笠ヶ岳山荘
笠ヶ岳は、北アルプスの飛騨山脈、地名で言うと岐阜県高山市にある標高2898メートルの山です。
2016年の10月15日から1泊2日で、頂上直下にある笠ヶ岳山荘に泊まって笠ヶ岳に登りました。
写真は、雲ノ平から眺めた笠ヶ岳。
この方角から見るとまさに、笠のような形をしていますね。
日本百名山にも選定されているこの笠ヶ岳ですが「どこから登ってもきつい」と聞くため、ルートや登山時期にはかなり悩みました。
実は悩んでいるうちに、計画を始めてから3年ぐらい経ってしまったのですが……。
今回ようやく、10月の小屋閉め直前の日程で、日本屈指の急登と言われている笠新道を往復して、登ることができました。
- 笠ヶ岳山荘
登山歴6年目にしてようやく登頂できた笠ヶ岳 登山ルートと登山口までのアクセス
日本百名山にも選定されている笠ヶ岳ですが、北アルプスのその他の山……たとえば槍ヶ岳や穂高岳や剱岳、立山や白馬岳などと比べると、やや地味な存在かもしれません。
登山を初めて間もないころに「いつか槍ヶ岳に登りたい!」「剱岳に登りたい!」と思う方は多いと思いますが「笠ヶ岳に登りたい!」と、1年目から思う人ってあまりいないのではないかなーと。
そこまで有名ではないわりに、乗鞍岳や立山のように登りやすいわけでもなく「どこから登ってもきつい」なんて言われることも多いため、私自身、いつどんな風に登るかをかなり熟慮しましたよ……。
まず、笠ヶ岳の登山ルートは、バリエーションルートを除いては3つありますが、正直、どのルートをとっても楽ではありません。
笠ヶ岳山荘のサイトにわかりやすい画像があったのでお借りしました。
主なルートは下記の3つです。
笠新道:上り9時間 下り7時間 とにかく急登
山頂までの最短ルートだが、標高差1800メートルを一気に登る。
ずっと登り。とにかく登り。アップダウンじゃなく登り。
道はよく整備されており、杓子平からの大展望が臨めるし、シーズンによってはお花畑の中を歩ける。
弓折岳からの縦走路:上り11時間 下り8時間 道は最もゆるやかだが2泊したほうが無難
わさび平小屋、鏡平小屋を通過し、小池新道を通っていったん双六岳方向に向かいながら徐々に標高をあげる。
所用時間は最も長いが、急坂を一気に登りたくない初級者向けのルートと言われる。稜線歩きも長めに楽しめる。
ただし、上りは標準コースタイムで11時間かかるので、途中双六小屋で一泊したほうが無難。このルートを日没までに1日で登れる人は、おそらく笠新道も登れますよね。。。
クリヤ谷:上り9時間 下り6時間 徒渉が多く雨天後は増水で危険
最も上級者向けと言われる。
笠新道と同様に1日で一気に標高を上げなければならないのに、谷沿いのルートなので険しく、徒渉も多い。
雨天後は増水して渡りにくい箇所も出てくるとのこと。
……こんな感じで、どのルートを通っても山中に1泊以上しなければならないし、険しくない道を行くほど時間もかかるという、どこを通っても楽ではない山なのですよね。
まず、私は徒渉が大嫌いで、谷や沢沿いの道は大の苦手。なのでクリヤ谷という選択肢は最初からありませんでした。
残るは笠新道or弓折岳経由ですが、最初に考えていたのは弓折岳経由のほう。
笠ヶ岳山荘はテント泊もできますので、最初はテント泊で登ろうと考えていたんですよね。シーズン中の北アルプスの山小屋は常に混雑しているイメージがあり、これまで私は北アルプスの山小屋に、雪のない時期に泊まったことがなかったんです。
でも、テントを担いで笠新道を上り下りするのはしんどそう。。。
それなら休みが取れるときに2泊以上して縦走してしまえばいい、と考えました。
それで実際に今年の8月に夏休みを取り、黒部五郎岳から双六岳を経由して、笠ヶ岳を縦走するつもりだったんですが、天気がいまいちで1日停滞することになり、笠ヶ岳に寄ることができませんでした。(この山行についてもそのうち記事にしたいなー)
