温泉ブログ 山と温泉のきろく

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上諏訪温泉 片倉館 重要文化財指定の洋風建築にて日帰り入浴と地ビール

上諏訪温泉 片倉館

長野県上諏訪温泉の「片倉館」は、昭和初期に建築された重要文化財指定の洋風建築の中に、100人は一緒に入浴できるんじゃないかという、その名も「千人風呂」という大浴場を備えた、一風変わった日帰り温泉施設です。 

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八ヶ岳を登山した帰りに立ち寄って汗を流し、2階の食堂で一杯いただいてきましたので、レポートしたいと思います。

上諏訪の駅近くで、旅行客が気軽に日帰り入浴できる施設は意外と少ない

上諏訪は、駅周辺から諏訪湖の湖畔に向かって、温泉付きのビジネスホテルから大規模温泉ホテルから小規模旅館まで、さまざまなタイプの宿が軒を連ねている温泉地です。

しかし、改めて「登山帰りにどこの日帰り温泉に行こうか」と考えると、ふさわしい場所がパッと思い浮かばない場所でもあります。

旅館は多いのですけれど、日帰り入浴を受け付けている宿は案外少ないんですよね。
日帰りプランはあっても食事付きで数千円だったりで、入浴のみで利用できるところはそう多くありません。

もともと、上諏訪で登山後の日帰り入浴の行きつけは「鷺乃湯」というちょっと高級めの旅館でした。

日帰り入浴の料金もまあまあするのですけど、高級旅館らしく設備は本当にきれいだし、何よりも露天にある非加熱の源泉小浴槽が本当にすばらしくて!

 

上諏訪の宿って、けっこう循環湯のところが多いんですよね……お湯と設備の両方の面で気に入っていたので、高くても鷺乃湯に行っていたのです。

それで、この日も最初は鷺乃湯に行ってみたのですけど、なんだかいつもと様子がちがいまして。同窓会か結婚式か何かが開催されているようで、駐車場は満車だし、正面玄関には受付の机などが出ていてなんとも入りにくい。

これは、落ち着かないからちょっとやめておくか……ということで、他のところを探すことにし、いろいろネットで検索したりもした挙げ句、結局以前も一度来たことのある「片倉館」に行くことにしました。

片倉館と鷺乃湯はお隣同士。片倉館から上諏訪駅は徒歩6分です。

諏訪湖の外周を走る「湖岸通り」沿いに、鷺乃湯も、片倉館もあります。

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旅館の日帰り入浴ではなく、温泉銭湯や共同湯のようなところなら他にもあるのですけれど、シャワーやドライヤーの有無がわからなかったので今回は安全策で、一度行ったことのある片倉館にした次第です。

登山後にシャワーやドライヤーがない風呂は、女子的には少々きついのですよね。。。

やってきました片倉館!

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趣ある建築物です。
玄関の前に「千人風呂」という貼り紙がしてあるのが見えますね。

館内見学もできる、ということは、日帰り温泉として開放している部分以外にも見学できる場所があるんでしょうね。 

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まあ「最小5名様より」なので、私には関係ないですが……。

片倉館の営業時間は10時から21時。休館日は第2・第4火曜日です。 

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正面玄関から中に入ったら、まずは靴箱に靴を入れて鍵をかけます。この鍵は受付に預けるのではなく、自分で管理する方式です。 

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入館料は大人650円、子供450円ですが、今気づいたんですけど公式サイトに割引券もあるんですね! 

お得な情報&割引券 |【国指定重要文化財】財団法人片倉館

スマホで画面を見せても、100円割引になるようです。

入浴券を受付で手渡したら、浴室へ。

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女性用の浴室は、向かって左側でした。

【風呂】★★★★ 広い浴室は内装もかなり凝っていて、お湯もそんなに悪くはない

日曜日の午後ということで浴室は比較的混み合っていましたが「隣の人とぶつかって着替えられない!」というほどではありません。

そうですね……東京都内のそこそこ人気のある日帰り温泉、みたいな混み具合でしょうか。なので慣れた混み具合ではあるのですけれど、ここが長野県ということを考えると、やはりけっこう混んでいるほうだなと思います。

脱衣所内には、100円が戻ってくるタイプの鍵付きロッカーがありました。
やや小さめなので登山用のザックは小ぶりなものであっても入らないと思いますが、こんなこともあろうかと、ザックは上諏訪駅でコインロッカーに入れてきましたので問題なし。

浴室へ。

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出典:http://www.katakurakan.or.jp

千人はさすがに大げさかもしれないですが、100人ぐらいは入れそうな広い浴槽です。

深さもかなりあり、プールのようですが、いったいどうしてこういう作りの湯船にしたんでしょうね。。。

浴槽の内周には腰掛けられる段差がありますので、座ってのんびり入ることも、もちろん可能です。
というか、ほとんどの人が段差に腰掛けて入浴していて、立っている人はほぼ、いませんでした。

鉛温泉の白猿の湯のように、足元湧出だったりすれば、立ち湯である意味もわかるんですけどね。まあ、片倉館の場合は、深い浴槽はデザイン的な理由か……?などと考えながら試しに立ち上がってみると、浴槽の底にはなんと、玉砂利が敷かれていました。なるほど、歩くと足裏マッサージ効果がありそう。

