温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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山形県米沢市 小野川温泉うめや旅館 宿泊記

小野川温泉 うめや旅館<山形県>

西吾妻山に登った翌日に宿泊した宿です。
天元台高原からバスで、まずは米沢駅に戻り、それからバスを乗り換えて向かいました。

小野川温泉は、米沢駅から路線バスで30分ほどのところにある温泉地です。
「米沢の奥座敷」と呼ばれたりする温泉地らしいのですが、実を言うと私、同じ山形県出身にも関わらず、この温泉の存在を知りませんでした。。。

山形県の温泉というと、蔵王温泉・銀山温泉などが全国的な知名度は高く、地元民にとってはかみのやま温泉や天童温泉がおなじみ。
温泉好きを自負する人たちにとっては、肘折温泉や赤湯温泉、白布温泉なんかも人気のあるところかなあと思います。
私は庄内出身なので、湯田川温泉や湯野浜温泉が馴染み深いです。

しかし小野川温泉……鶴岡市民にとっての湯田川温泉みたいな感じなのかな、きっと。
ちなみに「小野川温泉」という名前は「小野小町が病気の父の見舞いのために、京都から秋田に帰る途中に発見した」という伝説によるものだそうです。

宿泊翌日は、午前中のうちに米沢から実家方面に向かう電車に乗りたかったので、米沢駅から便が良くお湯と食事が良さそうで値段も高くないところ、という条件で見つけたのがこちらの宿でした。

1人泊で2食付きのスタンダードなプランが、平日は税抜12500円、休前日は税抜13500円というのが基本の料金です。
この日はお盆休みの真っ最中ということで、曜日は平日ですが、休前日料金でした。
繁忙期は1人泊NGにしてしまう宿も多いので、ありがたいことだなと思います。

ちゃんとした温泉旅館なのに、飲み物など持ち込み歓迎という珍しい宿

宿泊を予約したのは旅行サイトからでしたが、予約を決める前に公式ホームページを確認したところ、興味深い記述がありました。

「館内へのお飲み物などの持ち込みについて」

これを見たとき、最初は「あー、持ち込み厳禁系の宿かな。。。」と勝手に思って「違う宿にしようかしら」と思ってしまいましたw

基本的には、旅館に泊まるときは持ち込み不可だとは思うのですが、食事中におおっぴらに持ち込んだお酒を飲んだり、深夜まで持ち込んだお酒で大宴会をしたりしなければ、コンビニで買った缶ビールやジュースを部屋でちょろっと飲むぐらいは黙認してくれる宿が多いように思います。

でも、ごくたまに「持ち込みご遠慮ください」としっかり書いてある宿もありますよね。
私1人の酒量なんて微々たるものなので、コンビニで買おうが宿で買おうが大して変わりないのですが、なんとなく「なんだかなあ」と思ってしまったりするのです。
値段の問題というよりは、ビールの銘柄とか、部屋で飲むときぐらい好きなものを飲みたいから持ち込んでいるわけで。。。

しかし、この宿は違いました!

持ち込み歓迎です。
でも、なるべく小野川温泉街のお店で購入してください。

なんと……すばらしいなーと思ってしまいました。
このことを知るまでは、うめや旅館さんのほかにいくつか候補にしていた宿があったのですが、心が決まりました。

※2018年6月追記
いつの間にかホームページが新しくなり「温泉街で購入した飲食物は持ち込み歓迎」という表記はなくなってしまいました。今は、どうなっているのでしょうね。

うめや旅館さんは、小野川温泉街の中心部、観光案内所やバス停からもすぐのところにありました。
登山の荷物を背負ったままだったのでまずはチェックインして一息つきたいところです。

そんなに栄えているわけではない小野川温泉街。散歩がてら田んぼアートなるものを見に行く

フロントでチェックイン。

家族経営の旅館という感じの小規模旅館。総部屋数は10室だそうです。
30代ぐらい?のわりと若い男性が対応してくれました。(後でわかったのですが、やはり女将の息子さんでした)