もうこれは、来年かなあ……でも、去年もこんな感じで登れなかったんだよなあ、と思っていた10月、たまたま新穂高温泉行きの夜行バスを予約していた週末が「笠ヶ岳山荘の今期最終営業日」だと気づきました。
笠ヶ岳山荘の営業は、毎年10月15日の宿泊までです。
そして私は、10月14日(金)の夜に、新穂高温泉に向けて出発する夜行バスを予約していました。たぶん、西穂にでも行こう思って予約したんだと思うのですが……。
この事実に気づいたとき
「よし!笠ヶ岳行こう!もう紅葉も終わってるし、小屋閉めの日ならさすがに、そんない混んでないよね?」
と、予定が決まりました。
笠ヶ岳の登山口 東京から新穂高温泉までの交通アクセスー毎日あるぺん号について
今回私は、シーズン中のみ運行している夜行バスの「毎日あるぺん号」を利用しました。
毎日新聞社の関連会社が企画している「高速バスのみの登山ツアー」で、毎日新聞本社のある竹橋を起点に、新宿西口都庁前を経由して、翌朝目的地に着くというもの。
最近は、新宿発の夜行バスのほとんどが「バスタ新宿」を停留所にしていますが、毎日あるぺん号は今も、都庁前から出発します。
新宿駅から都庁方面に向かう地下道を通り抜けて、京王プラザホテルを通り過ぎたあたりで左折します。
地下駐車場っぽいところに、旅行会社の受付がありますので、そこで予約の名前を告げて乗るバスを教えてもらいます。
行き先や値段によって乗るバスのタイプは異なりますが、毎日あるぺん号は基本すべてトイレ無しのバスになり、途中で2回ほどサービスエリアでトイレ休憩をとります。
車内にはコンセントやブランケットなどの設備も特になく、窓はカーテンで覆われているものの、運転席と客席の間を区切るカーテンはありません。なので前方の席になるとフロントガラスから入ってくる光がまぶしいことがあります。
なのでアイマスクやブランケット替わりの上着、首まくらなどをいつも用意して乗車しています。
毎日あるぺん号以外の公共交通機関を使って新穂高温泉に行くには
(1)東京ー松本ー平湯温泉間を高速バスと電車で移動する
濃飛バスで新宿ー平湯温泉直通の高速バス(予約制)を運行しているほか、東京ー松本間はあずさなどの電車か高速バス(予約制)で移動し、松本から平湯温泉までをバス移動(予約不要)する方法もあります。
(2)平湯温泉から新穂高温泉までを路線バスで移動する
ちょっと乗り換えが多くて面倒ですが、(1)と(2)の組み合わせで、移動することができます。
私も、行きは直通の夜行バスで来ましたが、帰りは平湯温泉と松本を経由して帰りましたよ。
それと、実はこのほかに
(3)季節運行の新穂高温泉から松本までの直通バスに乗る
という手もあるのですが、運行期間が「海の日連休から8月20日ごろまで」と短く、1日2本しかないのに予約制というわけでもなく、週末はかなり混んでいるので、私はあまりこの方法は好きではないです。
登山口から笠ヶ岳山荘まで
朝5時30分ごろ、毎日あるぺん号は定刻どおりに新穂高温泉の「ホテル穂高」前に駐車場に着きました。
この時点で既に標高1090メートルとけっこう標高の高い場所ですし、車内は暑いくらいだったので、10月中旬とは言えバスを降りるとかなり肌寒く感じました。
まずは、駐車場から2分ほど下ったところにある「新穂高登山指導センター」へ向かいます。
背景に見える山々が本当にきれい!
こちらの施設は、登山計画書を提出したり、休憩したりできる場所なのですが、休憩用の待合所のような部屋は、この時間は閉まっていました。
でも、トイレは使えるのでお借りします。
2014年の1月にできたばかりの施設なので、トイレも洗面所も真新しく、とてもきれいです。飲み物が購入できる自動販売機もあります。
ここで、朝食を取ったり、身支度をしたりしているうちに、気づいたら1時間以上経っていました!のんびりしすぎた!!
7時少し前、まずは新穂高ロープウェイに向かって歩き始めます。
今回のルートでは、新穂高ロープウェイは乗り場の前を通るだけで使わないのですが……実は、新穂高ロープウェイに乗ると、今日目指す笠ヶ岳がめちゃめちゃよく見えます!
