温泉ブログ 山と温泉のきろく

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書評「山でお泊まり手帳」山で泊まるワクワクを体感できる、山小屋&テント泊の女子向けハウツー本

女子向けアウトドア雑誌「ランドネ」で活躍するモデル・仲川希良さんの本

今回紹介するムック本「山でお泊まり手帳」は、女子向けアウトドア雑誌「ランドネ」などで活躍する、モデルの仲川希良さんによる「山小屋泊&テント泊のハウツー本」です。

2018年の5月、ランドネを発行しているのと同じエイ出版社から発売されました。

私自身、山で泊まることが大好きで、登山を始めて半年後に初めて八ヶ岳の山小屋に泊まった経験が忘れられず、それまで以上に足繁く山に通うようになったところがあります。
それもあって「山で泊まる」ことを主眼に置いた女子向けの本というのは気になるところがあり、今回、Kindleで購入して読んでみましたので、感想など書いてみたいと思います。

「山でお泊まり手帳」はこんな人向けの本

ここから先は、私なりの文章でこの本の特徴を紹介していきたいと思いますが、文章で伝えられることには限りがあります。本書はAmazonもしくは楽天ブックスで目次と最初の数ページを立ち読みすることができますので、興味のある方は、リンク先のページで雰囲気を確かめていただき「悪くないかも」と思われたらこの先の書評を読むと良いかもしれません。

最初から通して読んでみて、この本は下記のような方が読むと最も役に立つのではないかなと思いました。

おしゃれでかわいい写真でテンションが上がる女子

全編を通して仲川希良さん自身がモデルになり、山中や山小屋内で過ごす写真もおしゃれにかわいく撮影されています。紹介されているウェアや山道具もとてもかわいいです。
反面、山道具の機能についての解説などはあまりなく、紹介アイテムの商品名も、詳細には載っていないこともあります

たとえば本書では調理器具として「クッカー付きバーナー」の「ジェットボイルミニモ」が掲載されていました。

ジェットボイルミニモは軽量コンパクトで火力も強く、カラバリも多くてかわいいというすばらしいクッカー付きバーナーで、私も機会があれば使ってみたいと思っていたアイテムです。この本の中では、チェック柄のものの写真が掲載されていました。
そもそもご自身もかわいらしい仲川希良さんが、美しい山々を背景にかわいいクッカーでお湯湧かしてる写真なんか見ると「かわいいー!これは欲しくなる!!」と思ったりします。そういう「これを持って山に行きたい!」という「テンション上げてわくわく感を高めてくれる」という面で、この本はとても優秀です。

ただ、写真はとてもかわいいのですが、山道具の機能的な紹介はあんまりありません。また、仲川希良さんの持ち物以外のギアの紹介も多くはありません。

なので「どうしてこの山道具を選んだのか、機能的なところをもっと知りたい」とか「多くの山道具を紹介したり、比較したりしてほしい!」という用途なら他の本を選んだほうが良いと思います。それとポイントは「女子っぽいかわいさ」なので、男性にはあまり参考にならないでしょうね。

登山はまったくの初心者ではなく、装備はそれなりに揃っている

「初めての登山が富士登山」という方は別かもしれませんが、一般的には、登山を始めるのと同時に山に泊まろうと思う人はあまりいないのではないでしょうか。

それゆえ本書「山でお泊まり手帳」は、「登山の完全な初心者」は対象にしていないと思います。

たとえば「山小屋泊の持ち物、全部見せます!」というコーナーで装備の解説をしているのですが、やや詳しめに解説されているのは「日帰り装備にプラスするもの」のほうで、たとえば「レインウェア」などガチの基本装備についての解説は、ほぼないです。