実はこのとき、旅館宛てに荷物を送っていたのですが(登山に必要のない、帰省用の荷物を先に送っていた)荷物も無事に届いていて、部屋に入れてある旨を伝えていただきました。

無事に荷物が届いているのを確認し、重い登山ザックを下ろしたら、まずは温泉街に買い物に!
風呂上がりの一杯を先に買っておかなくては、お風呂に入れません。

買い物のために外に出ようとすると、チェックインの際に対応してくれた男性(女将の息子さん)があれこれ、小野川温泉周辺のオススメ情報を教えてくれました。
そのほとんどが季節はずれだったり(この季節にはもういないホタルとか。。。)車じゃないと行けない、ちょっと遠めの場所だったりしたのですが、唯一、徒歩5分ぐらいのところで「田んぼアート」なるものが見れるというので、散歩がてら出かけてみることにしました。

地図だと右下の、赤で○をつけたところです。

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お酒を買ってから歩きたくないので、まずは温泉街とは反対側の田んぼアートへ。

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旗の案内に従って進んでいくと……ありました!

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なるほど。。。前田慶次だそうですが、思っていたよりきれいですね。
何でも、もう10年もやっているんだそうです。

温泉街に戻ると何軒かの酒屋さんはちゃんと営業していたので、ビールと日本酒と山形パインサイダーを買い込んで部屋に戻ります。

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どーんと!
残ったら、おみやげです。。。
ちなみに、うめや旅館さんでも食事の際のお酒の持ち込みは禁止です。
持ち込みOKなのは部屋で飲み食いするぶんだけですのでご注意を!

【風呂】★★★★★

うめや旅館さんに泊まろうと思ったのは、持ち込み歓迎という理由だけではなく、お湯がとても良さそうだったからです。

小野川温泉では、古くからある泉温80度の源泉と、2008年に掘削された35度の源泉を混ぜて、温度調節している宿が多いそうなのですが、うめや旅館さんは35度の源泉が掘削される前から湯使いこだわりがあり、加水せずに80度の源泉を熱交換によって冷まして、かけ流しで使用しているそうなのです。

その強いこだわり……きっといいお湯ではないか?と思いました。

浴室は、男女別の内湯と、空いていれば内側から鍵をかけて入れる内湯があります。
午前9時から12時までが清掃時間ですが、それ以外はいつでも入れます。つまり宿泊すれば深夜も入浴可能です。きちんと清掃時間がとってあるのは良いですね~。

 

脱衣所は洗面所1つと脱衣カゴのみで、シンプルです。

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洗面所のアメニティは少なく、女湯でも女性用のアメニティなどは特にありませんが、ドライヤーはきちんと使えるものだったので良かったです。

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洗い場。

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ボディシャンプーとリンスインシャンプーにシャワー。こちらも必要最低限な感じ。

さて、浴槽です。

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4~5人入れば窮屈に感じそうな小さめの浴槽です。とは言え、部屋数10部屋という宿の規模には十分な広さで、お盆の真っ最中という繁忙期のこの時期なのに、浴室では誰とも会いませんでした。

湯口から新しいお湯がどんどんかけ流されています。その割りにオーバーフローしておらず、浴室の床が濡れていませんが、お湯で床が濡れないよう、排湯は湯船の中からされる仕組みだそうです。

青みがかったお湯につかると……おおお、これは、素晴らしいお湯です!
ほのかにタマゴ臭が香り、お湯はとろみを感じさせる濃厚な感触。
これは、床にかけ流したらたしかに滑りますw

湯温は41度ぐらいの適温です。
最初つかったときは、真夏に入るお風呂としては熱いかな?と思ったのですが、なぜだか、長くつかっていてもぜんぜん体に負担にならず、いつまででも入っていられるのです。

飲泉も可能とのことで、飲んでみるとうっすらと塩味がして、おいしくいただける温泉でした。
泉質は「含硫黄ナトリウムカルシウム塩化物温泉」ということで、なんだか盛りだくさんな感じですが、いかにも成分が濃そうなお湯だったので、納得でした。

内湯だけのお湯だと「露天があれば★5つ」と言いがちなのですが、こちらの宿は内湯のみですけれど、文句なしに★5つのお風呂だと思います。

ちなみに……ドライヤーは、洗面所にあるものもちゃんと使えるものでしたが、フロントに言えばPanasonicのナノケアドライヤーを貸し出してくれるそうです!
さすが!わかっておられる!!

