温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

山と温泉のきろく


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食事は朝夕バイキング!赤岳天望荘に泊まり、赤岳・橫岳・硫黄岳を縦走してツクモグサを愛でる山旅

食事食べ放題&ドリップコーヒー飲み放題、目の前で日の出も日の入りも見れる山小屋

赤岳天望荘は、八ヶ岳の主峰・赤岳から、橫岳~硫黄岳へとつながる主稜線上、標高2722メートル地点に立つ山小屋です。

定員200人と、八ヶ岳の山小屋の中でもかなり規模が大きいほうの小屋だと思います。

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2016年の5月に初めて宿泊し、バイキングの料理のおいしさ、お茶とお湯だけでなくドリップコーヒーも飲み放題というサービスの良さ、トイレのきれいさ、小屋の目の前で(何なら談話室の中からでも)日の出も日の入も見れるところなどがすっかり気に入り、また近々泊まりたい!と思いながら丸2年が経過。
2018年5月下旬にようやく、2度目の宿泊が叶いましたので、レポートしたいと思います。

ツクモグサの季節に赤岳主稜線(赤岳-橫岳-硫黄岳の稜線)を縦走したい

実は私は「あの花を見にあの山に登りたい」という計画を立てるタイプではありません。なぜならお花で有名な山に、その花の盛りの季節に登ると混んでいるからです。混んでいる山が嫌いな話はこちらの記事などにも書いています。

ですが実は、ツクモグサの季節に八ヶ岳を縦走したのは今回で3回目です。なぜなら、八ヶ岳でツクモグサが咲くのは近年では5月下旬~6月上旬ごろのことが多いのですが、その時期はまだ、夏山シーズンには少し早いため、空いているんですよね。

特に、5月下旬は個人的には狙い目だと思っていて。なぜなら6月の最初の週末に八ヶ岳の開山祭があるため、その日以降は人が増えてしまうからです。

ただし、5月中は天候が崩れれば雪にもなりやすいですし、あちこちに残雪もあります。天気を見極め、夏山シーズン中よりも装備を整えて挑まなければならないことは間違いありません。(だから人が少ないのでしょうけどね)

2018年は残雪がかなり少ないとの情報を得ており、今回の週末は天気予報も問題なさそうでしたので、2年ぶりに赤岳・橫岳・硫黄岳を縦走する計画を立てました。

始発の中央線に乗り、茅野駅から始発バスに乗って美濃戸口へ

5月最後の土曜日の早朝、自宅からタクシーで吉祥寺駅まで来ました。
中央線の茅野駅から八ヶ岳の登山口である美濃戸口に向かう始発のバスは8時40分発なのですが、これに乗るためには自宅最寄り駅の始発電車に乗っても間に合わないのです。でも、吉祥寺駅を4時35分に出る電車に乗れば間に合う!ということでタクシーを使いました。

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自宅最寄り駅は吉祥寺駅ではないのですが、そこそこ近いのでタクシーを使っても1000円台です。美濃戸口行きのバスは8時40分に乗れないとなると次は9時30分。千と数百円でこの50分の余裕を買ったというわけで。

吉祥寺駅からは中央線の各駅停車を乗り継ぎ、立川駅、大月駅、甲府駅で3回乗り換えます。茅野駅到着は8時25分と4時間近くかかるのですが、何しろ早朝で眠いし、電車も空いていて快適だしで車内では寝てしまうので案外すぐ着きます。
よく寝ているときに乗り換えなければならないのはつらいけど、立川からは大月駅が終点の、大月駅からは甲府駅が終点の電車の電車に乗りますので、乗り越しの心配が少ないのはありがたいです。

8時25分に茅野駅に到着。 

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1本あとの9時30分発のバスは、始発のスーパーあずさに乗ってきた人などでバス停にかなり行列ができますが、この時間帯は並んでいる人も少ないです。

7時30分からアルピコ交通の乗車券売り場が開きますので、茅野駅から乗る場合は乗車券を買ってから乗りましょう!

乗るときに運転手さんに「乗車券を先に買ってください」と必ず言われますし、往復で利用する場合は割引もありますので。

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今回私は、下山は別の登山口を使う予定のため、片道利用です。茅野駅から美濃戸口まで片道930円。

約40分の乗車で、9時17分、定刻通りにバスは美濃戸口に着きました。 

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登山計画書もここで提出することができますが、私は長野県の電子申請で先に済ませていますので、八ヶ岳山荘でトイレを借りて、身支度を整えて出発! 

美濃戸口から北沢を登り、赤岳鉱泉へ

まずは美濃戸山荘のあるゲートまで、林道をひたすら上ります。 

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左の道です。

最初はゆるやかで気持ちのいい散歩道、ウォーミングアップに最適だわ!なんて思っているのですが……。 

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そのうちけっこうな急坂になり、歩き始めでまだエンジンがかかっていないということもあり、体力を削られます。 

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美濃戸山荘より少し手前にある山小屋「やまのこ村」まで来たときには「もうソフトクリーム食べて休みたい……」と思ってしまったり。 

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歩く人は夏に比べるとグッと少ないですが、美濃戸口~美濃戸の山小屋はすべて、売店や軽食の営業を行っていました。

この周辺にも駐車場がありますので、車の方はここまで車で来ることもできます。けっこう悪路だとは思いますが。。。

ちょうど1時間で、美濃戸山荘まで来ました。

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ここで分岐があり、左は赤岳鉱泉に通じる北沢、右に向かえば行者小屋に向かう南沢です。

