温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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奥多摩駅徒歩5分 荒澤屋旅館宿泊記 貸切温泉と奥多摩の食材を楽しめる宿に一人泊

奥多摩駅前で、登山後に泊まると幸せになれる温泉宿を見つけた

奥多摩町は、東京都の最高峰である雲取山をはじめ、三頭山、大岳山、御前山などの数々の山を有する、東京都の市町村で最も面積が広い町です。都内在住で公共交通機関を利用して登山をしている方なら、青梅線の終点奥多摩駅に一度は降り立ったことがあるのではないでしょうか。

しかし都心から電車で2時間かからない距離ゆえ「奥多摩駅前で宿を取ろう」としたことがある方は多くはないと思います。奥多摩は、日帰り温泉はあちこちにあるもののいわゆる「温泉地」ではないので、民宿的な宿はあってもわざわざ泊まりたいような宿はないのでは……と、私自身も思っていました。

しかし、2020年の初頭に毎年恒例で更新している「2020年に泊まりたい宿」の記事を書いた際、見つけてしまったのです。奥多摩の山の幸をふんだんに使った田舎料理がおいしく、奥様は利き酒師の資格を持っていて、日本酒のラインナップがすばらしい宿。

浴室は貸切利用でき、かけ流しとはいきませんがお湯は温泉です。

2020年3月、コロナ禍直前にお伺いして大変気に入り、いつかまた……と思っていたのですが、2022年4月に2年ぶりの再訪が叶いました!相変わらずの食事のすばらしさに感動した荒澤屋旅館について、レポートしたいと思います。

公式サイトのお知らせ欄「6月15日の10時以降、じゃらんnetで都民割クーポンを配布・適用予定」である旨が告知されていました。公式サイトからの予約は適用されず、じゃらんnetからの予約のみ割引きとなるようです。気になった方はこの機にぜひ、足を運んでいただけたらと思います。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

日帰りで楽しめる奥多摩だけど、時には泊まってゆったり楽しむのもいい

登山を始めて間もないころから時折おとずれている奥多摩。
奥多摩駅の近くには「もえぎの湯」なる日帰り温泉もあり、飲食店もそれなりにあります。日帰りでも十分楽しめてしまうので「奥多摩に泊まろう!」と考えたことはあまりありませんでした。

年々きれいになっていく奥多摩駅。観光地なのにタクシー利用の便がよくないのが地味につらい。

しかし、2020年の初頭に「登山とセットで楽しめる、山の近くの温泉宿に泊まる」というテーマで「泊まりたい宿」を選び、下記の記事を書いた際に「あれ?こんな宿が奥多摩の、しかも駅からすぐのところにあったのか!と気がついたのです。

荒澤屋旅館は、1人で泊まれるのは基本的に平日のみで、奥多摩の繁忙期である夏から秋にかけてなど、1人客の受け入れがない時期もあるようです。冬から春にかけては比較的泊まりやすいもよう。

奥多摩駅から徒歩5分ほどの場所にあります。

デイリーヤマザキがある通りを、デイリーヤマザキより少し手前で右に曲がるとすぐです。

赤いカラーリングと、軒先の大きな提灯が印象的な宿。
建物の左側が旅館の入口で、右側は宿の食事処と地元の方たちが集う居酒屋を兼ねる「炉ばた あかべこ」です。提灯には「あかべこ」と書かれていました。

宿側の玄関へ。チェックインは15時から可能です。
本日の宿泊客は3組。じゃらんに「総部屋数3室」とありますので、最大3組の受け入れとなるようです。

最大3組なのに、平日のみとは言え1人客を受け入れてくれるのはありがたいことですね。

下駄とスリッパがきれいに並べてあり、家庭的な小旅館の雰囲気ではありますが、こざっぱりとしたいい雰囲気です。食事時は玄関の向かって右側の扉から、食事処に向かいます。

