温泉ブログ 山と温泉のきろく

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週末のみ冬季営業中の金峰山小屋に泊まり、厳冬期の金峰山に登る山旅

金峰山小屋は1月は毎週末冬期営業をしている(要予約) 

長野県と山梨県の県境にある金峰山の、山頂直下にある金峰山小屋は、4月下旬から11月中旬ぐらいまでを営業期間としており、11月下旬~4月中旬までは冬季休業となります。

しかし実は、年末から三が日ぐらいまでは年末年始営業、その後1月中は週末のみ営業しているんです。

f:id:happydust:20180302183712j:plain山頂直下の金峰山小屋に泊まれば、晴れれば美しい日の出を眺めることができます。日の出を待つ間はめちゃめちゃ寒いですけどね……。

2018年の1月中旬に、山仲間のL氏と一緒に行ってきましたのでレポートしたいと思います。

11月に行ったばかりだけれど、1月にまた行ってきた

実は、金峰山には2017年の11月、金峰山小屋の小屋締め直前に泊まって登ってきました。

このときは、本当は甲武信岳まで縦走するつもりだったんですけど、例年より雪が多くて時間がかかりそうだったので甲武信岳に行くのはやめて、瑞牆山荘から金峰山の往復に変更したという山旅でした。1人登山は無理は禁物なのです。(もちろん、2人以上なら無理してよいということはないですが)

縦走をやめていったん金峰山小屋に戻って来たとき、管理人の吉木さんに「まあ、うちは年末年始もやってるし、1月中も週末は営業するからまた来たらいいよ」と言われ、ああそうだ金峰山小屋は週末の冬季営業があるんだった、と思い出したんですよね。それで、じゃあ1月の週末に、今度はL氏と2人で行こうかなと思い、今回の計画を立てました。

冬期営業の予約は遅くとも3日前までに

金峰山小屋は、オールシーズン予約必須の山小屋ですが、冬季は特に、遅くとも3日前、水曜日までに予約を済ませておいたほうがよいです。

というのも積雪期は、小屋番さんも週末しか小屋にいないんですよね。人数も最小限です。
そのため、食材も予約があった人数分だけを金曜日に荷揚げし、土曜日に宿泊客を迎え入れて日曜日には小屋番さんも山を降りる、というスケジュール。なので金曜日に「明日泊まりたいんですが」と電話しても、食材の用意が間に合わないというわけです。そんなわけでご予約はお早めに。

ちなみに公式サイトの予約フォームからも予約できますが、電話予約なら登山道の状況なども都度教えてもらえますので、1週間前ぐらいに電話で予約するのがベストかなと思います。

今回私は1週間前に電話で予約をしたんですが「積雪状況は小屋の周辺で30cmぐらい」とのこと。あれ、それって11月に行ったときと変わらないのでは。あのときは「今年は雪多いのかな」と思ったけれど、雪が降るのが早かっただけで12月~1月の間はあまり降らなかったんでしょうかね。

新型車両のスーパーあずさに乗り、韮崎駅へ

立川から、特急スーパーあずさ1号に乗り、韮崎駅へ向かいます。
土曜日のスーパーあずさ1号は、夏山シーズン中は1週間ぐらい前に満席になってしまうことも多いのですが、今回は数日前の予約でも空席がありました。

何も考えずにホームで待っていたらば……なんと、2017年12月にデビューしたばかりの新型車両じゃないですか!!

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新型車両は、車両内に荷物置き場があるほか、全席コンセント付きなのがすばらしいですね。

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調べると、現在は1日4往復運行しているようです。

trafficnews.jp

小屋泊のザックならまだ、頭上の荷物棚に載せられるのですが、テント泊のときは置く場所がなくて困ることがあるので、荷物置き場があるのは本当にありがたいです。

韮崎駅から予約したタクシーで瑞牆山荘へ

韮崎駅で同行のL氏と合流し、予約していたタクシーに乗車します。今回も須玉三共タクシーです。

1時間ほどの乗車で瑞牆山荘へ到着。

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料金は前回同様1万円少々かかりました。帰りは増富温泉まで歩くので、L氏と割り勘して1人5000円ならまあ、許容範囲かなと。。。

