温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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登山歴3年目、奥秩父の甲武信小屋滞在中に経験した出会いのすべて【山で婚活できるかな?その2】

そこそこ若い男性は、登山にハマるとテント泊してしまう

女が1人で山に登っていたら、登山が好きな男性と知り合えるのではないか、というテーマの記事、後編のその2です。ナンバリングややこしいですね。。。

その1はこちらです。

その1では、登山を始めて2年目、テント泊で常念山脈を縦走した際の出会いについて書きましたが、今回は山小屋泊での出会いです。

テントを買うとほとんど山小屋に泊まらなくなる人も多いのですが、私は山小屋泊も好きなので、今でもシーズンオフの空いているタイミングを狙って、よく泊まります。

そこそこ若めの男性は、登山にハマるとテントを買ってしまう人が多いので、山小屋で出会う男性は実は年配の方が多いのですが……とは言え山小屋で出会いがないわけではもちろんないのです。

登山歴3年目の11月 小屋閉め直前の甲武信小屋での出会い

登山歴3年目の11月中旬、私は西沢渓谷から徳ちゃん新道を上り、甲武信岳に向かっていました。もちろん今回も1人です。

この日は山頂直下にある甲武信岳に泊まり、翌日また徳ちゃん新道を下って西沢渓谷に下山する計画。紅葉が終わった後の甲武信小屋は比較的空いているので、実は宿泊するのはこのときが3回目でした。毎年泊まっているというね。。。

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山の中の木々はもうほとんど葉を落としており、樹林帯を歩いていても明るいです。

甲武信岳は標高2475メートルと、奥秩父の山の中でもまあまあ高い山なんですが、2000メートルを超えると針葉樹には霧氷がつき、青空に映えて美しかった ですね。

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何度か雪も降ったらしく、小屋に近づくにつれて登山道にも積雪が。

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この時期はチェーンスパイクが役にたちます。

甲武信小屋に着きました。やはり、雪が積もっていましたね。

f:id:happydust:20171018025816j:plainテント泊は寒そうだなー。

私は、暖かい小屋で受付を! 

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甲武信小屋は大きな小屋ではありませんし、小屋で購入した缶ビールの空き缶も持ち帰らなければなりませんが、混んでいなければなんとなく落ち着く、温かい、いい小屋なのです。

ちなみに、小屋自体は古いのですが、トイレは新しくてとてもきれいです。

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清潔に掃除された水洗トイレです。もちろんトイレットペーパーも有り。テント泊のときも同じトイレを使います。

受付をすると、その日寝る場所を番号で指定されるので、荷物を持って2階へ。ちなみに甲武信小屋は「要予約」の小屋です。 

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2階はすべて寝室。大部屋タイプです。
布団は1人につき1枚あるようなのでよかった。まあ、この季節は土曜日でもそこまでは混みません。甲武信小屋が混み合うのは6月、石楠花の季節ですからね。。。

荷物を置いて布団でちょっとごろごろしていると、あっという間に日暮れの時間です。日が暮れる前に山頂に行かなくては。

というわけで、小屋から15分ほど登って山頂へ。

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15分とは言え、雪の積もった薄暗い山道を歩くことになるので、足元が危うくなるのが不安で、山頂に行くまではお酒が飲めないんですよね。私はね。。。

ちょうど日暮れに間に合いました。

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甲武信小屋のオーナーの徳さんも、晴れた日の日の出と日の入りの時間には山頂で写真を撮られています。この日もいらっしゃってましたね。

日が沈むと小屋に戻り、夕食の時間までストーブのそばでお酒を飲むことに。
甲武信小屋はお酒のメニューは多くなく、スーパードライの缶ビールと焼酎、日本酒は、ワンカップか紙パックのお酒があるぐらいです。
また、小屋で購入した飲み物の空き容器も自分で持ち帰らなければならないので、甲武信小屋に行くときはつい、お酒を持参してしまう私です。普段は買うことが多いんですけどね。。。

この当時はホットワインに凝っていて、自分でホットワイン用のスパイスを持ってきて、ワインで煮出して自作していましたね。

こういうスパイス↑を、バーナーで温めたワインに入れて煮出すんです。

作っているときにシナモンなどのいい香りがするので、よく「何を作っているの?」と聞かれるんですが、このときもそんな風に声をかけてきた人がいました。

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それが、Kさんです。甲武信岳のKということで。
聞けば私と同世代で、東京にお住まいの方でした。

基本的に、小屋泊する若い人は少ない

先にも少し触れましたが、若くて体力がある方は、登山にハマるとテント泊装備を買いそろえてしまい、テント泊しかしなくなってしまう方が多いです。
それでも夏の北アルプスの山小屋なら若い人もたくさん泊まっていますが、奥秩父の紅葉が終わった小屋閉め直前の小屋に泊まりに来る人は、私自身も含め、わりとマニアなような気がします。。。