チェックイン手続きを行い、さっそくお部屋に案内していただきました。

【部屋】★★★★ 冬はこたつがあり、Wi-Fi完備で快適な部屋

荒澤屋旅館では現在3室のお部屋が稼働しており、そのうち「10畳和室」と「6畳トイレ付き和室」の2室については1名でも予約可能です。

2020年の3月に10畳の和室に、2022年の4月に6畳トイレ付き和室に宿泊しましたので、それぞれご紹介したいと思います。

2020年3月に宿泊、3階にある10畳の「愛宕天狗」

2020年3月に初めて泊まったのは、3階の奥にある「愛宕天狗」のお部屋でした。
エレベーターのないお宿なので階段を上るのはちょっと面倒ですが、3階は浴室のある階なので、お風呂に行きやすいお部屋です。

部屋のドアがこういう、襖っぽい感じの引き戸で。
泊まる部屋というよりも食事処っぽい雰囲気ですが、鍵はちゃんとかかります。

お部屋は窓が大きくて明るく、10畳あるので広々。

3月初旬のまだ寒い季節だったので、こたつがあったのがうれしい!

こたつの上にはお茶セットとサービスのペットボトルのお水。お茶菓子。
ドリップパックのコーヒーもあるのはうれしいですね。

こたつの向こうには空気清浄機と液晶テレビ。Wi-Fi完備ですが、この日3階の部屋はやや不安定でした。2022年に泊まった2階の部屋は安定していたので、こちらも改善されてるかもしれません。

こたつでダラダラとテレビを見ていられる、最高の配置です。

コーヒーを淹れて、こたつでテレビ。至福のとき……。

部屋の鍵のついたキーホルダーには、赤べこのチャームがついていてかわいい。

部屋の隅には内線電話や電気ポット、鏡などがコンパクトにまとまっていました。

実は、この後ご紹介する2022年に泊まった部屋には、ドライヤーや金庫、空の冷蔵庫が設置されていたのですが、2020年に泊まった際はありませんでした。

別の部屋に泊まったので「この部屋には設置されていない」のか「2020年当時は設置されていなかったが、その後設置されている」のかはわかりません。たぶんこちらの部屋にも今は、設置されているんじゃないかなと思っているのですが……。

部屋の隅にはクローゼットとタオルハンガーがあり。

浴衣と羽織、バスタオルとフェイスタオル、足袋ソックスが置いてありました。

愛宕天狗のお部屋にはトイレと洗面所はありませんので、共用のものを利用します。
トイレも洗面所も各階にあり、部屋からもすぐなので特に不便ではありません。

洗面所には紙コップとハンドソープ、消毒用アルコール、ペーパータオルが置いてあります。お風呂上がりにうれしいウォーターサーバーも設置してありました。

トイレも新しく、ウォシュレット付きで内装もおしゃれな雰囲気でしたね。

2022年4月に宿泊、2階にある6畳トイレ洗面付き「紫草」

2022年に宿泊したお部屋は2階にあります。
コンパクトなお部屋ですがこちらの部屋にはトイレと洗面所がお部屋についています。

こちらは普通にドアですね。右側の部屋です。
左側の「お大尽」のお部屋は、8畳の和室が2つくっついている広い部屋で1人では泊まれないのですが、以前OKPさんが宿泊してレポートを書かれていました。2名以上で宿泊を検討されている方はご参考に。

さて、右側の「紫草」のお部屋です。

おお!なんだかいい感じ。入った瞬間ちょっと高級感がありますよ。

お部屋は昔ながらの和室ですが、襖も障子も畳もきれいだし文句なし。

4月だとさすがにもう、こたつはないですね・笑

窓から見える緑がきれいだな……と思って、どんな景色か見てみると。

なるほど。正面の道路に面しているけれど、3階なので緑が見えるんですね。

6畳とややコンパクトなお部屋だからか、電化製品や箱ティッシュ、お茶セットなどは部屋の一角にきれいにまとめられていました。電気ポットと金庫もありますね。

お茶セット。コーヒーカップとドリップパックがあるのはやはりうれしいですね。
今回はなんと、紅茶のティーパックもありました。そう言えば、このときはペットボトルのお水はなかったような。いろいろサービスも試行錯誤されているのかもしれませんね。