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赤岳方面が目的地の場合、多くの人は行者小屋を経由する「南沢」を選びます。
南沢のほうが少しコースタイムも短いですし、この時期は「ホテイラン」というお花が咲いていることも多いので……。

ですが、というかだからこそ、私は左の北沢を選びます。

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北沢のほうが空いているし、道も明るくて歩きやすいので……。
それに、赤岳鉱泉は通年営業の小屋ですが、行者小屋は開山祭りのある6月の最初の週末に夏季の営業を開始するため、この日はまだ営業していませんでした。トイレと水場は、小屋が営業していなくても使えたと思うのですが……。

実は、今回の山行は岩場を通過する時間が長いため、できるだけ荷物を軽くしたくてバーナーとコッヘルなどのお湯を湧かす道具を置いてきたのです。なので今日は営業している赤岳鉱泉で休憩を取って、コーヒーでも注文したいなと考えていました。

北沢と南沢の分岐からさらに40~50分ほど林道を歩くと、堰堤広場に出ます。 

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山小屋の車両はここまで入れるため、何台か駐車していました。

ここからは林道ではなく、登山道が始まります。

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沢沿いの道が多いですが、よく整備されており、歩きやすい道です。

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新緑はまだまだですし、お花も少しだけ。 

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でも、気が散らなくて良いとも言えます。今日はそんなに時間に余裕がないので、のんびりお花を撮影したりしていると、昼食休憩の時間がなくなったり、小屋に着くのが遅くなってしまいますから……。 

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南八ヶ岳の、特徴的なギザギザした稜線が見え始めたら、赤岳鉱泉はもう間もなく!です。

赤岳鉱泉で昼食&トイレ休憩

北沢と南沢の分岐から、2時間弱で赤岳鉱泉に到着です。

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アイスキャンディも、解体される寸前という感じ。

そして、思った以上にテントが多いです。それも大型のテントが多いですね。 

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実は北沢を歩いている途中でも、大学生らしい大人数のグループを追い抜いていました。
まだ、山歩きには慣れていない様子の、服装も登山用のウェアではない人がほとんどのグループ。おそらく、ワンダーフォーゲル的なサークルで、この春に入部した新入生が多いんだろうな、と思っていたのですが。

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どうも、私が追い抜いてきたのは最後尾の人たちで、グループ全体だともっと大人数だったようなんですね。で、先に着いた人たちは既にテントを張って小屋の前でくつろいでいたようで。

正直かなり騒がしかったので「この日赤岳鉱泉に泊まるんじゃなくて良かった」と思ってしまいました。

実は同じ日にはらですぎさんもツクモグサを見た後に赤岳鉱泉を通過されていて、同じ感想を持たれていたようです・笑

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さて、ちょっと騒がしいけどお目当ての軽食コーナーへ向かいますよ!

赤岳鉱泉の売店&軽食メニュー 

赤岳鉱泉の軽食メニューは、コーヒーやココア、レモネードに生ビールなどのドリンクメニューと……。

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 ラーメン、つけ麺、牛丼、もつ煮などの山小屋での定番メニュー。

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そして、カレーは6種類と、パスタ4種類……?

カレーとパスタは別にメニューがありました。クリックで拡大します。

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これ、通過する度に「うわああああ食べたい」と思うのですけど、時間に余裕がないことが多いのですよね。
今回もそこまでは時間がないですし、さらに言えばこの後まだガッツリ登る予定ですから、あんまり満腹になるのもちょっと……というわけで、今回も、コーヒーだけ注文して持参した菓子パンで軽めのランチ。

コーヒーは注文が入ってからコーヒーメーカーで淹れてくださいます。

できるまで売店をウロウロ。赤岳鉱泉のグッズはおしゃれでかわいいものが多いですねえ。 

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この手ぬぐい、いつも欲しくなる。手ぬぐいいっぱい持ってるから買わないのですけど……。 

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売店を見終わって、水場で水を補給したところで、コーヒーが出てきました。 

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八ヶ岳の水で淹れたコーヒー、癖がなくて飲みやすかったです。

赤岳山荘の外トイレはとてもきれい

食事が終わったら、出発前にトイレをお借りします。100円の利用料金をポストに入れます。

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赤岳鉱泉は、外のトイレも水洗式でとてもきれい。手洗い用の水もちゃんと出ます。八ヶ岳ってだから好きよ……。
では、そろそろ出発します!

行者小屋から地蔵尾根を登り、赤岳天望荘へ

この後は、赤岳鉱泉からまずは行者小屋に向かい、そこから地蔵尾根を登って赤岳天望荘に向かいます。

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赤岳鉱泉から行者小屋までは、樹林帯を40分ほど歩きます。ところどころに残雪もありますが、アイゼンをつけなくてもまあ、やり過ごせる程度の残雪でした。

樹林帯を30分ほど歩くと、少し開けた場所に出て、分岐があります。

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ここから右に10分ほど登ると「中山展望台」なる眺望ポイントに出るようなのですが、時間に余裕がないので今回もスルー。

中山展望台との分岐点から10分ほどさらに樹林帯を歩くと……。 

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行者小屋に着きました! 

