温泉ブログ 山と温泉のきろく

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群馬県 四万温泉 鹿覗キセキノ湯 つるや宿泊記

四万温泉 鹿覗キセキノ湯 つるや

四万温泉のつるや旅館は、積善館や落合通りなど旅館や店舗の集まっている地区から少し離れた「日向見」という地区にある、全室露天風呂付き・全14部屋の旅館です。

四万温泉は「日向見」「ゆずり葉」「新湯」「山口」「温泉口」という5つの地区に分かれているそうなのですが、つるやさんのある「日向見」地区が温泉の発祥の地となるんだそう。

つるや旅館以前は「鹿覗きの湯 鶴屋」という名前で、昭和40年に営業開始したそうなのですが、近年改装して「鹿覗キセキノ湯 つるや」という名前になり、全室露天風呂付きとなったようです。


画像:じゃらんnet提供

普段はそんなにいい宿に泊まることはないのですが、今回は誕生日!一応彼氏と行くのだし、部屋に温泉のお風呂がついてるところがいい!

ということで、露天風呂付きではあるものの、平日なら1人20000円(税抜)で泊まれるこちらの宿を、誕生日旅行の宿泊地として選びました。

四万温泉の中心街から徒歩20分、日向見薬師堂に隣接する宿

お昼過ぎに高速バスで四万温泉に着き、料理旅館くれないでうなぎの昼食をいただいた私たちは、酔いざましに宿まで歩くことにしました。

Googleマップによれば、徒歩24分とのこと。

けっこう離れているし、ほかに使える交通機関もないので、宿に連絡すれば確実に迎えに来てもらえるだろう、とは思ったのですが。。。まあ、天気も悪くなかったので。

ちなみに、宿に着いたら、玄関前を掃除していたスタッフの方に驚かれ「ご連絡いただければお迎えにあがりましたのに!」と言われました。そうだよねえ・笑

でも、20分歩いていく途中には足湯&飲泉所などもあり、途中には滝の見えるスポットもありました。
Googleマップ上にも記載のある「小泉ノ滝」でしょうか。

こんな感じに見えました。

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ズームで寄ってみるとこんな感じ。

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きっと、紅葉の時期なんかはものすごくきれいなんじゃないでしょうか。
新緑の時期も良さそうですねー。

鹿覗キセキノ湯 つるやは、もともとは宿坊だった

さて、寄り道しながら宿にたどり着くと、隣に「薬師堂」という神社と「薬王寺」というお寺があるようです。
チェックインしちゃうともう外に出なそうだから、先にお参りしておこう、ということに。

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薬師堂。歴史を感じさせるお堂です。

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四万温泉にはいくつもの源泉がありますが、発祥と言われるのは「薬師堂」の下から湧く源泉なんだそうです。こちらの源泉は、江戸時代が始まるよりも前から湧いていたとのこと。

そして、昭和初期頃、胸の病を患ったお坊さんが、東京新宿から薬師堂のお湯の噂を聞いて療養にやってきた。
お坊さんの病は1年ほどで見事治り、彼は感謝の気持ちを込めてここに寺を建立した。それが薬王寺。

そして、薬王寺の宿坊として昭和40年に誕生したのが、今回泊まるつるやさんというわけです。なるほどそれなら、神社とお寺がくっついている理由も、そしてその2つがやたらつるやさんの近くにあるのも納得です。

しかし、宿坊として誕生してから100年は経っていないのに、いまや「全室露天風呂付きの宿」になってしまうとは、なんだかすごい進歩というか、ちょっとびっくりですね。

さて、お参りを済ませた後はチェックイン!どんなお部屋とお風呂なんでしょうか?