後ろに見える山が、目指す笠ヶ岳です。大きいですねー。
さて、笠ヶ岳登山は、まずは林道歩きからスタートします。
やたら歪んでいる橋を渡ります。
許可車両以外は通行禁止ですが、一応車でも通れる道を1時間ほど歩いたところで、笠新道入り口に到着。
ちなみに、笠新道入り口には水場があり、おいしいお水を補給することができます。
ここまで既に1時間歩いてはいますが、いざ出発!です。
いきなり急登が続く笠新道だけど、杓子平では絶景が待っていた
笠新道、噂にたがわずたしかにきついです。始まった瞬間から急登続き。
でも、道はよく整備されているし、下のほうはまだ、紅葉も残っていて、楽しんで歩けました。
きれいですねー。
最初は樹林帯の中の道、という感じですが、すぐに周りの木の背が、低くなってきます。
すると視界がひらけて、山並が見えてきます。
道は相変わらずよく整備されていて、ちょっと段差がきついところにはきちんと、ハシゴや階段がかけてありました。
1時間ほど登ってくると、もう周りにあまり木はなくなってきました。
こうなると、けっこう暑いです。
10月中旬なのでまだ、汗がだらだら流れるような暑さではなく「長袖Tシャツ1枚で歩いてもうっすら汗ばむ」というような平和な暑さでしたが。。。
正直なところ、もし8月とかに歩いていたら、暑くてかなり地獄を見たんじゃないかと思います。後ろからずっと日差しが照りつけていますので、首にも日焼け止めを塗っておかないと大変なことになりますね。。。
笠新道入り口から1時間半ほどで「笠新道入り口と杓子平の中間地点」という看板がありました。
笠新道から杓子平までのコースタイムは4時間20分なので、1時間30分で中間地点に来ているというのは、けっこういいペースなのではないでしょうか。
しかし、ここからがわりと長かったですね……。
でも、展望は良いですし、相変わらず、歩きやすくていい道です。
槍ヶ岳や穂高連峰もどどーんと!
振り返れば、新穂高温泉方面も見えます。
あの、山と山の間に小さく見える白いところあたりから歩いてるんですよね。。。
なんとなく、もう少しで杓子平に着きそうな雰囲気。
着きました!!大展望!!
写真の左側の山が笠ヶ岳なんですが、いったん右側の山のほうに登って、それから稜線伝いに笠ヶ岳に到達する、というルートになります。
今日泊まる、笠ヶ岳山荘もはっきりと見えていますね。
山頂の、向かって右側に立っていますね。
杓子平では、休憩を取っている登山者が多かったです。
私も、ザックを下ろして菓子パンなど食べて休憩します。
ちなみに、杓子平にたどり着く前にも、笠新道にはいくつかの休憩ポイントがありましたので、途中でバテて休みたくなったときも、休憩する場所にはわりと困らないです。
このへんも、親切な道の作りだなあと思って。なんとなく、燕岳を登る際の合戦尾根を思い出しましたよ。
杓子平で休憩を取った後は、向こう側に見える抜戸岳に向かって歩き始めます。
パノラマ写真を撮ってみました。
右側に写っている道から歩き始めて、向こう側の山に登っていき、稜線を辿って笠ヶ岳に向かいます。
相変わらずの急登ではあるのですが「あそこまで登ればいいんだ!」という場所がだいたい見えているので、気持ち的には少し楽かも。
杓子平までは、あとどのぐらいで着くのかが見えないまま登り続けなければならないのが、けっこうきつかったんですよね。。。途中には、あと何メートル!というような標識がところどころにあったり、GPSで現在地を確かめたりもできるといえばできるのですが。
もうちょっとですね!
なんて青い空。
稜線に出ました!
一番奥に見える高い山が笠ヶ岳ですね。
あそこまで行くのかー。まだ遠いなー。
標準コースタイムでは、稜線に出たところから笠ヶ岳山頂まで1時間10分ですから、笠ヶ岳山荘まで1時間ぐらいかな。
振り返ると、槍ヶ岳が!
