温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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山形県 朝日鉱泉ナチュラリストの家 宿泊記

朝日鉱泉ナチュラリストの家

2015年の夏、山形県の大朝日岳に登る際に前泊した、山の宿です。
予約は電話かFAXのみで、おそらく登山者以外が宿泊することはない宿だと思うのですが、Web上に宿泊時のレポートなどを見かけることがあまりないので、書いてみることにしました。

実は宿泊前、こちらの宿の「ナチュラリストの家」という家号に、ちょっと宗教めいた雰囲気を感じていたのですが、泊まってみたところまったくそんなことはなかったです。
雰囲気としては、山小屋と民宿の中間という感じでしょうか。
浴衣が有料だったり、タオルは持参しなければならなかったりするので、そのあたりも山小屋なら当然のことですけど、温泉旅館だと思ってやってきて、びっくりする人がいないようにあえてそういう名前にしているのかなあ、とも。

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営業期間は5月上旬~11月の第1週の季節営業となります。可能な限り予約すること、特に、宿で食事をする場合はできるだけ予約を!とのことです。(予約がない日は休業してしまうこともあるそう)

携帯電話はつながらない、登山シーズンのみ有料の送迎バスが利用できる秘境の宿

朝日鉱泉の前には駐車場があり(ただし、10台程度とのこと)、自家用車で行くことも可能ですが、公共交通機関利用の私は、夏の間だけ左沢(あてらざわ)駅と朝日鉱泉の間を走っている、夏山登山バスを利用しました。

夏山登山バスの運行期間は7月の海の日連休から、お盆明けぐらいまでの、1ヶ月間です。
運行時刻は、行きは左沢駅を13時発の、朝日鉱泉に14時20分着の1本のみ。
帰りは朝日鉱泉を7時30分発、左沢駅8時40分着と、朝日鉱泉を14時30分発、左沢駅15時50分着の2本です。
曜日の兼ね合いなどから運行期間は毎年微妙に変更されるようですが運行時刻については毎年変わらないようです。

詳細は、朝日鉱泉のホームページ内に、シーズンが近づくと掲載されます。
2018年の運行についても決定したようです。

7月14日の土曜日から、8月20日の月曜日までとのこと。また、9月と10月の連休ごろには、完全予約制の「秋季連休登山バス」も運行するようです。
東京方面からだと、朝8時台の新幹線に乗れば、13時に出る送迎バスに間に合うように左沢駅に着くことができます。
夏の送迎バスは、5名以上のグループ以外は予約は不要で、人数に合わせて増発してくれることになっています。
私が利用したのはお盆直前の土曜日だったので、バスも混み合うのではないかと思いましたが、1台のバスで間に合う人数でした。

左沢駅から1時間半近く車に揺られることになりますが、後半1時間ぐらいはまったく、携帯電話がつながりません。
山梨や長野の山の感覚でいると、林道を走っている間も携帯はつながるのかなと思ってしまいますが、市街地を抜けて山の中に入るとすぐに、携帯の電波はなくなりました。
メールやネット利用の予定がある方は、車に乗る前に済ませておいたほうがよいです。

また、林道は後半、けっこうな悪路で、ひやっとするぐらい揺れることもありましたので、車に酔いやすい人は酔い止めを飲むなどしておいたほうがいいと思います。

また、私は送迎バスを降りた瞬間に蚊にさされました。。。
朝日鉱泉はかなりの山奥で、虫もたくさんいますので、乗車前に虫除けスプレーなどしておいたほうがいいでしょう。 

【風呂】★★★ 鉄分を感じさせる鉱泉の湧かし湯。入浴できる時間は短め

宿の玄関付近に、男女別の内湯と、共同の洗面所があります。

朝日鉱泉ナチュラリストの家
公式サイトより

泉質は鉄分を感じさせる赤っぽいお湯で、冷鉱泉を湧かしたものです。
めちゃくちゃいいお湯!というわけでは正直ないのですが、シャワーも使えますし、ボディシャンプーとシャンプー・コンディショナーも設置されています。

朝日鉱泉ナチュラリストの家
公式サイトより

洗面所にはドライヤーも一つ置いてあり、登山後にすぐ、汗を流せるのは本当にありがたいです。

入浴できる時間は12時から20時まで。
朝は入ることができません。
また、7月中旬~8月、9~10月の連休時以外は、土日のみ入浴可能となるようです。
500円で日帰り入浴をすることができます。

私は、朝日鉱泉に前泊した後、1泊で朝日岳に登って、また朝日鉱泉に下山したのですが、下山時、12時半ごろに着いて日帰り入浴を申し込んだところ「今湧かしているのでもう少し待って」と言われました。
なので、入浴開始時刻はお客さんの入り具合を見ての、わりとフレキシブルなものなのかなと思います。

