東鳴子温泉 旅館 紅せん
東鳴子温泉は、鳴子温泉郷の東部に位置する湯量豊富な温泉地です。
最寄り駅は鳴子温泉駅から一駅の「鳴子御殿湯駅」となり、駅前には温泉街が広がっていますが、旅館紅せんは温泉街から少し離れた川向こうの静かな場所に立っています。
2016年の年末、鳴子温泉郷を旅した2日目に宿泊しましたので、レポートしたいと思います。
のんびり立ち寄り湯を楽しんだ後、川渡温泉から東鳴子温泉まで、田んぼの中を歩いた
鳴子温泉郷を旅した2日目、川渡温泉の越後屋旅館さんで日帰り入浴を楽しんだあとは、宿泊先の東鳴子温泉に向かうことに。
川渡温泉から川渡温泉駅まで徒歩で戻って、電車で鳴子御殿湯駅に移動することもできますが、電車の本数が少ないので駅でかなりの待ち時間が発生してしまいます。
Googleマップで川渡温泉から今日宿泊する「旅館紅せん」までの経路を調べると……。
徒歩46分か。。。まあ、歩けないことはないでしょう。少し前まで雨が降っていましたけどこのときはあがっていましたし、今回の旅はトレッキングシューズで来てるから歩きやすいしね!
で、Googleマップの案内にしたがって歩き始めたのですが、いつのまにかこんな道に出てしまいました。
これは、あれじゃないの。。。いわゆる「あぜ道」ってやつじゃないの?
たしかに歩けなくはないけども……この道を経路に選んじゃう?Googleマップさん。。。
でも、ここまで来てしまったの引き返すのもばかばかしいし、そのまま歩き続けていたら、田んぼになんかいます。
落ち穂拾いの白鳥です。
うわー、うちの実家の周りも田んぼだらけだから、車で落ち穂拾いの田んぼの側を通ったことはあるけど。。。
こんな近くで見るの初めて!うれしいのかうれしくないのか微妙だけどw
寒いから、別に車下りて白鳥見たりはしないのよね、地元の人はね。。。
まさかあぜ道を歩くと思って来たわけじゃないけど、トレッキングシューズ履いてきてよかったです。
で、そうこうしているうちに着きましたよ!旅館紅せんです。
天気は相変わらず微妙ですが……しかし、年末のこの時期に雪じゃなく雨が降るということは、気温が高いってことですよね。
宿の玄関前の「歓迎」のところに、ちゃんと私の名前が書いてありましたw
団体さんがいるみたいだから、個人客は少なかったんでしょうかね。
鳴子温泉郷定番の、泉質を書いた看板です。
含石膏・塩化土類・重曹泉。見慣れない泉質ですね。
ホームページを見るとこの泉質名は旧称で、現在は「ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉」と称しているようです。たしかに、こっちのほうが見慣れた泉質ですね。
チェックインし、部屋まで案内していただきました。お部屋は2階です。
館内案内図。私が泊まったのは216号室で、貸切風呂に近いお部屋でした。
客間は2階にあり、1階には宴会場と、宴会場の奥に大浴場があるようです。
廊下は赤じゅうたん。
長々歩いてきて少々疲れたので、まずはお部屋でコーヒーでもいただこうと思います。
【部屋】★★★★ トイレ・洗面付き、冷蔵庫や湯沸かしポットもあり過不足ないお部屋
お部屋は、広縁付きの8畳間です。
あらかじめ布団は敷いてありました。
1人泊だからかな?とも思いましたが、旅行サイトの宿紹介ページを見ると「到着してすぐ休めるよう、お布団は先にご準備しております」とのことで、敷いてあるのがデフォルトのよう。
気になる方もいるようですが、私はこれについてはぜんぜん気にしない人です。たしかに夕食前に昼寝もできますし、食事の後に布団を敷いてもらうのもちょっと面倒ですしね。。。
ドアを開けてすぐのところに洗面台と冷蔵庫がありました。
ドライヤーは各部屋にはないようですが、公式サイトを見るとフロントから借りることはできるようです。ちなみに「空気清浄機1台・加湿器2台」も借りれるようなので、必要な方は予約時にでも電話で聞いてみるといいかもしれませんね。
冷蔵庫は空で大きめ。
冷蔵庫の上には「グラス、割り箸、爪楊枝、栓抜き」が置いてあり、便利です。
割り箸が用意してあるってすばらしいですね。私は使わないですけど。。。
その他にお部屋の設備は、石油ファンヒーターに湯沸かしポット、液晶テレビに電話、ファブリーズなど。
快適に過ごせるようにという気遣いも感じられ、完璧ですね~。
湯沸かしポットがあったので、さっそく持参したドリップパックでコーヒーを淹れました。
旅館の茶碗でドリップパックのコーヒーは淹れにくいので今回、山用のチタンダブルマグカップを持参しています。
あまりにも愛用しすぎていて文字が消えていますが。。。
座卓の上にはお茶セットとお茶うけが。
お茶うけはおまんじゅうで、ごぼう茶も置いてありました。
浴衣、羽織、バスタオル、フェイスタオル、歯ブラシなど。
基本的なものはすべて揃っています。
広縁にはテーブルとイスのセットが。
なければないで構わないスペースではあるのですが、あるとやっぱりうれしい広縁。
ここに座って外を眺めながらコーヒーをいただくのもいいですよね。
ちなみに、到着したこのとき、窓から外を眺めるとこんな感じ。
鳴子御殿場駅に向かってかかっている橋と、川の向こうには東鳴子温泉の温泉街や、山々が見えますね。
そしてこちらが、翌朝の同じ窓からの眺め。
夜のうちに雨が雪に変わり、少し積もりました。
空は晴れたので、白い雪との対比が美しいですね~。
さて、お部屋でコーヒーもいただいて一息ついたところで、お風呂に行ってみたいと思います。
【風呂】★★★★☆ 露天風呂の利用時間が短いのはちょっと残念だけど、お湯は文句なしにいいお湯!