瑞牆山荘から金峰山小屋へ

登山口の瑞牆山荘からしばらくは、まったく雪がありませんでした。これは前回の11月下旬のときと同様ですね。

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少し雲はありますが、瑞牆山の美しい姿が見えました。

富士見平小屋。こちらも営業しています。 

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雪はまだありません。ここでトイレを借ります。

富士見平小屋から大日小屋の間あたりで、凍結箇所がちらほら現れ始めるので、頃合いを見てチェーンスパイクを着けます。

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大日小屋でこんな感じ。
登山道の状態が「凍結がところどころに現れる」ときは、チェーンスパイクがあると非常に便利です。

大日小屋を通過すると、一気に全面凍結状態になります。

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「積雪後に雨が降って少し雪が溶けた後に凍結した」感じですね。
本当にどこもかしこも凍っているうえに、このあたり、わりと傾斜も急なんです。チェーンスパイクの短い爪では刺さらなくなってきたので、前爪のあるアイゼンに交換します。

奥秩父の山は冬でも、標高の低いところはあまりガッツリ雪がついていないことが多いので、チェーンスパイクと前爪のあるアイゼン、両方あったほうが安心です。

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稜線が近づいてくると、凍結路というよりは雪道になってきます。
「大日岩から稜線に出るまで」が、歩いているとかなり長く感じるんですよね。周辺の木が低くなって「空が近くなった」感覚があると「もうすぐ稜線だな」と思うんですけど、金峰山の場合、それが案外フェイクなことが多くて・笑

木が低くなったり、また高くなったりを繰り返していい加減疲れてきたところでようやく稜線へ!

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おや、やっぱり雪の量が、11月から増えていないよ。。。
しかし、時計を見ると11月のときよりも、稜線に出るまでに時間がかかっていますね。途中凍結がひどくて慎重に歩いたのと(前回はそこまで凍ってはいなかった)今回2人なので、喋りながら歩いているのが時間がかかった原因でしょう。

というわけで、11月に1人で登ったときは初日に山頂を経由しましたが、今回は山頂は明日に回して、途中の分岐から直接金峰山小屋に向かいます! 

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少し雲も出てきて、富士山も隠れてしまっていたしね……。
金峰山小屋が週末しか営業していない時期ですので、小屋に向かう道はあまり歩かれていないようで、かなり雪が深かったのですが、かろうじて一つだけ足跡があったので、その上を踏んで小屋に向かいます。

f:id:happydust:20180303133753j:plain15時過ぎに、無事に金峰山小屋に到着!

小屋のガラス窓に「冬季閉鎖中」と紙が貼ってありました。

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週末以外はトイレも開放していないそうです。以前は、管理人がいない日に冬季小屋やトイレを開放していたこともあったのだそうですけど、アイゼンのまま入ってしまう人が多くて、設備が傷むからやめてしまったんだとか。

チェックインして夕食の時間を待ちます。
金峰山小屋の設備などについてはこちらの記事をご参照いただければと。

ちなみに看板犬のゆずひこくんはこの日は小屋におらず、ゆずひこくんに会うのを楽しみにしていたL氏は、ちょっとしょんぼりしてました。

「冬季営業中はいないのかな?」と思ったらそういうわけではなく「オーナーの吉木さんがいない日はゆずひこくんもいない」のだそうです。
この日は宿泊客がかなり少なかったこともあってか吉木さんがおらず、女性の小屋番さん一人で営業されてました。

吉木さんは前日荷揚げのために一度登ってきたそうで、そのときはゆずひこくん、一緒についてきたんだそうですけど、吉木さんが下山したので一緒に下りてしまったんだそうです。というか、家でのんびりしてればいいのに荷揚げだけでもゆずひこくんが同行してることに私は驚きましたよ……。

金峰山小屋の冬季夕食メニュー

夕方6時ごろ、お待ちかねの夕食タイムです。
実は、無雪期と、積雪期の週末営業では少しメニューが異なるのです。

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チキンステーキにたっぷりのサラダのワンプレートディナー、ワイン付き。ご飯が見えないですが、チキンの下にご飯があります。
ここまでは一緒なのですが……デザートになんと、ケーキが付くのです!