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行者小屋の前までは行かず、手前に分岐点があります。ここからは地蔵尾根を登っていくことに。 

地蔵尾根は、最初から最後までずっと、けっこうな急坂です。 

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登り始めてしばらくは、階段や鎖などはなく、普通の登山道。ですがまあまあ急です。ここを登る体力を残すために、昼食は控えめにしました。。。

登山道の途中、残雪が現れます。登りならアイゼンは必要ないですね。下りの人も、着けている人はいませんでした。 

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実は、2年前の5月に同じコースを歩いたときには、地蔵尾根の下のほうにはもう少し雪が多く残っていて、私は念のためチェーンスパイクを着けたと思います。

今回も、1週間前に地蔵尾根を登った方のレポートをヤマレコで読んだところ「地蔵尾根でアイゼンを使った」とあったのでチェーンスパイクは持ってきていたのですが、1週間でかなり溶けたようですね。今回の山行では結局、チェーンスパイクは使いませんでした。

登山道を登っていくと、まずは急な階段が連続して現れます。

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遠くから見ると階段なのかハシゴなのか……?と目を疑ってしまうのですが、階段です。 

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登りなのでいいのですが、下りは大変そうだなあと。

そんな階段がいくつも続きまして。 

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そのうち、鎖も現れます。
鎖は「なくても大丈夫な人が多そうだけど一応」な場所では細く、本当に危なそうなところの鎖は太くなっており、よく考えられているなあと思ったり。 

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途中、お地蔵さんが現れます。もうすぐ稜線に出るのかな? 

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と思いきや、最後にもうちょっと登らされます。

ああ、でも赤岳天望荘が見えてきました!今日はあそこまで!!

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振り返って、さっき通過してきた行者小屋を見下ろしてみたり。

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1時間ちょっとで、あそこからここまで登ってきたのですね……。

ああ!あそこに道標っぽいものが見えます。きっとあれが稜線だ。 

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やっぱり!!! 

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稜線に出ました。ここが「地蔵の頭」ですね。 

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明日は、向こうに見える山々を歩くのですよ……。 

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でも今日はもう、小屋まで行くだけ!  f:id:happydust:20180601225321j:plain

地蔵の頭から赤岳天望荘まではほんの5分ほどの距離です。

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本日はお疲れさまでした。15時過ぎに赤岳天望荘に到着。予定どおりです。 

文三郎尾根を登り、山頂を経由して赤岳天望荘に向かうこともできる

今回私は、行者小屋の手前で左に曲がり、地蔵尾根を上りましたが、行者小屋の先にある「文三郎尾根」を上って、赤岳の山頂を経由して赤岳天望荘に向かうこともできます。

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最初に赤岳・橫岳・硫黄岳を縦走した際は、文三郎尾根を上りで使いました。地蔵尾根を上って赤岳を含めて縦走するとなると、赤岳は往復しなければなりませんが、文三郎尾根を使えばきれいな周回ルートになりますから、無駄がないと言うわけです。

文三郎尾根もやはりかなりの急坂、かつ、地蔵尾根以上に階段が多いです。 

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鎖場・岩場は地蔵尾根のほうが多いですが、文三郎尾根も山頂直下には岩場があります。 

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でも、岩場としては地蔵尾根よりも文三郎尾根のほうが少し上りやすいように思います。階段はしんどいですけど。 

で、山頂を経由しまして……。 

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赤岳天望荘まで下りてくるわけですが、赤岳と赤岳天望荘の間の道は、ザレた岩場の急坂で、個人的にはけっこう嫌な道です・笑 

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この縦走路全般がそうですが、天気が微妙で岩が濡れているときにはあんまり歩きたくないですね……。 

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赤岳山頂から赤岳天望荘に下るのは20~30分で着きます。どちらのルートを選ぶかはお好みで、というところですが、目的地が「赤岳天望荘」なのであれば、山頂を経由しないぶん地蔵尾根のほうが早く着きます。
なので、バス利用で時間に余裕があるとは言いがたい私は、天望荘に宿泊する際は地蔵尾根を登るルートを選んでいますね。

赤岳天望荘にチェックイン!

受付で、予約の名前を告げてチェックイン。
赤岳天望荘は基本的には予約必須の山小屋ですので、電話かメールフォームで予約しましょう。

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受付兼売店は、食堂の入り口にあります。 

赤岳天望荘の宿泊料金

赤岳天望荘には「個室」と「大部屋」があり、大部屋利用の場合は1泊2食付き9000円です。 

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個室利用は、2名以上の場合は1人12000円。1名で個室を利用したい場合は15000円になります。

ただ、シーズンの始めなどで予約が少ない日は、大部屋利用で予約をしていても「個室棟の部屋を相部屋で」使うこともありました。また、以前泊まった後に年賀状が送られてきたのですが、その年賀状を持って特定日(たしかシーズンオフの時期)に宿泊を予約すると、リピーター割引で大部屋の料金で個室を利用できる、などのサービスもあるようです。

チェックイン時に手渡されたのがこちらの紙。必要事項が1枚にまとまっていて親切! 
今日寝る場所もペンで書いてくれました。

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飲食は食堂か談話室で。消灯時間は午後9時です。

それと、赤岳天望荘の特徴の一つとして「コーヒー・お茶・お湯」が滞在中飲み放題というものがあります。
チェックイン時にプラスチックのカップが手渡され、間違えないよう名前を書くように言われます。

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午後2時から7時までと朝食~9時までの時間帯は、食堂にこのカップを持っていけば自由に飲んでOKです。コーヒーも、インスタントではなくドリップコーヒーでした。