旅館紅せんさんで利用できるお風呂は「男女別の大浴場(露天風呂付き)」と「予約制の貸切露天風呂」と「家族風呂」の3つです。
まずは、男女別の大浴場に行ってみたいと思います。
大浴場の内湯は24時間楽しめるが、露天風呂は6時から20時まで
手前が男湯、突き当たりが女湯ですね。
奥の左手に見えるのれんは、予約制の貸切露天風呂の入り口です。
女湯の脱衣所。
脱衣カゴが置いてある、シンプルなつくりです。
洗面所にはドライヤーとメイク落とし。ハンドソープ。
ドライヤーは普通に風量のある、使えるドライヤーでした。
「ヘアゴム」「ヘアブラシ」「シャワーキャップ」は、宿泊者は希望すればフロントで貰えるそうです。
私はすべて持参しているので必要ないのですが、あるとありがたいですよね。
では浴室へ。
こちらが内湯です。部屋でくつろぎすぎてちょっと時間が遅くなったので、外が暗いですね。。。
こちらが朝に撮った写真です。
窓の外は露天風呂です。だいぶ雰囲気が違いますね。
お湯は熱めの硫酸塩泉。湧出温度が70度以上あるものを、加水無しでかけ流しているのでぴりっと熱いです。
おそらくあんまりどばどばかけ流すと、熱くなりすぎると思うので、お湯の勢いはそれほどでもありませんが常時かけ流されています。
昨日今日と日帰り入浴してきたお湯に比べると強烈ではありませんが、でも泊まってゆっくりつかるお湯はこういうお湯が落ち着くところもあるかも。。。
ちなみに、こちらの内湯は、24時間入浴可能です!幸せ♪
洗い場は4つ。
シャワーも使えますし。シャンプー&コンディショナー・ボディシャンプーあり。
浴室内にもクレンジングと洗顔料フォームがありました。至れり尽くせりですね♪
では、内湯で少し温まったところで、露天風呂に出てみたいと思います。
露天風呂は内湯から直接外に出ることができるのですが、利用時間は「朝6時から夜8時まで」とけっこう短め。。。
どうしてそんなに短いんだろう……夕食後は少しお酒が冷めてお腹も落ち着いてからじゃないとお風呂に行きたくないから、実質夕食前と、翌日の朝しか入れないじゃないですか……ちょっとさびしい。
でも、実際外に出てみて理由がわかりました。
暗いとちょっと危ないんですw
もう少し照明をつけてもいいじゃないかと思ったんですけど、外から見えてしまうんでしょうかね……?
特に冬は、足元が凍ってしまうこともありそうですし、たしかに明るいときに入ったほうが良さそうな感じでした。
でも、お湯はすばらしくいいお湯ですし、薄暗い中で入る露天風呂もなかなか良いですw
せっかくなので翌朝も入ってみました。
翌日は雪!雪見露天です。うれしい。。。
そんなに雪見露天にこだわるわけではないのですが、やっぱりうれしいですね♪
晴れた空と、少し雪を被った山々を眺めながら入る露天風呂は、最高に気持ちいいです。
夜のうちは見えませんでしたが、露天風呂の岩には温泉成分が結晶になって固まっていました。
強烈な個性のあるお湯ではありませんが、やはり濃いお湯なんだなあと思いました。
予約制の貸切露天風呂へ
女湯の大浴場の手前に入り口のある貸切露天風呂は、利用時間は6時から22時までで、チェックインの際にフロントで時間の予約をすることで無料で使えます。
1人泊だと予約制の貸切風呂については案内されないこともあるのですが……ちゃんと案内していただけて予約できたのでうれしかったです。
朝だとバタバタしてしまうかなあと思い、夕食前の時間帯で予約をしました。
利用時間は40分か45分だったと思います。予約の時間になったらフロントで鍵を借り、利用が終わったら鍵を返しにいくというルール。
扉を開けるといったん外に出ます。
外の通路を歩いて行くと……。
貸切露天風呂の脱衣所のある建物の入り口へ。
浴室の名前は「沢子の湯」なんですね。
中に入るとスリッパを履き替えてさらに廊下w 廊下が長いです。。。
ようやく脱衣所!