山の基本装備とは?と思われた方は、こちらの記事などお読みいただけますと幸いです。

基本装備をまずは揃えて、何度か日帰り登山を経験してから読むと「山でお泊まり手帳」に書いてある内容も、よりスッと頭に入ってくるのではないかと思います。

日帰り登山がほとんどで、山小屋泊やテント泊に憧れている

やはり、初心者向けの本ではないので「登山計画の立て方」などの初心者向けの情報は載っていませんし、紹介されているルートはもちろん、宿泊を伴う登山ルートです。「初めての登山」にちょうどいい低山などは紹介されていません。

ですが「山小屋に泊まるときの○○ってどうしたらいいの?」というような「お泊まり登山」に関してのハウツーは、かなり細かいところまで網羅していると思います。女子に特化した本ですし、著者の本業はモデルさんですので、メイクや日焼け止め・虫除けについての記述も詳しいですね。

登山中のメイクのコツについては、私も↑こちらの記事で解説しています。

なので「日帰り登山は何度か経験している」人で「山で泊まってみたいけどなんだか不安だなあ」と思う人になら、役に立つ情報がかなりたくさんあると思いました。まったくの初心者であれば、少なくともこの本の前に初心者向けの本をもう1冊、読んでおいたほうが良いでしょう。

初心者向けの本と言えば、私が登山を始めたころは、鈴木ともこさんの「山登りはじめました」や、鈴木みきさんの「日帰り登山のススメ あした、山へ行こう!」を繰り返し読みました。

今読み返しても特に古さも感じず、素晴らしい本だなと思います。このあたりの書評もいつか書きたいな……。

もっと山で泊まりたい!けどいろいろわからないことがある

山小屋泊デビューやテント泊デビューは既に済ませた!
けれど本当にこれでいいの?こういうときはどうしたらいいの?と迷っている、登山自体は初心者ではないけれど「山に泊まる」ことに関しては初級者レベルの方にとっても、本書は役に立つと思います。

「持ち物」もは本当にこれでいいの?ということは、誰もが悩むことですし「女子におすすめの山小屋」や、テント泊へのステップアップ方法が気になることも多いのではないでしょうか。

力のある男性ならそんな心配は不要ですが、女子の場合「テント泊の荷物を担いで歩けるようになるのか」ということも、悩みやすいポイントの一つではないかと思います。(私はそうでした)本書には、山小屋泊からテント泊にステップアップするためのヒントも掲載されていました。

「山でお泊まり手帳」のここが良かった!お気に入りポイント

登山を始めて7年経ち、山小屋泊もテント泊も、正確には数えていませんが何十回かは経験している私です。
この本は初級者向けぐらいの本かなと思いましたので、私自身はもはや読者の対象ではないかもしれませんが、そんな私から見ても「これは良い情報が載っている!」「これは楽しい!」と思えたポイントを紹介したいと思います。

写真がきれいで、山で泊まる楽しさを思い出させてくれる

やはり、山で泊まる一番の醍醐味は「日の入り」から「日の出」までのすばらしく美しい時間を、山の中で過ごせることです。

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今はそこまでこだわりはありませんが、一時期は小屋の近くで日の出が見れるところばかり、選んで宿泊していました。

仲川希良さんにとってもそれは同じだったようで、この本には彼女がさまざまな山で出会った朝焼けや夕焼けの画像が掲載されています。本書のP.72~P.73の「朝焼け・夕焼けコレクション」には30枚ほどの朝焼けや夕焼けの写真があり、山でのすばらしい時間を思い出させてくれました。

もちろん、朝焼けや夕焼け以外の山と山小屋、星空などの写真もとても素敵です。

いきなり、月山の佛生池小屋に泊まる旅から始まる!