座卓の上にはアルコールスプレーとお茶菓子、紙おしぼり。
こちらの部屋は、キーホルダーはシンプルですね。

お湯を湧かしてコーヒーを淹れて、さっそく一休み。

浴衣やタオル、その他の備品は、和室に入る前の踏み込みの橫の棚に置いてありました。

Panasonicの新し目のドライヤーもあってうれしい。

あとはグラスが6つほど。

浴衣と帯、羽織、バスタオルと足袋ソックスに、フェイスタオルはなぜか2組ありました。

こちらに、空の冷蔵庫も置いてあります。冷蔵庫、やっぱりあると便利ですよね。

そして、ドアを開けてすぐのところに洗面台が。

さまざまな設備がすべてコンパクトにまとめられていて、広くはないけれどとても快適なお部屋です。和室だけどちょっとビジホっぽいですね。

また、こちらのお部屋はトイレ付きです。これはうれしい。

ウォッシュレット付きで新しくきれいなトイレでした。

館内には囲炉裏のあるスペースもあります。宿泊者の休憩スペースだそうですが、予約制で奥多摩の民話の語りも行っているそうです。看板などに「民話の宿 荒澤屋旅館」と表記されているのはこのためなんですね。

【風呂】★★★★ 2つの貸切温泉浴室を利用できるのはありがたい

浴室は3階の奥に2箇所あります。

手前にあるのが少し大きめの浴室で、奥が小浴室。
浴室の利用時間はチェックインから夜は22時30分までと、翌朝6時から9時30分までです。すべて貸切での利用となりますが予約は不要で、空いていれば内側から鍵をかけて入ります。
全3室の宿なので、2箇所の浴室が両方使用中!というタイミングはあまりなく、大抵どちらかは空いています。

源泉は、奥多摩湖の底から湧き出る源泉をポンプアップしている「鶴の湯温泉」です。
源泉地からは少し距離があるので運び湯だと思いますが、アルカリ性単純硫黄泉です。

手前にある少し広めの貸切風呂「壱」

まずは手前にある貸切風呂「壱」へ。
洗面台と脱衣カゴのあるシンプルな脱衣所。ドライヤーが1台ありました。

洗面台も新しくきれいで、バスマットなども清潔です。

浴室へ。ホームページには「4名まで入浴可能」とあるけれど、全員大人なら最大3名かなあ、という広さ。2名ならゆったり入れます。

洗い場は3箇所あり、シャワーの水圧も問題なし。

シャンプー&コンディショナー、ボディシャンプーあり。ラコンサという、業務用のノンシリコンシャンプーでした。

木の枠の浴槽。

湯口にはカエルの置物が。かけ流しとはいきませんが、湯口からは常時お湯が出ていました。

源泉は硫化水素臭がするらしいですが、加水加温ありですしさすがに香りは消えています。ph9以上の高アルカリの源泉なので、ぬるっとする浴感は少し残っていますね。

特に塩素臭などもなく、適温に調節されているので快適な湯浴みが楽しめました。

奥にあるコンパクトな貸切風呂「弐」

もう1つの貸切風呂は奥にあるガラス戸を開けた先にあります。

公式サイトではこちらの浴室は「弐」の浴室と紹介されていましたが、扉には「民話の湯」と書かれていました。

脱衣所もコンパクトですが清潔度は問題なく。洗面台にはドライヤーも。

浴室は壁が板張り、浴槽は石でかなり雰囲気が違いますが、清潔で問題なし。

シャワーは2つ設置されていますが、こちらの浴室は1人でゆっくり入りたい感じかなと思います。公式サイトには「経年劣化で壁や床にはやや傷みがあります」と記載があったのですが、個人的には特に気にならないレベルでした。

