明神ヶ岳~明星ヶ岳は、金太郎伝説で有名な金時山の隣に並んでいる、標高1169メートルと923メートルの山です。
金時山と同様に「箱根山」の外輪山(火山の周りを取り囲んでいる山のこと)になり、金時山から縦走することもできます。
金時山は、往復3時間ぐらいで手軽に登れるので何度も登ったことがあるのですが、隣にある明神ヶ岳、明星ヶ岳と一緒に縦走しようとなると7時間ぐらいかかるので、早朝に箱根に着かないと登ることができません。車が運転できない私には早朝箱根着はちょっとハードルが高く、これまで一度も登ったことがなかったのです。
ですが、金時山に登る途中に見ることのできる、明神ヶ岳への縦走路が、とても気持ちよさそうな道で、いつか歩いてみたいとずっと思っていました。
今回「いつも登っている金時山はこの際ショートカットして、明神ヶ岳と明星ヶ岳だけ登ればいいんじゃないか?」と考えて、ついに登ってくることができました。
新宿から小田急箱根高速バスで一気に登山口へ。始発バスは空いていて快適!
新宿から箱根に行く方法は
「小田急線で小田原まで行って箱根登山鉄道」
「ロマンスカーで一気に箱根湯本駅へ」
などいくつかありますが、今回使ったのは
「新宿から小田急箱根高速バス」
でした。
「金時山登山口」というバス停を起点に歩き始める計画なんですが、電車で箱根湯本駅に着くと、そこからバスに乗り換えて金時山登山口に向かわなくてはなりません。これがけっこう面倒くさいんです。時間も30分ぐらいかかるし、運賃も800円ぐらいして、ちょっと高い。
でも、小田急箱根登山バスは新宿駅から1900円で、金時登山口まで乗り換えなしで連れていってくれます!座席指定のバスなので、席がなくて立つようなこともありません。
新宿駅から小田急の普通電車と箱根登山鉄道を乗り継いで箱根湯本まで来ると、運賃は1184円です。一見、このルートが一番安いように思えますが、登山口まで路線バスに乗ると、高速バスで来るのとほぼ同じ値段になってしまうという。。。
というわけで当日の朝はバスタ新宿へ。去年までは小田急ハルクの前から出ていましたが、バスタ新宿発のほうが乗り場がわかりやすくていいですね。
座席指定のバスですが、「高速バスネット」でインターネット予約できますし、クレジットカードで決済すれば直前まで予約変更が可能&web乗車票で乗車できるので便利です。くわしくはこちらのページをどうぞ。
箱根行きの高速バスは6時35分が始発で、7時5分、7時35分、8時5分と続きますが、これまで私は8時台のバスに乗っていました。約2時間で箱根に着くので、金時山だけ登るのであれば、8時台のバスで十分だったんですよね。
ですが今回は、ちょっと行程が長いので気合いを入れて6時35分発のバスを予約!したところ、休日にもかかわらずガラガラで、隣の席も後ろの席も空いていたのでとても快適でした。
8時台のバスに乗ると、主に外国人の観光客の方でいっぱいだったんですよね。。。みなさん、箱根ではなく途中の御殿場で下りて行かれるんですけど。アウトレットにでも行くのかな。。。
今回は快適に2時間を車中で過ごし、定刻から5分ほど遅れの8時40分ごろに金時登山口で下車しました。
金時山に登るときも、大抵いつもこの登山口を使うんですが、なぜかというと……
目の前にローソンがあって超便利だからです!
ここで、行動食と朝食と昼食を買い、トイレも借りてコーヒーを注文し、窓際のカウンター席でコーヒーを飲みながら朝食をいただきます。
で、身支度を整えてそろそろ出ようかなーと思ったらもう9時30分!ローソンが快適すぎてのんびりしすぎた!!