実は、赤岳天望荘には水場がないため天水に頼っており、飲料水はペットボトルの販売のみです。
天水はそのままでは飲めませんから湧かさなければならないわけで、だから水はペットボトルしかないけど、小屋で飲むぶんのお湯は提供してくださる、というわけですね。

赤岳天望荘は標高2722メートルという高所にあるため「飲料水が有料だから」と水分を控えていると脱水症状になる危険もあります。宿泊者がお湯を飲み放題というのは、そういう意味でもすばらしいなと思いました。

赤岳天望荘の売店・昼食営業

受付は売店も兼ねているため、お菓子や飲み物もたくさん置いてありました。 

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赤岳鉱泉のようなおしゃれなオリジナルグッズ的なものは特になく、普通の山小屋の品揃えですね。まあ、おしゃれじゃなくても全然問題はないです・笑

それに、ワインがたくさん置いてありました。ボトルワインが3000円だそうです。

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ホームページを見ると、赤岳天望荘は「ワインと焼酎が自慢」なんだそうです。
残念ながら私は、日本酒とビール党で、ワインも焼酎もあんまり飲めないので少し残念ですが……。

とは言え、日本酒の品揃えもなかなかのもの!
グラスワイン・焼酎お湯割り・日本酒一合はいずれも600円。

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缶ビールは500円で、生ビールのジョッキが800円でした。

10時から15時までは昼食営業もやっているようです。麺類は11時からとのことですが。 f:id:happydust:20180603051809j:plain

昼食のメニューも、赤岳鉱泉と比べるとわりと普通ですね・笑
まあ、すべての面で競い合っても仕方ないですし、小屋ごとに個性があっておもしろいなと思います。

赤岳天望荘の館内設備

チェックイン後は、夕食前に赤岳の山頂まで行ってくるかかなり迷ったのですが、天気予報ではこの日の夕方は天気が下り坂。夜にざっと雨が降って、日付が変わるころに晴れてくる、そして翌朝はすっきり晴れる、という予報でした。

実は、前回泊まったときは夕食前に赤岳を往復してしまったのですが……。今回は予報どおり雲がどんどん湧いてきていたこともあり、赤岳に行くのは明日に回して、小屋でのんびりすることにしました。

大部屋-わりと昔ながらな感じの蚕棚のベッド

大部屋は食堂のある棟の、食堂の下の階にあります。よくある、2段ベッド式の「蚕棚」とか言われたりするようなお部屋です。

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日当たりがそんなに良くないためかひんやりとしており、ストーブが一つだけ、真ん中あたりに置いてありました。 

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今回指定されたのは下の段の36番。カップが置いてあるあたりです。

見ると、3畳ほどのスペースに5つの布団が並んでいました。一番上の青い掛け布団はモンベルのもので、暖かいです。 

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定員制とは言え、ここに5人で寝るのはまあまあ窮屈ですね・笑
でも、北アルプスの小屋に比べたらそれでもスペース広めかなとは思いますが。
実際には、今回は下の段は右端の32番に単独の女性が1人と、左端の36番に私が寝ただけでかなり広々と使えました。やはり、この時期は天気が良くても満室にはならないのですね……。

個室-2人部屋と3人部屋があり鍵もかかる

こちらは個室棟です。2階建てになっており、上の階のほうが日が当たるためかちょっと暖かいようです。

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こちらの棟にも泊まったことがあります。

2人部屋と3人部屋があり、こちらが3人部屋。 

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2段ベッドと1段のシングルベッドがあります。ベッド以外の空間は狭めなので、荷物の整理などはやや、やりづらいかも。

そしてこちらが、2人部屋です。 こちらは、2段ベッドではなく、言ってみればWベッドということになりますね。

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下の段に並んで寝ることになります。なんとなく、おじさん2人とかだと気まずいような気がするのは考え過ぎでしょうかね。。。

個室には内側からのみ、鍵をかけることもできます。 

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部屋を留守にするときは鍵をかけられないので、貴重品は自分で持ち歩く必要がありますが……深夜寝てるときに鍵をかけられるって、なんとなく安心感がありますね。
ここに1人で泊まれたら最高なんですが、1名で個室を使う場合は正規の料金は15000円です。2名以上の場合は12000円で、4人グループの場合は2名部屋×2、5名なら2名部屋+3名部屋という風に割り振ってくださるようですね。

赤岳天望荘で携帯はつながる?

私はドコモですが、どの部屋にいてもガッツリ電波がありました。普通にネットできます。au、ソフトバンクについてははっきりとはわかりませんが……。

赤岳鉱泉・行者小屋はあまり電波がありませんので、それもあって、赤岳天望荘を宿泊地に選んでしまいがちな私です。いいんだか悪いんだか・笑
でもやっぱり、山小屋で電波があるとやっぱり安心感があるのですよね。

談話室-いつも暖かくマッサージチェアもある!

個室棟の入り口にある談話室。部屋の両側一面が窓なので、日当たり良くて暖かいし、朝日も夕日も談話室内から眺められるというすばらしいお部屋です。

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頭上ではテレビがついていました。

なんとマッサージチェアもあります!特にお金を入れるところとか見当たらなかったのですが、無料で使えるのでしょうか……?