とにかくお湯重視!の方には物足りないかもしれませんが、設備は問題なく整っており、1人でゆったりと楽しめるので、登山後の宿泊だとしたらかなり満足度が高いと思います。

【食事】★★★★★ 味も量もお酒の種類も大満足!近くにあったら通いたい

食事は朝夕共に1階の食事処でいただきます。
夕食は18時30分スタート、朝食は8時30分スタートが基本のようです。

フロントの横にあるこちらの扉から中に入ります。
こちらの食事処は「炉ばた 赤べこ」という店前で、居酒屋さんとしても営業されています。

入ってすぐのところにテーブル席があり、最大10人座れるそう。

カウンター席は7名まで。アクリル板が設置してありました。

私は2度泊まって2度ともこちらのカウンター席で夕食をいただいたのですが、3名以上での宿泊の場合は、お座敷での用意となるようです。公式サイトを見ると「1階に18名、3階に40名まで入れるお座敷がある」とのことでしたので、そちらに用意しているんだと思います。

2度目の宿泊のときは3組泊まっていたのですが、こちらの食事処で夕食をいただいたのは私だけでしたので、2名でもお座敷だったのだと思います。居酒屋のお客さんが増えてきたんでしょうね。

カウンターの1番奥に私が座って、手前のカウンターやテーブルには居酒屋のお客さんが入っている感じで。距離が空いていたので特に気になりませんでしたし、座敷で1人よりはカウンターのほうが気楽で良かったかなと。
実を言うと、2020年3月の宿泊の際は、居酒屋のお客さんとの距離が近いのが少し気になったのですが、現在はそのあたりは気を遣っていただいているようで、ありがたいことです。

荒澤屋旅館のドリンクメニューは、グラスでいただける日本酒がいっぱい!

ドリンクメニューは、居酒屋さんと共通ですので、ありがたいことに1人でグラスオーダーできる飲み物が大量にあります。

ハイボールやサワーがたくさんあるので、日本酒とビールが苦手な人でも楽しめますね。ホッピーまである。

日本酒は、季節毎のおすすめメニューが別紙であるのですが、定番メニューとして青梅市の小澤酒造の「澤乃井」シリーズが5種類ほど用意されていました。

こちらも、ほとんどがグラスでオーダー可能なのがうれしいですね。梅酒もあります。

2020年冬のおすすめ日本酒メニュー

荒澤屋旅館の女将さん(若女将?)は利き酒師の資格も持っているそうで、日本酒の品揃えはなかなかのもの。

こちらが、2020年3月初旬に宿泊した際のおすすめ日本酒メニューです。

各地のおいしいお酒が揃っており、好みのお酒2種類or3種類で利き酒セットにもできるのがうれしいですね。
澤乃井の地域限定品も揃っています。

2022年春のおすすめ日本酒メニュー

2022年4月に宿泊した際のおすすめ日本酒メニューです。

今回は、利き酒セットは好きなお酒を選ぶ方式ではなく、お店のおすすめのセットになっていました。

好きなお酒を選べる方式だと、値段高めのお酒をどうするか……が難しくなりますから、これはこれで納得です。全国各地のいいお酒が揃っています。

すべてのお酒をグラスでいただけるので、まったく問題ないと思います。大吟醸2種飲みくらべが気になりますね……。
お酒の特徴についてコメントがちょこちょこ入れていただいているのももうれしいですね。

2020年3月の夕食は、メニューにない鯛の昆布じめのおいしさに感動

2020年に宿泊したのは、日中でも寒さが残る3月初旬。

案内いただいた席には、前菜をはじめとした冷菜がセットされていました。

お品書き。焚物、焼物、揚物、酢の物に小鍋まで揃った、品数十分なコース料理です。

お酒はもちろん!3種飲みくらべセットで。

「翠玉 特別純米おりがらみ生」「花陽浴 純米吟醸おりがらみ」そして、女将おすすめの限定酒「澤乃井 寒仕込純米吟醸無濾過生原酒」を。
うすにごり、微発泡、フルーティ、フレッシュ!が好みとお伝えしたところ、おすすめいただきました。

