山頂まで歩くと、コースタイムは2時間10分ほどになります。

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山頂周辺はかなりひらけており、茶店やお土産物屋さんもたくさんあって便利です。
初心者のうちは、こういう山のほうが安心感があって良いと思います。

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標高1000メートルに満たない山とは言え、山頂周辺からの眺めはなかなかのもの。また、私が登ったときは霞んでいて見えませんでしたが、筑波山からも富士山を眺めることはできるそうです。

下りは元来た道を戻れば2時間弱でバス停に着きます。これも私の個人的なこだわりですが、初心者のうちはなるべく、上りと下りで同じ道を歩いたほうがいいと思うのです。

上りよりは下りのほうが少し難易度が上がるので、これまで歩いたことがない道をいきなり下るよりも「来た道を戻る」ほうが気持ち的にも技術的にも楽ではないかなと。

筑波山も大山同様に登山ルートも複数あって楽しめるのですが、まずは往復するのが危険が少なくていいんじゃないかなーと思います。

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また、こちらも大山と同様に、山頂まで登って「体力的に・時間的に厳しそう」となったら、ケーブルカーやロープウェイを利用して下山できるのも安心感があっていいですね。富士山ではそんな手は使えませんので、できる限り、そうならないようにしたいところではありますが。

「鍋割山」は少しきついが鍋焼きうどんのご褒美が待っている

「丹沢大山」「筑波山」と比べるとコースタイムも長く、きついのですが、大山や筑波山が易しくて物足りなかった!という方におすすめなのが、やはり丹沢の「鍋割山」です。

コースタイムは、バスの便が良い「大倉」停留所からの往復で、上り3時間30分、下り2時間45分とコースタイムは格段に長くはなりますが、林道歩きが長いのでそこまできつさはありません。

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時間はかかりますので、登山口に早く着く必要はありますね。

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ルートの途中には、鍋割山の山頂にある山小屋「鍋割山荘」で使用する水の歩荷への協力依頼があります。余裕があれば協力するのも良いと思います。無理は禁物ですが、重い荷物を持って歩くのもトレーニングになりますので……。

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登山道は明るく歩きやすい道で、危険箇所も特にありません。アップダウンではなく、登り始めたらほぼずっと登りっぱなしなところもトレーニングに良いと思います。 

山頂では富士山もドーンと大きく見えるのですが、もちろん最高のご褒美はこの、鍋焼きうどんです。

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13時ラストオーダーで、その前に売り切れてしまうこともあるそうですので、なるべく早い時間に出発して確実に食べれるようにしたほうがいいでしょう。

私も2度ほど食べたことがありますが、本当に具沢山だし、「山の中でこんなおいしいものが食べれるなんて!」と感動するおいしさでした。

6月 稜線を歩き、山ならではの強風を体験する

ルートにもよりますが富士山は、歩き始めからほぼずっと「森林限界」なる周囲に背の高い木がないところを歩いていく山です。

しかも、富士山は独立峰なので周辺にほかに山もありません。ということはどういうことかと言うと「風が吹くとめちゃめちゃ強風に感じる」ということです。

4月、5月と歩いてきた山は、いずれもルート上のほとんどが樹林帯でした。樹林帯を歩くのも楽しいし、トレーニングにもなりますが、ここらで「稜線歩き」の経験をしておくのがいいのではないかと思います。

「茶臼岳」では強風と火山らしい風景と温泉も楽しめる

まず、おすすめしたいのは栃木県の那須連山の中央に位置する「茶臼岳」です。
私自身は、茶臼岳よりも奥に位置する「三斗小屋温泉」への宿泊とセットで登ることが多いのですが……。

三斗小屋温泉までのルートは携帯電話の電波がまったくないので、あまり初心者向けとは言えないかなと思います。とりあえず、茶臼岳を往復するのが良いのではないかなと。

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茶臼岳もロープウェイを利用して登れる山ですが、例によってロープウェイは利用せずに山頂を目指します。

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ルート上にあるこの「峰の茶屋」という避難小屋があるポイントが、ものすごい強風が吹き荒れるポイントなのです。
平地ではまったく風がない日であっても、ここだけはすごい風のことが多いので、山の風に慣れるにはもってこいです。