この日泊まっていた若めの人は、私とKさんぐらい。それで、夕食までお酒を飲みながらお話しをすることになりました。

テント泊の場合は、それぞれに個室があるわけですし、出会いはあるようでないといいますか、個室にこもってしまったらもう出会えません。でも小屋泊だと、居場所が談話室やストーブ・こたつの周りなどに限定されるので、初対面の方とお話する機会がむしろ多いんですよね。
それに、年配の方が圧倒的に多いので「同世代っぽくて、お互い単独」というだけで、仲間意識のようなものが生まれやすいように思います。

聞けばKさんは今年の夏に登山を始め、今は毎週のように登りまくっているとのこと。

「来年はテント泊をしたいけど、まずは冬山装備を揃えてからと思って。この前少し雪が降ったけど、まだ登れる山はどこだろうと思って調べてここに来ました」

とのこと。おお、まるで2年前の私のようだ。
私も初めて甲武信小屋に来たときは「この季節にまだ登れる山はどこなんだ」と調べて、今とまったく同じ季節、小屋閉め直前にここに来たんですよね。それで気に入ってしまって、毎年のように来ているんだけども。

これまでどんな山に登りました?というような定番の話題で盛り上がっていると、夕食の時間になります。甲武信小屋の小屋番の爪ちゃんに

「おや、今年も来たんだね。一緒にいる人は旦那さんなの?」

と声をかけられます。

「ちがいますよーw さっきそこで会ったんですよね。」

と返したけれど、そんな風に見えたのでしょうか。
いや、山の人は男女が2人で一緒にいるとすぐそんな風に言うからな。

甲武信小屋の夕食はカレーと副菜、ゼリーです。 

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いつものメニューではありますが、甲武信小屋のカレーはとてもおいしいのです。

食事後もストーブの近くで少し飲みながらKさんとお話をしました。
明日の行動予定の話になると、彼は明日の午後から用事があるとかで、日の出前に小屋を出て下山してしまうんだそう。

「明日は天気が良さそうだからきっと、山頂から日の出がきれいに見えそうですよ」

と私が言うと、彼は

「そうか、それは残念だなあ。じゃあ、日の出のいい写真が撮れたらメールで送ってもらえますか?」

と言い、それで連絡先を交換することになりました。交換スムーズだな!
常念山脈縦走中の苦い記憶を、このとき思い出したかどうかは定かではありませんが、甲武信小屋は携帯の電波もそこそこ入るので、メールアドレスを交換します。

ちなみにこのときは2013年。LINEも普及し始めていたように思うのですが、交換したのはメールアドレスでしたね。Kさんははそのときまだ、ガラケーユーザーだったのかもしれません。

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その日は消灯時間ぎりぎりまでお話してそれぞれの寝床に戻ります。翌日、日の出を見るために早朝外に出たときには、彼はもう出発したあとでした。

11月中旬の夜明け前はめちゃめちゃ寒かったですが、予想どおり、日の出はとても美しかったです。 

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朝焼けに染まる富士山も美しい。

 

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満足して山頂をあとにし、 小屋で朝食をいただいて帰りました。

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下山して温泉に入っていると「日の出は見れましたか?」というメールが届きました。

帰りの電車の中から日の出の写真をメールで送ると

「うらやましいなー。次は自分も日の出を見れるような計画立てたいです。来週はどこか登る予定ですか?」

という返事が来て、それからは定期的に「今週は○○山に登りました」というような、近況報告をメールで送り合うようになりました。

このままメル友で終わるのかしら、と終わっていたらば

実を言うと、山で知り合って連絡先を交換した男性と、少しの間メル友のようになったのはこれが初めてではありません。

休みが合わなかったり家が遠かったりして、連絡先は交換しても、街で会ったり一緒に山に行くのは厳しい場合もありますし、単に「会うほどではない」ってこともあると思います。

しかし、Kさんからは1ヶ月ぐらいメールをやりとりした後に

「この冬、一緒に安達太良山に行きませんか?くろがね小屋に泊まって」

という誘いを受けることになりました。

ワンダーフォーゲルという山雑誌に、くろがね小屋のすばらしさが書かれた記事が載っていたんだそうです。

こちらは↑掲載号ではなく、最新号です。

「温泉にも入れるし、小屋の食事はカレーなんだけど、食材だけ持っていけば、なんと土鍋とカセットコンロを貸してくれて、鍋ができるんだそうですよ!」

とのこと。なるほど、それは楽しそうね。
「いいですね!ぜひ行ってみたいです」

と返答し、具体的な計画を立てることになりました。

Kさんの立案した安達太良山登山計画に驚く

私にとっては3度目の雪山シーズンでしたが、Kさんにとっては初の雪山シーズン。
安達太良山は冬山登山としては初級レベルの山ですが、装備とか大丈夫なのかな?とちょっと不安に思ったのですが、なんとKさんは、東京都山岳連盟が主催する雪山教室に申し込んで、つい先日谷川岳で雪山訓練をしてきたとのこと。

それならきっと心配ないし、むしろ頼もしいなあとホッとしたところで、具体的な計画を立てることにしました。

安達太良山は福島県の山で、登山口がスキー場なので冬の間は郡山駅から直通のバスが出ていることがわかりました。

それで「郡山まで新幹線か高速バスで行って、直通バスに乗る」 というプランを提案したところ「まだ出会ったばかりで信用してもらえるかわからないけど、もし嫌じゃなかったら、自分が運転するからレンタカーを借りていかないか」と言われます。

うーん、初めての2人での登山が車で長距離移動で東北って、なんか、1年前に婚活サイトで出会った百名山ハンターのMさんのことが思い出されて、あんまりいいイメージはないのですが。

でもまあ、ここはいったんひいて「わかった、それでもいいですよ。土曜に登って日曜に下山する予定で大丈夫?」と聞き返したのです。

しかし、それに対する彼の答えは驚くべきものでした。

「うん、土日でいいんだけど、せっかく福島まで行くのだから、日曜日に安達太良山を下山した後、日帰りで磐梯山も登りに行かない?