前菜は左から時計回りに「うどのきんぴら」「桜海老の煮こごり」「むかごと合鴨のロース」「ほたるいか」「若草雲丹ロール」

ここで、メニューには記載のない「目鯛の昆布じめ」が登場。

身が締まっていて旨みが濃くて、ものすごくおいしい。

熱々で運ばれてきた茶碗蒸しのようなものは「紀州蒸し」

食べてみるとやはり茶碗蒸しで、どのへんが紀州なんだろうと思ったら、梅干しが入っていました。ちょっとおもしろい取り合わせですけれど、味のバランスはちゃんと取れていておいしかったです。

お刺身は、手作りのこんにゃくの刺身。酢味噌でいただきます。

手前の黄色いのが柚子、緑のは山葵の葉、黒はひじきが入っています。こんにゃくかあ……と一瞬思ったのですが、食べてみるとぷるぷるした食感もおもしろく、柚子などの素材の味もしっかりして、意外と言っては失礼かもしれませんが、満足度の高い一品でした。

焚物は、かぼちゃ、里芋、筍巾着、蟹しんじょう、桜麩とバラエティ豊か。

味付けも上品でとても良です。

焼き物は「奥多摩山女魚の炭火焼き」でした。

はらわたの部分に山椒味噌が塗ってあり、単純な塩焼きではないところが良いですね。

このあたりで最初の利き酒セットがなくなったので、後半の料理に向けて次は2種類のセットで。

「琥泉(こせん) 純米無濾過生原酒」「鍋島 純米大吟醸」

揚げ物は天ぷら!揚げたてで持ってきていただきました。

「ふきのとう、海老湯葉巻き、檜原村の舞茸、山葵の葉」
山葵は奥多摩の山葵でしょうね。出始めたばかりであろうふきのとうもうれしい。

酢の物はうど、黄金にしん、菜の花。

菜の花とうど、春らしくていいね~と思いつつ食べていくと、この、数の子としめ鯖が合わさったような物は……?
これが「黄金にしん」で「脂ののったにしんとししゃもの卵を結着加工して酢漬けにした」食品だそう。なんだかとてもおいしかったので備忘録としてリンクを置いておきます。

鍋物は「檜原村のあわび茸の鍋」です。

具材は、すいとん、白菜、ねぎ、三つ葉、鶏肉、生揚げ。

くたっとするまでよく煮こんでいただきます!
この出汁がまたおいしくて……出汁で飲めるわーと思いつつ日本酒を飲み干したところで、きのこの炊き込みご飯と自家製ぬか漬けが。

汁物はこのときは提供はなく、鍋の出汁でいただきましたが、薄味の出汁ときのこご飯がまた合うのです。きのこ同士ですしね!お代わりしたくなるおいしさでした。

デザートはわさびのジェラート。

ちょっと固めでしたが、間違いなく手作りでしょう。デザートまでしっかり奥多摩の名産品をいただけて、大満足の夕食でした。

2022年4月の夕食は採れたての山菜の天ぷらとジューシーな日本酒!