脱衣かごがあるのみのシンプルなつくりです。
いざ、貸切露天風呂へ!
こちらの露天風呂も、大浴場の露天風呂と同様に照明が抑えめで、フラッシュ無しではうまく撮れなかったので、珍しくフラッシュを使って撮影してみました。
夜になって雨が雪に変わり、雪がちらちらと舞っています。
こちらも、大浴場と同じ源泉でとても良いお湯です。
実際の雰囲気はこちらに近い感じ。フラッシュを使わないで撮った写真です。
舞い散る雪を眺めながら熱いお湯につかり、とても気持ちよかったです。
しかし、朝だとバタバタしてしまうかなと思って夜の予約にしたんですけど、翌朝は雪が積もっていたから、朝の予約のほうが良かったかもしれないですね。
ちなみに貸切露天風呂には洗い場はないので、利用する前に大浴場で体を洗ってから入ったほうがいいでしょう。
24時間入れる家族風呂には深夜に入りにいった
最後に家族風呂をご紹介したいと思います。
家族風呂は、私の宿泊した部屋の数部屋先にありました。左手前の216号室が私が泊まっていた部屋で、奥のほうに見える空いている扉が家族風呂のドアです。
鍵が開いていれば、ドアのノブにかかっている札を「入浴中」にして内側から鍵をかけて入る、という仕組み。
けっこう人気があるみたいで2度ほど様子を見に行ったものの先客ありだったので、深夜に行ってみることにしました。
家族風呂の脱衣所はこんな感じ。
風量の弱いタイプですが、一応ドライヤーもあります。
男性が使うならまあ、これでも問題ないですかねw
家族風呂の浴室。
奥に深めの浴槽と、洗い場が1つ。
洗い場ではシャワーも使え、大浴場同様にシャンプー&コンディショナー・ボディシャンプーあり。クレンジングと洗顔料もあります。
お子さん連れの場合なんかは、家族風呂だとゆっくりできそうですね。
湯口からは少しずつ源泉が継ぎ足されています。
それほど熱くなく、入りやすい温度です。
腰掛ける段差もあるので半身浴もできますね。ゆっくりとつかって温まって部屋に戻り、朝までぐっすりでした。
最後に源泉分析表を。
大浴場・貸切露天・家族湯とも、同じ源泉のようでした。
ph7.7の、肌にやさしいお湯ですね。
ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩・硫酸塩泉。
湧出温度が72度、使用位置で62度の熱いお湯です。
それでも加水することなく、加温ももちろん無し、循環・消毒・入浴剤も当然なし。
体感としても、データとしてもすばらしいお湯でした♪
【食事】★★★★☆ 量も十分にあり、工夫の感じられるおいしい食事
旅館紅せんさんでは、食事は2名までは部屋食も可能で、3名以上だと個室食事処での用意になるようです。
私は1人泊だったので「お部屋にお持ちしますね」と最初から言われ、特に選択肢はなかったのですけども、部屋に布団が敷かれてる状態で食事をするのが嫌な方はそう伝えたら個室食事処での用意になるんじゃないかと思います。
旅館紅せんのドリンクメニュー
まずは夕食の前にお酒のメニューを拝見。
生ビールは一番搾り。そのほかも焼酎・ウィスキー・地酒・ハーフワインなど基本的なものは揃っています。
ノンアルコールビールも2種用意されているんですね。
そしてこちらは、東鳴子温泉の旅館限定の秘蔵酒!
東鳴子限定ということで、これはたしかに旅館すがわらさんにもなかったお酒ですね。。。
300ml瓶か720ml瓶ということで、300mlなら飲めないことはないけど、私の酒量ではこれを頼んでしまうと、他に何も飲めなくなってしまいますね。
こちらも東鳴子温泉の限定販売。
「天音」という美しい名前のお酒です。「純米吟醸 音楽酒」とはいったい?