以前冬に来たときはチョコレートケーキだったのですが、今回はアップルパイでした。 

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夏の間は「メロン」や「ラフランス」などのフルーツがデザートだったんですけど、冬はケーキなんだそうです。宿泊客が少ないのと、荷揚げがその都度だからなんでしょうね。

チョコレートケーキのときもおいしかったんですが、アップルパイも、パイはしっとり、りんごがゴロゴロ入っていてかなりおいしいパイでした。

そして、カレーもあります。 

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プレートディナーを食べ終わってから、自分で食べられるだけご飯とカレーをいただく方式です。

私は金峰山小屋のこのカレーが大好きで……ちょっとスパイシーだけど辛すぎず、キノコとか入っていてめちゃめちゃおいしいのですよ。

ワインを飲み終わった後は、熱燗を注文しました。 

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カレーと熱燗というよくわからない組み合わせですが、おいしかったです。

雷鳥のゆるキャラっているの?

先日ツイートしたのですが、この日の夕食後に同行のL氏が「雷鳥のゆるキャラっていないの?」と急に言い出しておもしろかったです。

なんでゆるキャラの話になったんだろう。。。

ちなみに、フォロワーさんに教えていただいたんですが、雷鳥のゆるキャラ、いくつか見つかりました。

松本山雅FCのマスコットキャラクター、ガンズくん。

www.jleague.jp

あまり、ゆるくはない。。。しかし、Jリーグのマスコットキャラクターってけっこうマスコットのランク(?)としては上のほうでは。かなり広報活動してそうだし。

あとは立山町のマスコットキャラクター、らいじぃ。

yuru-character.com

らいじぃ、Twitterもやっているし、ゆるきゃらグランプリにも出てるし、LINEスタンプも出てるし、けっこうがんばってるじゃないか!
というわけでL氏に今度教えてあげようと思います。

ちなみにこの後私が「LUNA SEAのSUGIZOが好きで昔ファンクラブに入っていた」という話をしたらばL氏は

「スギゾーっていう人、以前ゆるキャラと対決していなかった?」

などと言い出して、なぜかこの日はどこまでもゆるキャラから離れられないL氏なのでした・笑
ちなみに、ゆるキャラと対決してたのはやっぱりYOSHIKIでした。そうだろうと思ったよ。。。

朝食前に日の出を見るために山頂を往復

この日の日の出は6時45分ごろ。1月は日の出が遅いですね。。。
金峰山小屋は日が上るのとは逆側の斜面に立っているので、ご来光を見るためには山頂まで15分ほど登らなければなりません。

小屋の朝食は6時30分からだったのですが「日の出を見た後に戻ってきて朝食を食べるのでもいいですよ」と言われたので、そうすることにしました。

これまで何度か、朝食は小屋で食べずに日の出前にすべての荷物を持って頂上に上がり、日の出を見たら小屋には戻らずにそのまま下山(あるいは縦走)するということをよくやっていたのですが、今回はまあ、たまには趣向を変えて小屋で朝ご飯をいただくのもいいかなと。

メインの荷物は置きっぱなしで、ほぼ空身で五丈岩の前まで来ると、空が赤く染まり、日の出まであともう少し!という絶好のタイミングでした。

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冬の間は、あまり早く山頂に着いてしまっても、寒くてつらいんですよね。

五丈岩~山頂周辺を歩き回って、朝焼けに染まる山々を撮影します。 

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五丈岩と富士山、絵になりますね。

少し山頂のほうに上って五丈岩を撮影してみたところ。それにしても今日は天気がいいです!雲がまったくありません。

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五丈岩の背後に見える南アルプスもきれいです。

南アルプス、真っ白ですね。 

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浅間山も大きく見えました。 

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そして八ヶ岳。美しい。。。 

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実は、金峰山の山頂碑で写真を撮ると、バックにちょうど八ヶ岳が写るんです。

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朝焼けのタイミングで記念撮影などすると、楽しいかもしれないですね。私は、何度も登っているし寒いので記念写真は撮りませんでしたが。。。

そうこうしているうちに、いよいよ日が昇りそうです。 

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赤く染まった空の一箇所がオレンジっぽい色に変わり、オレンジ色の範囲が徐々に広がっていきます。

日の出です。 

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昇るまでは長いけど、昇るときはあっという間なんですよね。。。 

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日の出と富士山。 

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金峰山の山頂からは、日の出と富士山を一枚の写真に収められるのが素敵ですね。 

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私の経験では金峰山は比較的、早朝の時間帯に晴れることが多く、ご来光を見れる確率が高い山だと思います。しかしその中でも今回の日の出は、富士山の周りにだけ雲海があって他には雲もなく、朝焼けも美しくコンディションの良い日の出でしたね。

金峰山小屋の朝食が中華粥に変わっていた!