茶臼岳周辺は、峰の茶屋以外でも風が強くなりやすいので、強風のためロープウェイが止まってしまうことも珍しくはありません。もしも登山前にロープウェイが止まっていたら「ロープウェイ使わないから関係ないや」とは思わずに、その日の登山は止めておいたほうがいいと思います。峰の茶屋では風が強すぎてやばいことになってしまうと思いますので……。

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富士山も火山ですし、そういう意味でも火山っぽい景色の中を気軽に歩ける茶臼岳は、練習にちょうどいいなと思うのです。

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山頂に鳥居があって、お鉢巡りができるところなんかも火山ならではの楽しみで、富士山と雰囲気が似ていますね。

ロープウェイを使わずに全部歩いたとしても、2時間30分ほどで登って下りることができるので強度的には物足りないかもしれませんが、ずっときつい山ばかり登っているのもしんどいですし、こういう山もたまにはありではないかと思います。

「塔ノ岳」はあえてバカ尾根を往復する

茶臼岳とは打って変わってトレーニングメインの登山になりますが、丹沢の「塔ノ岳」はやはり、富士山の前に登っておきたい山です。

私は上りと下りでルートを変えて、山頂の山小屋に泊まることが多いのですが、まずは「バカ尾根」とも呼ばれる「大倉尾根」を往復するのが、富士登山のトレーニングに最適ではないかと思います。上り3時間30分、下り2時間20分と、日帰りでも無理なく歩けるコースタイムなのもちょうどいいです。

大倉尾根は樹林帯歩きも長いのですが……。 

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登山道は良く整備されており、ずっとずっと上りなので富士山トレーニングに最適だと思います。危険箇所もほぼなく、安全に歩けます。

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後半は、稜線歩きの雰囲気を味わえるポイントもあります。

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そして山頂からは富士山がドーンと大きく見えるのが、すばらしいですね。

大倉尾根は途中に茶店や山小屋が多く、トイレの心配をせずに歩けるのもいいところだと思います。途中の茶店で休憩を取りつつ歩くのも楽しいのではないかと。

「大菩薩嶺」は裂石からガッツリいければベスト

山梨県の標高2057メートルの山「大菩薩嶺」は、標高1580メートルの上日川峠までバスや車で行けてしまうため、気軽に稜線歩きを楽しめることで人気の山です。

個人的には、紅葉が終わって静かになった晩秋に、大菩薩峠にある山小屋「介山荘」に一泊して、のんびり楽しむことが多い山です。

もちろん、泊まらなくても稜線歩きは楽しむことができるのですが、標高の高い「上日川峠」から歩き始めると、歩き始めてから1時間30分ほどで、あっという間に山頂に着いてしまうので、ここは上りだけでも上日川峠からでなく、もう少し下のほうにある「裂石」から歩き始めるといいのではないかと思います。上りの時間が+2時間増えますので、山頂まで3時間30分ぐらいで着くはずです。

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大菩薩嶺の山頂に着いた後は、大菩薩峠まで30分少々の稜線歩きを楽しみ、上日川峠で登山終了してバスで帰ってきてもいいですし、時間に余裕があれば裂石まで歩くのもいいと思います。

大菩薩嶺も塔ノ岳同様、ルート上に山小屋が多く富士山がよく見えるということで、富士登山前に登る山にぴったりだと思っています。

7月 ガッツリ登ったあと山小屋に泊まってみる

7月に入れば富士山に登ることもできるのですが、まだ梅雨が明けていないことも多いですし、登る計画は8月に回して7月はトレーニング登山の締めくくりをやるのが良いかなと思います。7月はずばり「山小屋泊」を経験しておくのがいいのではないでしょうか。

富士山の山小屋はかなり混雑するため、泊まらずに日帰りで、いわゆる「弾丸登山」を計画する方も多いとは聞きますが……高山病にもなりやすくなりますし、正直おすすめはできません。

なので7月の登山は「そこまで快適すぎない山小屋に1泊して登山する」ことをテーマにしています。なぜ「快適すぎない山小屋」をあえて選ぶかというと、富士山の山小屋とあまりにも落差がありすぎては、練習にならないからです・笑