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赤岳天望荘では、個室にもコンセントなどは特にないのですが、談話室にはいくつかコンセントがあるため、スマホの充電などで使っている方もいました。

ただ、数は少ないですし消灯中の深夜はもちろん充電もできません。必ず使えるわけではないと思いますので、当てにしないでモバイルバッテリーなどは持参したほうが良さそうです。

談話室には、それほど量は多くないものの雑誌と山関係のビデオもありました。ビデオは好きに見たりはできなそうでしたが。。。 

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そしてこちらは、翌朝談話室の中から眺めた日の出です。

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日が昇ってくる瞬間は外で見ていたので、少し昇ってからでしょうか。 
やや障害物はあるものの、談話室の中からでもちゃんと日の出は見れました。寒い日や風が強い日は昇るギリギリまで談話室で待っていられるし、談話室から直で外に出られるので本当に便利ですね。

トイレ・洗面所-水洗式でとてもきれい

トイレと洗面所、そしてお風呂は、個室棟と大部屋をつなぐ通路の側にあります。1階というべきか地階というべきか……半地下のような場所です。 

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この扉の向こうがトイレと洗面所です。 

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扉を開けるとまずは洗面所、水が出る蛇口が3つありますが、こちらは天水ですので飲用できません。

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鏡があるのはありがたいですね。

洗面所の右側が男子トイレ、左側が女子トイレとなっています。
こんな感じで、個室が5つほど並んでいます。まだお客さんが少ない時期ということもあり、洗面所もトイレも順番待ちをするようなことはありませんでした。

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それぞれの個室ごとに電気のスイッチがありますので、点けてから中へ。 

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洋式の水洗トイレで、紙はゴミ箱に捨てます。
山小屋のトイレの中ではかなりきれいですし、においもほとんどなく、ゴミが溢れているようなこともなかったですね。

ごえもん風呂は6月から

実は、赤岳天望荘には天水を使ったお風呂もあります。ただし、利用できるのは6月から10月上旬までですので、私はまだ1度も利用したことはありません。

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ただ、個人的にはそんなに必要だろうか……とも思うのですけどね。山中で泊まるときにお風呂に入れることのほうがまれですし。
天水をためて湧かしたお湯に大人数が浸かると思うと、ちょっと……私は遠慮したくなってしまいますね・笑 

赤岳天望荘の食事

赤岳天望荘の食事は朝夕共にバイキングです。
食事の開始時刻は、もしかしたら季節によって変動あるかもしれませんが、朝も夕も5時からでした。
ただし、バイキング制ということで列に並ぶ時間を短くするためだと思いますが、チェックインした順に「5時から」「5時15分から」「5時30分から」というよりに15分刻みで開始時刻が分かれて設定されています。

今回私は、15時過ぎにチェックインしたところ、真ん中の5時15分からの回でした。

2018年5月宿泊時の夕食

チェックイン時に渡されたプラスチックのカップが食券代わりです。食事の開始時刻が来たら館内放送が入りますので、カップを持って食堂へ向かいます。

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食器はすべて使い捨ての発泡スチロールのもの。
飲料水がない稜線の山小屋ですから、洗い物をできる限り減らすためでしょうね。

席は決まっていませんので(もしかしたら混雑時は指定あるかもですが)好きなところに座ります。 

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空いていたので広々と食べれてよかったです。

生ビールがあるというので、思わず注文! 

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ご飯が炊き込みご飯だったり、お味噌汁が豚汁なのもうれしい!!! 

では、いただきます~。

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しかし、実はこの生ビール、見た目ほどおいしくありませんでした。。。
ビールサーバーを洗っていないときの味がしまして……*1よく考えたらそれはそうですよね。飲料水はペットボトルの水しかない、稜線の山小屋なのですから、そんな毎日サーバー洗浄できるわけがないです。素直に日本酒にすれば良かったかな。

しかし、料理はどれもおいしいです!

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特に、お肉料理が「豚バラと大根の煮物」と「鶏肉のトマト煮込み」の2種類あるのが肉好きとしてはたまらなくありがたい。お味噌汁も豚汁ですし。もちろんすべて食べ放題です。

野菜料理も、キノコの炒め物、青菜炒め、タラの芽の天ぷらと3種が食べ放題。。。タラの芽の天ぷら、今年はもしかしたら食べ納めかもしれないですね。ありがたく、たっぷりいただきました。

デザートもフルーツポンチと杏仁豆腐の2種。こちらも食べ放題です。 

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デザートは最後におかわりしに行きました。

大満足で夕食を終えました。ごちそうさまでした! 

2016年5月宿泊時の夕食

2年前に宿泊した際の夕食の写真がこちらです。
あれ……ほとんどメニューが同じです・笑

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泊まった時期が同じというのも大きいとは思いますが、恐らく主菜の2品は特に季節感がある食材でもないので、年間共通なのではないでしょうか。鶏肉も豚バラも両方おいしかったので、いつ来てもこれが食べられるのはうれしいですね。 

このときは日本酒を注文したのですが、陶器のグラスにかなりなみなみ入れていただき「これ、絶対1合半ぐらいあるでしょ」と思いました。やっぱり次回は日本酒飲もう。。。

2018年5月宿泊時の朝食

さて、日付が変わって翌日の朝食がこちら。
朝食もバイキングで、夕食と同じ、5時15分からいただきました。

肉団子、ソーセージ、卵焼き、筍の煮物、おひたし、オレンジ、梅干し、焼き海苔、ご飯、お味噌汁。

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卵焼きは甘めの味付けです。あまり塩分濃い目のおかずがないのが個人的にはうれしかったです。ソーセージにケチャップかけたくなりましたが。

2016年5月宿泊時の朝食

そしてこちらが、2年前に宿泊した際にいただいた朝食!