【食事】★★★★ 宿泊時の夕食・昼食営業共に工夫があっておいしい

夕食は、食堂で18時からの固定です。

朝日鉱泉ナチュラリストの家
公式サイトより

食堂はぴかぴかに磨き上げられていて清潔です。
山菜や岩魚など、山の幸をふんだんに使った料理がいただけます。

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見た目にも、山小屋の食事とは一線を画する感じで、大変おいしかったです。
飲み物も、別料金になりますが、生ビールや日本酒など、種類は多くないものの各種提供しています。

夏のハイシーズンの間は、生ビールもいただけます!
1杯600円ですが、立地を考えると安い気がします。

私は、テラスで生ビールをいただきました。

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晴れていれば、山と山の間に大朝日岳が見えるそうですが、この日はあいにく、ガスがかかっていました。

宿泊時はもちろん、朝食もいただけるのですが、私は早朝に出発したので、朝食をお弁当に変えていただきました。
また、昼食用のお弁当も注文可能とのことでしたが、朝食用も昼食用も、どちらもおにぎり弁当だそうです。

また、登山バスが運行する7月中旬から8月中旬の毎日と、それ以外の期間は土日祝日のみ、昼食&喫茶営業も行っています。

食事メニューは蕎麦で

手打ちざるそば    700円
山菜ざるそば    900円
夏季限定 夏野菜のごまだれぶっかけそば     900円
秋季限定 あたたかいキノコつけ汁そば    900円

などです。

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私は、下山後にざるそばをいただきましたが、大変おいしかったです!
やはり、基本はざるそばかなあと思って注文したのですが、ごまだれぶっかけそばも食べてみたかった。。。

昼食の提供時間は11時から15時まで。

喫茶は16時まで営業しています。

【部屋】★★★ グループ毎に個室利用できるが、同性の1人客同士は相部屋になることも多い

1階が食堂とお風呂、2階が宿泊する部屋になります。
ロッジ風の建物ですが、部屋はとても清潔でしたし、2階は廊下まで磨き上げられていました。
トイレも水洗で、とてもきれいです。

宿泊した四畳半の部屋はこんな感じでした。

朝日鉱泉ナチュラリストの家
公式サイトより

入室すると、洗濯された新しいシーツが置かれており、布団は自分の好きなタイミングで上げ下ろしします。

部屋に鍵は、内側からも外側からもかからないので、貴重品は常に身につけている必要があります。

1人泊の場合は相部屋になることもあると聞いていたのですが、幸いにもこの日は、1人で1部屋を使うことができました。
実は、チェックイン時に「女性1人のお客さんの予約が入っているので、その方と同室になる」という旨を伝えられていたのですが、予約の手違いで、女性のお客さんだと思っていた方は、男性1人のお客さんだったのです。

夕食までの時間帯、自室の畳の上で横になってうとうとしていたのですが、いつ同室の方が来るかと少々緊張してもいたのです。でも結局、来ませんでしたw
自室に電灯はつきます。コンセントはなかったです。

消灯時間は特に案内がなかったように思うのですが、夕食の際に
「羽蟻の群れが入ってきてしまうので、19時半から1時間は部屋の灯りを消して下さい」と言われ、言われたとおりに電灯を消したところ、そのまま寝てしまったので、定かではないです。

【再訪したい度】★★★★ また朝日岳に登る際には必ず泊まりたい宿

遠方から公共交通機関を利用して大朝日岳に登る私にような登山者にとっては、この朝日鉱泉の存在は本当に大きなものです。こちらの宿と送迎バスがなかったら、登山口にたどり着くまでの難易度が、何倍も上がってしまうでしょう。

また、1泊2食付き、入浴料込みで8,000円という宿泊金額も、おいしい食事や洗い立てのシーツに湧かしたての鉱泉といった提供サービスを考えると、お値打ちだと思います。

朝日岳もすばらしい山でしたし、また登る際はこちらの宿に前泊か後泊でお世話になりたいな~と思いました。
私は、朝日鉱泉で1泊し、朝日岳の避難小屋で1泊して翌日下山して帰りましたが、同じ日に朝日鉱泉に泊まった方の中には、朝日鉱泉で前泊して避難小屋に1泊し、下山後に朝日鉱泉でもう1泊するという方もいらっしゃいました。

たしかに、下山してすぐ帰るという日程だと、2日目は送迎バスの時間を気にしつつ下りなければならないので、日程に余裕があれば朝日鉱泉で前後泊するのもありだなと思います。
なお、その際は着替えなど登山に必要のない荷物は朝日鉱泉で預かってくれるほか、夕食のメニューも1日目とは変更してくださるそうです。