と思ったら「オリジナル曲【お酒の子守歌】を聴かせて熟成させたお酒」とのこと。すごいこと考えるものですねえ。
そして「鳴子の風」はこちらの宿でも飲めます。
うーん、どうせビールを頼むなら、やはりこちらから頼もうかな。
メニューはだいたいこんな感じでした。一合でいただけるお酒の種類が1種類のみなのがちょっと残念と言えば残念かな。
補足として、館内で販売しているお酒は、あとは大浴場に向かう途中に自動販売機がありました。
アサヒビールの自販機で、スーパードライとチューハイ、ノンアルコールのスーパードライもありましたよ。
旅館紅せんの夕食
夕食と一緒に持ってきていただいたお酒は、やっぱりこれ!
地ビール「鳴子の風」の「高原ラガー」です。
旅館すがわらさんで「山ぶどう」と「ゆきむすび」を飲んでいますのでこれでコンプリートですね!
「高原ラガー」は一番日本人に馴染みがある、一般的なラガービールです。
食事にも合うので、一杯目にちょうどいいかなと。
指定した時間になると、食事の御膳を持ってきていただきました。
料理を座卓の上に並べるのではなく、御膳で持ってきてくれる方式でしたね。
おいしそう!
そして、御膳とは別に釜飯がセッティング。
こちらは、火をつけてから炊きあがるまでに40分ほどかかるとのことで、食事開始と同時に火をつけていただきました。
焼き魚は黄味焼きでしょうか。左下はローストポークですね。
サラダにもお刺身が載っていて、ドレッシングも凝っていました。
茶碗蒸しも、あんかけで、具もたっぷり。
お刺身は鯉の洗いです!
苦手な人もいるとは思いますが、私はけっこう好きです。
酢味噌をつけていただきます。
鍋物は「豚すき焼き鍋」です。
地元ブランドの「大泉ポーク」を使った、紅せんさんの夕食の名物的なお鍋だそう。
味つけも甘すぎず、濃すぎず。豚の脂の甘みがおいしかったです。
卵につけていただきましたよ。
お鍋をいただいているあたりで、最初にいただいた「高原ラガー」がなくなったので、次は熱燗をいただくことに。
そして熱燗で天ぷらを。
塩ではなく、天つゆを用意していただいたのがうれしかったですね。
というのは、揚げたて熱々の天ぷらなら塩もおいしいんですけど、部屋食だとどうしても冷めてしまいますから……その場合、天つゆのほうがおいしいと思うんです。
天ぷらを食べているあたりで釜飯も炊きあがりました!
舞茸の釜飯です。なんておいしそうなの……。
ちなみに旅館紅せんさんではお米にもこだわりがあり、夕食の釜飯では「ゆきむすび」、朝食では「ひとめぼれ」を出しているんだそうです。
お新香とお味噌汁と一緒にいただきます。
まだ熱燗が少し残っていたんですけど、舞茸ご飯で飲めちゃいます♪
最後はデザートの「黒糖プリン」
これも、甘さ控えめでとてもおいしかった!
ごちそうさまでした。
全体的に、調理方法や素材にこだわって作られている料理で、最後まで飽きることなくいただけました。
旅館紅せんの朝食
朝食は、フロントの前にある広間でいただきます。
ちなみに朝食会場の広間の前にはジュース類の自販機がありました。
またドアの前にエスプレッソマシンが置いてあり、朝食時間帯は自由にコーヒーを飲むことができます。
朝食会場はこんな感じ。
右手前が私の朝食なんですが、1人だからだと思いますが、テレビが見やすい位置にセットしてくださっていました。
朝食はこんな感じ。
朝食も、品数豊富でおいしそうです。
切り干し大根、納豆、揚げ出し豆腐、ひとめぼれ。
サラダ、温泉卵、お味噌汁、お漬け物。
サラダに載っている生ハムがおいしかったです。
焼き魚。そしてしそ巻き。
デザートにヨーグルトも。
朝食後は、エスプレッソマシンで淹れたコーヒーをいただきました。
ごちそうさまでした!朝食もおいしかったです!
【再訪したい度】★★★★ ぜひまた泊まりたいよい宿だったけど、一人泊のプランが現在は出ていないもよう
温泉も良く食事も良く、サービスもつかず離れずで、設備も整っている宿だったと思います。
料金も、一人泊で基本の2食付きの食事プランで1万円でした。宿泊した日は12月29日で、この日あたりから年末年始休暇ということで休日料金を適用する宿が多いなか、紅せんさんは料金アップもなくプランを提供されていて、ありがたいなあと思ったのです、が。。。
現在旅行サイトを確認すると、楽天でもじゃらんでも1人泊のプランが出ていないんですよね。
ネットで予約するのではなく、直接電話して交渉すればまた違うのかもしれませんが……私は普通にネットで1人泊で予約したんですけど、どうしてなのか。。。
もしかしたら、シーズンによってはまた、一人泊を受け付けるのかもしれませんね。見つけたらまた、泊まりに行ってみたいです。