ちなみに、ローソンの向かい側に公衆トイレもあります。ローソンは個室1つか2つだったと思うので大人数の場合は公衆トイレへ行ったほうがよいかと。
では、いよいよ出発します。
まずは明神ヶ岳へ。矢倉沢峠までは金時山と同じルートを歩く
9時40分(1時間もだらだらしてた。。。)ローソンのすぐ脇の道を歩き出します。
ちゃんとわかりやすい案内板が出てます。親切。
別荘や宿泊施設っぽい建物が時折現れる舗装路を、道なりに歩いていきます。
この看板が現れたら右折します。
いよいよ登山道の始まり。
ちょっと暗いところもありますがおおむねよく整備された、歩きやすい登山道です。
30分ほど登ると矢倉沢峠。ここで金時山ルートとは分岐します。
金時山に行くには左に曲がって40分ほど。明神ヶ岳は直進します。
矢倉沢峠には「うぐいす茶屋」という茶屋があり、私の持っている地図には休業中のマークがついているんですが、この日は営業してましたね。
外で焼き鳥を焼いていて、おいしそうなにおいが漂っていました。
今日は先が長いのでチラ見しただけで通り過ぎます。
明神ヶ岳までは、あと90分!がんばります。
明神ヶ岳までの道はハコネダケの中を歩く道が8割 稜線歩きは1割弱ぐらい
実は、登山道を遠くから見た印象では、わりとずっと稜線歩きなのかな?と思っていたのですが、まったくそんなことはなく。。。
こういう道とか……
こういう道がひたすら続きます。
「ハコネダケ」という笹の一種だそうです。
ごくたまに、笹が刈り取られている場所があって、そこだけ視界がひらけるのですが
なんというか、天気が微妙です。
今日は、朝はくもりだけど11時ぐらいから晴れの予報だったんだけどなあ。
がんばって金時山も含めて縦走するか悩んだんですけど、どうせ朝は晴れないから……と思って短縮版にしたんですよ。でも、もうすぐ11時だけど晴れる気配がない。
お花が咲いている季節でもないし、空もグレーだし、周りはササだし……で、写真を撮る機会も少ないままどんどん歩いていきます。
振り返ると、今日は登らなかった金時山。
こうしてみると、けっこう尖っている山ですよね。スマートというか。
11時ごろ。ちょっと稜線っぽい、ひらけた場所に出ました。
もうすぐ頂上かな?
と思いきや、今度は樹林帯の中に入ります。
で、またちょっとひらけた場所に出まして。
振り返ると、金時山がけっこう小さくなっています。
けっこう歩いてきましたねー。
ちょっとばかり稜線歩きの気分を味わったのちにようやく
明神ヶ岳に到着です!
ちなみに、矢倉沢峠から先ですれ違った登山者は3組ほど。追い抜いていったトレイルランナーが2人という静かな山歩きでしたが、山頂にはそれなりに人がいたのでちょっとホッとしたり。
あんまり混んでるとガッカリするけど、あまりにも人がいないとそれはそれで不安になったりする、不思議な登山者心理ですね……ちなみに、金時山に向かうルートには登山者いっぱいいました。たぶん、明神ヶ岳に登っている30倍ぐらいの人が、金時山に登っていると思います。
山頂碑の後ろには大涌谷や箱根山が!
晴れていれば、山頂記念写真もさぞかし映えることでしょうね……。結局この日はここまで晴れず。
ローソンで買った昼食を山頂でいただき、明星ヶ岳に向かって歩き出します。
明星ヶ岳の山頂は展望まったくなし。というか本当にここ山頂なんだよね……?