2022年4月に宿泊したのは、4月中旬の日曜日。

夕食は、カウンターの奥の席でいただきました。

お品書き。おお……今回は、前回の夕食ではなかった食前酒がついています。

青梅市の地酒、澤乃井を醸造する酒造で日本酒から造られた梅酒「ぷらり」
甘さ控えめで香りがよく飲みやすい梅酒です。

前菜盛り合わせ。

今回は、一品毎の説明はなかったのですが、茄子の煮浸しがめちゃめちゃおいしかったです。荒澤屋旅館さんは出汁がいいのですね。

お酒は、まずは澤乃井の大吟醸飲みくらべセットをオーダー。

どちらも初めて見るお酒です。大吟醸らしく華やかな香りがして、味わいはすっきり。食事をおいしくいただけるお酒ですね。

こちらはお品書きにはない筍の煮物。

木の芽の良い香り……4月の山の宿は、山菜と筍が両方いただけるからうれしい……。

焼き物は2020年と同じ、山女魚の炭火焼き、山椒味入り。

本当に熱々で持ってきていただきました。

紀州蒸し。こちらも定番メニューなのですね。

シンプルな茶碗蒸しですが、中に梅干しが。酸味は控えめでおいしくいただきました。

お刺身は今回、手作りこんにゃくと奥多摩ヤマメの盛り合わせでした。

こんにゃくはわさびの葉と柚子。薬味として山葵の花が添えてありました。小さくかわいい花で、これも食べられます。

焚物は、里芋、さつまいものレモン煮、豚角煮、信田巻き、かぼちゃの炊き合わせ。

前回もおいしかったけど、今回も焚物が大変おいしいです。豚の角煮の上品さよ……。

飲み比べセットがなくなったので、おすすめの日本酒の中から「栄光富士 純米生おりがらみ 期間限定」を。

「ジューシーで甘め」とありましたが、うすにごりでジューシー、好みぴったりでうれしい。

酢の物は黄金にしん、うど甘酢漬け、ふきのとう、赤大根の酢漬け。

2020年に宿泊した際にいただいて大変気に入った「黄金にしん」が今回も登場!
これ本当においしいです。

そして、お品書きには書いていなかったのですが、ここで揚げたての山菜の天ぷらが!

「今日採れたコシアブラです」とのことで、この季節でもいつもあるとは限らないようです。甘めジューシーな日本酒と、とても合う……。

鍋物は今回も前回と同じで、檜原村のアワビ茸です。

鶏肉も入っていて、今回も出汁が抜群においしいです。

最後のご飯は「炊き込みご飯」と「会津米 梅じゃこのせ」から選べるとのことで、炊き込みご飯を選んだところ……筍ご飯でした!