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やはり、今回と寸分違わぬメニューです・笑

メニューは定番なんですね。ある意味、当たり外れがなくて良いかもしれません。朝食も夕食も、味は良かったと思います。

料理はどんどん追加されますので、最初からたっぷりよそってしまわずに、全メニューを少しずつ取って、気に入ったものをお替わりしたほうが賢明だと思います。小屋番さんもそうするように声をかけていましたね。

赤岳天望荘の前から眺める夕日

18時過ぎに夕食を終えて外に出るとまだまだ日が高く、日の入りはまだ先という雰囲気。

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調べると、この日の日の入りは19時少し前というところ。

それで部屋に戻って少しくつろいでいたのですが、18時45分ごろに談話室から外を眺めてみると……。 

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あら!雲は多めだけれどなんだか空がいい感じに染まってきていますよ!
というわけで外に出てみました。 

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稜線にも雲が湧いてきていましたが、気温はそれほど下がらず、風も強くないのでそんなに寒さは感じませんでした。

しばらく待つと……おおー。 

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何か、ラスボスが現れそうな雰囲気の空です! 

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あそこから、きっと何かが降りてくる!!

しばらく眺めていました。  

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本当は、日が沈む方向には北アルプスがあるのです。雲が多くて北アルプスは見れませんでしたが、これはこれで、なかなか見れないおもしろい風景でした。

2016年は北アルプスに沈む夕日を眺めた

2年前に泊まったときは今回と逆で、初日のほうが雲がなく、クリアな夕日を見ることができました。

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右の方にちょん、と、尖った槍の穂先があるのが見えますでしょうか。 

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日が落ちた後も、空の青と夕日の赤さのグラデーションが、しばらくの間美しかったです。 

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赤岳天望荘から眺める日の出

天気予報どおり、夜9時ごろには雨が降り出しまして、屋根をたたきつける雨音に「本当に明日の朝までに止むのかしら」と心配になったのですが、日付が変わるころ目が覚めたときには、もう雨の音はしませんでした。

そして、朝は予報どおりの快晴!
少し霞がかかってはいますが、日の出を邪魔するような雲はなく、空が紫がかって本当にきれい。。。

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みんな、小屋の外に出てきて日の出を眺めていました。 

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しかも、この日は風もなくあまり寒くもなかったんですよ!
実は2年前泊まったときの早朝は「本当にこれから岩場を縦走できるのかな」と心配になる程度には風が強かったのですけど……。

どんどん赤みが強くなってきました。

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あ!昇ってきそう!! 

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ぽつんと現れた小さな光の点が、徐々に大きくなっていきます。 

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日の出です。 

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きれいだなあ……。 

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この時期の日の出は4時30分過ぎとけっこう早め。起きる前は「面倒だなあ」「今回はいいかな……」などと思っていたのですが、こんな美しいご来光を見ると「早起きして本当によかった」と思いました。 

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ちなみに、ご来光は赤岳天望荘の周辺のどこでもだいたい見れるのですが、私は小屋の橫岳寄りの場所で見ていました。 

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このへんで見ている人が一番多かったと思います。

赤岳寄りの、このあたりで見ている方も数人。 

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赤岳寄りで見るとこんな感じで、小屋が視界に入ります。 

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赤岳方向にちょっとだけ登ったところで見たら、人も少なくて障害物もなくて良さそうだな、と思ったんですが、朝ってそこまで元気が出ないんですよね……。 

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さて、時系列としてはこの後に朝食をいただき、身支度を整えて出発します!

2016年の日の出は少し雲多めだった

ちなみに、2年前の日の出の時間は少し雲多めでした。

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このときは、風が強く気温も低かったので、ギリギリまで談話室で様子を見ていました。「雲がかかってて見えないんじゃない?」と思っていたんですよね……。

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山の際に雲がかかっていたので少し時間はかかったのですが、最後には太陽が雲から顔を出してくれました。

朝食後、メインのザックを置いてまずは赤岳へ!

さて、今回はまだ赤岳に登っていないので「どうしようかなあ赤岳、何度も登っているし今回は飛ばしても良いのだけど……」とさんざん迷った挙げ句にやっぱり向かいました。
メインのザックは小屋の談話室に置かせてもらい、サブザックだけを持って朝6時過ぎに赤岳に向かいます。

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快晴です!

赤岳の頂上に立つ「赤岳頂上山荘」の姿が小さく見えます。赤岳天望荘から赤岳までは登り40分、下り20分という標準コースタイムなのですが、こうして見ると「本当にあそこまで40分で着くのかなあ」と思ってしまいます。

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ざれた岩場を登っていきます。滑りやすくてけっこう嫌な道です。。。 
「登った後すぐにここ下るのか……」とちょっと憂鬱になったりも。やっぱり昨日のうちに登っておいたほうが良かったですかね~。

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でも、徐々に頂上が近づいてくると元気が出ますね!荷物も軽いし。

赤岳頂上山荘に到着。ここまで来たら頂上に着いたも同然です。 

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小屋の影から山頂碑が見える近さですので。 

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頂上に先客は1人だけ。 

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しかも、私が山頂に着くと先にいた方はすぐにいなくなってしまいました。 

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というわけで、記念写真はなしで山頂碑のみ。

雲はないのですが、やはりぼんやりと霞んでいて、遠くの山は見えません。

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とは言え、日曜日だというのに山頂に1人きりというのはやはり良いですね~。この時期のこの時間だからこそですね。

今日はまだまだ歩かなければなので、あんまりのんびりもしていられません。元来た道を赤岳天望荘まで戻ります。 

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帰りは鎖を頼りにしつつ、降りていきます。 

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赤岳天望荘でザックを回収し、橫岳に向かいます! 