本書は、前書きと目次の後にいきなり「祈りとグルメの山の旅」と題した、1泊2日の山小屋泊登山のレポートから始まります。

行き先は山形県の月山。そう、私の故郷の山です。

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私のハンドルネームの「月山もも」も、この山の名前から拝借したもの。

仲川希良さんの泊まった佛生池小屋に私はまだ泊まったことがなく、実は月山にはまだ、日帰りでしか登ったことがありません。

でも、次に登るときはきっと月山の山小屋に泊まろう!と思える、山で泊まるワクワクが伝わってくる素敵なレポートでした。山のベンチで、鶴岡駅で販売しているお弁当「庄内弁」を食べるところも良かったですね。

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公式サイトより

月山に向かうバスの出る、鶴岡駅で売っているというこのお弁当、地元の有名なお肉屋さんである「ミートデリカ・クドー」で作っているそうで。一度食べてみたいと思いつつまだ食べたことがない憧れのお弁当なんですよね。。。1200円です。 

山小屋ならではのルール紹介やQ&Aがある

「山小屋ってどんなところ?(P.20~)」「知っておこう!山小屋ルール(P.24~)」や「ビギナーのためのQ&A(P.64~)」など、初心者が山小屋泊に関して悩みやすいポイントをまとめて、わかりやすく解説されています。

山小屋の室内に入るときに汚れや濡れを中に入れないこと、石鹸や歯磨き粉が使えないこと、音を立てないコツなど、ルールやマナー的なことや、「山小屋の食事って残してはいけないの?」「食べ物は売っているの?」「寝るときは携帯電話の電源を切る?」などの素朴な疑問に答えるQ&Aが掲載されているので参考になります。

また「汗をかいて髪の毛がぺしゃんこになったらどうするの?」「山で寝て起きると顔がパンパンにむくんでる!どうしたら?」など、女性ならではの悩みも交えているのもとても良いなと思いました。
山で泊まるとむくんでしまうのは、私の中でも未だ解決できていないお悩みの一つです。けっこう切実な問題だけど、対策が書いてある本はこれまであまり見たことがなかったんですよね。

春夏秋冬の行動食の紹介がある

これは「山でお泊まり」というテーマならでは!という内容ではないかもしれませんが「行動食のお楽しみ(P.40~)」というコーナーがあって、仲川希良さんの春夏秋冬のおすすめ行動食が紹介されていたのがとても良かったです。

私も以前、こちらの記事↑に書きましたが、季節によって最適な行動食って変わるんですよね。夏はチョコレートなどは溶けてしまうので溶けにくいものを探す必要があるし、汗を大量にかくので塩分などミネラルも補給する必要があります。
食感も、夏はゼリー系がうれしいけど、寒い季節はあんこがおいしく感じたり。

また、麓でその土地のお菓子を購入してそれを行動食にするという提案もあり、なんだか女子っぽくて良いなと。

実は私もときどき、夜行バスの休憩で立ち寄る諏訪湖サービスエリアで「諏訪湖豆」なるお菓子を買って行動食にすることがあります。

大豆の周りを砂糖でコーティングしてあるというシンプルなお菓子なんですが、これがなぜか、止まらないおいしさなのです。

糖質とたんぱく質が豊富で、嵩張らず軽く潰れにくい、かなり優秀な行動食だと思います。

避難小屋泊で「本当にテントを担いで歩けるのか?」の悩みを解決

山小屋泊にも慣れてきたし、クッカーやバーナーなどの山道具も揃ってきて、あとはテントと寝袋とマットを買えばいよいよテント泊できる!となったところで、女子の頭にもたげてくる一つの不安。「私、本当にテント泊装備を担いで歩けるの?」

私自身そう思いました。その不安を解消するために「山小屋泊とテント泊の間に避難小屋泊という1ステップを入れる」という一つの方法があると思います。

避難小屋とは多くの場合、屋根と板の間はあるけれど、営業小屋のように食事は出ないので自炊は必須。寝具も、毛布などの貸し出しがあるところもありますが、多くはシュラフとマットを持参しなければならない小屋のこと。つまり避難小屋泊なら「テント泊の装備からテントだけを抜いた装備」で、泊まることができるわけで、テント泊の予行練習にはもってこいというわけです。

「本来は緊急避難時に利用するものだから、避難小屋に泊まる前提で計画をしてはならない」という避難小屋も多いのですが、特に、東北地方の避難小屋の多くは宿泊が前提となっており、夏の間だけ管理人が常駐して有料となるところもけっこうあります。