何度も見えてはいましたけど、やはり、稜線に出て眺める槍ヶ岳は格別ですね~。
あと1時間、がんばろう。。。
笠ヶ岳山荘のテント場について
だんだん小屋が近づいてくると、テント場に張られているカラフルなテントが、はっきり見えてきます。
しかし「笠ヶ岳山荘からテント場まではわりと距離がある」とは聞いていたけど、ここから見てもけっこう離れている感じがしますね。
テント場に到着しました。
このとき、時間は14時30分ぐらい。
テントは10張程度でしょうか。
広さ的にはまだまだ張れそうなのですけど、平らで整地されているいい場所はもうすぐなくなりそうでしたね。いい場所は15張ぶんぐらいでしょうか。あとは、張れるけどちょっと斜めになってたり、石の上になってしまったりしそうです。
でも、ここのテント場はものすごく眺めが良いです!
向かって右側には槍ヶ岳、左側には黒部五郎岳などが丸見えです!
しかし……テント場にはトイレはなく、小屋のトイレを利用することになるため、その点はちょっと大変ですね。
テント場から小屋まではガレた岩場の登りになり、5分以上はかかります。
体重をかけると揺れるような安定していない岩も多くて、酔っぱらったらちょっとこわいなと思ってしまいました。深夜にトイレに行きたくなってしまったらと思うと、やや不安。
そう考えると、小屋泊にしてよかったのかもしれません。
テント場を抜けて岩場を登ると、ようやく!笠ヶ岳山荘に到着です!!
長かったですね……。
荷物を置いて笠ヶ岳山頂へ!
笠ヶ岳山荘で宿泊の受付を済ませると、小屋番さんに
「寝る場所は声をかけてくれればいつでも案内するから、先に山頂に行ってきたりしてもいいですよ」
と言われたので、お言葉に甘えて、先に山頂に行ってくることにしました。
山頂はすぐそことは言え、一度登山靴を脱いでしまうとちょっと億劫になってしまいそうだなと思いまして。
山荘の前から山頂が見えていました。
山頂までもガレた道ではありますが危険箇所はなく、まあまあ登りやすいです。
上のほうに祠のようなものが見えたので「きっとあれが山頂だろう」と思ってみましたが、近づいてみると……
あら!笠ヶ岳山頂はここではなく、もっと左だと言われてしまいました。。。
あ!あっちですねきっと。
祠から50メートルぐらいのところに山頂がありました。
ついに、登頂です!
槍ヶ岳をバックに、記念写真を撮っていただきました。
3000メートル近い高山ですので、10月中旬というと稜線上は寒くても不思議ないのですが、この日は風もなく、山頂にしばらくとどまっていても寒さを感じませんでした。
なので、あちこち写真を撮ったり、ぼーっとしたりしていました。
幸せな時間ですね~。
しかし、笠ヶ岳から見る槍ヶ岳って、ものすごく「小槍」の部分が目立つんですなー。
さて、そろそろ小屋に戻って落ち着こうかな。
笠ヶ岳山荘の食事・売店・布団・水場・トイレ・更衣室は?
小屋に戻ってきて、受付に名前を告げると、今日の寝る場所に案内してもらいます。笠ヶ岳山荘は1階にトイレや売店、食堂があり、居室はすべて2階にあるようです。
館内の案内図です。
「上段・下段」と書かれている部屋は二段ベッドの部屋です。
私が泊まったのは二段ベッドの下段の「乗鞍」でした。
階段の踊り場に登山靴置き場とストック置き場がありました。
ストックは壁の釘にかけておくのですけど、間違えて持っていかれてしまうこともたまにあるそうなので、心配なら部屋に持っていったほうがいいですよ、とのこと。
笠ヶ岳山荘の部屋と廊下 更衣室・漫画もあるよ♪
本日泊まる「乗鞍」は、かなり奥のほうにある部屋でした。
廊下はこんな感じ。
部屋の中にザックを置いておくと邪魔になるので、廊下に置いておく方が多かったですね。
漫画もけっこういろいろあってうれしい!