え?

たしかに、日曜日はくろがね小屋から下りてくるだけだから午前中のうちに下山できるとは思うけど、それから車で磐梯山の登山口に移動して、磐梯山を登るの?

あり得ない……いや、あり得る人にはあり得るのか?

うーん、夏山ならまだ理解できなくもないけど(私は夏でもやりたくないですけどね)冬山で一泊した後は、ウェアや手袋なんかの装備も湿っぽくなっちゃうし、それでもう一山って本当に、つらそうとしか思えない。

どうしてそんなに、生き急ぐかのようにたくさんの山に登りたいの?来年もまた登れるよ!

教訓:百名山ハンターとはやはりいろいろ難しい

Kさんもやはり、百名山ハンターだったんですね。
「百名山完登を目指してるから、できれば一山でも早く登りたいんだよね」
とその後言われました。

ですが私は「きっとこの人と一緒に登っても楽しくないな」と思い、一緒に登山すること自体をお断りしてしまいました。

きっとKさんは、私に女として興味があったのではなく、遠くに登山に行くときにレンタカー代を割り勘できる、登山レベルがだいたい同じぐらいの山仲間が欲しかったんでしょうね。

まあ、それならそれで、やっぱり登山に対する考え方がある程度近い人と一緒に登ったほうがいいと思ったんです。

安達太良山には後日、貴重な山仲間であるL氏と一緒に登り、とても楽しかったです。

↑こちらの記事内でも紹介していますが、たしかにくろがね小屋では「カセットコンロとガスと土鍋」をセットで1000円でレンタルできます。ただし、先着順・かつ電話予約が必須です。

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一度だけ鍋もやってみましたが、なかなか楽しかったですよ。
2人だと完食するのが大変でしたけどね。。。

奥秩父や丹沢の山小屋は、出会いが生まれやすいスポットなのかもしれない

山小屋泊をする若めの登山者は少ないので、会話が生まれやすいことは先にお話したとおりですが、そこでさらに「住まいが同じ地域」だったり「登山歴が同じぐらい」だと、それだけでかなり話が盛り上がってしまうことが多いです。「同じ地域」というのはまあ「同じ都道府県」ぐらいでしょうかね。私は都民ですが「千葉から来た」と言われると「近いですね!」とはあまり思わないので。

甲武信小屋をはじめとした「奥秩父の山小屋」や、神奈川県の丹沢の山小屋は、もしかしたら首都圏在住の登山者にとっては出会いの生まれやすい場所なのかもしれません。アルプスの山小屋は、出会いは多くても全国各地から人が集まってきますが、奥秩父の山小屋に泊まっている人は、8割ぐらいが首都圏から来た人でしたから。。。
先に紹介した常念山脈縦走中の出会いのように、話は盛り上がっても「東京と九州」では、なかなか、次に会う予定も立たないですからね。

実は、私の貴重な山仲間であるところのL氏とD氏とも、奥秩父の金峰山小屋で出会いました。3人とも単独で、同世代で、登山歴も同じぐらいだったので、打ち解けやすかったんですね。

もしも、単独登山女子を口説いて一緒に山に登りたいのなら

実を言うと、山仲間のL氏も多少、百名山ハンターのケがありまして……彼が1人で登山した話を聞くと「私なら絶対そんな計画立てないな」というような、時間に余裕のない縦走計画を立てていたりするのですが。

でも、L氏は一緒に登山するときは計画を私に任せてくれるんですよね。
私が計画すると、登るのは楽で安全なルートで、温泉が中心の山行になるんですけど、それでもいいと言ってくれる人だから一緒に登れるんだろうなと。

私がわがままでこだわりの強い登山者なことは間違いなく、だからこそ常々1人で登っているわけですが「山と食欲と私」を読んでも、女一人で山に登ってる人はだいたい似たり寄ったりなのかなあと思ったりもします。

なので、もしも単独登山女子と仲良くなって一緒に山に登りたい!という、奇特な男性登山者がいらっしゃいましたら、計画は女子のほうに任せちゃったほうがいいんではないかなと。

体力面ではどうしたって女子のほうが劣りますから体力ないほうに合わせたほうが無難ですし、いつも1人で計画してますから、計画するのは別に苦にならないですしね。

さて、シリーズ最終回の次回は「同じ年に別の山で同じ人に会っちゃった!」という出会いです。お楽しみに♪

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