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大朝日岳の山頂避難小屋


女子向けの登山の本で「避難小屋泊」について触れている本はあまりありませんが、本書には「山小屋泊」の章の後半に「避難小屋に泊まるのもおもしろい!(P.62~)」があり、仲川希良さんが宿泊した避難小屋についての紹介がありました。これはなかなかおもしろかったです。

屋久島、蔵王、朝日連峰、飯豊連峰の避難小屋が紹介されていたのですが、なんと屋久島以外の3つはいずれも山形県の避難小屋ですね。仲川希良さん、山形が好きなんだろうか……。

私自身も、あまり頻度は高くありませんが、何度か避難小屋に泊まって登山をしたことがあります。

たとえば越後駒ヶ岳の山頂直下の避難小屋、駒の小屋に宿泊した際のレポートを過去に書いています。

山頂まで20~30分。水場も近くにあり、眺望もすばらしい避難小屋でした。

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小屋の内部はこんな感じの板の間で、管理人さんがいるときでしたので、割り当てられた場所に自分のマットを敷いて寝ることになります。

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ただ、実は私自身は、避難小屋には「管理人が常駐している」ときにしか泊まったことがありません。もし、自分以外全員男性だったら?などと考えると、女子の避難小屋泊はちょっと危険な側面もあると思うんですよね。私は一人で登山をすることが多いので尚更です。

山小屋泊→テント泊のステップアップとして避難小屋泊を挟むやり方はありだなと思うのですが、女子だけで泊まるなら、管理人がいるときを選んだほうがやはり良いように思います。

テント場の選び方とステップアップ方法を紹介している

私の数少ない山仲間のL氏は、初めてのテント泊に屋久島の宮之浦岳を選び、テントを担いで淀川口から白谷雲水峡まで2泊3日で縦走したそうです。しかも、平日で避難小屋が空いていたから、結局担いでいたテントは張らないまま縦走を終えたんだとか・笑

男性ならいきなり縦走もありかもしれませんが、女子はそんなわけにはいきません。まずはテントを担いで本当に歩けるのかをごく短距離で試してみて、少しずつステップアップしていく必要がありますが、本書には女子がテント泊でステップアップしていくためのテント場の選び方が書いてあり、これはとても良い情報だなと思いました。

どのようにステップアップしていくかというと
(1)まずは山の中のオートキャンプ場で練習
→テントを立てたりテントで寝たり、野外で料理をすることになれる(テント場例:道志の森キャンプ場)

(2)一歩進んで登山口近くのテント場へ
→あまり歩かず、疲れずにテント場にたどり着いて翌朝から登山(テント場例:廻り目平キャンプ場、北沢峠長兵衛小屋キャンプ場)

(3)自信が出てきたらいざ山のなかのキャンプ場へ!

という風にステップアップしていくというわけで。実は、私自身もテント泊を始めた当初かなり近いことをやりました。

私が初めてテント泊をしたのは、大菩薩嶺の山腹にある山小屋「福ちゃん荘」のテント場です。

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最寄りのバス停がある「上日川峠」から、ゆるやかな山道を30分弱歩くだけで着く、お気軽なテント場。

しかも、1人ではなく、私より少し先にテント泊を始めていた、山仲間のL氏と同行でした。

今となっては1人でテントを担いでどこにでも行く私ですが、最初の1回は、1人では不安だったのですよね。。。

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私もL氏も初めて購入したテントはエアライズ2。張り方のコツを教えてもらい、同じテントを並べて設営しました。

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バス停からそんなに近い場所の、整備された場所にテントを張って楽しいの?と思われるかもしれません……でも、楽しかったんですよ!