山小屋って、緊急避難的に連泊することもあるから、漫画があるとないとでは大違いですよね~。本の多い山小屋、好きです。。。
「乗鞍」はこちらのお部屋。
と言いたいところですが、先客がいて撮影できなかったので、誰もいなかったお隣の「錫杖」を。
部屋と言っても、大部屋に雑魚寝なんですけどねw
でも、布団は1人に1つありましたし、見知らぬ男女が隣合わないように、きっちり区画をわけてくださっていたので、個人的には上出来だと思います。
ただ、受付で「2段ベッドにはカーテンがある」と聞いたのですが、実際行ってみたら、カーテンレールらしきものはあったのですけど、カーテンはかかってなかったですね。
この日は小屋閉め直前だったので、既に撤収した後だったのかもしれません。
ちなみに、二段ベッドじゃない部屋はこんな感じでした。
二段ベッドは、上の段は上り下りが大変だし、下の段は頭をぶつけたりするので、個人的には普通の大部屋のほうが好きですが、1人だと二段ベッドになることが多いですね~。
ちなみに、更衣室もありました!
ただ、館内図を見ると「更衣室」専用の部屋が用意されているわけではなく、空いている部屋の扉に「更衣室」の貼り紙をして使っているような感じでしたね。
この日は「双六」という小部屋に更衣室の貼り紙が貼ってありました。
特に男女の区別をしたり、鍵がかかるわけでもないので、利用したいときはノックをして中に人がいないか確かめてから使ってね、とのこと。
でも、更衣室があるとないとじゃ大違いですから、ありがたかったですね。
笠ヶ岳山荘の水場・洗面所・トイレについて。洗面所には鏡あり♪
笠ヶ岳山荘は、8月中旬ごろまでは残雪の融雪水を利用した水場があるそうなのですが、それ以降は天水利用になるため、玄関前にある大きな黄色いタンクから水を汲んで利用します。
おいしい水ではないですが、消毒済みなのでそのまま飲めますし、特に料金も必要なかったのでありがたかったですね。
テント泊の方たちも同じタンクから水を汲んでいました。
タンク内の水は朝には凍ってしまうため、夜になる前に汲んでおいてね~とのこと。
1階に洗面所もありますが、この時期は水は出ませんでした。
なのでタンクから汲んだ水を使って、歯を磨いたりします。
私は、小さな手鏡ですべて済ませてしまうのであまり重視しないのですが(テント泊のことが多いしね……)同部屋になった女子は、洗面所にきちんと鏡があることに感動していましたね。
トイレは1階の隅にあり、和式洋式両方ありました。
清潔に保たれており、においも少ない快適なトイレでしたよ。
外から直接入ってくることもできるので、日帰りやテント泊でトイレを利用したいときも便利だと思います。
笠ヶ岳山荘に携帯の電波はある?
私はドコモのiPhoneを利用していますが、電波は、あるようなないような……という感じでした。
たまにLINEやメールの通知が来るので、ときどきは入るんですけど、返信しようとするとすぐに圏外になったり……という感じ。
試してはいませんが、おそらく通話は難しいレベルではないかなーと思います。
メールチェックぐらいなら大丈夫です。
また、auとソフトバンクについてはわかりませんが、ヤマレコのページによれば、3キャリアとも「可」となっていました。
笠ヶ岳山荘の売店・夕食・自炊場について
玄関を入ってすぐ右手が受付兼売店・正面の扉を開けると食堂・左手には自炊場がありました。
売店の品揃えも、北アルプスでは標準的な品揃えかもしれませんが、けっこう豊富なほうだと思います。
お酒は缶ビール・ワイン・酎ハイ・日本酒・ウィスキーなど。
お菓子やカップラーメンもあります。
「日本酒って何がありますか?」と聞いたら、熱燗があるということだったので、食事のときにお願いしました。
食堂は畳敷きの大広間でそれほど広くはなく、夕食は3回転ぐらいしていました。
でも、食事は量もしっかりあり、味もおいしかったです。
小屋閉め直前ということで、普段より多少豪華版だった可能性もありますが……。
唐揚げあり、魚あり、野菜もたっぷりな上に1人1皿のおでんですよ!