さて、小屋に戻って朝食です!
金峰山小屋の朝食は昔からずっとお粥なんですが、実は私は白いお粥がそんなに好きではなく……それもあってここ数年は、朝食はいただかずに出発することが多かったのです。

ちなみに、以前いただいたお粥の朝食はこんな感じです。

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以前の金峰山小屋の朝食

副菜がたくさんあって見た目にはとてもおいしそうなんですが、そんなにたくさん食べたいものではないなと。。。

というわけで金峰山小屋で朝食をいただくのはひさびさだったのですが、なんとメニューが変わっていました。

中華粥です!うれしい!!

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小松菜やネギのような青い野菜と生姜、それと今回は鶏肉が具として入っていました。具は鶏肉の代わりに海老の日もあるそうです。

中華スープで炊いているのでしょうか。ほんのり塩味と生姜の風味がして、大変おいしかったです。これなら次回も小屋で朝食をいただくのもいいな……なんて思ってしまいました。

金峰山小屋から瑞牆山荘に下山し、増富温泉まで歩く

朝食をいただいた後は、元来た道を下山します。

八ヶ岳の手前に見える岩がゴツゴツしている山が瑞牆山ですね。距離的にはあの近くまで歩いていくことになります。 

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天気がいいので稜線歩きが楽しい!けど 、稜線はすぐに終わってしまうんですよね……。

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稜線が終わった後大日小屋までは、急勾配の凍結路を下っていくことになります。

大日岩。空が真っ青ですねー。

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この岩の周辺は風が強いので、雪があんまりありません。

大日岩の周辺が、遠くの山々を眺められる最後の眺望スポットでしょうか。 

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あとはゆっくりと樹林帯を下っていきます。

無事に、登山口の瑞牆山荘に着きました!お疲れさまでした。 

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しかし、冬の間はまだ終わりません……バスが出ている増富温泉まで、ここから2時間林道を歩きます。

冬季の林道歩きは凍結がひどいことも多く、以前冬に来たときはチェーンスパイクを使いつつ歩きましたが、今回は凍結もほぼなくて普通に歩けました。
2時間の林道歩きは1人だとさすがに退屈になってきて、iPhoneで音楽流しながら歩いたりするのですけど、今回はL氏と一緒だったので楽しく歩けました。

しかし、1人だと「なるべくゆっくりお風呂に浸かりたいし!」と思って急いで下るのですけど、この日は話しながらのんびり歩いていたら、増富温泉に着いたときにバスの時間まであと1時間になっていました。

いつもなら増富の湯でお風呂に入って、食事もしてから帰るのですけど、今回は厳しそうだねーということで、ささっとお風呂だけ入ってバスに乗ります。

下山後は一人で、甲府の夜を楽しむ

増富温泉から韮崎駅までバスに乗り、L氏は韮崎からあずさでまっすぐ帰るということだったのですが、私はお風呂と酒と食事が不完全燃焼だったので、甲府で途中下車してちょっと楽しんでいくことにしました。

まずは談露館で日帰り入浴をし。

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ほぼ、貸切状態で楽しめました。

談露館についての詳細はこちら↑

そして、甲府駅前の鰻屋の川長さんで一杯いただき。

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大好きな鰻屋さんです。久々に行けてよかった。

そして、カフェモアラでパフェとコーヒーをいただきました。 

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バナナのパフェ、おいしかったです。

たまには気のあう仲間と山に行くのもいいなと思いつつ、最後はやはり一人旅気分で楽しんでしまった。。。

でも、最初から最後までべったり一緒じゃなく「じゃあここからは別々に帰ろう」が普通にできる相手だから、たまに一緒に登るのも楽しいと思えるんでしょうね。

金峰山に、甲府の行き着けのお店たちに、そしてL氏に「今年もよろしく」と感じた山行でした。

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