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昨日から背負ってきたザックなんですが、サブザックだけでしばらく歩いた後に背負うと「重いな」って思ってしまいますね・笑 

赤岳天望荘から橫岳・硫黄岳へ縦走

橫岳方向に向かいますよ! 

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まずは「日ノ岳」「鉾岳」へ向かいます。

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岩もよく乾いていて、滑りやすいということもありません。

歩き始めはなかなかエンジンがかかりにくいので、時折振り返って

「赤岳ってこうやってみると要塞みたいにそびえ立っているよなー。よくあんなところに登ったよなあ」

などと考えたり。 

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ハシゴがかかっているポイントもありますが、しっかりしたハシゴですし危ない感じはありません。 

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日ノ岳には平らな一枚岩に鎖がかかっているところがあり、このルート上の難所と言われています。山と高原地図にも「ルンゼ状の一枚岩」と記載がありますね。
ただ個人的には、無雪期の天気が良い日ならそこまで難所というほどのことはないかなと思っています。

特に今回の私のように赤岳から硫黄岳の方向に縦走する際は、一枚岩の鎖場は上りで通過することになりますので、鎖場に苦手意識がある方はこちらの方向で縦走したほうが良いかもしれません。

近くで撮った写真がなぜかなかったのですが……。
↓この写真の右のほうに小さく人が3人写っているところ、その下が日ノ岳の鎖場です。 

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積雪期だとこわいかもしれませんが、この季節なら大丈夫。
そして、鎖場を超えたあたりに、ツクモグサが待っているのです!! 

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もふもふ。かわいい……。

何枚か撮影したら、GoogleフォトさんがGifアニを作ってくれたので載せておきます。 

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風に揺れるもふもふ。

実際はこんな感じでたくさんあるのですが、もっとズームできるレンズを持ってくれば良かったです。 

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とりあえず、撮影できそうな場所にあるツクモグサを撮りまくります。

f:id:happydust:20180603081337j:plainそんなに足場が悪い場所に生えているツクモグサはなくて(見つけられなかっただけかも)ありがたいです。 

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私のカメラと腕で、しっかり撮影できたのは3箇所ぐらいでしたね。 

2016年に縦走したときのツクモグサ

2018年は5月の最後の週末に縦走しましたが、実は2年前はそれより1週早い週末に同じルートを歩いたのです。

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しかし、咲いているツクモグサは今回より多かったですね。

正確には「咲きかけ」ぐらいのものが多かった、というところかもしれませんが。

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ツクモグサは、日が当たらないと咲かないので、一度咲いても日が落ちるとまた閉じてしまうのだそうです。
だから、先を急ぐあまり早朝に通過してしまうと、咲いているツクモグサとは出会えないということになります……。

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2年前も今年も、おそらく「サクラスミレ」という花だと思うのですが、紫色の小さい花もあちこちで眺められましたね。

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すごい群生してるところもありました。 

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さて、ツクモグサが眺められるのは実は、日ノ岳から鉾岳のあたりのほんの短い区間だけです。 

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あとは岩場を含む登山道をどんどん歩いていきますよ!

ハシゴもある! 

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けどやっぱりしっかりしたハシゴで、場所的にもそんなに恐怖感を感じるようなところではありません。 

お!あのピークがおそらく橫岳の主峰「奥の院」でしょうか。 

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やっぱり! 

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やっぱり誰もいない……。

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山頂碑だけ撮って通過します。

この橫岳の先には「残雪期用のハシゴ」があり、けっこう長くて高いし、ややこわい感じの鎖なのですが、実は雪がない時期はハシゴを通らなくても道が近くにあります。
このハシゴです。ハシゴの奥に見える鎖がついている道が無雪期用の道なんですが……。 

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実は私、この道の存在に気づかずに、ハシゴを下りてから「あ、これが残雪期用のハシゴってやつ……」とわかりました。
硫黄岳側から来るとわかるんですが、赤岳側から来るとわかりにくい気がします。ハシゴでも下りれないことはないですが、橫岳山頂周辺で

「なんだこのハシゴ?」

と思ったときは、周りに道がないか探してみたほうが良いかも。まあ、私で下りれたぐらいだからハシゴでもなんとかなるとは思いますが。。。

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この後、少し鎖場がありまして、このあたりが最後の岩場らしい岩場ですね。

あとは、硫黄岳に向かってゆるやかな道を歩いていくことになります。 

硫黄岳山荘が見えてきました。 

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硫黄岳山荘あたりも携帯の電波はしっかりありますね。この小屋にもいつか泊まってみたいなあ。 

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そうか、初日に赤岳鉱泉から硫黄岳に登って、硫黄岳山荘に泊まって逆方向から縦走すれば良いのかも。いつかやろう……。 

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硫黄岳山頂に向かうゆるやかな登り。赤岳から2時間半ほど岩場を歩いてきているので、最後の登りがやや堪えます。 

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着きました!広い広い硫黄岳の山頂です。

硫黄岳から本沢温泉・しらびそ小屋を経由して稲子湯登山口へ下山

歩いてきた山々を眺めつつ、菓子パンと紅茶で軽い昼食をいただきます。

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爆裂火口を眺めたり。 

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硫黄岳の山頂碑。
やはり、夏に比べるとこの時期は人がまばらですね。 