【部屋】★★★★☆ コンパクトだけど部屋風呂もいいお湯♪部屋でのんびり漫画を読む至福の時間

今回泊まったのは、フロントに最も近い1階の「蛍」という部屋でした。
この宿の中ではリーズナブルかつシンプルな部屋で、八畳の和室に、露天風呂と洗面所やトイレがついています。

画像:じゃらんnet提供

襖の外に露天風呂が見えます。デッキにぞうりが2つ並べて置いてありました。

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洗い場もついていて、シャンプー・コンディショナー・ボディシャンプーも一揃い揃っていましたが、私は、ここでは寒くて髪を洗う気になれず、大浴場で洗いました。

 

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外気は感じられるものの、こんな感じで、ほぼすだれで覆われていまして、眺望などはないのですが。


画像:じゃらんnet提供

それでもやはり、部屋からすぐに入りにいける露天風呂があるのがいいんですよねー。

また、部屋には浴衣が1人2枚ずつ用意され、足袋ソックスや、大浴場に行くときに使えるカゴバッグなども用意してあり、至れり尽くせりでした。


画像:じゃらんnet提供

冷蔵庫には有料の飲み物が入っていましたが、買ってきたものを入れるスペースもあります。

あと、こちらの宿でいいなと思ったのは、部屋で漫画やDVDが楽しめること。
大浴場に向かう途中にライブラリーがあり、少女漫画から青年誌まで、さまざまなジャンルの漫画が置かれていて、部屋に持っていって読んでよいとのこと。うれしい♪
DVDプレイヤーも部屋にあり、借りて見ることができたらしいのですが、そちらの品揃えはチェックしないでしまいました。

せっかく2人で来たけど、お風呂入ってないときは、お互いに漫画を読んでいたという。。。

でも、最高にリラックスした時間が過ごせてよかったですw

【風呂】★★★★ 鹿覗きの湯は何度でも入りたいすばらしい貸切露天。大浴場の露天がお湯が抜かれていたのが残念

全室露天風呂付きの宿ではありますが、もちろん大浴場もあります。

15時から22時までは、「岩魚の湯」「山女魚の湯」という露天付きの大浴場をそれぞれ「男湯」「女湯」として使います。
この2つの浴室は22時30分から朝10時までは、空いていればいつでも入れる貸切風呂に変わります。
そしてこちらの宿の売りは、なんと言っても貸切露天の「鹿覗きの湯」なんですが、こちらは露天風呂のみで洗い場などはないのですが、チェックインからアウトまでずっと、空いていればいつでも入れる貸切露天風呂です。

のれんをくぐると湯上がり処です。


画像:じゃらんnet提供

マッサージチェアやベンチが置いてあるほか、メイクコーナーもあります。男女共用のスペースなのでここでがっつりメイクとかは気を遣う感じがしますが。。。
ちなみに、山女魚の湯、岩魚の湯の脱衣所にもちゃんと、洗面コーナーはあります。

山女魚の湯

浴室ですが、山女魚の湯はこんな感じ。


画像:じゃらんnet提供

内湯と、デッキに小さな円形の露天風呂がついているのですが、残念なことに、露天風呂は冬の間はお湯が抜いてありました。湯温がぬるくなってしまうんだそうです。。。

夏ならこんな感じの、円形の小さな露天風呂にも入れます。


画像:じゃらんnet提供

また、こちらの大浴場にはきちんと、シャンプーとコンディショナー、ボディシャンプーが設置されています。

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鹿覗きの湯にはシャワーも洗い場もないので、先に大浴場で体を洗っていったほうがよいかと思います。

鹿覗きの湯

さて、現在の宿名の由来にもなっている「鹿覗きの湯」へ。

先に利用している方がいないのを確認してからドアをしめて鍵をかけると、まずは外の階段を下ります。

 

階段を下りていくと、広く、眺めのいい、屋根付きの露天風呂が現れます。


画像:じゃらんnet提供

屋根付きなのに開放感があるという、すばらしい広さです。
雨でも入れるし、言うことないですねー。
このお湯が、部屋の露天風呂を合わせても一番すばらしかったです。

ちなみに、紅葉時期はこんな風に、露天風呂から紅葉が見えるようです。

画像:じゃらんnet提供

ちなみに、湯上がり処では無料で牛乳とコーヒー牛乳をいただけます。私は牛乳飲めないんですが、同行者はそのぶん2本飲んでました。。。

鹿覗きの湯がかなりすばらしかったので、深夜にでもまた入りに行きたい!と思っていたんですが、夕食時にお酒を飲んで、しかも部屋にもお風呂があるとなると億劫になってしまい、結局行かないでしまいました。残念。。。