最初はバス停から30分、次は50分、次は1時間半……と徐々にテントを担いで歩ける距離を伸ばしていき、3ヶ月後には常念山脈を、テントを担いで縦走していました。

なので、仲川希良さんのご紹介しているこのステップアップ方法が間違いではないことがわかります。そして、この本を読んだことで当時の、初めてテント泊をした頃の不安と期待とドキドキとわくわくを、思い出すことができて良かったです。

「山でお泊まり手帳」のここはちょっと残念かも……なポイント

1冊ですべての方面の情報を網羅することは不可能ですので「ちょっと残念」というと語弊があるかもしれませんけど「この部分の情報は他の本なりで補ったほうがいいな」と思う部分と「果たしてこれはどうだろう?」と思ったポイントも、書きとめておきたいと思います。

食べ物への執着は薄い

たぶん、私は食への執着が強いタイプなのかもしれません。
「あの山小屋は良かったなあ」と思うとき、おいしかった食事と一緒に思い出すことが多く、山小屋レポートもかなり食事写真多めになります。

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そんな私の基準で見ると、本書は食べ物の写真が小さいし少ないなあ、と思ってしまいました。

また「おすすめ山小屋リスト」というコーナーの最初に、霧ヶ峰の食事がおいしい山小屋「鷲が峰ヒュッテ」が掲載されているのですが、料理の写真は小さいやつが1枚だけだったので「もっと料理写真が見たいよー」と思ってしまい。

また、テント泊の際の料理のレシピも少し載っているのですが「これを作ってみたい!」と思えるほどの魅力的なメニューはありませんでした。
まあ、私自身、山ではカレーとかパスタとかしか作らないことがほとんどなのですが……。f:id:happydust:20180621023430j:plain

ただ言えるのは「山でガッツリ料理したい」なら、それ専用の本を買ったほうが良いだろうということです。

実は私も、何冊かは持っています。。。

フライパン1つで簡単に作れるアウトドア料理本。読んだら、山用の軽量コンパクトなフライパンが欲しくなりました。

山小屋でワンピースを着てると正直浮くし、足が冷える

「必要不可欠ではないけれど、どうしても山に持っていくことを諦められないもの」として、仲川希良さんは「ワンピース」をあげています。山小屋でのリラックスウェアとして、ゆったりと着れるワンピースを持っていくのだそうです。実際にこれまで購入したワンピースや、山小屋でワンピースを着ている仲川さんの写真も何枚も載っていました。

そう言えば、鈴木みきさんの著書には、ワンピースではないのですけれど「薄手のロングスカートを山小屋のリラックスウェアにすると良い」とありまして。実は私も最初「それはいいかも!」と思って1枚購入したんです。それで何度か山に持っていったのですけど、結局山小屋でロングスカートを履くことはありませんでした。だってそんな服誰も着てないんですもの!目立っちゃうよ!!

仲川希良さんはそもそもがモデルさんで、放っておいても目立ってしまうでしょうし、恐らく1人ぽつんと山に行くようなことはないでしょう。そういう人が着るぶんには良さそうだけど、私が着るのはちょっと難しいわ……悪目立ちするだけだわ。

それに、スカートってなんだかんだ足が冷えるんですよね。私は、普段の私服は実はスカートやワンピースが多いのですけど、山小屋内ではいつも「ロングパンツ&ウールのタイツ」です。

このブログでも何度もご紹介しているノースフェイスのアルパインライトパンツは、ラインがとてもきれいで生地の強度もトレッキングパンツとして十分なのに、ものすごく伸縮性があって寝るとき履いていてもまったく疲れない、というすばらしいパンツです。

最近は、山小屋でもずっとこのパンツを履いています。まあ、好みの問題とも思いつつも「山小屋でワンピースはかなり上級者向けの装備だぞ!」と突っ込みたくなってしまいました・笑

山小屋では着ないですが、実は下山後の着替えとしてワンピースを持っていくことはよくある私です。トップスとボトムス、できれば下山後に両方着替えたいけど、パンツを持っていくと嵩張ってしまうので……シンプルな皺になりにくいワンピースなら、荷物を減らすことができるのですよね。