熱燗がすすみましたw
朝食は朝6時から並んだ順で、ということだったのですが、時間がやや遅めだなと思ったのと、ちょうど日の出が朝6時ごろの予定だったので、今回は夕食のみいただきました。
朝食は、基本的な和食のようです。ご飯とお味噌汁に生卵に焼き海苔、漬けもの、佃煮、焼き魚など。
それと、お弁当も注文できたのですが、行動食のパンが余っていたのでいらないかなと思い、頼まなかったのですが、聞いたところによるとおかずもたっぷりのちらし寿司だったみたいで、頼めばよかったわーと、少し後悔しました。
北アルプスの山小屋って、お弁当が凝ってるところ多いですよね。。。
翌日の朝は、自炊場でお湯を湧かして、持参したパンに温かいスープで簡単な朝食を撮りました。
自炊場は玄関脇の土間部分にありますが、あまり広くないので、朝晩の食事時はかなり混雑していましたね。
笠ヶ岳山荘は、朝日も夕日も小屋の前で見れるようなのですが、夕食をゆっくりいただいている間に、夕日は沈んでしまいました。。。
慌てて外に出て、赤くそまる空や山々を撮影しました。
月が大きく昇っていました。
おやすみなさい。
朝日を眺めて下山開始!雷鳥との出会い
朝6時ごろに日の出の予定だったので、5時ごろ起きて身支度し、朝食を食べながら日が昇るのを待ちます。
穂高の方向から日が昇るんですね。
赤く染まってとてもきれい。
反対方向の笠ヶ岳。
私は小屋前で日の出を待ちましたが、山頂に行っている人もいました。山頂直下の山小屋だからこそできることですね。
きれいだろうけど寒そうだなあ。。。
もう間もなく出てきそうなんですけど……
ちょうど雲がかかって、ちょっと時間がかかっています。
あ!
あんまりクリアではないけど、出てきたー!!!
きれいだなあ。。。
日の出を堪能して、身支度をととのえていたらもう7時!
思えば昨日、登山開始時もこんな感じだったなあ。。
すっかり日が昇って、明るくなってきたところで、出発します!
笠ヶ岳山荘から抜戸岳の間の稜線には雷鳥がいた
笠ヶ岳につながる稜線は雷鳥の生息地だとは聞いていましたが、帰り際、出会うことができました。
こんな感じの、切り立った岩の間を通る場所があるんですが、この岩の上に、いたんです!
先行して歩いていた方が「あそこに雷鳥いるよ」と教えてくれました。ありがたや~。
お腹だけ白い冬毛にかわっていて、かわいかったです♪
名残を惜しみながら稜線を歩いていくと、1時間ほどで抜戸岳手前の分岐です。
また来るよー。
ここから右方向に、もと来た道を下ります。
今日もいい天気!
下りるときはあっという間ですね~。
紅葉の残る笠新道をどんどん下っていきます。
7時過ぎに山荘を出発し、12時過ぎには笠新道入り口まで下ることができました!
まだ1時間ほど林道歩きがありますが、とりあえず今回の記事はここまでで。
お疲れさまでした!
笠新道と笠ヶ岳山荘について振り返ってみた
笠新道、きついきついと聞いていましたが、そして、たしかにきつかったですけど、よく整備されていて、思ったよりぜんぜん歩きやすい道でした!
段差が大きくて足腰に負担がかかるようなポイントもあまりなかったし、ただずーーーーっと上りなのできつく感じるんだと思うのですけど、個人的には、アップダウンを繰り返して徐々に標高を上げるのよりもむしろ、楽だったように思います。
登山口から上りの標準コースタイム9時間というと、ちょっと怯んでしまいますが、コースタイムはわりと甘めのように思いました。
今回、小屋泊で荷物を軽くしていたからというのもあるとは思いますが、上りはなんと、スタートから7時間半ほどで着くことができましたよ。
また、笠ヶ岳山荘もとてもいい小屋でしたが、小屋閉め間際ということで、通常営業とは少し勝手が違っていたところもありました。
というのも通常、笠ヶ岳山荘は3名以上のグループでの宿泊のときは予約をしてほしい(1~2名ならいらない)という、北アルプスの山小屋によくある方式を取っているのですが、10月に限ってはこのルールが適用されないようです。
10月に宿泊する際は1名でも予約をすること、とブログに書いてありました。。。
小屋閉め作業で、部屋や寝具を片付けてしまったり、食料を余らせてしまわないためのようです。
これ、ブログじゃなくて予約フォームとか、ホームページ本体にぜひ書いておいてほしいところですね。
とは言え楽しい山旅でした。
笠ヶ岳、またぜひ小屋泊で行ってみたいです。