【部屋】★★★★

今回、わけあってお部屋から先にご紹介します。

宿泊したお部屋は3階にありました。3階立てだとエレベーターがない宿もありますが、こちらの宿はちゃんとエレベーターあります!

1人泊の場合、6畳の和室に通されます。
縁側はついていないコンパクトなお部屋ですが、1人ならぜんぜん問題ないです。

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テレビ・ポット・冷蔵庫・エアコン・お茶セットなどは一通り揃っており、ウォッシュレットのトイレと洗面も付いているので何の不自由もありません。

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冷蔵庫には、有料の飲み物も入っていますが、持ち込んだものを入れるスペースも十分にありました。

また、全体的に掃除も行き届いており、清潔でした。

なんとなく、大好きな秋田の宿、駒ヶ岳温泉を思い出しました。
つまり、かなりくつろげるということですね~。

部屋に向かう途中の廊下に、漫画や雑誌が置かれているコーナーもあり、部屋に持っていって読んで良いとのこと。

山の雑誌や漫画の「岳」もあり、ちょっとうれしかったです。

あとからわかったのですが、女将が登山をする人だからのようでした。

【食事】★★★★

個室の食事処でいただきます。
チェックイン時に指定した時間になると、部屋に電話がかかってきて、2階に来るように言われます。

お部屋は3階だったので、階段で2階に向かうと、係の方が部屋に案内してくれました。
入室すると……泊まっている部屋と、まったく同じ作りの部屋に、料理がセットされています!
(それで、先に部屋から紹介しました)

ほてる千家と同じ方式ですね。もしかしたら、かつてはこのお部屋にもお客さんを泊めていたのかもしれないですね……時代と共に部屋数を減らしていったのかも。

ですが、この個室食事処方式、素晴らしいと思います。
1人泊だと人目が気になるしテレビを見ながら食べれないから部屋食がいいけど、部屋食は鍋や焼き物のにおいが残ります。
食事が終わった後、片付けに来てもらって布団をしいてもらう、というのもけっこう時間がかかるし、気も使うしで。
それらの問題が、この方式だとすべて解決なんですよね~。ほんと、いいです。

さて、食事の内容です。今回は最もスタンダードな2食付きのプランにしました。

そういえば、今気づいたんですけど、前菜らしいものがなかった?
まあ、そのへんは大した問題ではないです。

お酒は、漫画付きで「フルーティでのみやすい」とおすすめされていた生酒をいただきました。

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小さいながらもワイングラスで出てきてびっくり。

最初に卓上に並んでいた料理です。

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お刺身3点盛り。

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夏野菜の天ぷら。

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最初から天ぷらが置いてあるのはちょっと残念でしたけど、夏野菜がかりっと揚がっていて、おいしかったです。

煮物

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野菜の小鉢

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このへんを、なんとなく前菜っぽい感じで食べました。

 

そして米沢牛のすき焼き!

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肉以外の材料があまりごちゃごちゃ入ってないのが、肉の味を邪魔しなくてよかったです。


お蕎麦

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ちょっと緑がかっているのは、米沢でよく食べられている「うこぎ」という植物をつなぎに使っているからとのこと。

 

焼き魚。

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粕漬けでした。付け合わせの松前漬け共々、お酒がすすみます!