でも、22時30分以降ずっと、空いていれば貸切というのは、全室露天風呂の宿ならではの贅沢なシステムで良いなと思いました。

【食事】★★★★ おいしかったけど「ここじゃなきゃ食べれない一品」は特にないかも

食事は、朝夕ともに部屋食でした。

夕食は、6時半か7時の選択だったので、7時にお願いしました。
最初、部屋の座椅子が、1人がテレビに背を向ける形になっていたので「テレビが見にくい」と言ったら、机の位置を動かして、2人ともテレビが見やすいようにセッティングしてくれてありがたかったです。(てか、2人で来てるのにテレビの位置を気にする私。。。)

お品書き。f:id:happydust:20161028024121j:plain

先付けのブロッコリーの豆乳豆腐。

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見た目よりは繊細な味wでおいしい。日本酒にあう。

ちなみに、なぜかお酒の写真を撮っていないのですが、私は日本酒、同行者は、web予約特典で1本ついてきた「四万温泉エール」という地ビールが気に入ったみたいで、2本目もそれを注文してました。

前菜盛り合わせ。

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グラスに入っていた「春草和え」がうれしい!
うるい、かき菜、のびる、こごみ!大好き1

お造り3皿。

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右手の赤いのが奥利根の紅葉鱒。

左のがこんにゃく。奥は岩魚の昆布締め。山の宿らしい3品。

煮物。

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五色蒸し。みぞれあんかけ。

鍋物。

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豚と鶏団子の鍋。けっこうボリューム有り。

焼き物。

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筍の迎春焼き。

たしかに、盛り付けが正月っぽい。

小さい蟹もそのまま食べれておいしい。あんずもおいしい。

洋皿。

f:id:happydust:20161028025123j:plain舌平目のポーピエットと川海老のフラン。

料理名からまったく味が想像つかないけど、普通においしかった。

最後はご飯と香の物。お椀。

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お椀は「おきりこみ」と呼ばれる、この地方の郷土料理で、ほうとうみたいな麺が入ってました。

デザート。。。の前にケーキが来ました!

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わーい!ありがとうございます!!大きさもほどよいw

あ、ケーキのほかにデザートも来ました。入るかな。。。

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なんか、デパートの食堂で出てきそうな懐かしい感じのデザートですね。おいしかったです。

朝食は、8時か8時30分から選択で、やはり部屋食で。

こんな感じの基本的な和食に

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湯豆腐がつきます。

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うん。何一つまずいものはないし、注文していただいた(と思われる)ケーキも、安っぽくなくておいしかった。

こうやって写真を見て思い返しても、どれもけっこうおいしかったように思うのだけど、でも、すごく印象に残る一品、というのがなかったのは少しだけ残念かも。

【再訪したい度】★★★★☆ 惜しい点もいくつかあるが、気軽に露天風呂付きの部屋を楽しめる良宿

こちらの宿、口コミサイトなどを見ると、絶賛している人と「ハードはいいのにソフトがちょっと……」と批判している人の真っ二つに分かれるようなのですが、宿の支配人のブログを読んでちょっと納得しました。

どういう事情があったのかはわかりませんが、東日本大震災の後、こちらの宿はいったん社員が誰もいなくなり、支配人も異業種から転職してきた方で、最も長く働いている社員の方でも3年半ぐらい。スタッフの平均年齢は20代という、ソフト面ではとても若い、新しい宿のようなんですね。

そのため、サービスについては未だ試行錯誤を重ねているところ、ということらしく……なんとなく、人によって評価に大きく差が出るのも納得なような気がしました。

でも、ハード面、特にお湯はとても良かったですし。

サービスも、個人的には若い人が一生懸命がんばってる感じで、そんなに悪い気はしなかったです。こちらの希望を、なるべく叶えてくれようという姿勢が感じられる方が多くて。

露天風呂付きの客室としては安いほうだとは思いますが、そうそう頻繁に来れる価格帯の宿ではないのですが、また来てみてもいいかな、とは思っています。