富士山の山小屋ほど混んでいるわけではないけれど、お風呂に入れたり食事が豪華だったりはしない「普通の山小屋」にまず泊まっておけば「山小屋ってこういう感じか」ということがわかって気持ちが楽になると思います。それに、富士山の山小屋に泊まって、運悪く「本当に最悪だな」と思うことがあったとしても、その前にもうちょっと楽しい山小屋泊体験をしていれば、山小屋泊自体を嫌いにならずにすむのではないかと思うんですよね。

「雲取山」鴨沢ルートでひたすら登るのがおすすめ

「富士登山の前哨戦」という意味で最もおすすめの山小屋泊ルートは、東京都最高峰の雲取山に「鴨沢」ルート往復で登り、雲取山荘に宿泊するルートです。

私自身、冬~春先にかけて毎年のように登っている、お気に入りのルートです。

鴨沢ルートは年間を通じて歩く人も多く、危険箇所も特になく道もよく整備されている歩きやすい道です。アップダウンではなく、登り始めから山頂まで5時間少々の道のりをひたすら登り続けるコースな点も、富士登山のトレーニングにちょうどいいと思います。

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山頂からは富士山も美しい姿を見せてくれます。

雲取山荘は規模の大きな山小屋で、冬のお客さんが少ないときに泊まるとすごくいい宿だと思うのですが、GWから秋にかけては週末は特に混雑します。正直私はあまり泊まりたくありませんが、富士山の練習にはそれもまた良いのではないかなと。

「木曽駒ヶ岳」で絶景を楽しみ、高所登山に慣れる

標高2612メートル地点までロープウェイで到達でき、歩き始めから絶景を楽しめる「木曽駒ヶ岳」

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富士山とはぜんぜん趣の異なるこの山で、いったい何をトレーニングするかと言えば「高所登山」です。 

富士山の4つルートの登山口のうち、最も標高が低い御殿場ルート以外は標高2000メートル以上の高所からスタートします。標高2000メートル以上の場所となるとかなり空気が薄くなっているわけですが、普通に息をするぶんには苦しいわけではないので空気の薄さに気がつかずいきなり歩き始めてしまい、高山病になってしまう方もいるようです。

木曽駒ヶ岳は、登山の強度では富士山よりずっと楽なはずですので、まずは木曽駒ヶ岳で高所での登山に慣れ、できれば「3000メートル近い高所で宿泊する」経験をしてみると、自分が高所に強いタイプか弱いタイプかがわかると思いますので、富士登山に向けての心構えができるのではないかと思います。

実は私自身は、木曽駒ヶ岳には「日帰り」か「テント泊」でしか行ったことがなく(冬にホテル千畳敷に泊まったことはありますが…)山小屋泊登山は未経験なのですが。

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ですが、いつもテントを張っている「駒ヶ岳頂上山荘」や、その少し手前にある宝剣山荘はおそらく「サービスが良すぎない普通の山小屋」だと思いますので、泊まってみるのも良いのではないでしょうか。ロケーションは最高の小屋なので、きっと楽しめるんじゃないかと思います。

「甲武信岳」はシャクナゲの季節が終わって静かになってから歩く

奥秩父の「甲武信岳」は、西沢渓谷から「徳ちゃん新道」をひたすら登るルートがきつくておすすめです。上りは4時間30分ぐらい、ずっと登りっぱなしです。しかも急登が多いです。

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危険箇所などは特にないのですが、とにかくきついので、ここを登った後に富士山に行けば少し楽に感じるのではないかと思ったり。

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甲武信岳はシャクナゲの咲く6月が一番混雑するので、あえて7月になってから登ったほうがいいと思います。平日行ける方ならいいですけど、6月の週末は小屋が本当に混んでいますので……「疑似富士山体験」としてはいいかもしれないですが・笑

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山頂直下の「甲武信小屋」は、大部屋に雑魚寝タイプの昔ながらの山小屋です。(トイレはとてもきれいです)

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夕食がカレーなところも、富士山っぽくて良いのではないかと。甲武信小屋のカレーはとてもおいしいのですけどね。