鯉の甘煮。

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「珍しいかと思いますが、意外においしいので」と案内されましたが、私は山形県内の出身なので知ってますw
骨や皮まで食べれて、本当においしいと思います。
山形と長野では鯉、食べますよね。

そしてご飯と味噌汁・香の物。

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お品書きがないのが少々残念ですが、十分に満足度の高い食事でした。

朝食。

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同じ食事処に用意していただきます。
基本的な和食ですが、どれもきちんと手がかかっており、おいしかったです。

そして……実は私、この宿には約4ヶ月後の年末にも宿泊しているんです。。。
そのときの食事内容を簡単にご説明します。

夕食。

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最初に泊まったときにあった煮物と天ぷらがなくなって、米沢の冬の名物だというとろべこ汁(牛肉と野菜の塩味の汁物)と、前菜がついていました。
とろべこ汁。

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前菜。

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それ以外の内容はほぼ同じでした。野菜の小鉢では、冬にしかとれない特別な豆もやしを使っている、と聞いたように思いますが、見た目には前回の小鉢と変わりありませんでしたw


朝食。

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こちらも概ね前回と一緒ですね。

★1個減点の理由は、季節が変わっての宿泊でも、あまり内容が変わらなかったことが一つ。
料理宿ではないので難しいのかもしれませんが、もうちょっと季節感があれば完璧だったかなーと。(とろべこ汁はおいしかったですが)
私は特に苦手な食材などないので良かったのですが、別の方の口コミで「苦手食材をあらかじめ伝えてあったのに対応してもらえなかった」と言っている方がいたので、あまり食事面は柔軟ではないのかもしれませんね。
家族経営のようですし、限界があるのかも。

でも、味は本当においしかったんですよ!
2回泊まって2回とも同じプランだったことも大きいとは思います。米沢ラーメンが出てきたり、がらっとメニューの異なるプランもあったので、違う料理コースのプランにすればよかったのかも、

もう1つは、すぐ改善できることだと思うので、宿の方に直接伝えれば良かったなーと思うんですけど、すき焼きの鍋に、食事開始と同時に何の断りもなく火を入れていってしまうことです。。。
すき焼きは、そんなにぐつぐつ煮ないほうがおいしいと思うんですよ。。。だからできればお刺身がなくなったぐらいで火をつけたいんですよね~。
先に一言聞いてもらうだけで改善できることだと思うので、ぜひそうして欲しいです。2回泊まって、違うスタッフさんに対応してもらったのに2回ともそうだったので。

【再訪したい度】★★★★★ 約4ヶ月で再訪してしまいました。

家族経営の小規模旅館ですし、粗を探そうと思えばいくらでも探せるのですが、探す気がなくなってしまうような、なんというか、居心地の良い宿でした。

最初に泊まったとき、大朝日岳に避難小屋泊した大荷物を抱えてチェックインし、滞在中にそのザックを東京の自宅に宅配便で発送したのですが、ザックをビニールでくるんでもらったりと、フロントにいた女将の息子さんにはお世話になりました。

後で挨拶させてもらいましたが、この宿の女将さんは山が好きな方で、息子さんも学生までは登山部だったんだそうです。
息子さんは「今はぜんぜん登ってないですよー」とおっしゃってましたが、女将さんは今も現役らしく、お目にかかったときはなんと!木曽駒ヶ岳の「宝剣山荘」のTシャツを着ておられました!びっくりw

チェックアウトのときは「おしょうしな~」と言って見送っていただき、実は意味がぜんぜんわからなかったのですが「ありがとう」という意味だったんですね。。。
私、同じ山形県内の出身なのに、ぜんぜん言葉が違うのですね。。。

4ヶ月後、年末に再訪した際、もしかして前回のことを覚えてるかな~?と思いましたが、2回目は山の格好をしていなかったからか「夏に登山で来てた方ですね!」みたいな再会シーンはありませんでしたw
2回目に泊まったときは、プランは初回と同じだったものの、ふるさと割クーポンを使って、5000円割引で宿泊したんですが、初回と変わらないサービスを提供していただき、うれしかったです。

また、帰省の途中や登山と絡めて泊まれるといいなあ、と思っています。