ルートの説明がわりとあっさりなので他の情報で補足は必要

本書には、山小屋やテント場の紹介と共に「そこで泊まるための登山プラン」の紹介も一応書いてあります。ただ本当に「一応」という感じで、初心者がルートの決めるための参考にするには、かなり心許ない感じです。

ごく簡単な地図と、所要時間の参考値が書いてあるだけで、どんなルートを歩くのか、岩場があるか、水場はあるか、などの情報はありません。

地図さえあればルートガイドなんて必要ない!というレベルの方は、おそらく本書を手に取ることもないのではないかと思うのですよね……。なので、登りたい山が決まったら、登山ルートを解説している本も読んでおいたほうが安心です。というか、私自身は初心者のころそうしていました。

本書を出版しているエイ出版からも、こういったルートガイド本が山域ごとに出ていますし。

先日は、あのヤマレコからも登山ルートガイドが発売されましたね。

このヤマレコの本も読んでみたいのですが、電子書籍では現在出ていないみたいなんですよね……。Kindleで出してほしいです!

おすすめテント場の紹介はもっとバリエーションあればうれしかった

「おすすめ山小屋」が9軒と、おすすめテント場が5箇所紹介されていたのですが、上から目線で申し訳ないですけど、どこもいいチョイスです!

山小屋では、私もブログでレポートを書いている三斗小屋温泉の大黒屋さんも紹介されていました。

テント場では、やはりこのブログでもレポートしている、木曽駒ヶ岳の駒ヶ岳頂上山荘が一番に紹介されていました。

本当にすばらしいテント場で、ほぼ毎年泊まりに行っている私です。。。ロープウェイでかなり高いところまで行けるので、高山のわりに歩く距離は短いですしね。

でも、欲を言えばもっとたくさん紹介して欲しかった!もっともっとたくさん、素敵なテント場があるので!!

本書で紹介しているテント場は「木曽駒ヶ岳頂上山荘」「上高地の小梨平のキャンプ場」「尾瀬の見晴キャンプ場」「立山の雷鳥沢キャンプ場」「山梨の四尾連湖水明荘キャンプ場」の5つ。

おそらく、女子向けということであまりたくさん歩かなくて良いキャンプ場をチョイスしているのだとは思います。でも「たくさん歩かないといけないけれど、いつか行きたい憧れのテント場」も、一つ二つ紹介しても良かったのになあ、なんて。

たとえば燕岳の燕山荘のテント場。

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実は私も、雪のある時期にはここでテント泊はしていないのですが・笑

白山の南竜山荘のテント場。

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そして、雲ノ平のキャンプ場など。

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テント泊を始めたころはこういう憧れのキャンプ場に思いを馳せて、いつか行きたいと思いながら日々歩いていたように思います。
テント泊の荷物は重いけれど、いつかあの場所まで歩いていくためならば、がんばる力が湧いてきたのです。

だから、すぐに行くことはできなくても、ちょっとレベル高めのキャンプ場の紹介も、少しはあっても良かったんじゃないかなーと思いました。

【まとめ】山で泊まるときのドキドキが伝わってきて、あの頃を思い出させてくれた

本書は「この本を1冊読めば山小屋泊もテント泊も完璧!」な本ではありません。そもそもそんな本はないとは思いますけど、一般的な登山ガイド本と比較しても、浅く広いハウツー本です。

でも、他の本にはあまり載っていない、女子ならではの悩みを解決するための情報は幅広くフォローされていますし、何よりも「山に泊まりたい!」テンションを高めてくれる本なことは間違いないです。

私自身「今年の夏はどこでテント泊しようかな~」という気持ちが、読んでいてじわじわと盛り上がってきました。テントは、重いですけどねw

それと、読んでいて「そうだよな。女子ってこういうことに悩みがちだよなあ」という、登山を始めて間もないころの悩みや迷いを思い出させてくれるきっかけにもなりました。いつかブログにも自分なりのQ&Aをまとめてみたいなと思っています。