明神ヶ岳から明星ヶ岳からはコースタイムで85分。1169メートルの明神ヶ岳から、923メートルの明星ヶ岳に向かうので、だんだん標高を下げていくことになります。
少しの間、稜線歩きっぽい気分を楽しめます。
このへんが、今回の山行で、歩いていて一番楽しかったところかもしれません。
天気がよくて青空だったら、すっごく楽しい道だったような気がしますw
やがてまた、背の高いササの道が現れます。
笹が生い茂りすぎててちょっとこわいぐらいのところもありました。暗くて。
明神ヶ岳から30分ほど下ってくると、宮城野に下山する分岐が現れます。
明星ヶ岳までは、ここからさらに45分ほどの予定です。
今日は、明星ヶ岳に登頂後、別のルートで宮城野に下山する予定だったんですが、もし、ここまであまりにも時間がかかりすぎていたり、あるいは天気が悪かったら明星ヶ岳には寄らず、ここから下山する予定でした。
さて、どうしよう。時間はぜんぜん問題ないんですが、実は天気が……。
まったく良くならないばかりか、ますます雲が濃くなってきまして。
まだ雨は降ってきてないですが、時折「ドーン、ドーン」と雷鳴が聞こえたりするんですよ!大丈夫なのかな……もう。
でも、ここまで来て明星ヶ岳に行かないというのはなんか後悔しそう……。
あんまり降られたくはないのですが、降ったら降ったで仕方ないや、で、直進することに。
先ほどの分岐から30分ほど歩くと、来ました!最後の分岐。
この分岐を右に曲がると宮城野に下りられるんですが、明星ヶ岳はここからまもなくのはずです。
なんか、すぐそこで弁当広げてるおじさんたちがいますね。
山頂で食べればいいのに、なんでこんな何もないところに集まっているのかしら。。。
その理由はすぐにわかりました。
ちなみに、私の持っていた地図「山と高原地図2012年度版」には、明星ヶ岳の山頂は「小さな祠あり。山頂東端から相模湾が眺められる」とあります。
山頂、たぶんここです。
たぶん祠というのがこれなんでしょうね。
これが山頂碑……かな?
ちなみに祠と山頂碑っぽいものの位置関係がですね……。
こういう感じ。なんか、この方がずっとこの体勢でここに立ってまして……お経でも唱えようとしてたのかなあ。
人が入らない写真を撮りたくて待ってたんですけど、どいてくれなかったんですよねw
本当にここが山頂なのか不安になって、実はこの後ろに道があるんじゃないの?と山頂碑の後ろを見てみたりしたのですが、それらしい道もなく。
私の後ろからやってきた2人組の登山者も
「あれ……ここが山頂なんだよね……?」
と戸惑いつつ、他に山頂らしき場所も見つけられずに戻っていったので「よし、やっぱりここが山頂なんだね」と納得して、下山することにしました。
すぐに分岐まで戻ってきました。
おじさんたちがここでご飯食べてた理由がわかったよ……山頂ちょっと暗いし、あまりあそこで食べる気にはならないよね。
下山道。1時間ほど下ります。ずっと雷鳴が鳴っています。。。
下山道もササあり。。。
標高差500メートルほどを1時間弱で下るので、けっこう急な道です。
登山道が終わって林道に出るところには、バイクが止まっていました。
ここからバス停の「宮城野橋」まで10分弱。舗装路を歩きます。
案内版もありますが、ややわかりにくいのでGoogleマップなどを見たほうがいいかもしれません。
宮城野橋バス停が見えました!ゴールです!!
結局最後まで晴れなかったけど、危険箇所もなく、楽しい山歩きでした。
次回箱根の山を歩くなら
今回、これで金時山から明星ヶ岳まで歩いたので、次回は箱根湯本駅から直接「塔ノ峰」に登って、明星ヶ岳まで歩こうかなあ、と思っています。
箱根の山は富士山の眺望がすばらしいのがいいところだと思うんですが、今回はまったく!富士山が見えなくて残念でした。
冬の晴れた日に、また来てみたいと思います。
最後に、今回は登らなかった金時山から見える富士山をどーんと!
10月だとまだ雪もついていないので、やっぱり12月以降がいいのかもしれないですね!寒いですけどね。。。