つまりこれは、歩行浴を楽しむためのお風呂なんでしょうね。やりませんけども。。。

泉質は、弱アルカリ性の単純温泉で、加水・加温・消毒あり。かけ流し循環併用方式とけして源泉の利用状況は良いわけではありません。まあ、この大きさの浴槽では仕方ないでしょうけれども。

ただ、実際にお湯に浸かってみると思ったほど悪いお湯ではありません。
塩素臭などはほぼ感じられない、41度程度の適温のお湯で、ほんのりと鉱物っぽい温泉臭も感じられます。なんか、意外と新鮮なお湯って感じなんですよね。。。

これが上諏訪の温泉の底力でしょうか。
でも、ここから比較的近いところにある日帰り温泉施設(隣にある大型ホテルが経営していて、そのホテルに泊まると無料で入れるが日帰り入浴施設としてはかなりお高いところ)に行ったときは、かなり塩素臭がしてなんだかなあと思ったんですよね。

そう考えると片倉館は、広さのわりに上手なお湯の使い方をしていると言えるかも。

洗い場も、最初浴室の入り口近くの洗い場に行ったときはかなり混んでいて「これは……順番待ちか!?」と思ったのですが、奥のほうにもう1箇所洗い場があって、そこは比較的空いていました。

洗い場にはリンスインシャンプーとボディシャンプーが設置されており、シャワーの水圧も普通なので、登山帰りの入浴にも十分使えます。

ドライヤーは脱衣所に2つか3つあり、混んでいるので多少待ち時間はありました。んでもまあ、普通に使える風量のあるドライヤーだったので、まあいいか、という感じ。

髪を乾かして身支度を整えた後は、2階にあるという食堂に向かうことにします。

【食事】★★★★ セルフサービスだが、案外悪くない日帰り温泉の食堂

実は、今回片倉館に行くことに決めたときから「そうだ、2階にあるという休憩室に行って1杯飲もう」と考えていました。

片倉館のお風呂には以前も入ったことがあったのですが、時間がなくて2階には立ち寄れなかったんですよね。

謎の服を売っている1階の売店の側に、2階に向かう階段があります。

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この階段のあたりもすごく素敵です。ライトの感じとか。

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階段を登り切ると休憩室の入り口があります。禁煙とのこと。 

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入り口に置いてあるメニュー。 

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ラーメンや蕎麦やカレーなど、日帰り温泉のお馴染みメニューの他に、信州らしく?ソースカツ丼なども。おでんもいいですねえ。

飲み物メニュー。

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おお……なんかけっこう、魅力的なメニューじゃないですか。これは、飲んじゃうよねー。

まあ、実は片倉館に来る前にも、駅近くの鰻屋さんで、鰻と日本酒をいただいているのですけれども。。。

うなぎうまかったです。でも、お風呂上がりはやっぱりビールですよねー。

というわけで中へ。 

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入ってすぐ右手側が座敷のスペースで、家族連れなどでけっこう賑わっていました。奥の方のテーブル席はガラガラだったので、テーブル席へ。 

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セルフサービスなので、冷蔵庫の中の食べ物も、食べたいものを自分で取り出してレジに持っていきます。 
紅ます、つくね串、焼き鳥、枝豆。。。

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いなごにワカサギ!!信州ですねえ。。。
ちなみに、私は米どころの出身なので、いなごの佃煮は普通に好物です。

冷蔵庫から出した食べ物については、会計後に、温めたいものはこちらのレンジで自分で温めていただくとのこと。なんか自由でいいですね。。。 

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もしかして、熱燗を飲みたいときはカップ酒を買ってレンジで燗をするのでしょうか?
そして、食べ物は冷蔵庫から勝手に出していいのに、グラスは勝手に出したらだめなんですねw

風呂上がりなのでここはビールを!!

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風呂上がりですからここはすっきりと淡色のビールかな。 

というわけで「諏訪浪漫」のケルシュをいただきます。 

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つまみは、信州らしく野沢菜のお焼きにしました。
レンジで自分で温めて、いただきます。

ちなみに、休憩室には自動販売機もあって、各種ビールやソフトドリンクも売っています。

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片倉館の営業時間は21時までですが、食事のラストオーダーは16時30分までのようです。それ以降はきっと、自販機が活躍するのでしょうね。
諏訪浪漫、おいしくいただいてほろ酔いで片倉館を後にしました。

【再訪したい度】★★★★ お湯も設備も悪くはないので、また来ても良いかなあという感じ

都内の日帰り温泉なら「仕方ないか」と思えても、旅先で混んでいる風呂にはなるべく入りたくない私なので、片倉館も「混んでるだろうなあ」と思ってちょっと敬遠していたところがありました。
今回来たのは、5年ぶりぐらいなような気がします。
でも、来てみると案外お湯も設備も悪くなく、休憩室の居心地もよく、お酒や料理の種類もそこそこあり。

私は建築物にあんまり興味がないタイプの人なのでそこまで感慨はないのですが、建物好きな人を連れてきたら喜ぶだろうなあと思いました。浴室の内装までかなり凝っていますからね。

こちらのページ内にあるインドアビューで、千人風呂の内装を見ることができます。

千人風呂 |【国指定重要文化財】財団法人片倉館

値段も高くはないし、ロッカーやドライヤーも使えるし、有料ですが、タオルのレンタルや、ヘアブラシやシャワーキャップの販売もしており、手ぶらでも楽しむことができますし。

また来てもいいかなという温泉でした。