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山小屋から徒歩15分ほどで山頂に到達できますが、朝焼けや夕日に染まる富士山を眺められるのもうれしいポイントです。

「蓼科山」は山頂の山小屋に宿泊して登る

富士登山前に登るといい山として最後にご紹介するのは、八ヶ岳連峰の最北端に位置し「諏訪富士」と呼ばれることある山「蓼科山」です。

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八ヶ岳の端っこにあるためか独立峰っぽく、ルートにもよりますがアップダウンというよりはひたすら登り続ける山という印象です。私は「女神茶屋」という茶屋の前にある登山口から登りました。

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標高差800メートルを3時間で登るルートになりますので、けっこうきつかったですが時折、眺めが良いポイントがあるのがうれしかったです。

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山頂直下の道は大岩がゴロゴロしていて登りにくいですが、山頂は360度の大展望。

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この山頂に立つ「蓼科山頂ヒュッテ」に宿泊するのがおすすめです。

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食事は、八ヶ岳の山小屋だけあって、これまで紹介した小屋の中では一番良いかも。

食事は良いほうですが、それ以外は個室があったりお風呂があったりするわけではない、普通の山小屋です。でも、そこが良いのですよね。

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晴れていれば小屋の目の前で美しい夕日や朝日が眺められます。
ただ、肝心の富士山は八ヶ岳連峰の影になって見えなかったように思います。

以上で、富士山に登るまでに登っておきたい山の紹介は終わりです。
ご紹介した中から月に1座か2座、コンスタントに登ってから富士山に挑めば、それほどきつい思いをせずに登れるのではないかなと思っています。(あとは天候の良い日を選んで、無理のない計画を立てれば)

富士山に登った後はぜひ、この山へ

今回「富士山に登るまでに登っておきたい山」という記事を書いたのは、富士登山がきっかけで登山に興味を持った方が、あまり準備をせずに富士山に挑み、その結果きつすぎて登山自体に懲りてしまう、ということがあってはもったいないな、と思ったからです。

富士登山は実際、かなりの体力が必要とされるきつい登山だと思いますが、そんなにきつくない山でも、楽しい山はもっとたくさんあります。

ちょっと気が早いのですが、8月に富士山に登り、一応の目標に到達したら、9月以降にぜひ登ってほしい山について簡単にご紹介したいと思います。いずれも私が毎年のように行っている山ばかりです。

「立山」で温泉と絶景と雷鳥を堪能

富山県の「立山」は、登山をしない人でも高山植物や温泉が楽しめる山岳リゾートですが、山の心得があれば楽しさは倍増します。

私のレポートが雪がある時期ばかりで申し訳ないのですが、みくりが池温泉に宿泊して翌日天気がよければ雄山に登るなどすると、最高に楽しい山旅になるのではないかと思います。

東京から立山は遠いですが、一度行くと何度でも行きたくなるほど魅力にあふれた山だと思います。

「金峰山」には、ぜひ山小屋泊で登ってほしい

奥秩父の「金峰山」も大好きな山なんですが、大好きな理由の一つは山頂直下の山小屋「金峰山小屋」が大好きだからです。

正直なところ、富士山の前に金峰山小屋に泊まってしまうと、落差が激しすぎると思うので富士山の後に行ったほうがいいと思います。

金峰山の山頂からは、富士山の姿が美しく見えますので、登った後に眺めるとより感慨深いかもしれませんね。

「八ヶ岳」にももちろん、すばらしい山小屋がたくさんある

蓼科山以外の「八ヶ岳」も、東京から行きやすいですし、快適な山小屋がたくさんあって、登頂を目的とせずに山小屋に泊まるだけでも楽しいです。

特におすすめなのはやはり、厚切りトーストの朝食で有名なしらびそ小屋でしょうか。トーストは宿泊者限定で、かつ、予約の際にあらかじめ申し出る必要があるという、限られた人しか食べられない逸品です。本当においしいので私もまたそのうち食べに行きたいと思っています。

今年も、多くの人が山の魅力に触れて、安全に登山を楽しむ人が増えることを願っています。