今回はお味噌汁付き。木の芽の香りが爽やかです。ぬか漬けもさまざまな種類があってうれしい。

デザートは今回も奥多摩の山葵のジェラート、そしていちご。

前回、ちょっとジェラートが固めかも……なんて思ったのですが、今回はちょうど良い固さでした。ワサビの辛味がきいていて、大人のデザートでしたね。

2020年3月の朝食ではベーコンエッグご飯を楽しんだ

朝食は朝8時30分から、夕食と同じく1階の食事処でいただきます。

野菜サラダもしっかりと量があり、ご飯に合うおかずたくさん並びます。

この、きのことワラビの炒め物?が、いかにも山のおかずという感じで気に入りました。

陶板焼きの中はベーコンエッグでした。ちょうどよく焼けたところで……

ご飯の上にのせて醤油をサッとかけて、ベーコンエッグご飯にしていただきました。

2022年4月の朝食はベーコンエッグにソーセージまで

2022年4月の朝食。

普段はあまり食べない明太子だけど、たまに食べるとすごくおいしいな。お酒が飲みたくなるし、ご飯もおいしくいただけますね。

陶板焼きは今回もベーコンエッグですが、さらにパワーアップしてソーセージも入っていました。

定番メニューもありつつ少しずつ変化もあって、朝から楽しめる朝食でした。

チェックアウト後は山を歩くのも良し、ビールやコーヒーを楽しむも良し

奥多摩駅周辺には1人でのんびり楽しめる飲食店や、バスに乗らなくても直接登山口にアクセスできる山もありますので、天気や気分に合わせてさまざまな楽しみ方ができます。

2020年は駅ナカのカフェとビアカフェをはしごした

2020年に宿泊した翌日は、あまり天気が良くなかったので奥多摩駅2階にある「ポートおくたま」でコーヒーやケーキを楽しみつつブログを書いたり。

ポートおくたまは、コーヒーショップのほか、カレーとクラフトビールが楽しめる飲食店や、中古のアウトドア用品を扱うショップ「マウンガ」などから成る複合施設です。

Wi-Fi完備、カウンター席ではコンセントも利用できます。

窓からは駅のホームに停車する青梅線の車両が見えます。

お昼過ぎまでブログを書いて過ごし、小腹が空いてきたところで、駅から徒歩1分の古民家ビアカフェ「ビアカフェバテレ」へ。

まずはベルジャンウィートを1杯いただき、本日のおすすめメニューから「いちじくとベーコンのケークサレ」を注文。

ボリュームたっぷり!ベーコンはしっとりと柔らかくおそらく自家製……?お腹も満たされ、ほろ酔いで青梅線に乗り、夕方前には帰宅。充実した休日になりました。

ビアカフェバテレについては以前ブログでも紹介していますが、奥多摩に行くたびに立ち寄りたい、大好きなお店です。

人気過ぎて毎回立ち寄っても毎回入れるわけではないのですが……そんなときはポートおくたまでもバテレのビールが飲めます。

2022年は御前山に登り、カタクリの花を見つけた

2022年は、チェックイン当日の天気はいまいちだったものの、チェックアウトした日は晴れ!

カタクリの花が咲く季節だったので、御前山に登ることにしました。
奥多摩駅から徒歩でアクセス可能な鋸尾根から登ります。

宿をチェックアウトするとき「御前山に登る」と言ったら「もうカタクリは終わっているかも……」と言われたのですが、まだまだ!咲いていました。

山頂の手前、御前山避難小屋周辺の辺りで、かなりの数のカタクリを見ることができました。

山頂からは奥多摩湖の方向に下山します。
「温泉宿に泊まったついでに軽く一山」と思っていたのですが、トータル6時間ほどのまあまあガッツリ登山になってしまいました……。

本音を言えば、この登山の後に荒澤屋旅館に泊まれたら、より幸せでしたね。

【再訪したい度】★★★★★ またきっと泊まりたい!平日だけでも1人泊のプランを出し続けてほしい

奥多摩駅からのアクセスの良さ、部屋の快適さ、貸切の温泉浴室、そして何よりもおいしい食事と、季節限定の貴重な日本酒の数々……。

どこを取っても「奥多摩にこんな宿があったなんて」と思えるすばらしいお宿なのですが、さらに、宿の方たちがとても優しいんです。

1度目の宿泊の際は夕食の際に、近くの席にいた居酒屋のお客さんたちがちょっと騒がしくしていて、正直うるさいなあと思っていたのですが「騒がしい席で本当に申し訳ない」とものすごく恐縮されたので、まあいいやという気持ちになったり。

2度目の宿泊のときは、食事の途中で「以前もお泊まりになられたことありますよね?」とお声がけいただき(マスクを取った顔を見て思い出したそう)「また泊まっていただきありがとうございます」とお礼を言われました。

何度でも泊まりたい宿なので、今後も1人泊のプランを出し続けてもらえたらうれしいなあと。

そして次こそは、登山の前泊ではなく、登山後にゆったりと泊まりたいものです。

【1人旅に優しい度】60点:グラスでオーダーできるお酒がかなり多くてうれしかった

泊まりやすさ 10/20
基本的には1人で泊まれるのは平日のみ。土曜日は直前予約や、予約が少ないタイミングでスポット的に一人旅プランが設定されていることもある。

食事場所の配慮 10/20
1人泊の場合は1階の食事処のカウンター席となる。

プランの選択肢 10/20 
プランは1人で泊まっても2人以上で泊まっても共通。全3室のうち2室は1人でも泊まれる。

ドリンクオーダー  20/20
居酒屋の営業もしているので、グラスでオーダーできるお酒の種類はかなり多い。利き酒セットも複数種類あるし、日本酒はすべてグラスでオーダーできる。

フリーWi-Fi完備 10/20
室内Wi-Fi完備だが、3階の部屋は少し不安定だった。ただ、3階に泊まったのは2020年のことなので、今は改善されているかもしれない。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。