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帰りの時間を考えるとあまりのんびりもしていられません。

ここからは冬にも歩いたことのある勝手知ったる道ですが、気を抜かずに歩いていきたいと思います。 

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写真だとかなりなだらかに見えますが、まあまあの急坂です。トレッキングポールを使って歩いていきます。 

少し下ると、夏沢峠に立つ2つの山小屋の屋根が見えました。

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ヒュッテ夏沢と山びこ荘です。まずはあそこまで降ります。

この迂回路の標識が見えたら、夏沢峠はもう間もなくです。 

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着きました。夏沢峠から振り返って、硫黄岳を眺めつつ少し休憩。

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夏沢峠には、山小屋が営業している夏の間はトイレも設置してあるのですが、この時期はまだ営業開始前のため、使用できませんでした。
夏沢峠からは、本沢温泉に向かって樹林帯を歩きます。

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倒木があったり、少し残雪もありましたが、まあ、普通に歩ける道です。

だんだん硫黄の香りがしてきて、赤土と白い砂が混ざっているようなポイントに出たら、本沢温泉はもう間もなく!

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小屋よりも先に、野天風呂に向かう分岐に出ます。 

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ここから5分ぐらいで本沢温泉です。

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本沢温泉は通年営業している小屋ですので、小屋は開いているはずなんですが、休憩している人もおらず、無人でした。
この時期の本沢温泉にはまだ泊まったことがないのですが、5月はまだ虫も少ないし、温泉も良さそうですね。

本沢温泉に以前泊まったときのレポートはこちらです。 

さて、今回は先を急ぎますよ。 

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樹林帯を少し歩くと「松原湖」方向と「みどり池」方向への分岐があるので「みどり池」を選びます。

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少しの間登山道が登りになり、やや道も荒れているので「ここまで来てまだ登るのか……」という気分になるのですが。。。

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間もなく、なだらかな下りに変わり、道幅も広くなります。

黒百合ヒュッテなどがある「中山峠」方向との合流点まで来ると、あと10分足らずでしらびそ小屋です。

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トロッコのレールが残るなだらかな道を歩いていきます。 

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着きました!みどり池です。 

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そして懐かしいしらびそ小屋です。 

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みどり池の向こうに見えるはずの天狗岳も、今日は霞がかってぼんやりとしていますね。空は晴れているのですが……。 

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時間に余裕があればしらびそ小屋でコーヒーでも飲んでいきたいところですが、今日はバスの時間までに余裕がないので先を急ぎます。

以前宿泊した際のレポートはこちらです↓

しらびそ小屋から稲子湯まで、何度も歩いた道を下っていきます。

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と思ったら……?
あれ、何か見慣れない看板がありますよ。 

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そして看板のある方向には入れないようテープが貼られています。私の記憶ではそっちが登山道なんだけどな……。

と思ったらなんと、森林整備のために旧登山道に迂回してください、とのこと。

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旧登山道ってあれですか!

私が登山を始めて間もないころに台風の影響で通れなくなってしまい、それからずっと新しい登山道が正規ルートとなっていたんですよね。 

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破線ルートが旧登山道です。

台風の影響で通れなくなってからずっと復活しなかったので「もう通れる日は来ないのかなあ……」と思っていたのですが、ここに来てあの道が歩けるとは、うれしい♪

では、疲れたけどはりきって旧登山道へ! 

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旧登山道は、トロッコのレールがところどころに残り、苔むした雰囲気のある道でした。 

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ずっと使われていなかった道だから、荒れていたら嫌だなあと思っていたのですけれどそんなこともなく、よく整備されています。 

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特に歩きにくい箇所もなく、ただ後半一箇所、沢の側を歩く道がありましたので、台風の後はこの辺りが通れなくなっていたのかな?と予想。 

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でも、この沢沿いのポイントを通過するともう、林道と言っても差し支えないような広い、整備された道が続いていました。 

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途中で新登山道と合流し、最後に橋を渡ったところで稲子湯のゲート。ゴールです! 

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お疲れさまでした。新緑が美しいです……。 

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赤岳天望荘に宿泊しての赤岳・橫岳・硫黄岳の縦走は2度目でしたが、小屋は快適だし天気にも恵まれて、大満足で山行を終えられました。

2年ぶりの宿泊だったのですが、小屋番さんに「もしかして、前も泊まったことあるよね?」と言われて驚きました。とは言えまだ2回目ですし、200人泊まれる大箱で覚えていてもらえたとは。。。なんか目立ってましたかね、私・笑

やはり、山小屋のリピーターってそんなに多くはないものなんでしょうか。

赤岳・橫岳・硫黄岳の縦走路は、そこまで危険な箇所はないと思うのですが、雨の後や早朝で凍っていたりすると危険度もあがりますし、すれ違いが難しい場所もいくつかあります。人が少ない時期の晴天の日だったからこそ、難易度がやや下がった部分もあると思いますので、岩場が苦手な方が初めて歩かれる際は、そのあたり留意したほうが良いのかなと思いました。

さて、美濃戸に下山せずに稲子湯登山口まで来たのはもちろん、炭酸泉の名湯、稲子湯に浸かりたいから。

この後はもちろん、稲子湯に向かいます!

*1:タイミングによるかもしれませんが